日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
研究期間 : 1998年 -2000年
代表者 : 山中 高光, 永井 隆哉, 大高 理, 吉朝 朗
スラブの沈み込みや,固体流動,マントルの物質移動など現象を理解するために,物質を取り巻く環境の変化に即応して地球内部物質が圧力や熱誘起により,構造相転移,分解,離溶,融解,結晶化など色々な構造変化の素過程,過渡現象や前駆現象X回折逐次測定を行うことを本研究の目的としている.地球内部の環境を加熱装置を内蔵したダイヤモンドアンビル加圧装置を用いて再現し,結晶構造変化の運動論を,応力と温度を関数にして,時間分割実験システムを開発した.そのシステムを用いて高圧力,応力場で主にケイ酸塩スピネル,ガーネット,ペロブスカイトなどの上部・下部マントル物質の高圧・応力場での非平衡過程の格子不安定性とカイネティクスの研究を開始した.
X線検出装置として精度の高いX線角度分散スペクトルが短時間で得られるImaging Plate(IP)検出器をX線回折装置に設置し高温高圧状態での回折実験装置を確立した.購入した理学電機製のRAXIS-IVの性能テスト(位置分解能,検出効率,ダイナミックレンジ,再現性等)を行ない当初目的の仕様を確認した.電気的に検出光子数が瞬時に記憶回路に転送システム,また回折強度データ整理と表示のソフト開発を行なってきた.研究室に既に存在する回転対陰極強力X線発生装置に設置したHUBER社製の四軸自動回折計にIP検出器を取り付け一体型の装置にした.微視的にはエネルギー・時間・空間の秩序度とそれらのゆらぎであり,その際準安定状態として,熱力学で定義される相が存在する場合と,準安定相が存在する場合がある.時間的には時間分割,時間変動で観察や測定ができる.高圧状態で,単結晶X線回折実験が可能になり,上記した色々な構造変化の逐次測定をし,それらの有機的な関係を調べ地球内部物質の変態の運動論を議論する.実験結果から固体流動の機構や遷移帯での地震波速度の異常について,物質科学的な知見が得られると思う.