三輪 京子 (ミワ キヨウコ)

地球環境科学研究院 環境生物科学部門 環境分子生物学分野教授
ダイバーシティ・インクルージョン推進本部教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(農学), 東京大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
ORCID IDResearcher ID
  • JFB-3157-2023
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 変異株
  • ホウ素
  • シロイヌナズナ
  • トランスポーター
  • 要求量
  • ペクチン
  • 植物細胞壁
  • ホウ酸
  • 遺伝子発現制御
  • ストレス耐性
  • 輸送体
  • 無機栄養
研究分野
  • 環境・農学, 環境農学
  • ライフサイエンス, 植物栄養学、土壌学
  • ライフサイエンス, 植物分子、生理科学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2024年04月 - 現在
    北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授
  • 2014年04月 - 2024年03月
    北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 准教授
  • 2021年08月 - 2023年07月
    文部科学省学術調査官
  • 2009年09月 - 2014年03月
    北海道大学, 創成研究機構, 特任助教
  • 2009年04月 - 2009年09月
    東京大学, 生物生産工学研究センター, 日本学術振興会特別研究員
  • 2008年04月 - 2009年03月
    東京大学, 生物生産工学研究センター, 特任研究員
  • 2006年04月 - 2008年03月
    東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 日本学術振興会特別研究員
学歴
  • 2002年04月 - 2007年03月, 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 応用生命工学専攻
  • 1998年04月 - 2002年03月, 東京大学, 農学部, 生命化学専修

研究活動情報

■ 論文
■ その他活動・業績
■ 主な担当授業
  • 環境分子生物学特論Ⅱ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 分子生物学基礎論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 分子生物学基礎論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 細胞生物学概論, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 科学・技術の世界(1単位), 2024年, 学士課程, 全学教育
  • 国際交流Ⅱ, 2024年, 学士課程, 国際本部
  • 細胞生物学Ⅰ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 環境分子生物学, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 環境生物学Ⅰc, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 生物学Ⅰ, 2024年, 学士課程, 全学教育
  • ISP生物科学実習Ⅱ・a, 2024年, 学士課程, 理学部
  • ISP生物科学実習Ⅱ・b, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 環境生物学実習, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 環境生物学Ⅰ, 2024年, 学士課程, 理学部
■ 所属学協会
  • 日本植物生理学会
  • 日本土壌肥料学会
  • 日本農芸化学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 翻訳制御を通じた栄養欠乏耐性付与の基盤研究
    科学研究費助成事業
    2024年04月01日 - 2029年03月31日
    藤原 徹; 三輪 京子
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 24H00498
  • コドンと翻訳装置の最適化による育種技術の開発
    ALCA-Next(グリーンバイオテクノロジー)
    2024年09月 - 2028年03月
    科学技術振興機構
  • 植物におけるホウ素によるクロマチンプラットフォーム構築仮説の検証
    科学研究費助成事業
    2023年06月30日 - 2025年03月31日
    坂本 卓也; 浦口 晋平; 三輪 京子
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 神奈川大学, 23K17997
  • 受精遅延が促進する開花時期多様化と種分化メカニズムの解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2021年04月05日 - 2025年03月31日
    佐竹 暁子; 金岡 雅浩; 三輪 京子
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 九州大学, 21H04781
  • 植物の栄養感知機構の解明と栄養応答統御
    科学研究費助成事業 基盤研究(S)
    2019年06月26日 - 2024年03月31日
    藤原 徹; 三輪 京子; 高野 順平
    本研究は植物細胞の3つの異なる場での植物の栄養感知機構の解明とその下流で起こる栄養適応現象を理解することを目的としている。
    細胞内については、栄養依存的に翻訳停止しているリボソームの構造解析結果をもとに、リボソームが翻訳停止段階で本来起こるステップに進めなくなっていることが示唆された。また、栄養条件の変化に応じて翻訳レベルでの制御を受ける遺伝子の発現を指標に検索した変異株から原因となる候補遺伝子を見出した。この候補遺伝子は翻訳停止に伴って起こるmRNA分解に関与している可能性が示唆された。リボソームタンパク質の変異株の栄養条件に応じた生育異常の解析をさらに進め、栄養条件により生育の違いが見られるリボソーム遺伝子を同定し、その遺伝子の変異株におけるポリソームプロファイリングなどにより翻訳の状態を検討したところ、モノソームとポリソームの比率に変化が見られるなどしている。また、翻訳制御をRibosome sequencing法によってゲノムワイドに解析したところ、栄養条件により翻訳制御を受ける遺伝子やなどが見出されるとともに、栄養条件によって幅広い遺伝子の翻訳停止に影響が及ぶ可能性が示唆された。栄養条件は個別の遺伝子の翻訳に影響を及ぼすだけでなく、細胞の翻訳の各段階に異なる影響を幅広い遺伝子に対してもたらしている新たな知見につながると考えられる。
    細胞膜については、細胞膜に局在するホウ素輸送体BOR1についてはBOR1がホウ素を感知している可能性を示唆する結果を得た。また、BOR1の硝酸による分解や、高親和性カリウム輸送体HAK5のカリウム依存的な分解について結果の取りまとめを進めた。
    細胞壁については、ホウ素欠乏での生育が野生型よりも優れた変異株の単離やその原因遺伝子の推定をさらに進め新規の遺伝子を見出すと共に、個別の変異株の細胞壁のペクチンの合成への関与について調査を進めた。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 東京大学, 19H05637
  • 植物細胞壁ペクチン生合成糖転移酵素の同定とペクチンの機能解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2019年04月01日 - 2024年03月31日
    石水 毅; 三輪 京子
    植物細胞壁の主要成分のペクチンは、植物の生育に欠かせない多糖で、非常に複雑な構造をしている。その生合成には約30の糖転移酵素が関わると考えられている。しかし、ほとんどの糖転移酵素遺伝子が未同定なままで、ペクチンの機能解析も進んでいない。本研究では、ペクチンの構成多糖、ラムノガラクツロナンI(RG-I)およびラムノガラクツロナンII(RG-II)生合成に関わる糖転移酵素(ペクチンRG-I主鎖生合成ガラクツロン酸転移酵素、ペクチンRG-I側鎖生合成ガラクトース転移酵素、ペクチンRG-II側鎖アピオース転移酵素、ペクチンRG-II側鎖Kdo転移酵素など)に焦点を当て、それらの遺伝子を同定することを第一の目的とする。遺伝子同定した糖転移酵素について、遺伝子発現抑制変異体の解析によりペクチンの機能解明を行うこと目指す。2020年度は、このうち1つの酵素を対象に研究し、以下の成果を得た。
    ペクチンRG-I主鎖生合成ガラクツロン酸転移酵素の遺伝子を同定した。MUCI70という種子保護多糖の合成に関わることがわかっていた遺伝子があり、糖転移酵素様のアミノ酸配列を持っていること、既知のガラクツロン酸転移酵素に若干の相同性が見られたことから、この遺伝子に着目した。この遺伝子がコードするタンパク質を哺乳動物細胞HEK293F細胞にて発現させ、本酵素活性を検出した。この遺伝子は、当研究室が以前に同定したもう一つのRG-I主鎖生合成に関わるラムノース転移酵素と共発現していた。新規の糖転移酵素ファミリーに属するものであった。現在、この酵素の生化学的解析や他の糖転移酵素とのアミノ酸配列比較解析、他の糖転移酵素との共発現解析などを詳細に進め、ペクチンRG-I生合成における役割を明らかにする実験を行なっている。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 立命館大学, 19H03252
  • 周囲環境応答としての植物成長特性の力学的最適化の柔軟性
    科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    2018年06月29日 - 2023年03月31日
    藤原 徹; 三輪 京子
    植物は栄養条件に応じて成長のパターンを変化させる。植物の根は栄養の獲得と併せて地上部を支え水分を吸収する役割があり、このような栄養に応じた成長パターン変化は根の持つ様々な機能の発現の中で起こるものと考えられ。本研究は植物の栄養や水分環境に対する応答について分子遺伝学的解析に加えて植物組織や細胞の力学的な側面からの理解を深め、これらの解析を統合することを通じて、植物が持つ環境に応じた応答能力の力学的な構造を理解し、新たなモジュール構造等を提案することを目的として進めている。
    本年度の研究実績を列挙する。植物の栄養条件に応じた応答研究としては、昨年度までの研究で見出した栄養条件に応じた根の成長パターン変化についての通常の株と異なるパターンを示す変異候補株について、その表現型を確認し、交配などを進め原因となる遺伝子を推定することができた。栄養に対する屈性現象と水分屈性や重力屈性との関連を調べるために、根に栄養濃度の勾配と水ポテンシャル勾配の両方を与えて挙動を調べたところ、水分屈性を示す条件では栄養に対する応答が弱くなる傾向が見出された。また側根のタイプによる応答の違いも見られた。根の力学的な測定系については、樹脂製の細い柱の間に根を伸長させて柱の変位をもとに根のヤング率を測定することができるようになり、栄養条件や変異による影響を調査した。力学的刺激に対する植物の応答を見るために、ポプラを毎日5分間振動させ成長に及ぼす影響を見たところ、刺激を与えた場合の方が太い根が増える傾向がみられた。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 東京大学, 18H05490
  • 生物におけるホウ素の新機能の検証-ビタミンB6代謝に対するホウ酸の役割-
    科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    2018年06月29日 - 2021年03月31日
    三輪 京子
    必須元素とは、生物のライフサイクルを完結させるために欠くことのできない元素を指す。ホウ素は植物の微量必須元素であり、植物細胞壁のペクチン質多糖を架橋する。近年、動物など植物細胞壁ペクチンをもたない生物においてもホウ素の有用性が報告されてきている。ホウ素の未知の生理機能があることが示唆されるが、植物細胞壁以外のホウ素の生理機能は明らかにされていない。
    先行研究において、高濃度のホウ酸が植物(シロイヌナズナ)においてビタミンB6欠乏障害を緩和する現象を見出した。本研究では、本現象の解明を通じて、生物に普遍的なホウ素の役割の解明を目指した。
    本年度はホウ酸の効果の普遍性を明らかにするため、酵母(Saccharomyces cerevisiae)における成長に対するホウ酸の効果の検証を進めた。高濃度ホウ酸がビタミンB6欠乏障害を緩和する現象が酵母で観察されるかを明らかにするため、野生型酵母とビタミンB6合成酵素欠損酵母(snz1株)を対象として、異なるホウ酸濃度条件における成長比較を主に進めた。
    液体培地での成長試験では、ビタミンB6を含まない最少培地(SD培地)ではsnz1においてホウ酸添加区(2 mM)では無添加区と比較して、濁度の立ち上がりの時間が短くなる傾向が観察された。しかし、複数回の試験を実施したものの、必ずしも再現されず、現象の確定には至らなかった。ビタミンB6を含まない最少完全培地(SC培地)を用いたところ、野生型とsnz1ともに濁度の最終到達点がホウ酸添加区(2 mM)で無添加区と比較して上昇する傾向が観察された。この結果は、酵母の成長、定常期での分裂停止にホウ酸が影響する可能性を示唆するものである。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 18K19160
  • 植物体内のホウ素要求量を低下させる分子基盤
    科学研究費補助金(若手研究(A))
    2016年04月 - 2020年03月
    三輪 京子
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • 植物の無機栄養ホメオスタシスと成長の統合的理解と仮説検証
    科学研究費助成事業
    2013年05月31日 - 2018年03月31日
    藤原 徹; 内藤 哲; 三輪 京子
    無機栄養ホメオスタシスに必須な遺伝子を多くの元素について同定解析し、無機栄養の恒常性維持に細胞壁合成や RNA代謝、翻訳制御等の重要性を示した。リボソームRNA 複合体がAUGUAA上で細胞質の栄養濃度を感知し、この感知に伴って栄養輸送体mRNAの分解や転写制御が起こることや翻訳制御のゲノムレベルでの重要性を明らかにした。ホウ素輸送の2次元及び動的モデルを構築し実験的検証を行い、根の成長と地上部への輸送の役割分担や輸送体制御の栄養の流れを高く維持するための重要性を示した。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 東京大学, 25221202
  • ペクチンのホウ酸架橋による細胞伸長の制御
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2015年 - 2016年
    三輪 京子
    植物の一次細胞壁に存在するペクチン質多糖ラムノガラクツロナンII(RG-II)は、ホウ酸によって分子間架橋される。この架橋を介して形成されるペクチンネットワークが細胞接着や伸長に必須である。本研究では、RG-II架橋率低下による細胞伸長の抑制の分子機構の解明を目指し、本過程に必要な分子の同定を目標とした。RG-IIのホウ酸架橋率の低下で根の細胞伸長が抑制されるホウ酸欠乏環境において、主根伸長の抑制が緩和されたシロイヌナズナ変異株の原因遺伝子の同定と生理学的な解析を行った。
    前年度までに、原因変異のひとつが、真核生物に広く保存された機能未知タンパク質の機能欠損・発現抑制であることを明らかにした。本変異株の細胞壁のホウ素濃度を測定したところ根・地上部ともに低下していた。細胞壁中のRG-II特異的な糖であるKDO量も低下する予備的な結果を得た。ホウ酸によるRG-IIの相対的架橋率を測定したところ、本変異株では増加または野生型株と同等の値を示した。変異株探索で得られたペクチン主鎖の合成を担う酵素をコードすると予想される遺伝子破壊株においても同様に、細胞壁中のホウ素濃度とKDO量の低下およびRG-II架橋率の維持が観察された。
    この現象は、RG-II量の減少によって、少ないホウ素量でRG-IIの架橋率が維持できるようになり、結果として低ホウ酸条件下において根で細胞伸長抑制の緩和が起こったと考察された。この結果は、ホウ素欠乏で起こる細胞伸長の抑制は、「ホウ酸架橋されたRG-IIの絶対量の減少」ではなく、「ホウ酸架橋されたRG-IIの相対的な減少」で起こされることが考察され、架橋されていない単量体RG-II量が細胞伸長の制御に関わる仮説が導かれた。
    加えて、本研究でペクチン合成に関与する新たな遺伝子の同定をし、本変異株探索によって細胞壁合成遺伝子の効率的な同定が可能であることを示した。
    文部科学省, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 15H01222
  • 細胞伸長を制御するホウ酸によるペクチン架橋の形成
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2013年 - 2014年
    三輪 京子
    植物の一次細胞壁に存在するペクチン質多糖ラムノガラクツロナンII(RG-II)はホウ酸で分子間架橋されており、接着成分として細胞伸長に必須である。ホウ酸架橋されたRG-IIが細胞壁の成分であることに加え、情報分子として植物の成長を制御する可能性が示唆されている。本研究では、「RG-II架橋率の低下がホウ素欠乏を表す指標となり、積極的な応答として成長を抑制する」仮説の検証を目指し、RG-IIのホウ酸架橋による成長の制御の分子機構の解明を目的とした。
    まず、ホウ酸欠乏下での主根伸長抑制が緩和・解除された「ホウ酸欠乏低感受性シロイヌナズナ変異株」を探索・単離した。EMS処理したCol-0を用い、1万2400のM2種子から22系統を単離した。原因変異のひとつが、真核生物に広く保存された機能未知のゴルジ体局在の膜タンパク質の機能欠損・発現低下であることを見出した。この変異株はペクチン修飾酵素であるPMEの阻害剤EGCGに対する感受性の低下を示し、細胞壁の構造変化に対する感受性が低下していると考察された。この結果は、ホウ素欠乏条件下において、細胞壁の構造異常に応答して根の伸長を抑制する正の因子を同定した成果と考えられた。加えて、その他の変異株の原因変異としてペクチン合成を担うと予想される酵素遺伝子群の機能欠損が見出された。架橋されたRG-IIの絶対量ではなく、相対的な架橋率が成長を決定する要因であると推察され、細胞壁構造変化が無機栄養特性の変化を起こすことが考察された。
    さらに、標準系統Col-0と比較してホウ酸欠乏下で主根伸長を示すシロイヌナズナのナチュラルアクセッション2系統の遺伝学解析を行ったところ、2系統でそれぞれ異なる領域に原因遺伝子がマップされた。系統によって独立かつ既知の遺伝子座とは異なる新規の遺伝子座がホウ素欠乏耐性を制御していることを明らかにした。
    文部科学省, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 25114502
  • 肥料有効利用型植物の作出基盤
    2011年 - 2014年
    三輪 京子
    植物バイオマス生産では、食糧生産と競合しないこと、省エネルギーで高生産することが必要です。本研究では食糧生産に適さない肥沃度の低い環境でも少ない施肥で、高い生産性を持つ植物の作出基盤づくりを目指します。生育に必要な栄養である窒素・リン・ホウ素に注目し、「葉の栄養濃度は低いが高いバイオマス量を示す」シロイヌナズナ変異株を単離し、植物の栄養の利用効率を向上させる新たな遺伝子資源の発掘に取り組みます。
    科学技術振興機構, 戦略的な研究開発の推進/戦略的創造研究推進事業/さきがけ, 11103615
  • 植物のホウ素要求量を低下させる分子基盤
    科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)
    2012年 - 2013年
    三輪 京子
    今後の食糧・植物バイオマスの持続的な増産には、肥沃度の低い土壌環境で少ない肥料投入で高生産する植物の開発が必要である。これまで、低ミネラル環境に耐性を付与する遺伝子は複数同定されているが、植物個体の生育量に対する必須元素の要求量を低下させた例はない。本研究では、植物の微量必須元素のホウ素を対象に、植物個体のホウ素要求量を低下させる新規遺伝子の同定と解析を目指した。そこで、対照株がホウ素欠乏のために生育抑制を示す低ホウ素栄養条件において、生育抑制が緩和された変異株を新たに単離し、原因遺伝子の同定とその詳細な解析を行うことを研究の目的とした。平成24年にはシロイヌナズナホウ素ホウ素輸送体機能欠損株bor1-1に塩基置換を誘発するEMS処理を行い、1万9000のM1種子からM2種子を獲得した。変異株探索のため、ロックウールを用いて低ホウ素栄養条件で1万8000のM2種子を水耕栽培した。この一次スクリーニングの結果、対照株と比較してホウ素欠乏による葉の展開抑制の緩和を示した株が約100株得られた。二次スクリーニングとしてM3種子が取得できた72株を対象に、ロックウールを用いた水耕栽培と固形培地でのホウ素栄養に依存した生育を観察した。その結果、7株が対照株と比較して低ホウ素栄養条件での葉の展開抑制の緩和を示し、ホウ素通常条件での生育に違いは認められなかった。また、原因遺伝子がどの染色体に座上しているかを調べる遺伝子マッピングを進めるため、Landsberg erecta とbor1-1の交配を進めた。単離されたホウ素欠乏症状が緩和された新規変異株の変異の原因遺伝子はホウ素の利用・感知に関わるものと考察され、ホウ素要求量を低下させる遺伝子の同定につながると期待された。
    文部科学省, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 24658059
  • 植物細胞壁ペクチン質多糖のホウ酸による架橋に必要な分子の同定
    科学研究費補助金(若手研究(A))
    2010年 - 2012年
    三輪 京子
    ホウ素は植物の必須元素であり、その欠乏は農業生産に重大な影響を与える。ホウ素の役割は植物細胞壁のペクチン質多糖ラムノガラクツロナンンII(RG-II)間を架橋することであるが、その架橋反応の分子機構は明らかにされていない。そこで、本研究では「RG-IIのホウ酸による架橋に必要な分子の同定」を目指した。RG-IIのホウ酸による架橋に関わる分子を単離するため、分子遺伝学手法による高ホウ素要求性変異株の単離を進めた。低濃度でのホウ酸存在下においてRG-IIとの架橋反応を促進する分子の存在を仮定すると、この分子の機能が低下した場合、通常の細胞内のホウ酸濃度ではRG-IIの架橋がうまく起きないと予想される。一方、過剰のホウ酸を加えた条件では反応基質が過剰となり、RG-IIの架橋が部分的には回復すると考えられる。つまり、機能欠損株は通常のホウ酸濃度条件では、野生型株と比較してホウ素欠乏症状を示し、ホウ素を過剰に添加した条件ではその生育が回復するという、ホウ素依存的な生育を示すことが期待される。そこで、塩基置換を誘発する変異誘起剤で処理を行ったシロイヌナズナCol-0の種子を準備し、ホウ酸通常条件の培地で生育させ、地上部ロゼット葉の展開または根の伸長を指標に生育抑制を示す株を選抜した。高濃度のホウ酸を含む培地へ移植後、生育が回復した株を「高ホウ素要求性変異株」として選抜した。その結果、ロゼット葉の展開を指標として1万4000株のM2から46株、根の伸長を指標として1万8000株のM2から15株の候補株を得られた。遺伝子マッピングの結果、既報の遺伝子の変異に加え、報告のない染色体1番と2番に原因遺伝子の存在が明らかになり、新規変異株の獲得が確認された。加えて、昨年度までに作出した低ホウ酸馴化シロイヌナズナ培養細胞が低いRG-II架橋率を示すことを見出し、網羅的な遺伝子発現解析を進めた。
    文部科学省, 若手研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 22688005
  • 植物の環境中の無機元素濃度に対する応答機構の解明と不良環境耐性植物の作出
    2009年
    発芽した場所から移動することができない植物は、土壌中から生育に必要な無機元素を選択的に吸収し、毒性を持つ元素を排出する機構を進化の過程で発達させてきた。無機元素の輸送という視点から生物の環境応答機構の解明を目標としている。分子レベルでは、モデル植物シロイヌナズナを用いて応答の第一段階を担う「無機元素のセンサー」の同定を目指す。また、異なる土壌環境で生育してきた個体集団を対象として無機元素の環境応答を担う遺伝子の多様性を検証し、遺伝子レベルの知見を生態学・進化学へ結びつけた統合的な理解を試みる。加えて、上記の研究をもとに、無機元素輸送に重要な遺伝子の発現改変を通じて、不良な環境(無機栄養欠乏や過剰)に耐性な植物の作出に取り組む。
    競争的資金