伊藤 肇 (イトウ ハジメ)

工学研究院 応用化学部門 有機工業化学分野教授
総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(工学), 京都大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
研究者番号
  • 90282300
ORCID IDJ-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • メカノケミカル合成
  • 銅(I)触媒によるホウ素化
  • メカノクロミズム
  • 発光性金属錯体
  • 有機金属化合物
  • 有機金属
  • organometallics
研究分野
  • ものづくり技術(機械・電気電子・化学工学), 電子デバイス、電子機器
  • ライフサイエンス, 生物有機化学
  • ナノテク・材料, 構造有機化学、物理有機化学
  • ナノテク・材料, 有機合成化学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2010年10月 - 現在
    北海道大学大学院, 工学研究院応用化学部門教授, 教授
  • 2002年04月 - 2010年09月
    北海道大学大学院, 理学研究科化学専攻, 助教授
  • 2001年04月 - 2002年03月
    米国スクリプス研究所, 客員研究員
  • 1999年04月 - 2001年03月
    岡崎国立共同研究機構分子科学研究所, 助手
  • 1996年04月 - 1999年03月
    筑波大学, 化学系, 助手
学歴
  • 1996年03月, 京都大学大学院, 工学研究科, 博士課程 修了
  • 1991年03月, 京都大学, 工学部, 合成化学科 卒業
学内役職歴
  • 創成研究機構化学反応創成研究拠点副拠点長, 2018年10月23日 - 2024年12月31日
  • 総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点副拠点長, 2025年1月1日 - 2026年3月31日

研究活動情報

■ 受賞
  • 2015年, 永瀬財団, 長瀬研究振興賞
    伊藤 肇
  • 2014年, 日本化学会学術賞
    伊藤 肇
  • 2011年, 北海道大学研究総長賞
    伊藤 肇
  • 2008年, 有機合成化学奨励賞
    日本国
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
  • 錯体化学 基礎から応用まで (エキスパート応用化学テキストシリーズ)
    長谷川 靖哉; 伊藤 肇
    講談社, 2014年03月
■ 講演・口頭発表等
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in Newcastle University, 2024年03月28日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Mechanochemistry for efficient synthesis of organic and organometallic compounds
    Hajime Ito
    Lecture in Birmingham University, 2024年03月28日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • From Mechanochromism of Organometallic Crystals to Mechanochemical Organic Synthesis
    Hajime Ito
    BCA Spring Meeting 2024, 2024年03月26日, 英語
    [招待講演]
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in Nanjing University of Technology, 2024年03月02日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in Yangzhou University, 2024年03月02日, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in Lanzhou Institute of Chemical Physics, Chinese Academy of Sciences, 2024年03月01日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in Peking University, 2024年02月29日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in University of Science and Technology of China, 2024年02月28日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in Nanjing University, 2024年02月27日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in Chengdu Institute of Biology Chinese Academy of Sciences, 2024年02月26日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in University of Science and Technology of China, 2024年02月26日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Innovative Approaches to Mechanochemical Organic Synthesis: Our Recent Research
    Hajime Ito
    Lecture in Sichuan University, 2024年02月24日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Revolutionizing Organic Synthesis: Unlocking Efficiency with Mechanochemical Reactions
    Hajime Ito
    International Symposium on Catalysis and Fine Chemicals 2023, 2023年12月05日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Organic Synthesis through Piezoelectric Materials as Mechanoredox Catalysis
    Hajime Ito
    The 13th Asian Meeting on Ferroelectrics jointly with the 13th Asian Meeting on Electroceramics (AMF-13 & AMEC-13), 2023年11月15日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • From Mechanochromism Discovery to Advancements in Mechanochemical Organic Synthesis
    Hajime Ito
    116th CEMS Colloquium, 2023年10月25日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • メカノケミストリーの最近の発展とこれから
    伊藤 肇
    第13回CSJ化学フェスタ・メカノケミストリーの最前線~叩け!揺らせ!ちぎれ!~, 2023年10月19日, 英語, 口頭発表(基調)
    [招待講演]
  • Mechanochemical Organic Synthesis and Creation of Complex Organosilicon Compounds
    Hajime Ito
    List Research Platform Kickoff Symposium, 2023年10月10日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Mechanically Induced Structural Transformations in Luminescent Gold Complexes
    Hajime Ito
    26TH CONGRESS AND GENERAL ASSEMBLY OF THE INTERNATIONAL UNION OF CRYSTALLOGRAPHY, 2023年08月29日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Iterative Synthesis of Oligosilanes Using Methoxyphenyl- or Hydrogen-Substituted Silylboronates as Building Blocks: A General Synthetic Method for Complex Oligosilane
    伊藤 肇
    第8回けむすい論文対談, 2023年08月21日, 日本語, その他
    [招待講演]
  • Mechanochemical Synthesis of Organometallic Compounds
    Hajime Ito
    21st International Symposium on Organometallic Chemistry Directed Toward Organic Synthesis (OMCOS 21), 2023年07月25日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • メカノケミカル反応の設計と最適化: 有機合成の新たな地平
    Hajime Ito
    有機合成化学協会創立80周年記念国際シンポジウム, 2023年07月20日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • 発光性メカノクロミズムからメカノケミカル有機合成へ
    伊藤肇
    第55回有機金属若手の会夏の学校, 2023年07月04日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Developing mechanoredox catalysis as a green alternative to photoredox reactions
    Hajime Ito
    27th Annual Green Chemistry & Engineering Conference, 2023年06月12日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Exploring the Frontiers of Mechanochemistry: Innovative Strategies for Developing New Organic Reactions
    Hajime Ito
    Lecture in Strasbourg University, 2023年05月19日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • メカノケミカル有機合成の新展開
    伊藤 肇
    第72回高分子学会年次大会, 2023年05月19日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • Catalysis design for mechanochemical organic synthesis
    Hajime Ito
    The 2nd Newcastle Mechanochemistry Symposium (NMS-2), 2023年05月16日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • メカノケミカル有機合成の新展開と特徴
    伊藤 肇
    第132回触媒討論会, 2023年, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演]
  • 「銅触媒による有機ホウ素化合物の新合成法とメカノ応答性をもつ発光性金錯体の開発」
    伊藤 肇
    日本化学会第94春季年会, 2014年03月27日, 日本語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演], [国内会議]
  • Mechano-Triggered Single-Crystal-to-Single-Crystal Transformation of Gold(I) Isocyanide Complexes
    伊藤 肇
    The 12th Conference of the Asian Crystallographic Association (AsCA13), 2013年12月07日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演], [国際会議]
  • Luminescent Mechanochromism and Single-Crystal to Single-Crystal Phase Transformation of Gold(I) Isocyanide Complexes
    伊藤 肇
    2nd International Conference on Mechanoluminescence and Novel Structural Health Diagnosis (ML-2), 2013年11月10日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演], [国際会議]
  • 「発光性アリール金イソシアニド錯体:機械的刺激によって誘起される単結晶-単結晶相転移」
    伊藤 肇
    第22回有機結晶シンポジウム, 2013年10月30日, 日本語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演], [国内会議]
  • 「有機ホウ素化合物の新しい合成方法:銅触媒と塩基活性化剤」
    伊藤 肇
    第53回オーロラセミナー, 2013年07月21日, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
    [招待講演]
  • 「金イソシアニド錯体の結晶構造と発光特性:メカノ結晶工学への手がかり」
    伊藤 肇
    平成25年度 有機合成セミナー, 2013年07月13日, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
    [招待講演]
  • 「有機ホウ素化合物の新しい合成方法:ごく最近の知見」
    伊藤 肇
    平成25年度 前期(春季)有機合成化学講習会, 2013年06月19日, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
    [招待講演]
  • 「金イソシアニド錯体の結晶構造と発光特性:分子ドミノ」
    伊藤 肇
    分子研シンポジウム2013, 2013年05月31日, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
    [招待講演]
  • 「有機金(I)錯体における微小な機械的刺激をトリガーにした単結晶-単結晶相転移」
    伊藤 肇
    物講研談話会, 2013年05月13日, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
    [招待講演]
  • “Formal Nucleophilic Boryl Substitution of Alkyl- and Aryl Halides in the Presence of Copper(I) Catalyst or Base Promoter ”
    伊藤 肇
    UK/Japan Conference in Catalytic Asymmetric Synthesis, 2013年04月19日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演], [国際会議]
■ 主な担当授業
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 応用化学特別講義, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 超分子化学, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 分子化学A(有機金属化学), 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 実践的計算化学, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 有機化学特論, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 先端総合化学特論Ⅱ, 2024年, 博士後期課程, 総合化学院
  • 有機化学Ⅱ, 2024年, 学士課程, 工学部
  • 工学特別講義, 2024年, 学士課程, 工学部
■ 所属学協会
  • 2010年09月 - 現在
    高分子学会
  • 1999年04月 - 現在
    近畿化学協会
  • 1999年04月 - 現在
    有機合成化学協会
  • 1998年07月 - 現在
    アメリカ化学会
  • 1992年02月 - 現在
    日本化学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 官能化および不斉シリルボランを利用した非対称有機ケイ素化合物の精密合成
    科学研究費助成事業
    2022年04月 - 2026年03月
    伊藤 肇; 関 朋宏; 久保田 浩司; 陳 旻究; 高見澤 聡
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 22H00318
  • 化学反応で駆動する結晶性錯体分子触媒エンジンの開発
    科学研究費助成事業
    2022年06月 - 2025年03月
    伊藤 肇; 石山 竜生; 陳 旻究; 関 朋宏; 高見澤 聡
    日本学術振興会, 挑戦的研究(開拓), 北海道大学, 22K18333
  • レドックスメカノケミストリーによる固体有機合成化学
    戦略的創造研究推進事業
    2019年10月 - 2025年03月
    科学技術振興機構, 研究代表者
  • 非対称稠密反応空間による不斉ホウ素化
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2018年04月01日 - 2022年03月31日
    伊藤 肇; 関 朋宏; 前田 理; 百合野 大雅
    本研究の目的の一つは、計算化学を援用することで、光学活性銅(I)触媒の合理的設計を行い、ロンドン分散力などの弱い相互作用をコントロールし、最終的には未踏の研究領域である「非対称稠密型触媒」を開発することである。本年度では、以下の成果を得た。
    1. 末端アレンのホウ素化環化反応(Chem. Commun. 2018, 54, 4991):アルキルハライド部位を有するアレン基質に対して銅(I)触媒によるホウ素化を施すと、末端アレン選択的にホウ素化が進行し、生じるアルキル銅(I)中間体がアルキルハライド部位に環化反応下生成物が選択的に得られた。計算化学による反応機構解析を行った。
    2. 脱フッ素化ホウ素化による光学活性アリルホウ素化合物の合成法開発(Angew. Chem. Int. Ed. 2018, 57, 7196): CF3基をもつE-アルケンに対して、光学活性銅(I)触媒によるホウ素化を実施すると、対応する1,1-ジフルオロ光学活性アリルホウ素化合物を高収率かつ高エナンチオ選択性で得た。
    3. 量子化学計算主導デザインによる脂肪族末端アルケンの不斉ヒドロホウ素化(Nature Commun. 2018, 9, 2290): 実験結果をもとに遷移状態を計算・解析し触媒の設計原理を抽出、さらに実験を繰り返すことで高い選択性、活性をもつ触媒のデザインに成功した。今回開発した触媒は、C1対称性をもつ「非対称稠密型触媒」であり、これまでの配位子設計手法では到達し得ない、独自の構造を持つ。
    4. アシルボラン化合物の高効率合成法の開発(Angew. Chem. Int. Ed. 2019, Just Accepted):
    5. メカノケミストリーによるホウ素化反応の開発 (Nature Commun. 2019, 10, 111; Chem. Eur. J. 2019, 25, 4654)
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 18H03907
  • ドミノ型相転移ソフトクリスタルの機構解明と新機能創成
    科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    2017年06月30日 - 2022年03月31日
    伊藤 肇; 石山 竜生; 関 朋宏
    1. トリフェニルエテニル構造を持つアリール金イソシアニド錯体の結晶ジャンプ:独自の構造を持つトリフェニルエテニル金(4ークロロフェニルイソシアニド)錯体の合成を初めて行い、顕著な結晶ジャンプ現象を示すことを発見した。室温付近から-150℃まで温度を下げると結晶がジャンプする。単結晶X線構造解析と高速カメラなどによる解析を行い、分子レベルでのミクロな結晶構造変化と、マクロレベルでの結晶の形状変化の間での明確かつ異方的な相関を見出した。DSC測定および温度可変単結晶X線構造解析の結果から-50℃付近で相転移が起こっていることが明らかになった。温度変化に対する結晶の構造変化は異方的であり、ジャンプ時には結晶の表面に亀裂が入るが、これは構造が伸長するb軸と垂直の面に平行である。相転移時の結晶外形の伸長が、ジャンプする原因になっていると推察できた。
    2. メカノケミストリーによる固体クロスカップリングの開発:有機合成反応は一般に溶媒を用いて実施することが必要で、反応剤だけを直接反応に用いることはほとんどない。特に反応剤が構造的に安定な固体の場合は、構造変化や反応が起こりにくいため、有効な反応系は限られていた。我々は、ドミノ型結晶相転移やメカノクロミズムに関する研究から、有機結晶の構造がかなり緩やかで反応性に富む可能性があることを見出していた。クロスカップリングは非常に有効な有機合成の手法であるが、固体に適用された例はほぼない。ある種の添加剤を用いると、有機溶媒を用いずに、固体状態で進行するクロスカップリング反応が実施可能であることを見出した。
    3. 計算化学による結晶の安定性、発光及び相転移メカニズムの研究:分子動力学法によるドミノ型相転移挙動の解析と、QM/MM法による相転移前後における熱力学的な構造安定性、発光性の要因について検討を行った。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 17H06370
  • 新規求核的ホウ素化反応による含ホウ素有機材料の合成
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2015年04月01日 - 2017年03月31日
    伊藤 肇
    有機ホウ素化合物は、鈴木カップリングなどの反応の重要な出発物質であり、有機合成化学において欠かすことのできない反応中間体である。また、有機材料として重要な化合物である。本研究では、過去に開発したシリルボラン/塩基反応系を拡張し、反応機構の解明並びに、ヘテロ芳香族有機ホウ素化合物・官能基をもつ芳香族有機ホウ素化合物のシリルボラン/塩基反応系による合成、トリアリール型有機ホウ素化合物の合成法の開発に成功した。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 15K13633
  • 銅(I)触媒および塩基触媒を用いた高度に官能基化された有機ホウ素反応剤の合成
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2015年 - 2017年
    伊藤 肇
    この研究において、銅(I)触媒によるホウ素化と、塩基活性化剤によるホウ素化反応の研究を集中的に行い、アルキルハライド、アルケニルハライド、アリールハライド、アルキニルハライド、ケトン、アルデヒド、インドール誘導体、ピリジン誘導体、キノリン誘導体などに対するホウ素置換反応、ホウ素付加反応、環化ホウ素化反応、脱芳香族ホウ素化反応の開発に成功した。また、キラル触媒を用いることにより、それぞれの反応において光学活性有機金属ホウ素化合物を合成することに成功した。有機化合物の合成において重要な有機ホウ素化合物の画期的な合成方法を多数開発するという多大な成果を得た。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 15H03804
  • 有機金属結晶への微小刺激による自発的単結晶相転移現象の分子メカニズム解明
    科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)
    2014年 - 2014年
    伊藤 肇
    外部刺激に応答する金イソシアニド錯体の性質を調べるために、多様な構造を持つ金イソシアニド錯体を合成して詳細に調べた。その結果、微小な機械的刺激によって生じる新しい結晶相の方向は、もとの結晶相と関連性がなく、ランダムな方向で生じることがわかった。また、我々は、新たに四色の発光性メカノクロミズム特性(機械的刺激で色が変わる)をもつ化合物を発見した。さらに、光照射によって単結晶ー単結晶相転移が起こる金錯体を初めて発見し、その錯体が光照射によってジャンプする現象を発見した。
    文部科学省, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 26620053
  • 力学刺激応答材料の合理的機能デザイン
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2011年 - 2011年
    伊藤 肇
    文部科学省, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 23107501
  • 直接エナンチオ収束法を用いた光学活性化合物の合成
    科学研究費補助金(基盤研究(A))
    2011年 - 2011年
    伊藤 肇
    文部科学省, 基盤研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 23245019
  • 機械的刺激による発光スイッチングを利用したメカノ記録材料の研究
    科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)
    2010年 - 2010年
    伊藤 肇
    本研究では、機械的刺激によりUV照射下でのフォトルミネッセンスが変化する化合物「メカノクロミック化合物」の単結晶の表面に、AFMなどを用いて微小な機械的刺激を与え、極小のピット(機械的な加工痕)を作成し、その発光性の変化の検出が可能であるかを検証することを目的として研究をおこなった。研究の第一段階として、我々がすでに報告しているメカノクロミック化合物に加えて、よりこの目的に適した化合物の合成、開発を検討した。すなわち機械的刺激に敏感かつ、小領域での刺激であっても明瞭な判別が可能なスペクトル変化を与える化合物の合成を行った。新たな一般的合成法の検討の結果、塩化金イソシアニド錯体に対して、アリール有機金属(リチウム、マグネシウム、亜鉛)を反応させることで、さまざまなアリール金(I)イソシアニド錯体が合成可能であることが明らかになた。また、それらのメカノメカノクロミズム特性を調べたところ、オリジナル錯体で観察された青から黄色への発光色の変化だけではなく、緑からオレンジなどの変化を示す化合物をデザインできることが明らかになった。これらの発光性メカノクロミック化合物の単結晶に対しAFM装置のカンチレバーを利用して、ミクロンからナノサイズの書き込み(機械的刺激)を行い、微小ピットを作成し、蛍光顕微鏡によるその発光性の変化の観察、SEMによる観察、AFMによる表面の観察を行った。その結果、微小な機械的ピットの作成(20×20ナノメートル)が可能であることがわかった。サブミクロンサイズの比較的大きなピットでは、ピットにおける発光性の変化が観察できた。
    文部科学省, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 22655058
  • 光学活性ホウ素-銅活性種による有機ホウ素化合物の触媒的不斉合成
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2008年 - 2010年
    伊藤 肇
    不斉銅触媒を用いて光学活性ホウ素化合物を効率よく合成する方法を開発した。銅塩、不斉ホスフィン配位子からなる触媒系で、様々な基質を反応させると、対応する光学活性有機ホウ素化合物が高い効率で得られた。この新方法により、これまで不可能であった、光学活性シクロプロピルホウ素化合物、アリルホウ素化合物、ホモアリルホウ素化合物の触媒的不斉合成が可能になり、医薬中間体などの合成が容易となる。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 20350043
  • 多核金錯体による発光性ネットワーク構造の合成とトライボクロミズムの研究
    科学研究費補助金(特定領域研究)
    2008年 - 2009年
    伊藤 肇
    本研究では、金(I)-イソシアニド錯体が、顕著な発光性メカノクロミズム特性を有していることを明らかにした。この錯体は乳鉢中ですりつぶすなどの機械的刺激により、そのフォトルミネッセンスが大きく変化する上、発光性が変化した錯体を溶媒にさらすことで、容易にもとの発光状態へ戻すことが可能である。また、この現象のメカニズムについて考察を行った。今年度は、メカノクロミズム特性を持つ化合物を水中に分散してできる有機ナノ結晶が、単価結晶状態、溶液状態とは大きく異なる発光特性を有することを明らかにした。また、単結晶にたいして、AFMを用いて刺激を加えることにより、ミクロサイズのスクラッチが形成でき、さらにこのスクラッチ痕が発光性の変化として観察できることを明らかにした。この化合物は、こする前の状態では青色発光を示す微結晶であり、これにすりつぶすという機械的刺激を加えることにより、アモルファス状態へと変化する性質を持つ。青色発光を示す微結晶では、π-πスタッキングによる分子間相互作用が支配的であるが、アモルファス状態では、おそらく、金原子間同士の弱い結合が形成され、これを介した分子間相互作用が支配的になると考えられる。溶媒を加えると再結晶がおこり、熱力学的に安定なもとの青色発光を示す状態に戻る。この現象は、配位子に含まれるフッ素原子の小さい分子間力により、分子同士のずれが起こりやすくなり、機械的刺激による固体相の変化が誘起されやすくなっていることが一つの要因であると推測される。熱分析などの結果からは、この機械的刺激によってもとの状態より高いエネルギー状態のメタ安定状態が形成されていることが示唆された。
    文部科学省, 特定領域研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 20036003
  • 発光性メカノクロミックプローブの開発
    JST戦略的創造研究推進制度(個人研究型) (個人研究推進事業:さきがけ研究21‐PRESTO)
    2008年
    競争的資金
  • 多核金-イソシアニド錯体を用いた発光性ネットワーク構造の合成
    科学研究費補助金(特定領域研究)
    2007年 - 2007年
    伊藤 肇
    「発光性メカノクロミズム」とは、ある化合物に対して機械的刺激を与えたときに、その発光性が変化する性質のことである。このような性質を持つ化合物は、力学感知センサーや記録材料として幅広い応用が期待できる。しかし、この「発光性メカノクロミズム」特性をもつ化合物の合成例はごく限られていた。報告者は、金(I)錯体の多くが固体、室温でも強い発光性を示すことに着目して研究を行い、二核金(I)-イソシアニド錯体(I)が、この発光性メカノクロミズム特性を有していることを明らかにした。この錯体は乳鉢中ですりつぶすなどの機械的刺激により、そのフォトルミネッセンスが大きく変化する上、発光性が変化した錯体を溶媒にさらすことで、容易にもとの発光状態へ戻すことが可能である。また、吸収スペクトル、発光スペクトル測定および、エックス線構造解析、粉末X線回折(PXRD)、IRなどからこの現象のメカニズムを考察した。金(I)錯体では、金同士の弱い相互作用が形成される場合があり、その結果特徴的な発光性を示すことが知られている。この錯体の場合、機械的刺激で、金(I)原子間の相互作用が誘起されるものと考えられる。金(I)錯体の中でも、特にこの錯体がメカノクロミズムを示す理由については、今後詳細な研究が必要となるが、配位子に含まれるフッ素原子の小さい分子間力により、分子同士のずれが起こりやすくなり、機械的刺激による固体相の変化が誘起されやすくなっていることが一つの要因であると推測される。
    文部科学省, 特定領域研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 19027003
  • 光学活性金(I)錯体触媒を用いた脱水素シリル化による選択的合成法
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2006年 - 2007年
    伊藤 肇
    光学活性化合物の効率のよい合成は重要な課題である。加えて最近では、資源の有効利用や廃棄物の低減につながる新しい合成反応の重要性が高まっている。本研究では、光学活性金(1)錯体触媒を用いた脱水素シリル化による速度論的光学分割という新しい手法で、光学活性化合物を効率よく合成し、かつ廃棄物が少ない方法の開発を検討した。その結果、光学活性金錯体触媒を用いたアルコールのヒドロシランによる脱水素シリル化反応において、不斉誘起が起こることを初めて明らかにした。まず予備的実験として、Xantphosタイプの配位子を数種類合成し、金(1)錯体を作成してその触媒活性の比較を行った。次に、各種光学活性ホスフィン配位子を用いて速度論的光学分割を検討した。金属ヒドリドは、合成反応剤や、触媒反応中間体としてよく知られており、様々な金属に対応する金属ヒドリドが合成されている。しかし、この触媒反応の重要な反応中間体として予想されていた金ヒドリド錯体はこれまで合成、単離された例がなく、その構造や性質については長らく未知であった。この金錯体触媒による光学活性化合物の合成研究を進展させていく中で、この脱水素シリル化反応において、金-ヒドリド錯体が反応中間体として実際に生じることを見いだし、このNMRスペクトル観察、Mass spectrometry測定を行い、構造解析に成功した。本研究は、金錯体の不斉合成への利用という応用面と、これまでに未知の化学種であった金ヒドリド錯体の合成という二つの成果を得た。今後、この二つを組み合わせることにより、光学活性金ヒドリド錯体の合成と、これを利用して高い不斉収率を与える触媒反応の開発への足がかりが得られた。
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 18550088
  • 11族金属錯体を用いた新規触媒反応の設計と有機合成反応の探索
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2001年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信; 立岩 淳一
    本研究課題で今年度得られた成果を以下に示す。
    (1)11族金属が触媒として作用する新反応を見つけだし、有機合成的に実用的な反応を目指し,11族金属が関与する反応の反応機構を実験的かつ理論的に明確にし、さらなる新反応開発のための知見を得た。
    (2)銅(I)塩錯体と13,14族化合物などとの組み合わせによる新規反応の開発した。
    極く最近、銅(I)塩錯体と有機ケイ素化合物が極性溶媒中でスムーズにメタセシス反応が進行することを見つけ、本反応の一般性を確立し、さらに、有機ケイ素と同じ14族元素であるスズ、ゲルマニウムなどの他の有機金属化合物との反応性を調べ、新しい合成反応を見つけ、速報としてその一部を速報として報告した。その際、新規銅(I)塩錯体を合成、検討することで各反応に対して最適な触媒の開発を行った。また同様に有機スズ化合物、有機ホウ素化合物などの13,15族元素を含む化合物についても研究を行った。
    (3)銅触媒を用いる金属-金属結合間のメタセシス反応および金(I)錯体と13族及び14族化合物との反応探索と金(I)塩錯体を触媒とする新規有機合成反応の開発した。
    銅(I)塩を触媒とした金属-金属結合の生成反応を開発する。銅(I)触媒の特異な反応性を利用して、ケイ素-水素結合間の組み替え、ケイ素-スズ結合間の組み替えなど、合成法として有用と思われる新規触媒反応の発見を目指した。さらにメタセシス反応を利用したケイ素、スズなどを含む有機金属ポリマーの新規合成法を見つける。さらに、金(I)錯体は銅(I)錯体と同様に一価と三価のredoxサイクルを有しているので、金(I)錯体においても13,14族有機金属化合物との反応を調べ、新しい合成反応を見つけた。
    (4)非局在電子系を有する有機分子の新規合成法の開発した。
    新たに見つけたケイ素-銅交換反応によるカップリング反応と、従来のPd触媒を用いるStilleカップリング等との基質選択性の違いを組み合わせて利用することで、非局在電子系を有する有機分子の「オルソゴナル合成法」を確立し、おもに非局在電子系をもつ芳香環やヘテロ環からなる有機分子の簡便かつ効率の良い合成手法を見つけた。
    日本学術振興会, 萌芽的研究, 筑波大学, 12875174
  • 11族金属を利用した新触媒反応の計算化学および実験化学的探索
    科学研究費補助金(特定領域研究(A))
    2000年 - 2001年
    伊藤 肇; 永田 央; 永田 央; 伊藤 肇
    後周期遷移金属化合物を触媒とする反応は、有機合成化学的に非常に有用であり、これまで多くの実験的研究が行われている。また、その反応機構を知ることは、触媒反応の設計上重要なことから、計算科学的な研究も非常に盛んである。われわれは、最近、11族金属を触媒とする有機合成反応を新たに開発し、成果を上げている。その一連の研究の中で、金(I)錯体を用いたヒドロシリル化反応を発見した。金(I)錯体は、後周期遷移金属からなる錯体でありながら、有機合成反応の触媒として使われた例は非常に少なかった。最近、われわれが発見した例を含めて、金錯体触媒が、有用な触媒として働くこと例が報告されている。しかしこれまで、金錯体を用いた触媒反応を計算化学的に考察した例はない。われわれは、自分たちが発見した金(I)錯体の触媒反応の計算化学的研究を行い、その結果、金(I)錯体を用いる触媒反応に対する有益な知見を得た。金ヒドリド錯体、アルデヒド、ヒドロシランの出発系から比較して遷移状態Aの活性化エネルギーは+15.8kcal/molであった。この付加反応のあと、金アルコキシド錯体が形成されるが、その生成エネルギーは原系に対して26.1kcal/mol安定である。次の金アルコキシド錯体とヒドロシランの反応の遷移状態Bは原系に対して-16.5kcal/mol安定であり、反応前の金アルコキシド錯体とヒドロシランからの活性化エネルギーは+9.6kcal/molとなる。この反応の結果、原料であるアルデヒドがヒドロシリル化されたシリルエーテルが生成し、同時に触媒活性種である金ヒドリド錯体が再生し触媒サイクルが一巡する。この触媒1サイクルに伴う全生成エネルギーは50.1kcal/molである。これまで実験的な研究例が少なかった金(I)錯体の触媒反応について、始めて計算化学的な考察を行った。金(I)錯体を用いた触媒反応の研究はようやく始まったばかりであり、今回の反応も含めて、反応機構の研究は少ない。触媒反応に関する過去の蓄積が金(I)錯体ではあまりなく、また他の反応に参考を求めることができない今回のような反応では、金(I)錯体が、この反応の途中でどのような中間体・遷移状態をとり、どのようなエネルギー変化を取りながら触媒サイクルが進行するかは、計算化学の方法を用いることで始めてわかることであった。今回得られた成果は、さらに高度な反応の設計に役に立つことが予想できる。
    文部科学省, 特定領域研究(A), 岡崎国立共同研究機構, 研究代表者, 競争的資金, 12042284
  • 反応活性種を機軸とする高選択的合成反応の開拓と実用的かつ汎用的反応剤の開発
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2001年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信; 富永 義則; 立岩 淳一
    本研究課題で得られた成果を以下に示す。本研究では有機金属化学における新分野の研究の一環として、高反応性有機金属化合物の合成化学への応用や医薬品の開発を目的とする創薬化学への応用を目指して合成等価体として機能する有機典型および遷移金属化合物の分子設計やそれらを用いる新規反応活性種の生成と反応、さらにはヘテロ集合成への応用研究を行った。
    (1)Tailor-made1,3-双極子反応剤の新規生成と高選択的有機合成に関する研究
    生成法が全くなく、確立が望まれていた不安定化学種である非安定化1,3-双極子反応剤を安定な有機ケイ素化合物として設計合成し、これらの反応性を解明し、基礎化学の発展を図るとともに、新規1,3-脱離反応の発見と合成化学への展開を図った。
    a)Tailor-made新規1,3-双極子反応剤の創製と親双極子反応剤と[3+2]環化付加反応。
    b)構造式(M=Si, Ge, Sn ; X=O, NR, S)で表わされる化合物を用いてヘテロ親双極子反応剤との反応を行い、新しい環化反応を一部達成した。また、これまで知られていない任意の置換基を持つ新しい1,3-双極子反応剤を設計し、例えば母体のカルボニルイリドおよび任意置換基を持つカルボニルイリドの創製とその化学の展開を行った.
    C)希土類金属および関連金属カルベノイドの新規生成と多様なカルボニルイリドの新規発生とその合成化学研究を行った。
    2)反応性高配位有機ケイ素、マンガン、クロム化合物の創製と高選択的有機合成に関する研究。
    高配位遷移金属化合物を用いる還元的メタル化反応を達成するための基礎的研究を行った。さらにアリルアニオン、ヒドリドイオンなど高反応性活性種の等価体として高配位ケイ素化合物を合成に一部成功した。例えば、アルコキシシラン(マンガン)/ジオール系を用いる高反応性高配位ケイ素、マンガン反応剤の創製とその反応の高次制御を行った。更に、鉄アート錯体を利用する新輝合成反応をあきらかにした。研究成果の一部は速報として発表した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 筑波大学, 11554029
  • 11族金属錯体を用いた新規触媒的有機合成反応の開発とその理論的研究
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1999年 - 2000年
    伊藤 肇
    後周期遷移金属化合物と有機ケイ素化合物との組み合わせにより,これまで多くの有用な有機合成反応が開発されている。例えば,ヒドロシランなどの有機ケイ素化合物は8,9,10族などの後周期遷移金属化合物に対する反応が知られており,これを利用してヒドロシリル化などの触媒的合成反応が数多く開発されてきた。しかし,銅(I)塩などの11族金属化合物と有機ケイ素化合物の反応例は少なく,これらを触媒とする合成反応の研究も限られていた。我々は最近、ヒドロシランやジシランのような有機ケイ素化合物を用い、銅(I)塩を触媒とする有用な合成反応を見いだした。さらに、銅(I)塩触媒による、有機ホウ素化合物を用いた触媒反応の開発もおこなった。また,同じ11族金属化合物である金(I)錯体を用いた触媒反応の開発にも成功し,これまで極めて例の少なかった金(I)錯体による触媒反応の新しい設計指針が得られた。Si-Si結合を持つ化合物と銅(I)塩との反応:銅(I)塩によりジシランが切断されることを初めて発見し、銅(I)塩触媒を用いたジシランによるα,β-エノンの共役シリル化反応を開発した。類似の反応は、過去にPd,Ni触媒でも報告されているが、銅(I)触媒を用いたこの反応は、ジシランに対する反応活性がより高く、合成反応としての一般性に優れている。(b)Si-H結合を持つ化合物と銅(I)塩の反応:ヒドロシランと銅(I)塩がDMI中で反応することを初めて明らかにした。さらにこれを利用してα,β-不飽和カルボニル化合物の選択的1,4-還元反応を開発した。
    文部科学省, 奨励研究(A), 筑波大学->岡崎国立共同研究機構, 研究代表者, 競争的資金, 11750732
  • 高反応性かつ多機能性有機金属化合物の合成と新規有機合成反応への応用
    科学研究費助成事業
    1998年 - 2000年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信; 立岩 淳一
    本研究課題で平成10年度から平成12年度の間に得られた成果を以下に示す。
    (1)Tailor-made1,3-双極子反応剤の新規生成と高選択的有機合成に関する研究
    生成法が全くなく、確立が望まれていた不安定化学種である非安定化1,3-双極子反応剤を安定な有機ケイ素化合物として設計合成し、これらの反応性を解明し、基礎化学の発展を図るとともに、新規1,3-脱離反応の発見と合成化学への展開を図った。
    a)Tailor-made新規1,3-双極子反応剤の創製と親双極子反応剤と[3+2]環化付加反応。
    b)構造式(M=Si,Ge,Sn;X=O,NR,S)で表わされる化合物を用いてヘテロ親双極子反応剤との反応を行い、新しい環化反応を一部達成した。また、これまで知られていない任意の置換基を持つ新しい1,3-双極子反応剤を設計し、例えば母体のカルボニルイリドおよび任意置換基を持つカルボニルイリドの創製とその化学の展開を行った。
    c)希土類金属および関連金属カルベノイドの新規生成と多様なカルボニルイリドの新規発生とその合成化学研究を行った。
    (2)反応性高配位有機ケイ素、マンガン、クロム化合物の創製と高選択的有機合成に関する研究。
    高配位遷移金属化合物を用いる還元的メタル化反応を達成するための基礎的研究を行った。さらにアリルアニオン、ヒドリドイオンなど高反応性活性種の等価体として高配位ケイ素化合物を合成に一部成功した。例えば、アルコキシシラン(マンガン)/ジオール系を用いる高反応性高配位ケイ素、マンガン反応剤の創製とその反応の高次制御を行った。更に、鉄アート錯体を利用する新輝合成反応をあきらかにした。研究成果の一部は速報として発表した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 筑波大学, 10450334
  • 高配位遷移金属化合物の新規生成と関連化合物を用いる新反応の開発
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1999年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信; 立岩 淳一
    本研究課題で前年度に引き続き、今年度得られた成果を以下に示す。
    (1)サマリウム外希土類金属カルベノイドの新規生成と反応性の解明および新規1,3-脱離反応による非安定化Tailor-madeカルボニルイリドとその関連活性種の生成と反応に関する研究を行った。
    既知の方法で生成するカルボニルイリドは構造を安定化する置換基や官能基を有するものに限られており、これらの反応性には電荷が分離した性質が強く反応してくる。真のカルボニルイリドの性質を知るために下式に示した1,3-脱離反応によるカルボニルイリドの生成法は有力な手段となる。母体のカルボニルイリドを始め、任意の置換基を有するカルボニルイリドの生成法を明かにした。これらの反応性の全容を解明することも可能となる。金属によっては"1,3-dipolaroide"としてカルボニルイリドの反応性を制御できる可能性もあるため、用いる金属と生成するカルボニルイリドの反応性の関係についてもかなりの研究成果を得た。
    (2)アリルスタニル化やアリルシリル化などラジカル反応を用いる立体選択的な新規萌芽的研究を行った。
    (3)ビニルシランの新規酸触媒環化反応と含酸素環状化合物の高立体選択的合成反応を開発した。
    (4)高配位マンガンおよびクロム化合物の反応性の解明と新規高配位マンガン、クロム他反応剤の創製と合成に関する研究を行った。
    (a)高配位マンガン、クロム中間体(M=Mn,Cr)を得、その構造と反応性の関係を明らかにする努力を行った。
    (b)高反応性高配位鉄、マンガン、クロム反応剤の創製とその反応の高次制御を行った。アリルアニオン、ヒドリドイオン、ビニルアニオンなど高反応性活性種の等価体として高配位遷移金属化合物を設計合成した。
    (c)有機クロムアート化合物を用いる還元的メタル化反応を達成した。
    (d)有機クロムおよび関連アート反応剤による不斉還元、アルキル反応およびジアステレオ選択的反応を見つけた。
    また、中心金属(M=Mn Cr,Fe)、配位子、反応系の効果を検討した。さらに新しい還元剤の開発を目指した。
    日本学術振興会, 萌芽的研究, 筑波大学, 10874106
  • 低原子価金属塩を用いる有機ケイ素化合物の活性化と反応
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1997年 - 1998年
    伊藤 肇
    1. シリルエノールエーテルの銅(I)塩による選択的アシル化:ケイ素・銅交換反応がシリルエノールエーテル上でも進行することを利用して,シリルエノールエーテルの銅(I)塩による選択的O-アシル化を行ったところ,広範な基質に対して良好な収率で目的物が得られた.2. 銅(I)触媒によるα,β一不飽和力ルボニル化合物の求核的シリル化:ケイ素求核剤はクロロシランやジシランからアルカリ金属を用いて還元するなどの方法で発生することができるが,炭素求核剤と比べると比較的発生させにくいことからやや敬遠されがちであった.われわれはケイ素-ケイ素結合が銅(I)塩で切断されることを初めて発見し,これを利用して求核的なケイ素化剤を触媒的に発生させる方法を見つけた.1〜10%触媒量のCU(I)OTfの存在下,ジシランがα,β-不飽和カルボニル化合物に1,4-付加反応し,引き続く酸加水分解により,β-シリル化体が高収率で得られることを新たに見いだした.この反応は銅塩に対する配位子の効果が顕著で,銅(I)塩に対して小過剰のトリブチルホスフィンの添加により収率が向上する.また溶媒としてはDMFがもっともよい結果を与える.基質としてはα,β-不飽和アルデヒドも可能であるが,α,β-不飽和エステルの場合は収率が低下する.ジシランのα,β-不飽和ケトンへの1,4-付加反応はPd触媒を用いた報告があるが,ハロゲン置換により活性化されたジシランが必要であるなど制限があり,この銅(I)塩触媒を用いる方法の方が一般性は高い.3. 光学活性ヒドロシランにおけるケイ素・銅(I)交換:光学活性ヒドロシランにおいて,ケイ素・銅(I)交換反応に基づくシリルエーテル合成を行ったところ,極性溶媒中にもかかわらず,ケイ素上の立体が保持された生成物が得られた.このことはこのケイ素・銅交換反応を経由する反応機構の考察に有益な示唆を与える.
    文部科学省, 奨励研究(A), 筑波大学, 研究代表者, 競争的資金, 09750929
  • マンガンアート錯体および関連有機金属化合物を用いる新反応の展開
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信
    本研究課題で今年度得られた成果を以下に示す.
    ヨウ化ビニルあるいはアセチレンから生じるビニルラジカルが,分子間での立体選択的炭素-炭素結合生成に有効であることが明らかとなった.また,イオン的反応として知られていたアリルメタル化反応がラジカル機構でも進行することを示し,精密有機合成におけるラジカル反応の適用範囲をいっそう広げることができた.
    また,有機マンガンアート錯体の生成とその反応挙動はこれまで殆ど知られておらず,その詳細を明らかにすることにより,今後有機合成上重要な有機金属試剤となり得ることを明らかにした.α-位に還元され得る酸素官能基を有するケトンに対して有機マンガンアート化合物を反応することにより,マンガンエノラートが直接的に得られることを見つけた.得られたエノラートに対してアルデヒドを作用させることにより,アルドール誘導体が高収率で得られた.また,生成したマンガンエノラートは種々の求電子剤と反応して対応する置換生成物を高収率で与えた.
    さらに,有機マンガンアート化合物はアリルブロミド,プロパルギルブロミドとの反応により,還元的メタル化を起し,対応するアリルマンガンアート反応剤,および,プロパルギルマンガンアート反応剤を高収率で与えることを見付けた.この際,有機マンガンアート化合物の有機リガンドとして,テトラブチルマンガナ-ト錯体が好都合であった.
    日本学術振興会, 萌芽的研究, 筑波大学, 09875224
  • 実践的有機金属反応剤の開発と天然物指向有機合成への新展開
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信
    多官能性有機金属化合物の合成設計と新反応およびその合成化学への応用を目指した研究の一環として,(1)合成化学的に重要であるが反応性が高いために十分に活用されていない反応活性種である有機ラジカルを用いるあたらしい.立体選択的な有機合成反応を見つけた.ラジカル開始剤存在下アルケンとアリルスタナンを反応させれば,スタニルラジカルのアルケンへの付加および生成するアルキルラジカルのアリル化により,ラジカル的アリルスタニル化の初めての例を見つけた. さらに、アルキンとの反応においてもアリルスタニル化が効率的にかつこう立体選択的に進行することを見つけた。(2)サマリウムを用いる新反応を開発する目的で非安定化カルボニルイリドの生成と新規反応を見つけた.ビス(クロロメチルエーテル)に2価サマリウムを作用させることによりカルボニルイリドが生成し,カルボニル化合物存在下に行うとジオキソランが,また,アルケン類およびアルキン類共存下では高収率で対応するテトラヒドロフラン類とジヒドロフラン類が生成することを見つけた.本反応により世界で始めて全く置換基を持たない母体のカルボニルイリドを得ることができたばかりでなく,"Taior-made" のカルボニルイリドを自由に得る方法を明らかにできた.(3)有機マンガンアート錯体を新規電子移動型還元剤として用いるアリル銅種およびマンガンエノラートの新規生成反応を見つけた.(4)分子内の適当な位置に水酸基のような求核剤を有するビニルシランを用いたところ,プロトンやLewis酸触媒による反応によって生じるβ-シリル炭素陽イオン中間体が,1,2-ケイ素転移を伴い,水酸基と反応して,テトラヒドロフランやテトラヒドロピラン誘導体などの含酸素環状化合物を立体選択的に効率よく与えることを見つけた.
    日本学術振興会, 重点領域研究, 筑波大学, 09231206
  • 高配位構造を有する金属活性種と高次触媒体の構築に関する合成化学研究
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北条 信
    精密有機合成では有機溶媒に可溶な酸触媒がよく利用されているが,有機溶媒に不溶な固体酸触媒を用いる不均一反応についてはあまり研究されていない.反応の後処理,触媒の回収,再利用が容易であるという点から見れば,固体酸触媒の関与する反応系の構築は重要な課題である.本研究では,含酸素ヘテロ環類の立体選択的合成を目指して,粘土鉱物やヘテロポリ酸類のような固体酸を触媒として用いるビニルシラン類の環化反応について検討した.水酸基を有するビニルシラン類の環化反応では,粘土鉱物やヘテロポリ酸のような固体酸触媒を利用できることがわかった.しかし,これらの固体酸(12モリブドリン酸を除く)を用いる不均一反応はр-トルエンスルホン酸や四塩化チタンを用いる均一反応に比べると反応時間,環化効率の面でまだまだ問題が多い.均一系触媒に匹敵する活性を有する固体酸触媒の探索を続け,固体酸触媒を用いる反応の立体選択性についてより詳細に検討した.ビニルシラン,固体酸を用いて、クロロホルム(2.5mL)中,室温で行った.酸触媒にはまず市販品であるナトリウムモンモリロナイト(クニピア),活性白土,モンモリロナイトK10を用いて反応を行った.その結果,酸性度が低いナトリウムモンモリロナイトでは,原料回収に終わったが,シリケート層間の交換性陽イオンがプロトンである活性白土やモンモリロナイトK10では環化反応が効率よく進行することがわかった.交換性陽イオンがアルミニウム,チタン,セリウム,亜鉛であるモンモリロナイトは向山アルドール反応,Friedel-Crafts反応,カルボニル化合物のアセタール化などの触媒として有用であることが知られているが,この反応においても触媒活性を示した.
    日本学術振興会, 重点領域研究, 筑波大学, 09218209
  • 多官能性有機金属化合物を用いる新規有機反応と合成化学への応用
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1997年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信
    有機金属化学における新分野の研究の一環として、高反応性有機金属化合物の合成設計と新反応およびその合成化学への応用を目指した研究の一環として,(1)新しいケイ素-銅交換反応を見つけた.例えばアルキニルシランと銅(I)塩をジメチルホルムアミドを溶媒として反応すると,緩和な条件下アルキニル銅種が生成した.本反応を用いた新規有機合成反応を見つけた.(2)サマリウムを用いる新反応を開発する目的で非安定化カルボニルイリドの生成と新規反応を見つけた.アルデヒドとヨードシランから定量的に合成可能なヨードメチル(シリル)エーテルに2価サマリウムを作用させることにより対称オキシランが,カルボニル化合物存在下に行うとジオキソランが,また,アルケン類およびアルキン類共存下では高収率で対応するテトラヒドロフラン類とジヒドロフラン類が生成することを見つけた.さらに,ビスクロロアルキルエーテルとサマリウムの反応により,これまで得ることの難しかった,母体のカルボニルイリドばかりでなく,"Tailor-made"非安定化カルボニルイリドを得る全く新しい反応を明らかにした.(3)合成化学的に重要であるが反応性が高いために十分に活用されていない反応活性種である有機ラジカルを用いる新しい立体選択的な有機合成反応を見つけた.アリルスタナンはスタニルラジカルの発生源およびアルキルラジカルの受容体としての2つの役割を持つ.ラジカル開始剤存在下アルケンとアリルスタナンを反応させることにより,スタニルラジカルのアルケンへの付加および生成するアルキルラジカルのアリル化により,ラジカル的アリルスタニル化の初めての例を見つけた.(4)有機マンガンアート錯体を新規電子移動型還元剤として用いるマンガンエノラートおよびアリルおよびプロパルギルマンガン種の新規生成反応を見つけた.(5)分子内の適当な位置に水酸基を有するビニルシランを用いたところ,プロトンやLewis酸触媒による反応によって生じるβ-シリル炭素陽イオン中間体が水酸基と反応して,テトラヒドロフランやテトラヒドロピラン誘導体などの含酸素環状化合物を立体選択的に効率よく与えることを見つけた.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 筑波大学, 08454228
  • 高機能性反応剤の創製と新規合成反応への応用開発研究
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1997年
    細見 彰; 富永 義則; 林 信行; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信; 銅金 巌; 顕谷 忠俊
    有機金属化学における新分野の研究の一環として,高反応性有機化合物の合成設計と新反応およびその合成化学への応用を目指した研究の一環として,(1)合成化学的に重要であるが反応性が高いために十分に活用されていない反応活性種である有機ラジカルを用いる新しい立体選択的な有機合成反応を見つけた.アリルスタナンはハロゲン化物,チオエステル,セレン化合物などのラジカル的リアル化剤として幅広く利用されている.このアリル化反応において,アリルスタナンはスタニルラジカルの発生源およびアルキルラジカルの受容体としての2つの役割を持つ.また,スタニルラジカルはアルケン類に対して容易に付加し,アルキルラジカルを与えることが知られている.しかしながら,この両役割を同時に達成することはこれまで知られていなかった.本研究では,ラジカル開始剤存在下アルケンとアリルスタナンを反応させることにより,スタニルラジカルのアルケンへの付加および生成するアルキルラジカルのアリル化により,ラジカル的アリルスタニル化の初めての例を見つけた.(2)サマリウムを用いる新反応を開発する目的で非安定化カルボニルイリドの生成と新規反応を見つけた.アルデヒドとヨードシランから定量的に合成可能なヨードメチル(シリル)エーテルに2価サマリウムを作用させることにより対称オキシランが,カルボニル化合物存在下に行うとジオキソランが,また,アルケン類およびアルキン類共存下では高収率で対応するテトラヒドロフラン類とジヒドロフラン類が生成することを見つけた.(3)有機マンガンアート錯体を新規電子移動型還元剤として用いるアリルマンガン種およびマンガンエノラートの新規生成反応を見つけた.(4)分子内の適当な位置に水酸基のような求核剤を有するビニルシランを用いたところ,プロトンやLewis酸触媒による反応によって生じるβ-シリル炭素陽イオン中間体が水酸基と反応して,テトラヒドロフランやテトラヒドロピラン誘導体などの含酸素環状化合物を立体選択的に効率よく与えることを見つけた.
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 筑波大学, 07555276
  • 実践的有機金属反応剤の開発と天然物指向有機合成への新展開
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1996年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信
    本研究では,1)有機マンガンアート化合物の電子移動型還元挙動の解明と新規ケトンエノラートの位置特異的生成反応の開発を行った.特に,遷移金属は種々の酸化数を取り得るために遷移金属化合物は中心金属が合成化学的に有用な酸化・還元的性質を示す.これらの高配位有機金属化合物の化学の新たな展開を目指して中心金属をマンガン金属とした有機マンガンアート化合物の,特にその電子移動型還元挙動を明らかにするとともに,新しいケトンエノラートの位置特異的生成反応の開発を行った.
    有機マンガンアート錯体の生成とその反応挙動はこれまで殆ど知られておらず,その詳細を明らかにすることにより,今後有機合成上重要な有機金属試剤となり得る.α-位に還元され得る酸素官能基を有するケトンに対して有機マンガンアート化合物を反応することにより,マンガンエノラートが直接的に得られることを見つけた.得られたエノラートに対してアルデヒドを作用させることにより,アルドール誘導体が高収率で得られた.また,生成したマンガンエノラートは種々の求電子剤と反応して対応する置換生成物を高収率で与えた.
    2)有機銅アート錯体を新規電子移動型還元剤として用いるアリル銅種の生成と反応を研究したところ,ケテンジチオアセタール類に電子吸引基が置換した場合に効率よくビニル銅種が生成することを示した.また,クロロ基を脱離基とするケテンジチオアセタール類を用いて有機銅アート錯体との反応を検討したところ,電子移動を含む還元的メタル化により新規アリル銅種が効率よく生成することを見つけた.官能基を持つアリル銅種を他の方法では得難いので,本方法は新しい官能基置換の有用な合成法を見つけたことになる.
    日本学術振興会, 重点領域研究, 筑波大学, 08245207
  • 高配位構造を有する金属活性種と高次触媒系の構築に関する合成化学研究
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1996年
    細見 彰; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 北條 信
    シリル基がβ位の炭素陽イオンを安定化することはよく知られており,有機ケイ素化合物の反応性を理解する上で重要な特性の一つである.ビニルシランはα位でプロトンと反応し,β-シリル炭素陽イオンを中間体として与える.通常β-シリル炭素陽イオンからのシリル基の脱離は非常に速いため,この中間体を求核剤との反応に利用した例はほとんど知られていない.本研究では,分子内の適当な位置に水酸基のような求核剤を有するビニルシランを用いたところ,固体酸触媒によって生じるβ-シリル炭素陽イオン中間体が水酸基と反応して,テトラヒドロフランやテトラヒドロピラン誘導体などの含酸素環状化合物を効率よく与えた.酸触媒にはまず市販品であるナトリウムモンモリロナイト(クニピア),活性白土,モンモリロナイトK10を用いて反応した結果,酸性度が低いナトリウムモンモリロナイトでは原料回収に終わったが,シリケート層間の交換性陽イオンがプロトンである活性白土やモンモリロナイトK10では環化反応が効率よく進行することがわかった.交換性陽イオンがアルミニウム,チタン,セリウム,亜鉛であるモンモリロナイトが,この反応において触媒活性を示した.これら触媒系において超音波照射下での反応も試みたが,触媒活性の向上には効果的ではなかった.次に,12-タングストリン酸,12-モリブドリン酸,12-タングストケイ酸のようなヘテロポリ酸を用いて反応を行ったところ,これらのプロトン酸触媒も本環化反応に対して高い触媒活性を有することが明らかとなった.なお,12-モリブドリン酸は溶媒であるクロロホルムに可溶であり,このために触媒活性が著しく向上したものと考えられる.
    日本学術振興会, 重点領域研究, 筑波大学, 08232213
  • 希土類錯体を用いる反応活性種の生成と有機合成へ応用
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1996年
    北條 信; 伊藤 肇; 三浦 勝清; 細見 彰
    サマリウム反応剤を用いる新規非安定化カルボニルイリドの生成と反応
    サマリウムの関与する反応活性種として新規なカルボニルイリドの発生反応を見つけた.さらに発生するカルボニルイリドはこれまで生成例のないアルキル基のみが置換した非安定化カルボニルイリドである.これらは反応に際して高い反応性および選択性を示すことを明らかにした.(J.Am.Chem.Soc.,1996,118(14),3533-3534.)さらにビス(クロロメチル)エーテル類を前駆体とする非安定化カルボニルイリドの発生法を見つけ,無置換(母体)のカルボニルイリドの発生と反応に初めての例として成功した.無置換カルボニルイリドは立体的にも電子的にも安定化を受けていないために非常に高い反応性を示し,様々な炭素-炭素2重結合および3重結合,さらには芳香族化合物に対しても[3+2]環化付加を起こすことが明らかとなった.この発生法は必要な構造を有するカルボニルイリドを前駆体からデザイン-合成し,意のままに発生させることができる“Tailor-made"な発生法としても応用できることを実証した.これら一連の研究を通じて環化付加反応に際して発現する立体選択性をはじめとする各種選択性に関する多くの知見が初めて明らかとなった.(Tetrahedron Lett.,1996,37(51),9241-9244.)
    日本学術振興会, 重点領域研究, 筑波大学, 08220209
  • 高活性銅(I)錯体触媒の開発 有機ナノ構造体の合成
    競争的資金
  • Development of Highly active Cu(I) catalysts Synthesis of organic nano-structure
    競争的資金
■ 学術・社会貢献活動/その他
メディア報道
  • プラスチック材料を開始剤とするラジカル反応の開発~医薬品や機能性材料をより安全で環境に優しく生産するための有機合成プロセスの開発へ~
    2023年12月25日
    北海道大学 PRESS RELEASE
    北海道大学 PRESS RELEASE
  • The Ultimate Birch Reduction?
    2023年04月10日
    本人以外
    Science
    Science
    https://www.science.org/content/blog-post/ultimate-birch-reduction, [新聞・雑誌]
  • 空気下、室温で実施可能な超高速バーチ還元反応を開発~ボールミルを用いたメカノケミカル法により、従来の溶液合成の制限を克服~
    2023年04月05日
    本人
    北海道大学 PRESS RELEASE
    北海道大学 PRESS RELEASE
    [その他]