市村 晃一 (イチムラ コウイチ)

工学研究院 応用物理学部門 量子物性工学分野教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 北海道大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 超伝導
  • スピン密度波
  • 電荷密度波
  • 有機導体
  • 走査トンネル顕微鏡
  • 低次元導体
  • トンネル分光
研究分野
  • 自然科学一般, 磁性、超伝導、強相関系
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2023年11月 - 現在
    北海道大学 大学院工学研究院 応用物理学部門, 教授
  • 2007年04月 - 2023年10月
    北海道大学 大学院工学研究院 応用物理学部門, 准教授
  • 1994年05月 - 2007年03月
    北海道大学 大学院理学研究科 物理学専攻, 助手
  • 1992年04月 - 1994年03月
    北海道大学 大学院理学研究科 物理学専攻, 日本学術振興会 特別研究員
学歴
  • 1993年, 北海道大学, 理学研究科, 物理学, 日本国
  • 1993年, 北海道大学, Graduate School, Division of Natural Science
  • 1988年, 北海道大学, 理学部, 物理学, 日本国
  • 1988年, 北海道大学, Faculty of Science

研究活動情報

■ 論文
■ その他活動・業績
■ 講演・口頭発表等
■ 主な担当授業
  • 応用物理学特別講義二, 2024年, 修士課程, 工学院
  • 極限系物理工学特論, 2024年, 修士課程, 工学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 応用物理学特別講義二, 2024年, 博士後期課程, 工学院
  • 極限系物理工学特論, 2024年, 博士後期課程, 工学院
  • 固体物理学Ⅱ, 2024年, 学士課程, 工学部
  • 物理学Ⅰ, 2024年, 学士課程, 全学教育
  • 量子技術と量子物性, 2024年, 学士課程, 工学部
  • 応用物理学実験法, 2024年, 学士課程, 工学部
■ 所属学協会
  • 日本物理学会
  • The Physical Society of Japan
■ Works(作品等)
  • カーボンナノチューブのSTM/STS
    1999年
  • STM/STS on Carbon Nanotubes
    1999年
  • Bi系酸化物の超伝導ギャップ
    1990年 - 1998年
  • Superconducting Gap in Bi-Based Oxides
    1990年 - 1998年
  • 有機超伝導体のSTM分光
    1996年
  • STM Spectroscopy on Organic Superconductors
    1996年
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • STM/STSによる有機超伝導体のモット境界における超伝導の微視的研究
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    市村 晃一; 黒澤 徹
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 22K03521
  • STM/STSによる有機超伝導体における電荷ゆらぎと超伝導の研究
    科学研究費助成事業
    2017年04月01日 - 2023年03月31日
    市村 晃一; 松浦 徹
    前年度に引き続き有機導体beta"-(BEDT-TTF)4[(H3O)Ga(C2O4)3]C6H5NOの単結晶を電解法で作製した。原料試薬の精製過程を増やすことにより試料を良質化を行った。得られた単結晶試料はX線回折により当該化合物であることを同定したうえで、電気抵抗と磁化率の温度依存性を測定し電子物性を評価した。
    超伝導相(超伝導転移温度Tc=7.5 K)を重点的に調べるために、主に1.3 Kでの走査トンネル分光(STS)測定を行い、測定データの良質化を図るとともに再現性の確認を目指した。信号検出系を改良しSTS測定時のノイズの低減を図った。これを用い超伝導相である1.3 KにおいてSTS測定を行った。前年度までと同様に、典型的なトンネルスペクトルは絶縁体的な1 eV程度のギャップ構造を示し、超伝導に特徴的な1 meV程度のギャップ構造の観測には至らなかった。ギャップの空間変化の系統性を調べるためにSTSマッピングを行った。これまでよりもトンネルスペクトルのノイズは低減され絶縁体的な1 eV程度のギャップの空間変化が示唆されたが、その周期の定量化までは至らなかった。さらなるデータの蓄積により、超伝導状態での電荷不均化が解明されるものと期待される。
    超伝導に電荷秩序と磁気秩序が関連するFeSe0.25Te0.75 (Tc=10.5 K)との比較という観点で議論を進めた。両者に共通することとして、超伝導状態において電荷秩序が形成されていることが見出されたが、超伝導と電荷秩序が協調的な関係なのか何らかの相分離による共存なのかという新たな課題が生じた。これを解明することで強相関電子系の超伝導における電荷ゆらぎの役割が明らかになり新たな超伝導発現機構に言及できるものと期待される。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 17K05526
  • 多重極限STMの開発と有機導体の電子相の研究
    科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)
    2012年 - 2012年
    市村 晃一
    低温・高圧下で動作する走査トンネル顕微鏡(STM)を開発した。これとあわせ強相関電子系のひとつである有機導体をSTM観察し、その電子状態について調べ、電子-電子相互作用のうちの長距離クーロン力の果たす役割について議論した。
    低温で電荷秩序状態を取りやすいalpha型のドナー配列を持つ3つの有機導体をSTM観察を行い、その共通の性質として、基底状態によらず高温で電荷不均化が生じるという新しい知見を得た。また、ストライプ構造をとる電荷不均化パターンはバンド構造の異方性により変化することを見出した。本研究で得られた知見は、強相関電子系の特徴のひとつである電荷秩序の発現機構の解明に寄与する。
    文部科学省, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 24654095
  • 高圧STMで探る分子性導体の多様な電子相
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2009年 - 2010年
    市村 晃一
    本研究は、高圧力下で動作する走査トンネル顕微鏡(STM)を新規に開発し、これを用いて分子性導体の基底状態を調べることを目的としている。1.高圧STMのための装置開発ヘリウムガスを用いてボンベ圧(~10MPa)から増圧し100MPaまで加圧可能なヘリウムガス圧発生装置を整備した。これに接続するSTM用圧力セルを新規に製作し室温で100MPaまでの加圧試験を行った。この高圧セル内に、小型のシェアピエゾによる粗動用アクチュエーターおよび探針走査用のチュープスキャナーなどからなるSTMヘッドを組み込み常圧下でのSTMの動作を確認した。2.分子性導体の単結晶試料作成分子性導体α-(BEDT-TTF)_2KHg(SCN)_4の低温での密度波状態に着目し、電解法を用いて、この試料の単結晶を作成した。原料試薬を再結晶精製することにより良質の単結晶が得られた。3.単結晶試料の常圧下での基底状態得られたα-(BEDT-TTF)_2KHg(SCN)_4単結晶試料の常圧下での電子物性を調べるために、電気抵抗率と磁化率の温度依存性を測定した。直流4端子法による電気抵抗率は、低温で緩やかな増大を示し、この試料の密度波転移温度が8Kであることがわかった。SQUID磁束計による磁化率測定では、サンプルホルダーを改良することにより1mg以下の微量試料の磁化率を精密に測定することができた。その結果、従来は高温側...
    文部科学省, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 21110501
  • 低次元分子性導体のSTMによる研究
    科学研究費補助金(特定領域研究)
    2006年 - 2007年
    野村 一成; 市村 晃一; 松永 悟明
    ドナー分子の中心にTCF骨格を持たないβ-(BDA-TTP)_2SbF6_(T_c=7.5K)の超伝導相においてSTMを用いたトンネル分光測定を行った。この系は近隣め物質の振る舞いからκ-(BEDT-TTF)_2X系と同様に電子相関が強い2次元電子系と考えられるが、β-型の構造を持つためκ-(BEDT-TTF>_2Xのようなモット絶縁体に隣接した超伝導ではないと考えられ、そのルカニズムに興味が持たれる。伝導面でのトンネルスペクトルはT_cよりも十分低温では、ゼロバイアス付近のコンダクタンスがほとんどゼロにまで減少する明確な超伝導ギャップ構造を示す。その関数系はκ-(BEDT-TTF)_2X系と同様にV-型を示しており、ラインノードを持った異方的超伝導であることを示している。一方、側面でのトンネルスペクトルは、面の角度に応じて比較的大きなギャップを持ったU-型から小さなギャップのV-型に角度πの間に2回変化することが明らかになった。トンネル遷移確率の方向依存性を考慮し軸近辺でギャップ最大となり、軸近辺でギャップ最大となり、a^*+c^* a^*-c^*方向近辺でノードを持つことが強く示唆される。上述の結晶系のため、純粋なd(x^2-y^2)波対称性ではな いかもしれないがd(x^2-y^2)波的対称性が実現していると結論される。このノードの方向はフェルミ面の部分ネスティングに...
    文部科学省, 特定領域研究, 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 18028002
  • 層状化合物ナノチューブの超伝導探針への応用
    2006年 - 2006年
    市村 晃一
    本研究は層状化合物超伝導体NbSe2ナノチューブを走査トンネル顕微鏡(STM)の探針として応用し、超伝導探針による高分解能STM/STSの実用化を目指す。本研究では、まず超伝導材料としてのNbSe2ナノチューブの物性評価を十分に行い、その後ハンドリング法を確立し、STMの探針化を目標にする。
    科学技術振興機構, 産学が連携した研究開発成果の展開/研究成果展開事業/地域事業/地域イノベーション創出総合支援事業/シーズ発掘試験, 7700009088
  • STM/STSによる層状ダイカルコゲナイドナノチューブの基底状態の研究
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2005年 - 2006年
    市村 晃一; 松永 悟明
    本研究では、層状化合物NbSe_2で構成されたナノチューブにおいてSTM/STSを行った。NbSe_2ナノチューブ試料は気相反応法により作成された。劈開したグラファイト(HOPG)上に、2-プロパノール溶媒中で超音波分散させたNbSe_2ナノチューブを滴下することによりSTM/STS測定用の試料を準備した。室温でのSTM像から、300-2000nm程度の長さのNbSe_2ナノチューブが観測された。そのほとんどは長さが600nm以上で直線状である。これらのナノチューブの径は2-50nmと見積もられた。このうち、径が10nm以下の細いものは単層NbSe2ナノチューブ、それ以上の太いナノチューブは多層であると考えられる。また、単層カーボンナノチューブではよく見られるバンドル構造がNbSe_2ナノチューブにおいても見出された。走査プロファイルからは、バンドルの径は50-100nm程度であり、径が約2nmの単層NbSe_2ナノチューブ数100本から構成されていることがわかった。さらに、1本の単層NbSe_2ナノチューブが2本に分岐した構造、いわゆるY-ジャンクションが見つかった。室温でのSTM測定ではNbSe_2ナノチューブの原子配列を確認するには至らなかったが、4.2K以下の低温において単層NbSe_2ナノチューブの鮮明なSTM像を得ることに成功した。この結果によりNbSe_2ナノチ...
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 17540308
  • 分子性導体における特異な低次元電子状態の研究
    科学研究費補助金(特定領域研究)
    2004年 - 2005年
    野村 一成; 市村 晃一; 松永 悟明
    圧力下で誘起される擬一次元有機導体(TMTTF)_2Brのスピン密度波(SDW)相において、圧力を詳細に変化させた非線形電気伝導の測定により、SDWのスライディングのダイナミクスを電子バンドの1次元性との関わりから調べた。いずれの圧力でもSDW転移温度T_以下の温度での電流電圧特性において、電場の増加とともにしきい電場E_Tを伴った鋭い伝導度の増大が観測され、ピン止めをはずしたSDWのスライディングが確認された。静止摩擦に相当するしきい電場E_Tの絶対値は低圧領域において、電子バンドの1次元性が小さい(TMTSF)_2PF_6に比べて相当大きいが、圧力を増加させると急速に減少した。E_Tの温度依存は試料によって多少異なるが、典型的な試料では0.3T_近傍の温度で鋭いピークを示し、低温では急激に減少した。これに対してスライディングの動摩擦によって与えられる余剰伝導度は、0.3T_で緩やかなディップを持ち低温で急激に増大した。一方別の試料では、しきい電場の温度変化に明確なピークは見られなかったが、0.3T_付近から急激に減少する振る舞いは共通に観測された。これに対して、余剰伝導度は試料によらずほぼ共通の振る舞いを示した。これらの結果より、SDWのスライディングに対して、静止摩擦と動摩擦は異なるメカニズムにより与えられていることが分かった。さ...
    文部科学省, 特定領域研究, 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 16038203
  • STM/STS on topological crystals
    2003年
    競争的資金
  • 部分重水素化BEDT-TTF塩のSTM分光
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    2000年 - 2001年
    市村 晃一
    本研究の目的は、有機超伝導体BEDT-TTF塩における走査トンネル顕微鏡(STM)を用いた電子トンネル分光測定により超伝導発現機構に関する知見を得ることである。ドナーの部分重水素置換による電子相関の系統的な変化に対する、超伝導および擬ギャップ状態の変化を明らかにすることを目指し、今年度は水素体(d[0,0])および、これよりも電子相関の強い部分重水素体(d[2,2])の(BEDT-TTF)_2Cu[N(CN)_2]BrにおいてSTM測定を行った。超伝導状態においては、水素体の(BEDT-TTF-d[0,0])_2Cu[N(CN)_2]Br (T_c=11.5K)と部分重水素化した(BEDT-TTF-d[2,2])_2Cu[N(CN)_2]Br (T_c=12.0K)の両者ともに明確な超伝導ギャップが観測された。トンネルコンダクタンスカーブの形状はd-波のギャップ対称性でよく説明された。数多くの測定を重ねデータを収集することにより、それぞれの塩でギャップパラメターΔを決定することができた。得られた値を以下に示す。Δ=2.1-3.9meV 2Δ/kT_c=4.3-7.9 for(BEDT-TTF-d[0,0])_2Cu[N(CN)_2]BrΔ=3.0-4.8meV 2Δ/kT_c=5.8-9.3 for(BEDT-TTF-d[2,2])_2Cu[N(CN)_2]Brこのことから、...
    文部科学省, 奨励研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 12740190
  • カーボンナノチューブのSTM/STS
    科学研究費補助金(特定領域研究(A))
    1999年 - 2000年
    野村 一成; 松永 悟明; 市村 晃一
    カーボンナノチューブのカイラリティーと電子状態の対応を明らかにするため、低温トンネル顕微鏡装置を用いてSTM像観察およびSTS測定を行なった。前年に引き続き低温でのSTM装置の安定動作化を行い、装置の測定ノイズを低減した。また、新たに導入したガス循環精製装置付き真空グローブボックスを用い、酸素および水分のない雰囲気下でナノチューブ試料を扱うことにより、試料表面の清浄化を行なった。金属触媒を用いたアーク放電法により作成された単層カーボンナノチューブ試料のSTM像測定を室温で行い、そのバンドル構造を観測した。また、プロファイルからこれらがおよそ1nmの単層カーボンナノチューブからなることを確認した。STM測定においてバンドルが確認された場所で77KでSTS測定を行い、1.3meV〜1.8meVの有限で平坦な電子状態密度をはさんでVan Hove Singularityの発散的ピークを示す金属ナノチューブの振る舞いを観測した。また、別の場所では0.4meV〜0.6meV程度のギャップを持つ半導体ナノチューブの振る舞いも観測した。これらは、同一のバンドルに属する別のナノチューブで観測されることから、1つのバンドルの中には異なるカイラリティーを持つナノチューブが存在することが明らかになった。さらに、金属ナノチューブのVan Hove Singularityは複数のピークに分裂することも...
    文部科学省, 特定領域研究(A), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 11165201
  • 擬一次元半導体のSTM分光
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1997年 - 1998年
    市村 晃一
    本研究は、走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて擬一次元導体のスピン密度波(SDW)および電荷密度波(CDW)相での電子状態を明らかにすることを目的としている。今年度は有機導体(TMTSF)_2PF_6の単結晶作成とSDW相におけるSTM分光測定を重点的に行った。擬一次元有機導体(TMTSF)_2PF_6の単結晶をH型結晶成長セルを用い電解法により作成した。低湿度雰囲気を保つことと、結晶成長の度合いに応じて流す電流量を制御することにより、10×2×0.1mm^3ほどの大きさの良質な単結晶が多数作成された。得られた単結晶試料に対しSTM分光測定を行ったところ、SDW転移温度T_=12K以下ではSDWにともなう明確なギャップ構造が観測された。トンネル微分コンダクタンスカーブの形は擬一次元導体に対する平均場理論から予測される状態密度スペクトルと一致することが分かった。一方、SDW転移温度以上においては、ギャップ構造は完全には消失せずゼロバイアス付近にくぼみを持つことが明らかになった。ゼロバイアスでのコンダクタンスは温度の上昇とともに増加し、40K以上ではコンダクタンスカーブは平坦となりノーマル金属相であることを示す。擬キャップ的振る舞いの原因としては、電子系の低次元性によるゆらぎの効果が考えられるがまだ明らかにはなっていない。電気抵抗、磁化率、比熱、NMR緩和率等の物理量と...
    文部科学省, 奨励研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 09740255
  • 高温超伝導体のSTM分光
    科学研究費補助金(重点領域研究)
    1996年 - 1996年
    市村 晃一; 松永 悟明; 野村 一成
    酸化物高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_8において、低温用走査型トンネル顕微鏡(STM)を用い4.2Kにおいてトンネル分光測定を行った。単結晶側面において測定を行い超伝導ギャップの面内異方性を直接的に調べ、ギャップの対称性を明らかにすることを目的とした。異なる2つの方向からトンネル探針をアプローチし、ノイズの少ないトンネル微分コンダクタンスが得られた。1.[110]方向(Cu-O-Cu結合方向から45°)でのトンネルゼロバイアス付近のコンダクタンスは十分に減少し、明確な超伝導ギャップ構造が観測された。そのコンダクタンスカーブは50nm程度の範囲内では場所によらず同一である。コンダクタンスの関数形は以前の測定とほぼ一致する。ギャップの大きさはΔ_=21meVと求まり、以前の結果(Δ_=25meV)より若干小さいが、これは試料依存性と考えられる。2.[100]方向(Cu-O-Cu結合方向)でのトンネル[110方向でのトンネルとは対照的に、ゼロバイアス付近のコンダクタンスは十分に減少せず、明確なギャップ構造は観測されなかった。方向によりトンネルスペクトルが変化することは、STM測定においてトンネル遷移確率の波数依存性が強いことと、超伝導ギャップが異方的であることを意味する。また、ゼロバイアス付近でコンダクタンスが増加するスペクトルもしばしば観測された。...
    文部科学省, 重点領域研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 08227201
  • 有機導体の熱電能測定
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1996年 - 1996年
    市村 晃一
    これまで詳細な熱電能の測定が行われていなかった、擬一次元有機導体において熱電能の温度依存性を調べることを目的とした。そして、熱電能という物理量がスピン密度波(SDW)の多相構造を明らかにする新たなプローブとなることを期待した。そこで、低温領域まで測定可能な熱電能測定クライオスタットを製作し、擬一次元有機導体TMTSF塩の熱電能の温度依存性の測定を試みた。1.熱電能測定システムの整備既に熱電能の温度依存性が知られている参照資料と、未知試料とで熱電対を形成し、その両端に適当な温度勾配を与えた際の起電力を計測し未知試料の熱電能を求めた。参照試料として鉛を用いた。クライオスタットは自作した。ガラス製ヘリウムデュワ-内に納められ、室温から4.2K、更に減圧により1.4Kまで連続的に降温可能である。未知試料として銅を用いて動作試験を行ったが、その熱電能の絶対値及び温度依存性は文献値とよい一致を示した。2.TMTSF塩の熱電能測定室温から1.4Kまでの温度領域で(TMTSF)_2ClO_4の熱電能を測定した。しかしながら、ノイズが大きく、再現性のあるデータは現在のところ得られていない。この原因は、参照試料の鉛と試料との接合部(熱電対の片端)にあると思われる。機械的接触により接合させているが、温度を変化させた際試料の熱収縮(膨張)等により接合が不安定になることが分かった。このため、圧電素子を...
    文部科学省, 奨励研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 08740258
  • トンネル顕微鏡による有機物超伝導体の研究
    科学研究費補助金(一般研究(B), 基盤研究(B))
    1995年 - 1996年
    野村 一成; 市村 晃一
    有機物超伝導体の電子状態を調べるため、トンネル顕微鏡(STM)装置の開発及びトンネル分光測定を行った。まず、STM装置に超電導磁石を組み込み、磁場下での測定を行えるようにする装置の作製を行った。また、この装置を用いて有機物超伝導体(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2の超伝導相においてトンネル分光測定を行った。装置の作製では、STMユニット部及び超伝導磁石を購入し、現有のSTM制御装置と組み合わせるとともに、トンネルユニット部の入る内挿の金属デュワ-を新たに作製した。これを用いて予備的な測定を行い、最高磁場7T、最低温度1.4KでのSTM測定が行えることを確認した。一方、有機物超伝導体(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2のトンネル分光測定を、単結晶試料の面の方向を変えながら行い、超伝導ギャップの波数空間における異方性を調べた。得られたトンネル微分コンダクタンスは明確な超伝導ギャップ構造を示すもののその関数形は面の方向に依存して変化した。このことは、STM分光測定においても、トンネル探針の方向の波数を持つ電子からの寄与を選択的に観測するためであると理解され、同時に(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2の超伝導ギャップは2次元面(b-c面)内において大きな異方性を持つことが明らかになった。トンネルスペクトルの角度依存の解析から、超伝導ギャップはフェルミ面の線上で消失...
    文部科学省, 一般研究(B), 基盤研究(B), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 07454074
  • 走査型トンネル顕微鏡による電荷密度波の並進運動の観測
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1995年 - 1995年
    市村 晃一
    本発明の目的は、低温用走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて擬一次元導体における電荷密度波(CDW)相の電子構造を明らかにすること、及び電荷密度波の並進運動を試料表面において直接観測することである。今年度は、STMを用いた電子トンネル分光測定を重点的に行い電荷密度波相での電子構造の詳細を明らかにすることをめざした。電解法で作成したK_<0.3>MoO_3(ブルーブロンズ)単結晶試料を用い、劈開面においてSTM測定を行った。トンネル電流の検出にロックインアンプに加えその前段に同調型アンプを用いることにより、ノイズは大幅に低減した。室温ではゼロバイアス付近のトンネル微分コンダクタンスは有限であり、金属相であることが示唆される。しかしながら、コンダクタンスカーブは通常の金属のように平坦ではなく、ゼロバイアスにくぼみを持つ構造が見られた。CDW転移温度(180K)以下の77Kでは、コンダクタンスはゼロバイアス付近でほとんどゼロにまで減少した。コンダクタンスカーブの形状はギャップ端のはっきりしないV字型をしており、従来金属の超伝導相で見られるようなBCS状態密度とは大きく異なっている。これは一次元系で揺らぎが大きいことに起因すると考えられる。今後はNbSe_3など他の擬一次元導体においてもSTM分光測定を行い、電子状態密度の形状と一次元性との関連について考察していきたい。また、コンダク...
    文部科学省, 奨励研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 07740273
  • カーボンナノチューブのSTM/STS
    競争的資金
  • 低次元導体のSTM分光
    競争的資金
  • STM/STS on Carbon Nantubes
    競争的資金
  • STM Spectroscopy on Low Dimensional Conductor
    競争的資金