田中 亮一 (タナカ リヨウイチ)

低温科学研究所 共同研究推進部教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 京都大学
  • 修士(理学), 京都大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
Researcher ID
  • A-4030-2012
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • シロイヌナズナ
  • ラン藻
  • テトラピロール
  • 葉緑体
  • クロロフィル
  • 植物生理学
  • 分子生物学
  • Plant Physiology
研究分野
  • ライフサイエンス, 植物分子、生理科学
  • ライフサイエンス, 分子生物学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2021年04月 - 現在
    北海道大学, 低温科学研究所 生物環境部門, 教授, 日本国
  • 2010年04月 - 2021年03月
    - 低温科学研究所生物環境部門 准教授
  • 2007年 - 2010年
    低温科学研究所低温基礎科学部門 助教
  • 1998年 - 2007年
    低温科学研究所低温基礎科学部門 助手
  • 1998年 - 2007年
    Research Associate,The Institute of Low Temperature Science
  • 1997年 - 1998年
    Institute fuer Pflanzengenetik und Kulturpflanzenforschung 研究員
  • 1997年 - 1998年
    Researcher
学歴
  • 1997年, 京都大学, 理学研究科, 日本国
  • 1997年, 京都大学, Graduate School, Division of Natural Science
  • 1994年, 京都大学, 理学研究科, 日本国
  • 1994年, 京都大学, Graduate School, Division of Natural Science
  • 1992年, 京都大学, 理学部, 日本国
  • 1992年, 京都大学, Faculty of Science
委員歴
  • 2018年01月 - 2020年03月
    日本植物生理学会, 男女共同参画委員長, 学協会

研究活動情報

■ 受賞
  • 2016年02月, 北海道大学, 教育総長賞 奨励賞
    田中 亮一
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 講演・口頭発表等
  • 全ゲノムの比較によるラン藻のジビニルクロロフィル還元酵素の同定と解析
    伊藤寿; 横野牧生; 田中亮一; 田中歩
    日本植物生理学会年会要旨集, 2008年03月15日, 日本語
    2008年03月15日 - 2008年03月15日
  • Analysis of an Arabidopsis mutant that accumulates 7-hydroxymethyl chlorophyll a
    T. Nagane; R. Tanaka; A. Tanaka
    PHOTOSYNTHESIS RESEARCH, 2007年02月, SPRINGER, 英語
    2007年02月 - 2007年02月
  • Examination of the intra-plastid localization of chlorophyllide alpha oxygenase
    Satoshi Kanematsu; Yasuhito Sakuraba; Ryouichi Tanaka; Ayumi Tanaka
    PLANT AND CELL PHYSIOLOGY, 2007年, OXFORD UNIV PRESS, 英語
    2007年 - 2007年
  • Analysis of the Arabidopsis chlorina5 mutant lacking a chloroplast metalloprotease
    Makoto Sugawara; Ryouichi Tanaka; Shinichiro Sawa; Ayumi Tanaka
    PLANT AND CELL PHYSIOLOGY, 2007年, OXFORD UNIV PRESS, 英語
    2007年 - 2007年
  • クロロフィル合成酵素8-ビニルレダクターゼ遺伝子の同定と機能解析
    永田 望; 田中 亮一; 佐藤 壮一郎; 田中 歩
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集, 2005年, 日本植物生理学会
    2005年 - 2005年, クロロフィル<I>a</I>の合成経路は様々な生物で広く研究され、クロロフィル合成を触媒する酵素や遺伝子に関しても多くが同定されている。しかし、その中で高等植物の3,8-ジビニルプロトクロロフィリド<I>a</I> 8-ビニルレダクターゼ(DVR)だけが同定されていない。<br>私たちはEMS処理によってモノビニルクロロフィルではなく、ジビニルクロロフィルを蓄積するシロイヌナズナの変異株を単離した。この変異株のクロロフィル色素がモノビニル型からジビニル型へ変化したのは、変異株がDVR活性を欠損したからであると考えられる。<br>変異株のポジショナルクローニングから同定した遺伝子は、5番染色体上にあり、NADPH依存型酵素のアミノ酸配列に類似していた。同定した野生型の遺伝子を変異株へ導入したところ、変異株の表現系は相補された。また、同定した遺伝子由来の大腸菌発現タンパク質は、ジビニルクロロフィリドからモノビニルクロロフィリドへの還元を触媒する、DVR活性を示した。<br>これらの結果から、シロイヌナズナ変異株の原因遺伝子は、クロロフィル合成系の<I>DVR</I>遺伝子であることが明らかになった。また、シロイヌナズナの<I>DVR</I>遺伝子が同定したことから、私たちは光合成色素としてジビニルクロロフィルを利用する、原核緑藻プロクロロコッカスの進化についても考察する。
  • Analysis of protein levels of chlorophyllide a oxygenase regulated by its own N-terminal domain.
    A Yamasato; R Tanaka; A Tanaka
    PLANT AND CELL PHYSIOLOGY, 2005年, OXFORD UNIV PRESS, 英語
    2005年 - 2005年
  • クロロフィルのタンパク質への分配と色素タンパク質の可塑性
    佐藤 壮一郎; 平島 真澄; 田中 亮一; 田中 歩
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集, 2004年, 日本植物生理学会
    2004年 - 2004年, 光合成色素による光エネルギーの捕捉は光合成集光装置によって行われる.光合成集光装置は,中心集光装置と周辺集光装置で構成されている.中心集光装置は,酸素発生型光合成生物では良く保存されており,その構成はどのような環境でも一定である.一方,周辺集光装置は生物種によって多様であり,また環境によってその構成と大きさは変化する.緑色植物においては,中心集光装置はクロロフィル<I>a</I>タンパク質複合体で構成されているのに対して,周辺集光装置は集光性クロロフィル<I>a</I>/<I>b</I>タンパク質複合体(LHC)で構成されている.しかし,周辺集光装置と中心集光装置への異なった色素の選択的分配がどのように決定されているかは不明である.この点を明らかにするため,LHCとの相互作用が示唆されている緑色植物のクロロフィル<I>b</I>合成遺伝子(<I>CAO</I>)のかわりに,LHCと相互作用しないと考えられる原核緑藻<I>Prochlorothrix</I>のCAO(<I>PhCAO</I>)をシロイヌナズナに導入し,色素タンパク質複合体の形成を調べた.その結果,PhCAOを導入した株では,光化学系IおよびIIの中心集光装置にクロロフィル<I>b</I>が取込まれ,クロロフィル<I>a</I>/<I>b</I>タンパク質複合体に転換した。PhCAOを導入した形質転換株は,弱光下では野生型とほぼ同じ形質を示した.これらの結果をもとに,クロロフィルのタンパク質への選択的分配と色素タンパク質の可塑性について議論する.
  • シロイヌナズナ Accelerated Cell Death 1(ACD1)は、フェオフォルビドaオキシゲナーゼをコードしている
    平島 真澄; 田中 亮一; 佐藤 壮一郎; 田中 歩
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集, 2004年, 日本植物生理学会
    2004年 - 2004年, フェオフォルビド<I>a</I>オキシゲナーゼ(PaO)は、クロロフィル分解系において、フェオフォルビド<I>a</I>に酸素を添加し、テトラピロール環を開環する反応を担う酵素である。この酵素の活性が阻害されると、植物は常緑化すると考えられている。また、PaOはフェレドキシンの還元力を利用したモノオキシゲナーゼであり、葉緑体の包膜に存在することが報告されている。我々はシロイヌナズナのゲノムデータベースを調べ、PaO遺伝子候補を3つ選出し、これらの遺伝子に対するアンチセンスRNA形質転換株を作成した。このうち<I>ACD1</I>(<I> Accelerated Cell Death 1</I>)のアンチセンス株(AsACD1株)を暗所で数日間生育させると、野生株ではほとんど蓄積しないフェオフォルビド<I>a</I>の蓄積が見られた。この結果は、<I>ACD1</I>がPaOであることを示唆している。暗所生育下でのこの株のクロロフィルの分解は、野生株とほぼ同程度行われていたことから、PaOの活性阻害は、シロイヌナズナにおいては、常緑化に直接結びつかないと考えられる。また、暗所の後再び連続光下で生育させると、AsACD1株の葉は白く退色し、枯死した。これは蓄積したフェオフォルビド<I>a</I>が光を受けて、活性酸素を発生させたためであると考えられる。
  • Analysis of an Arabidopsis mutant deficient in chlorophyll b accumulation, chlorina5
    Y Kurata; R Tanaka; S Sawa; A Tanaka
    PLANT AND CELL PHYSIOLOGY, 2004年, OXFORD UNIV PRESS, 英語
    2004年 - 2004年
  • Studies in the localization of chloropyllide a oxygenase using green fluorescence protein
    A Yamasato; N Nagata; R Tanaka; A Tanaka
    PLANT AND CELL PHYSIOLOGY, 2003年, OXFORD UNIV PRESS, 英語
    2003年 - 2003年
  • Mechanisms for high light acclimation studied with transgenic arabidopsis plants overexpressing chlorophyllide a oxygenase
    R Tanaka; M Hirashima; A Tanaka
    PLANT AND CELL PHYSIOLOGY, 2003年, OXFORD UNIV PRESS, 英語
    2003年 - 2003年
■ 主な担当授業
  • 環境分子生物学特論Ⅱ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 分子生物学基礎論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 分子生物学基礎論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 環境と人間, 2024年, 学士課程, 全学教育
  • 一般教育演習(フレッシュマンセミナー), 2024年, 学士課程, 全学教育
■ 所属学協会
  • 2023年 - 現在
    日本森林学会
  • 2017年 - 現在
    International Society of Photosynthesis Research
  • 日本植物学会
  • 日本光合成学会
  • 日本植物生理学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 光合成ユビキティ:あらゆる地球環境で光合成を可能とする超分子構造制御
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2028年03月31日
    栗栖 源嗣; 斉藤 圭亮; 山本 大輔; 白井 剛; 坂本 亘; 日原 由香子; 広瀬 侑; 丸山 真一朗; 田中 亮一; 皆川 純; 吉田 啓亮; 桶川 友季
    日本学術振興会, 学術変革領域研究(A), 大阪大学, 23H04957
  • 緑色植物光化学系超複合体高次構造と集光機能の環境適応原理
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2028年03月31日
    皆川 純; 田中 亮一; 金 恩哲
    日本学術振興会, 学術変革領域研究(A), 基礎生物学研究所, 23H04960
  • 針葉樹の耐陰性の違いは光合成反応を通して冬季乾燥害の感受性に影響を与える
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2027年03月31日
    北尾 光俊; 田中 亮一; 矢崎 健一; 原山 尚徳
    樹木の葉の形態や生理特性は芽を形成する際の光環境によって影響を受ける。そこで,全天と庇陰(相対照度約10%)の光環境に順化した芽を形成し,翌年春に展開した針葉を測定に供するため,トドマツ,エゾマツ,アカエゾマツ,カラマツの針葉樹4樹種のポット苗を作成した。トドマツ,エゾマツ,アカエゾマツの苗木は森林総合研究所北海道支所実験林で採取した種を2017年12月に播種し,苗畑で生育させたものを用いた。苗木は2023年4月のポット(4L)への植替え時には6年生であり,苗高はおよそ20cmであった。カラマツはポットで種から生育させた2年生(苗高約15cm)のものを用いた。
    土壌の凍結状態をモニターするためにペンダント型データロガーをポットの約5cmの深さに埋め込み,冬期の土壌温度の変化を10分間隔で記録した。その結果,光環境にかかわらず12月上旬より土壌温度が0℃以下となり,土壌凍結が生じていることが示唆された。一方で,土壌温度が0℃以上となるのは,全天環境のポット苗では3月上旬であるが,庇陰環境では3月下旬であり,全天環境の方が土壌凍結の解除のタイミングが早かった。さらに,シュートの水分状態への土壌凍結の影響を調べるために,9月12日,1月29日‐2月1日(厳寒期),3月30日(融雪期)および4月20日(回復期)に,全天および庇陰下で生育したトドマツ,エゾマツ,アカエゾマツの苗木を対象として,プレッシャーチャンバー法により夜明け前の水ポテンシャルを測定した。その結果,厳寒期の土壌凍結状態では,いずれの樹種・処理においても水ポテンシャルが大きく低下したが,土壌凍結が終了した直後の融雪期には水ポテンシャルの上昇が見られ,回復期では9月のレベルまで回復した。厳寒期において全天個体より庇陰個体で水ポテンシャルが低くなる傾向が見られたが,トドマツは他の2樹種に比べて高い水ポテンシャルを示した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 23K26955
  • 針葉樹の耐陰性の違いは光合成反応を通して冬季乾燥害の感受性に影響を与える
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2027年03月31日
    北尾 光俊; 田中 亮一; 矢崎 健一; 原山 尚徳
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 23H02262
  • 寒冷圏の常緑樹において冬季に特徴的な2つの光合成防御機構の種間分布
    科学研究費助成事業
    2024年04月 - 2027年03月
    田中 亮一; 東 隆行; 北尾 光俊
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 24K01806
  • 温帯落葉樹林の林床草本の葉の光合成電子伝達系の制御機構の多様性の解析
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2026年03月31日
    野口 航; 田中 亮一
    林床で同所的に生育する異なる3種類のフェノロジー(春植物、夏植物、常緑草本)の植物種を用いて、光合成電子伝達系の制御機構とその多様性を明らかにする。以下の仮説を立て、検証することを目的とした。
    仮説1) 寿命が短い春植物の葉では、低温下でもCO2吸収速度を高くするために、高い光合成電子伝達が維持されるしくみがある。仮説2) 生育期間に被陰される期間が長い夏植物は少ない光でも有効に光合成生産するために、弱光下で光合成電子伝達速度が高い。仮説3) 葉の寿命が長い常緑草本では、林床が明るい冬に低温・強光からの保護機能が変化するとともに、光合成電子伝達速度が増加する。
    2023年度は、東京薬科大学構内の落葉樹林下に同所的に自生する異なるフェノロジーを示す複数の草本種について、葉のガス交換と光合成電子伝達特性を調べ、光合成電子伝達系の制御機構を解析した。定期的に自生地から葉を採取し、光合成特定の季節変化を測定した。春植物のキクザキイチゲは葉を展開している短い期間中に高い光合成速度を維持していたが、A-Ciカーブの初期勾配は葉の展開初期から2週間後に最大値を示した。一方、他の種では葉の展開初期に高い光合成速度や初期勾配を示し、その後低下した。特に夏植物のウバユリでは低下が速かった。光合成電子伝達特性の測定温度依存性を調べた結果、キクザキイチゲは光化学系IIの電子伝達速度 (ETRII)の最大値が2月から4月に低温から高温にシフトした。同様の変化はエンレイソウにも見られた。他の種でも測定温度依存性が季節変化したが、変化の程度には種間差があった。キクザキイチゲでは季節が進むとETRIIの変化に伴い、低温下のプラストキノンの酸化度を示すqLは低下し、熱散逸を示すパラメータであるNPQが上昇した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京薬科大学, 23K23967
  • 温帯落葉樹林の林床草本の葉の光合成電子伝達系の制御機構の多様性の解析
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2026年03月31日
    野口 航; 田中 亮一
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京薬科大学, 22H02704
  • 常緑針葉樹の光合成調節機構の複合体プロテオミクスおよび分光学的手法よる統合的解析
    科学研究費助成事業
    2020年04月01日 - 2024年03月31日
    田中 亮一; 秋本 誠志; 北尾 光俊
    森林総研北海道支所において、イチイ、トドマツ、エゾマツ、アカエゾマツ、ヒノキアスナロの苗を栽培し、それぞれ、Sun(直射日光が当たる条件)とShade(寒冷紗によって被陰舌条件)で生育した。また、北大・低温研においては、2 mから8 mのサイズのイチイを材料に以下の研究を実施した。年間を通して、光化学系IIの量子収率(YII)と最大量子収率(Fv/Fm)を測定し、季節・気温によって、YIIが減少するタイミングを調べた。また、光合成色素の変動を調べ、RNAとタンパク質の変動を調べるため、サンプリングを行った。この結果、春から秋にかけては、葉に当たる光強度とYIIは逆相関を示したが、冬においては、すでに報告されている通り、YIIは光強度の相関はほとんど示さず、常に低い値を示した。一方、冬季はYIIは気温に強い相関を示した。自然条件における、このような気温との強い相関の報告は初めてである。春から秋にかけては、クロロフィルとカロテノイドの比率はほぼ一定であったが、冬にはxanthophyll cycleの色素であるzeaxanthinがクロロフィルあたりで数倍に上昇した。この結果は、春から秋にかけては、光化学系タンパク質にこれらのクロロフィルとカロテノイドが結合していることを示しているが、冬には、xanthophyll cycleの色素は光化学系タンパク質には結合していないことを示唆している。また、chlorophyll a/b比がSun条件下で顕著に増加した。この結果から、冬季のSun条件下においてchlorophyllおよびzeaxanthinを結合するタンパク質の増加が強く示唆された。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 20H03017
  • 紅葉は樹冠内部の葉を守り、樹冠全体での炭素獲得と窒素回収に貢献する
    科学研究費助成事業
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    北尾 光俊; 飛田 博順; 田中 亮一; 矢崎 健一
    昨年度に引き続き、森林総合研究所北海道支所樹木園に生育するハウチワカエデ成木を対象として、葉の糖・デンプン量、窒素量、色素量、光合成速度および光阻害の季節変化を測定した。光阻害の指標として、一晩暗順化した葉を対象にクロロフィル蛍光反応測定で得られる光化学系Ⅱの最大光化学効率(Fv/Fm)を用いた。測定は樹冠表層の葉(陽葉)と樹冠下部の葉(陰葉)を対象として行った。夏季から秋季にかけて、糖およびデンプン量は全般的に陽葉が陰葉よりも多かったが、糖とデンプン量を合計した非構造性炭水化物量(non-structural carbohydrate, NSC)に対する糖の割合の季節変化は陽葉と陰葉で違いがなく、10月初めから落葉にかけて増加する傾向を示した。昨年度の顕微鏡観察により、離層形成による維管束の分断が認められなかったこととあわせて、アントシアニン合成に必要な糖の集積は、葉での糖・デンプン代謝の変化が原因であることが示唆された。糖の集積は葉の老化のシグナルになることが知られているが、炭水化物の糖への分配増加のタイミングが陽葉と陰葉で同じだったことから、樹冠内の光環境にかかわらず、同時期に老化が始まっていたと考えられる。また、乾重当たりの光合成速度と窒素量に関しても陽葉と陰葉間の差は小さく、葉の老化にともない同じタイミングで低下していく傾向が見られた。一方で、陽葉においては、光合成の低下にともなうアントシアン含量の顕著な増加が認められた。老化のタイミングや窒素回収のタイミングが同じであること、また、光阻害の指標となるFv/Fmの低下が光合成速度や窒素含量の低下より遅れて生じていることを考慮すると、紅葉の原因となるアントシアニンの葉葉での集積は、光酸化ストレスから葉を守り、窒素回収を確実に行うための防御機能として働いていることが考えられる。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 20H03036
  • クロロフィル結合モチーフをもつ低温誘導型チラコイド膜タンパク質LILの機能解析
    科学研究費助成事業
    2017年04月01日 - 2021年03月31日
    田中 亮一
    寒冷圏の植物が低温下で光障害を回避するメカニズムの解明を目指して、光化学系の調節や保護に機能すると考えられる、クロロフィル結合モチーフを持つLight-harvesting-likeタンパク質(LIL)の機能解明を目指した。シロイヌナズナのLIL8変異体の解析や複合体の解析、時間分解クロロフィル蛍光測定によって、LIL8が集光装置のダイナミクスの制御に関与していることが示唆された。また、イチイのIso-seq解析、イムノブロティングによって、光化学系II量子収率の年間変化とLIL1の蓄積が逆相関を示すことがわかった。LIL1が冬季に光化学系IIに結合して、熱放散に関与することが示唆された。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 17K07431
  • プロトン駆動力による電子伝達のフィードバック制御
    科学研究費助成事業
    2016年06月30日 - 2021年03月31日
    高橋 裕一郎; 坂本 亘; 田中 亮一; 伊福 健太郎
    光合成反応を行う光合成装置は、効率的に光を利用する機能と過剰な光による損傷と損傷修復の機構をもっている。自然環境下では光環境が著しく変化するため、光合成反応の促進(アクセル)と抑制(ブレーキ)の制御機構と損傷修復機構の解明が光合成効率の改善に重要である。本研究ではこのアクセルとブレーキのコントロールが「プロトン駆動力による電子伝達のフィードバック制御」によりどのように行われるかを分子レベルで解明した。この成果により、光合成生物の生産性の向上に必要な植物の改変の新しい指標を明らかにすることができた。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 岡山大学, 16H06554
  • 葉緑体イソプレノイド合成の中間体測定法開発による代謝経路の局在の解明
    科学研究費助成事業
    2014年04月01日 - 2015年03月31日
    田中 亮一
    本研究ではゲラニルゲラニル2リン酸(GGDP)およびフィチル2リン酸(PDP)が局在の量力体内での局在を明らかにするため、GGDP, PDPの定量法の確立を目指した。とくにgeranylgeranyl transferaseの活性を利用して、GGDP, PDPをダンシル化ペプチドと結合させ、これらの化合物を検出することを目指したが、この方法では、GGDPの検出には成功したものの、PDPを検出することはできなかった。そこで、クロロフィル合成酵素の活性を利用するため、まず、クロロフィル合成酵素の発現を大腸菌、昆虫培養細胞、無細胞発現系で試みたが、成功しなかった。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 26650088
  • クロロフィル分解経路の全体像の解明
    科学研究費助成事業
    2011年 - 2013年
    田中 亮一
    植物のクロロフィル分解経路の全容を解明することを目的として、100年前に発見されたクロロフィル分解活性を持つ酵素、クロロフィラーゼ(CLH)の局在と機能を研究した。CLHは液胞膜および小胞体に局在することが明らかとなった。また、生細胞内のクロロフィル分解には関与せず、昆虫の幼虫などが細胞を破壊した際に、活性を示し、植物の防御応答に関与していることが明らかになった。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 23570042
  • クロロフィル代謝研究の基盤整備と新展開に向けた総合的研究
    科学研究費助成事業
    2009年 - 2011年
    田中 歩; 田中 亮一
    クロロフィルサイクルの未同定な酵素7-ヒドロキシメチルクロロフィルa還元酵素(HCAR)の同定に成功した。この酵素の組み換えタンパク質は、2Fe-2SとFADを持ち、フェレドキシンを必要とし、これはジビニル還元酵素から進化したと考えられる。HCARの基質特異性から、クロロフィルb分解経路を調べたところ、クロロフィルb-7-ヒドロキシメチルクロロフィルa-クロロフィルaの経路で転換することが明らかになった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21370014
  • 葉緑体における包括的なタンパク質分解則の解明
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2009年
    田中 亮一
    葉緑体タンパク質であるchlorophyllide a oxygenaseにおいて、このタンパク質の正常なturnoverに必要な10残基の配列を同定した。また、この配列が葉緑体のClpプロテアーゼのデグロンである傍証を得た。さらに、この配列に類似な配列が他の葉緑体タンパク質にも見つかり、デグロンとして機能しうることが明らかになった。これらの結果から、このデグロンを介したprotein turnoverは葉緑体において一般的なメカニズムの一つであると考えられる。
    日本学術振興会, 若手研究(A), 北海道大学, 19687003
  • クロロフィル代謝の総合的研究
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2008年
    田中 歩; 田中 亮一
    クロロフィルは光合成の中心的な機能を担う分子である。この分子は、アミノ酸の一種であるグルタミン酸から作られる。また、クロロフィルは危険な分子であるため、老化時には安全な分子に転換される。本研究ではこのようなクロロフィルの代謝経路と代謝調節機構の解明に取り組んだ。また、クロロフィル代謝経路は、クロロフィルを必要な時に合成し、不要な時に分解するだけでなく、細胞死など多様な生理機能を担っていることを見出した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 18370013
  • 葉緑体形成に関わる新規の膜内在型亜鉛プロテアーゼファミリーの機能解析
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2006年
    田中 亮一
    葉緑体は植物にとって非常に重要なオルガネラであり、その正常な発達は植物の生育を左右する。申請者は、葉緑体の正常な発達に必須であると思われるCh5遺伝子を同定し、この遺伝子がコードするプロテアーゼが葉緑体形成においてどのような機能を担っているのかを明らかにしようと試みている。
    申請者が、シロイヌナズナch5変異体を生育したところ、若い葉での葉緑体はほとんど野生型と区別がつかず、古い葉では、葉緑体の構造に異常が見られることが明らかになった。主な異常は、グラナスタッキングの現象とチラコイド配向性の異常である。クロロフィルの蓄積量もch5変異体では古い葉ほど大きく減少していることが明らかになった。
    しかし、クロロフィルa/b比を調べてみると、クロロフィルa/b比は若い葉でも既に、野生型よりも上昇していることがわかった。この結果は、ch5変異の影響が既に若い葉でも見られることを示している。
    ch5変異体のタンパク質プロファイルを電気泳動、および、western blottingで調べてみると、cytochrome b/f複合体の蓄積量が野生型よりも上昇していることが明らかになった。
    また、Ch5遺伝子の発現相関解析を行った結果、Ch5はFtsHやDegPといった、他の葉緑体プロテアーゼの遺伝子と高い相関を持っていることが明らかになった。これらの結果から、Ch5プロテアーゼはチラコイド膜の不要なタンパク質の除去などの広範な機能をもっているのではないかと推測される。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 17770027
  • クロロフィル代謝の遺伝子の網羅的単離と緑葉の枯死と常緑化の制御機構の解明
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2005年
    田中 歩; 田中 亮一
    クロロフィルは、光合成において光エネルギーの捕捉や電子伝達の中心的な役割を果たしている。クロロフィル代謝は、緑化時に光合成系を構築し、老化時に不要なクロロフィルを処理することが、主要で唯一の役割と考えられてきた。しかし、クロロフィル代謝はこのような機能に限定されているのではなく、緑葉の細胞死(leaf lethal、枯死)と常緑化(Stay green)の現象に深く関わっている。これらの現象は、クロロフィル合成や分解の中間代謝物が活性酸素を発生させ細胞死を引き起こすこと、また、クロロフィルの分解の抑制が植物の老化自体を遅延させることに原因している。本研究の目的は、(1)クロロフィルの合成と分解、およびそれらを調節する遺伝子を網羅的に単離し、(2)それらの遺伝子の緑葉の枯死と常緑化に対する役割を明らかにし、(3)将来の農学的な応用の基盤を作ることである。
    クロロフィルaの合成を触媒する酵素の遺伝子の多くは同定されていたが、ジビニルプロトクロロフィリドaをモノビニルプロトクロロフィリドaへ触媒するジビニルプロトクロロフィリド8-レダクターゼ(DVR)だけは、同定されていなかった。昨年度は、DVR遺伝子を始めて同定することに成功し、高等植物のクロロフィル合成系遺伝子が全て決定された。本年度は、DVRの酵素学的研究を行った。その結果、DVRの基質は、従来考えられていたジビニルプロトクロロフィリドではなく、ジビニルクロロフィリドであることを明らかにした。この研究により、クロロフィルの代謝経路を確定することに成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 15370015
  • 高等植物のクロロフィリドaオキシナーゼ(CAO)活性調節機構の解析
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2004年
    田中 亮一
    陸上植物の光化学系(光化学系Iおよび光化学系II)は、反応中心複合体と周辺アンテナタンパク質複合体と呼ばれる2種類の複合体で構成されている。このうち、周辺アンテナタンパク質複合体はLHCというファミリーに属するポリペプチド群から成り立っている。LHCの量は、植物の生育する光環境によって、変動し、光化学系が受ける光の量の調節に重要な役割を果たしていると考えてられている。
    申請者は、既に、このLHCタンパク質の蓄積にクロロフィルbの合成が重要な役割を果たしていることを示してきたが、今回、さらに、クロロフィルbの合成が増加した形質転換株、および、減少した形質転換株を用いて、LHCタンパク質のうち、Lhcb1,Lhcb3,Lhcb6タンパク質が特にクロロフィルb合成の影響を受けることを明らかにした。また、Lhcb2,Lhca1,Lhca4の蓄積もクロロフィルb合成の影響を受けることを、既に報告のあった大麦に続いて、シロイヌナズナでも明らかにした。
    また、クロロフィルb合成酵素である、クロロフィリドaオキシゲナーゼ(CAO)の活性調節に、このタンパク質のN末端ドメイン(Aドメインと呼ぶ)が重要な働きをしていることを見いだした。Aドメインはクロロフィルbの存在下でCAOの活性の抑制に働くことが明らかになった。リボソームフラクションの解析によって、この抑制効果は、少なくとも、転写、翻訳の段階以降で作用していることが、明らかになった。
    さらに、CAO過剰発現株の抑制因子のサプレッサー変異体の単離を試みたが、ジーンサイレンシングの頻度が高く、単離には到らなかった。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 15770020
  • クロロフィルb生合成による光化学系アンテナサイズ調節機構の解析
    科学研究費助成事業
    2001年 - 2002年
    田中 亮一
    本研究の目的は、クロロフィルb生合成による光化学系アンテナサイズの調節機構を明らかにすることである。高等植物のクロロフィルb生合成はクロロフィリドaオキシゲナーゼ(CAO)によって触媒されることが明らかになっている。
    申請者は、CAOを過剰発現する形質転換植物(シロイヌナズナ、Arabidopsis thaliana)を作出し(YK株と名付けた)、これを材料として研究をすすめてきた。また、比較対象として、野生型シロイヌナズナおよびCAO遺伝子欠損変異株(ch1-1)を用いた。野生型株は、強い光条件下(1.2 mE m-2 s-1)で生育させると、CAO遺伝子の発現の減少とアンテナサイズの減少が見られるが、YK株ではCAO遺伝子を強制的に過剰発現しており、アンテナサイズの減少は見られなかった。この結果から、CAO遺伝子の発現がアンテナサイズを調節していることが明らかとなった。電子顕微鏡でYK株のチラコイド膜のスタッキングの度合いを調べたところ、スタッキングの程度は野生株と変わらないことが明らかとなった。また、ch1-1においても明らかなスタッキングが見られた。この結果は、チラコイド膜のスタッキングにはCAOの発現、およびLHCタンパク質(LHCタンパク質の蓄積はCAOによって制御されている)以外の要因が関与していることを示している。また、HPLCによるカロチノイド含量の測定によって、YX株、ch1-1、野生株の間でカロチノイドの量には大きな違いがないことが明らかになった。
    これらの結果から、高等植物の強光への適応過程において、CAOがアンテナサイズすなわちLHCタンパク質の調節に重要な役割を果たしていること、チラコイド膜のスタッキングにはさらに別のファクターが関与していることが明らかとなった。また、カロチノイドの合成にはCAOは影響を及ぼさないことが明らかになった。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 13740449
  • 光エネルギー捕捉系を改変し光合成能を高めた形質転換植物の作製
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2002年
    田中 歩; 保坂 秀夫; 田中 亮一; 原 登志彦
    植物は光エネルギーを利用して光合成を行っており,光エネルギーをどれだけ集めるかは植物の生産性に直接関係している。野外では植物は光環境や栄養条件に応答して光エネルギー捕捉装置の大きさを調節して最適な光合成を実現していると考えられている.しかし,人間が作った栽培条件では,植物は必ずしも最高の生産性を示していない。集光装置を大きくすることは、光不足の栽培条件下では生産性の向上に必要と思われる。集光装置の大きさを制御するのは、周辺集光装置を構成するクロロフィルbの合成活性と考えられてきた。我々が単離したCAOは二段階の酸素添加反応を触媒し,クロロフィルaをクロロフィルクに転換する酵素であり、クロロフィルb合成を単独で調節しており,この発現が集光装置の大きさを制御していることをこれまで明らかにした.そこで,シロイヌナズナの野生型,及びクロロフィルb欠損株に、35Sプロモーター制御のCAOを導入した。CAOを導入した株では、集光装置が約20%大きくなったことが示された。つぎに,CAOの発現が大きな株を単離し、野生株と成長との比較をしたところ,弱光下では野生株より有意に成長が早かった。これは,光合成機能そのものを改変し,生産性の向上に成功した最初の例である.さらに,CAOタンパク質そのものの改変を行ったところ,CAOが葉緑体内で安定に存在し,その結果非常に大きな集光装置を作成することに成功した.
    従来,光合成は最高の効率を実現しているため,その改変は,光合成の低下を招くことがあっても,効率の上昇には繋がらないと考えられてきた.しかし本研究の結果は,光合成のエネルギー転換系を改変し,生産性を高めることが基本的に可能であることを示すものである.これは,今後の光合成の改変による農業的応用に道を拓いたと考える.
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 12354009
  • クロロフィルb合成遺伝子CAOから見た葉緑体と核との相互作用
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2000年
    田中 歩; 田中 亮一
    光合成器官である葉緑体では,捕捉した光エネルギーの過不足や波長特性の異なる光によって,電子伝達系の酸化還元状態の偏りや,還元力の供給と利用速度とのアンバランスが生じる。このようなアンバランスを解消するため,光エネルギーを捕捉する集光装置の大きさが制御されなくてはならない。これらのアンバランスの認識と集光装置の制御は核によって行われているため,核と葉緑体間の何らかのクロストークが必要と考えられる。
    クロロフィルaオキシゲナーゼ(CAO)は2段階の酸素添加反応を触媒し,クロロフィルaをクロロフィルbに転換する酵素であり,クロロフィルbの合成速度と集光装置の大きさを制御している。このため,葉緑体の何らかの状態,例えば過剰な光エネルギーを捕捉したときに起こる電子伝達系の還元状態がCAOの発現を調節していることが考えられる。
    そこで,フィトクロームや青色受容体の変異株が、光強度を認識し集光装置の大きさを変化させるかを調べた。その結果,これらの変異株においても、低照度では大きな光化学系が作られ、高照度では小さな光化学系が形成された。この結果は、フィトクロームや青色色素は、光強度を認識する受容体では無いことを示唆しており、光強度の認識は葉緑体が行っていると予想される。次に、CAOの欠損株に35Sプロモータをつないたものを導入し、光環境への適応を調べた。この株は光強度を下げても,集光装置は大きくならなかった。これらのことから、CAOの発現が葉緑体からの何らかのシグナルによって制御され、これが集光装置の大きさを制御していると考えられる。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 北海道大学, 12025201
  • 光化学系成分核遺伝子群の発現制御機構に関する国際共同研究
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2000年
    小保方 潤一; 田中 亮一; 田中 歩; 中邨 真之; 杉浦 昌弘
    平成12年1は田中亮一(7/14〜23)、小保方(1/21〜27)、田中歩(2/16〜23)がそれぞれ渡米し、カリフォルニア大学のMelis教授と研究上の打ち合わせ及び共同実験を行った。また、イエナ大学のOelmuller教授が名古屋大学に滞在(2/19〜3/3)し、小保方らと共同実験を行った。また、これらの訪問の際にはそれぞれ相手先の研究室主催で公開セミナーを行った。また、国内研究分担者の中邨(名大)、杉浦(名市大)、田中歩(北大)、田中亮一(北大)らの間では学会等の機会を使って頻繁に研究打ち合わせを行った。その結果、本年度は以下のような研究成果が得られた。
    (1)昨年度の研究で植物の光化学系核遺伝子群には特有なプロモーター構造/構成があることを突きとめたが、この特徴はオルガネラゲノムから核ゲノムへ転移した遺伝子群が新たにプロモーターを獲得する機構と関係があることを示す知見を得た。また、10種類ほどの遺伝子のプロモーターについて、トランジェント発現系等を用いた機能解析を進めた(小保方、中邨、Oelumullerら)
    (2)緑藻のDunaliellaは外界の光強度に応じて集光性アンテナ複合体の大きさを制御する機構のあることが知られているが、この機構にクロロフィルaオキシゲナーゼ遺伝子が関与していることを突き止めた。<田中亮、田中歩、Melisら)
    (3)緑藻のChlamydomonas等を用いて、光化学系核遺伝子群の光応答には、フィトクロムなどの光受容体を介するシグナルの他に、光合成の量子伝達系から発せられるシグナルが関与していることを明らかにした。(小保方、中邨、Oelmuller、Melisら)
    (4)葉緑体ゲノム上の光化学系遺伝子群にみられるRNAエディティングには核ゲノムにコードされている遺伝子特異的トランス因子が関与していることを示した。(小保方と杉浦ら)
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 名古屋大学, 11694190
  • クロロフィル生合成、光合成の環境適応機構の解析
    競争的資金
  • Chlorophyll metabolism
    競争的資金
■ 産業財産権
  • クロロフィル生合成に関与する新規ビニル基還元酵素およびその利用
    特許権
    特開2006-187203