高田 陽一郎 (タカダ ヨウイチロウ)

理学研究院 地球惑星科学部門 地球惑星ダイナミクス分野准教授

1993-2002 東京大学
2002-2006 日本学術振興会特別研究員PD (東京大学・北海道大学・コロラド大学・オックスフォード大学)
2006-2007 オックスフォード大学 博士研究員
2007-2009 北海道大学 博士研究員
2009-2010 海洋研究開発機構 研究員
2010-2015 京都大学防災研究所 助教
2015- 北海道大学大学院 准教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 東京大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究分野
  • 自然科学一般, 固体地球科学
■ 担当教育組織

研究活動情報

■ 受賞
  • 2024年10月, 日本測地学会, 日本測地学会坪井賞(団体賞)
    国内のSAR利用研究拡大への貢献
    PIXEL(PALSAR Interferometry Consortium to;Study our Evolving;surface) 古屋正人;青木陽介;小澤拓;田中明子;福島洋;安藤忍;高田陽一郎;奥山哲;木下陽平
  • 2021年05月, 日本火山学会, 日本火山学会論文賞
    Precursory ground deformation of the 2018 phreatic eruption on Iwo-Yama volcano, revealed by four-dimensional joint analysis of airborne and spaceborne InSAR.
    Shohei Narita;Taku Ozawa;Yosuke Aoki;Masanobu Shimada;Masato Furuya;Youichiro Takada;Makoto Murakami, 受賞対象論文:
    Shohei Narita, Taku Ozawa, Yosuke Aoki, Masanobu Shimada, Masato Furuya, Youichiro Takada, Makoto Murakami (2020) Precursory ground deformation of the 2018 phreatic eruption on Iwo-Yama volcano, revealed by four-dimensional joint analysis of airborne and spaceborne InSAR. Earth Planet Space, 72, 1, doi:10.1186/ s40623-020-01280-5., 国内学会・会議・シンポジウム等の賞
  • 2018年10月, 日本測地学会, 日本測地学会坪井賞(個人賞)
    InSARとGNSSによる東北地方太平洋沖地震前と後の内陸地殻変動様式の解明
    高田 陽一郎, 国内学会・会議・シンポジウム等の賞
  • 2012年, 日本活断層学会, 日本活断層学会論文賞
    2008年岩手・宮城内陸地震に伴い岩手県奥州市国見山南麓に出現した地震断層北端部の性状
    丸山 正;遠田 晋次;吉見 雅行;安藤 亮輔;高田 陽一郎;斎藤 英二;林 舟;小俣 雅志, 国内学会・会議・シンポジウム等の賞
■ 論文
■ その他活動・業績
  • PIXEL(PALSAR Interferometry Consortium to Study our Evolving Land surface)による国内のSAR利用研究の拡大
    古屋 正人; 青木 陽介; 小澤 拓; 田中 明子; 福島 洋; 安藤 忍; 高田 陽一郎; 奥山 哲; 木下 陽平, 測地学会誌, 71, 28, 33, 2025年10月11日, [査読有り], [招待有り]
    日本語, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
  • Correction to: Which is heterogeneous, stress or strength? An estimation from high-density seismic observations (Earth, Planets and Space, (2017), 69, 1, (144), 10.1186/s40623-017-0730-3)
    Yoshihisa Iio; Itaru Yoneda; Masayo Sawada; Tsutomu Miura; Hiroshi Katao; Yoichiro Takada; Kentaro Omura; Shigeki Horiuchi, Earth, Planets and Space, 70, 2018年12月01日
  • 山陰ひずみ集中帯における最近の地殻変動と測地・地震・地質学的ひずみ速度の比較
    西村 卓也; 高田陽一郎, 地球惑星科学関連連合2016年連合大会, 2016年05月
    日本語, 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
  • The San-in shear zone in southwest Japan revealed by the GEONET data
    西村 卓也; 高田陽一郎, 2015 AGU Fall Meeting, 2015年12月
    英語, 研究発表ペーパー・要旨(国際会議)
  • 国際測地学地球物理学連合2015年総会報告
    日置幸介; 飯沼卓史; 大坪俊通; 加藤照之; 高田陽一郎; 田中愛幸; 土井浩一郎; 西村卓也; 橋本 学; 福島登志夫; 福田洋一; 古屋正人; 松尾功二, 測地学会誌, 61, 173, 182, 2015年, [査読有り]
    日本語, 会議報告等
  • Report of the 2015 IUGG general assembly
    Kosuke Heki; Takeshi Iinuma; Toshimichi Otsubo; Teruyuki Kato; Youichiro Takada; Yoshiyuki Tanaka; Koichiro Doi; Takuya Nishimura; Manabu Hashimoto; Toshio Fukushima; Yoichi Fukuda; Masato Furuya; Koji Matsuo, Journal of the Geodetic Society of Japan, 61, 3, 173, 182, 2015年01月01日
    日本測地学会, 日本語
  • 地殻変動 巨大地震に伴う火山の沈降
    高田 陽一郎, JGL = 日本地球惑星科学連合ニュースレター : Japan geoscience letters, 10, 1, 8, 11, 2014年02月
    日本地球惑星科学連合, 日本語
  • ALOS-2による日本列島地殻変動マッピング:意義とチャレンジ
    橋本学; 福島洋; 高田陽一郎, ALOS2/3ワークショップ, 2012年12月12日
    日本語
  • 2011年4月11日いわき地震(Mw=6.6)のすべり分布インバージョン
    福島 洋; 高田陽一郎; 橋本 学, 日本測地学会第116回講演会, 2011年10月28日
    日本語
  • ALOS/PALSARで見た東日本大震災
    橋本学; 福島洋; 高田陽一郎, 自然災害学会, 2011年10月
    日本語
  • InSARによる誘発された内陸地殻変動の検出
    高田陽一郎; 福島洋; 橋本学, 地球惑星科学連合2011年大会, 2011年05月24日
    日本語
  • ALOS/PALSARで捕らえた世界の大地震:2010年
    橋本学; 福島洋; 高田陽一郎; 岡本淳一, 平成22年度京都大学防災研究所研究発表講演会, 2011年02月23日
    日本語
  • Locations and types of ruptures involved in the 2008 Sichuan earthquake inferred from SAR image matching (vol 36, L07302, 2009)
    Tomokazu Kobayashi; Youichiro Takada; Masato Furuya; Makoto Murakami, GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, 36, 2009年05月
    英語, その他
■ 講演・口頭発表等
  • 巨大地震に対する大規模カルデラの応答とレオロジー特性
    高田陽一郎
    SGEPSS Conductive Anomaly (CA) 研究会, 2026年03月18日, 日本語, 口頭発表(招待・特別)
    2026年03月17日 - 2026年03月18日, [招待講演]
  • Volcanic subsidence triggered by the 2011 Tohoku earthquake in Japan: Hot and weak material hypothesis
    European Geosciences Union General Assembly 2014, 2014年04月29日, European Geosciences Union, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • ヒマラヤ・チベット地域に関する地球物理学的観測量と数値モデル
    日本地質学会 第117年学術大会, 2010年09月19日, 日本地質学会, 日本語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Insights into earthquake generation and topographic evolution in and around the Kurikoma geothermal area, NE Japan.
    Western Pacific Geophysics Meeting (WPGM), 2010年06月23日, American Geophysical Union, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • A scenario of tectonic evolution in Taiwan: insight into the time development of the 3-D basement structure consistent with relative plate motion
    International Workshop on Tectonics of Plate Convergence Zones: Toward the Seamless Understandings from Earthquake cycles to Gemorphic Evolution, 2006年09月29日, University of Tokyo, 英語, 口頭発表(招待・特別)
■ 主な担当授業
  • 衛星測地学特論, 2024年, 修士課程, 理学院
  • 地球惑星科学実験Ⅳ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 固体地球惑星物理学, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 地球連続体力学, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 現代地球惑星科学概論2, 2024年, 学士課程, 理学部
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • InSARと超稠密GNSSを用いた大規模カルデラにおけるレオロジー構造の推定
    科学研究費助成事業
    2025年04月 - 2028年03月
    高田陽一郎
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者
  • 東北沖地震後の地殻変動・地震活動予測を目指した余効変動モデルの構築
    2023年04月 - 2027年03月
    武藤潤; 飯沼 卓史; 岡田 知己, 太田 雄策, 高田陽一郎
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東北大学, 研究分担者, 23K25958
  • 内陸地震における断層すべりと粘性流体の相互作用の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    高田 陽一郎
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 22K03770
  • 断層すべりの多様性は構造不均質により規定されるのか?
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2019年04月01日 - 2022年03月31日
    吉村 令慧; 小川 康雄; MORI JamesJiro; 高田 陽一郎
    すべりの多様性がみられる2つの断層(トルコ:北アナトリア断層帯Bolu-Geredeセグメント、日本:跡津川断層)において、その多様性に対応する比抵抗構造の不均質性がみられるか、見られたとして共通性があるか否かを明らかにすることが研究目的である。2019年度は、主に日本国内において跡津川断層周辺で稠密な広帯域電磁探査を実施した。43地点において、各7日~10日間器材を設置し電磁場データを連続で収録した。1か所を除き良質な記録が得られ時系列処理を進めている。観測効率を上げるために、電場磁場5成分を収録する観測点(23点)と電場2成分(20点)のみを収録する観測点に分けて実施した。また、本研究において導入した低コストの電磁場収録ロガーについて、動作確認を行い、既存機器と同程度な機能を有することを確認した。本研究では既存のデータも活用するが、既存データの整理も進めた。
    2020年度実施予定のトルコでの調査に備え、現地訪問を行い現地研究協力者との打合せを行い、実施時のロジスティクスならびに観測消耗品の事前準備を進めた。
    地殻変動については、北アナトリア断層Bolu-Geredeセグメントにおいて、ALOS-2のScanSARモードで撮像したSAR画像を用いて予備的なInSAR解析を行い、撮像時期が4年離れたペアの干渉性を調べた。また、現在の当該地域の地震活動を把握するために、現地訪問や遠隔打合せを活用し、トルコ国内研究者によって取得された既存のデータについての情報を収集した。追加の地震観測などの必要性について検討を進めた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 京都大学, 19H01992
  • 東日本の島弧地殻における非弾性変形マッピング
    科学研究費補助金(基盤B)
    2018年04月 - 2021年03月
    鷺谷威
    文部科学省, 競争的資金
  • 異なる測地技術を統合した非地震性地殻変動の検出
    科学研究費補助金(基盤C)
    2017年 - 2020年
    高田 陽一郎
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • 地殻ダイナミクスー東北沖地震後の内陸変動の統一的理解ー
    科学研究費補助金(新学術領域研究)
    2014年 - 2019年
    飯尾能久
    文部科学省, 競争的資金
  • 異なる時空間スケールにおける日本列島の変形場の解明
    科学研究費補助金(新学術領域研究)
    2014年 - 2019年
    鷺谷威
    文部科学省, 競争的資金
  • 新しい非線形インバージョン法:波形から2次元データまでの幅広い応用を目指して
    科学研究費助成事業
    2016年04月 - 2018年03月
    蓬田 清; 高田 陽一郎; 本多 亮
    波形の比較では、位相の周期性による任意性の困難が内在する。そこで、時間領域のWienerフィルタを介した指標を用いた新しい解析法を開発した。核・マントル境界での多重S波反射波を例とした短い記録長の場合、従来のスペクトル比に比べ、より安定した広帯域の推定が可能となった。また、水平2成分記録の相互相関を用いたS波スプリッティングの計測から地殻内での異方性の推定では、これまで十分な解像度がなかった時間差(異方性の強度)も方位と同様に、安定して精度よく求められることが示された。これらの結果は、地震波形記録に留まらず、2次元空間データも含めた広範囲な分野での多様な応用が可能である。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 16K13869
  • 宇宙測地技術による飛騨山脈周辺の地殻変動様式の解明
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2014年 - 2016年
    高田 陽一郎
    GNSSデータとInSAR時系列解析を組み合わせることで,飛騨山脈近傍の跡津川断層系において空間分解能の高い地震間地殻変動速度場を得た。これまでInSARによる地震間地殻変動の検出例は乾燥地域や変位速度の大きな断層クリープに限られていたが、我々は飛騨山脈のように地形が険しく植生も濃く、さらに積雪も多い劣悪な環境に適した手法を確立した。跡津川断層系を構成する活断層の中で最も変位勾配が大きいのは牛首断層近傍であることが分かった。本研究を通して、歪集中帯内部の空間的な不均質構造を検出することが可能となった。
    文部科学省, 基盤研究(C), 京都大学, 研究代表者, 競争的資金, 26400454
  • 内陸地震の断層直下はやわらかいのか?-ニュージーランド南島北部における稠密観測-
    科学研究費助成事業
    2011年04月 - 2015年03月
    飯尾 能久; 岡田 知己; 松本 聡; 大見 士朗; 深畑 幸俊; 高田 陽一郎; 山田 真澄; 小菅 正裕; 岡田 知己; 松本 聡
    ニュージーランド南島北部において稠密地震観測を行い、活断層の直下に、比抵抗構造と調和的な地震波速度の異常域を見出した。これは、内陸地震の断層直下の下部地殻が水のためにやわらかくなっているという内陸地震の発生過程のモデルを支持するものである。さらに、クライストチャーチ地震の余震観測を行い、詳細な余震分布と地殻構造が推定された。余震の深さ分布の特徴から、その断層の西端付近でひずみの集中が起こっていた可能性が示唆された。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 京都大学, 23253004
  • 巨大地震に伴う火山地帯の沈降メカニズム
    科学研究費補助金(若手研究(B))
    2012年 - 2013年
    高田 陽一郎
    差分干渉合成開口レーダー(InSAR)解析を行い、5つの火山地域(秋田駒、栗駒、蔵王、吾妻、那須)に東北地震に伴う局所的な沈降を確認した。これらの地域では地熱活動が活発であり、近傍にカルデラを伴うことも明らかになった。そこで、沈降域の地下に巨大かつ高温の深成岩体が存在し、それらが東北地震に伴う東西引張センスの応力変化によって局所的に変形したと考え、これによる地表変形を数値計算で調べた。液相の三軸不等楕円体の媒質が弾性体中に存在する場合を境界要素法で計算し、InSAR解析の結果を良く説明した。本年度はGEONETの30秒サンプリングデータを用いて沈降の時間スケールを調べ、沈降が1日以内でほぼ完了したことを明らかにした。この結果は地下水の移動が直接沈降を引き起こしたという説を否定する。以上の内容をNature Geoscience誌に発表した。この成果は新聞などによって広く報じられた。本年度は楕円体の中身をヤング率の低い弾性体に改良し、有限要素法を用いて計算を行い、InSAR解析の結果と整合的な沈降パターンを得た。沈降が効率的に引き起こされるためには、楕円体の長軸の向きが地震により引き起こされる引張応力の主軸と直交する必要がある。ヤング率が低い領域を球、楕円体、そして長軸を極限まで長くした二次元問題(断面は円形)と変えて計算を行い、楕円体の長軸が長いと2次元問題の解に漸近することを明らかにした。すなわち短軸が等しければ、楕円体は常に球より大きな地表沈降を引き起こすが、長軸をどんなに長くしても沈降量は一定値を越えない。2010年にチリで発生したマウレ地震でも火山の沈降が引き起こされたという報告に基き、この沈降をInSAR解析で再現し、東北地震による火山の沈降と比較した。結果をJournal of Disaster Researchに発表し、受理された。
    文部科学省, 若手研究(B), 京都大学, 研究代表者, 競争的資金, 24740305
  • InSARによる陸域プレート境界の変形様式の解明
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2009年
    古屋 正人; 高田 陽一郎
    陸域プレート境界やその周辺で発生した国内外の内陸地震に伴う地殻変動を,合成開口レーダー(SAR)で検出した.いずれの事例でも速報的に得られる震源情報からは予想出来ない意外な地殻変動シグナルが得られ,SARが無ければ見逃されていたであろう.アフガニスタンのチャマン断層では,マグニチュード5の地震の後に1年以上も余効滑りが続いた.1996年鬼首,2007年中越沖,2008年岩手宮城内陸,2008年于田(チベット),2008年〓川(四川省)のいずれの地震でも,一枚の矩形断層で滑り分布を考慮しても説明できない複雑な地殻変動が検出された.複数枚の断層面,傾きや走向の変化,面自体の屈曲といった形状の複雑性が内陸地震では普遍的に存在する可能性が示された.鬼首地震と中越沖地震では本震断層とは離れたところにも顕著な変動シグナルを検出し,非地震性の断層運動で説明した.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 19340123
  • 大陸衝突帯における大地形の形成:断層系の時間発展と侵食・堆積の相互作用
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2005年
    高田 陽一郎
    大陸衝突帯における大地形の形成は大陸プレート同士の収束運動に起因する。収束運動に伴うプレート間の力学的相互作用はプレート境界面での変位の食い違い運動(すべり)で合理的に表現される。このすべりに伴う地殻変動が大地形の成長に直接的に寄与している。一方、長い時間スケールでの侵食・堆積作用は地表荷重の変化を通じて地殻内応力場を変え、プレート境界断層系の形状をも変える。本研究の目的は侵食・堆積作用がこのフィードバックプロセスにどう影響して、地形形成過程をどう改変するのかを定量的に理解することである。
    本年は、米国コロラド大学でPeter Molnar教授と共同研究を行い、圧縮応力場において非線形成層構造媒質中に周期的不安定が発達する際に、侵食・堆積作用がどのような影響を与えるかを数値的に明らかにした。この研究は断層の発生に先立つせん断応力の蓄積が侵食・堆積作用から受ける影響を知る上で重要である。計算結果から、侵食・堆積作用は重力の効果を弱め、より長い波長の褶曲を発達させ、更にその発達速度を速めることが分かった。基盤層の実効粘性率が表層のそれより遥かに低い場合には、侵食・堆積作用の影響が非常に大きくなることも明らかになった。
    このモデルはスケールされているので、アセノスフェア、下部地殻、岩塩層等の低粘性層の存在下での様々なスケールの問題に適用できる。この成果はJournal of Geophysical Researchに投稿予定である。その後、英国Oxford大学において、進行中の褶曲発達過程や断層形状発達過程に関する豊富な衛星データを活用して、イランやチベットについてモデルの検証に取り組んだ。
    また、大陸衝突帯の中でもとりわけ断層運動に伴う隆起と侵食作用が活発な台湾島について、粘土モデルを用いて地下構造(断層形状)発達史を昨年度よりさらに詳細に研究し、成果をTectonicsに投稿した。
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 北海道大学, 03J09575
  • 大陸衝突帯における大地形の形成:プレート間相互作用と断層系の発達
    科学研究費助成事業
    2001年 - 2002年
    高田 陽一郎
    収束運動に伴うプレート間の力学的相互作用はプレート境界面での変位の食い違い運動で合理的に表現される。これまでの研究では変位の食い違いが生じる断層面の形状を固定して考えていたが、実際の断層は地質学的時間を経て変形するはずである。本研究では、断層面が自身のすべりや外部荷重の変化に伴いどのような形状変化及び分岐を生じるのか、そしてその結果、大陸衝突帯の大地形がどのように形成されるのかを明らかにする。
    今年度は昨年度の成果を土台として研究を開始し、分岐断層が主断層から分岐する点が時間とともに移動する効果をより現実的に考慮した数値計算を行った結果、昨年度に得られた成果が定性的には変わらないことをより確かな物とし、定量的な面ではこれを改良することができた。次に、媒質の破壊を伴う断層の形状進化を理解するために、プレート境界面浅部が定常的にすべり遅れた場合に定常的に蓄積する広域内部応力場を計算した。その結果、多くの大陸衝突帯に普遍的に見られる分岐断層群のパターンと調和的な応力蓄積速度場の計算結果を得た。
    さらに、ヒマラヤを含む一般的な大陸衝突型造山帯の地形形成過程の解明を一層進めるために、最も活発な大陸衝突帯の一つである台湾島の形成過程を粘土モデルを用いて研究した。このモデルにおいては特にプレート境界断層系の発達を合理的に取り入れることを重要な要素として取り扱った。その結果、地球物理学、測地学、地質学、地形学の諸観測量を合理的に説明する台湾島形成のシナリオを作り上げることに成功した。この成果を地球惑星科学関連合同大会、および西太平洋地球物理会議(Western Pacific Geophysics Meeting)で発表した。この成果を論文にとりまとめて国際誌に投稿する。
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 東京大学, 01J05949