村田 憲一郎 (ムラタ ケンイチロウ)

低温科学研究所 共同研究推進部准教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(工学), 東京大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
研究者番号
  • 60646272
ORCID IDJ-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 光学顕微鏡
  • 表面融解
  • 結晶成長
  • 濡れ
  • 相転移ダイナミクス
研究分野
  • ナノテク・材料, 結晶工学
  • 自然科学一般, 生物物理、化学物理、ソフトマターの物理
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2026年07月 - 現在
    北海道大学, 低温科学研究所, 准教授
  • 2014年04月 - 2026年06月
    北海道大学, 低温科学研究所, 助教
  • 2013年12月 - 2014年03月
    東京大学, 生産技術研究所, 特任助教
  • 2012年04月 - 2013年11月
    東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員
  • 2009年04月 - 2012年03月
    東京大学, 生産技術研究所, 研究機関研究員
  • 2007年04月 - 2009年03月
    日本学術振興会, 特別研究員(DC2)

研究活動情報

■ 受賞
  • 2025年11月, 日本結晶成長学会, 日本結晶成長学会第42回論文賞
    氷の融液成長機構の解明
    村田憲一郎
  • 2020年03月, 日本物理学会, 第14回(2020年)日本物理学会若手奨励賞
    氷の表面融解機構の解明
    村田 憲一郎
  • 2017年11月, 日本結晶成長学会, 第15回奨励賞
    氷結晶の表面融解における熱力学的起源の解明
    村田憲一郎
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 主な担当授業
  • 宇宙物質相転移科学特論, 2024年, 修士課程, 理学院
■ 所属学協会
  • 日本結晶成長学会
  • 日本物理学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 超高温下での氷結晶最外表面層の構造変化と結晶成長カイネティクスの相関の解明
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
    佐崎 元; 長嶋 剣; 村田 憲一郎
    令和5(2023)年度には,次の3点の開発および研究を行った.
    1)低温観察チャンバーシステムの作製:-20~0°Cの温度領域で±0.05°Cの温度精度で氷結晶の温度を制御できる観察チャンバーシステム(既に1台現有)を新たに1台作製した.
    2)極低温観察チャンバーシステムの作製:-140~-20°Cの極めて幅広い温度領域で±0.1°Cの温度精度で氷結晶の温度を制御できる観察チャンバーシステムを全く新たに設計・開発した.
    (1)開発第1号機:ロータリー式真空ポンプによる減圧を利用して液体窒素を送液することで,無酸素銅製のステージを冷却した.また,銅ステージにヒーターを取り付け,液体窒素の送液量とヒーターの加熱量を精密に制御することで温度を制御した.しかし,減圧された配管内部での液体窒素の昇華に伴い,温度が低下し液体窒素が固化する現象が頻発した.これを防ぐために,配管に外部から十分な量の熱が常に伝わる構造とした.その結果,本チャンバーは-90°Cまで温度を下げた状態で,チャンバー内部に約10°Cの温度分布ができてしまうことがわかり,開発を断念した.ステージが外部と比較的多く熱接触していたことが,温度分布発生の原因であると考えられた.
    (2)開発第2号機:そこで,次にステージと外部との接触面積を,力学的な強度が確保できる限りにおいて最小にすることで温度分布の改善を試みた.その結果,温度を-140°Cまで低下させることに成功したとともに,-140°C時におけるステージ内の温度分布を0.8°C以内に抑え,ほぼ均一な温度分布を実現することにも成功した.
    3)1)2)で作製した両観察チャンバー中で氷結晶を成長させ,氷結晶表面上の単位ステップをレーザー共焦点微分干渉顕微鏡を用いてその場観察することにも成功した.今後,様々な温度領域で単位ステップの形状や成長ダイナミクスを観察・計量する予定である.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 23K26555
  • 氷の界面融解における普遍性の探求:顕微鏡その場観察によるアプローチ
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    村田 憲一郎
    令和3年度は,主に①正立型レーザー共焦点微分干渉顕微鏡(LCM-DIM)システムの構築とLCM-DIMによる一分子段差の検出,および②全反射照明を組み込んだ氷成長観察チャンバー(正立用)の開発に取り組んだ.以下にその概要を記す.


    ①正立型LCM-DIMの構築後,標準試料として石膏とシリコンカーバイトの結晶表面を観察し,両サンプルにおいて一分子段差(それぞれ,0.76nm,0.5nm)の観察に成功した.当初の計画通り,既存のLCM-DIM(オリンパス社製)と同等の高さ分解能を達成しつつ,時間分解能を上回る性能を得られた.加えて,Zeiss社の独自技術である円偏光微分干渉顕微鏡(C-DIC)の共焦点化にも取り組んだ.通常の微分干渉顕微鏡は,段差コントラストに異方性を持ち,特定方向のコントラストが落ちることが知られている.従来のLCM-DIMにおいても同様の弱点があり,コントラストの弱い単位ステップのダイナミクスをその場観察する上で弊害となり得る.一方,C-DICでは円偏光を用いることで,コントラストの異方性を任意の方向に制御することが可能である.今回の研究により,C-DICの共焦点化に成功し,Åオーダーの高さ分解能を維持しつつコントラストの異方性を任意に調整することが可能となった.


    ②倒立型顕微鏡用にプロトタイプとして作成していた全反射照明系氷成長観察チャンバーを改良し,正立型LCM-DIMで使用できるようにした.これにより,次年度にシングルフォトン検出器を導入次第,直ちに微粒子からのエバネッセント光の散乱を観察できる段階に入った.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21H01824
  • 多結晶氷の表面融解機構の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2019年04月01日 - 2022年03月31日
    佐崎 元; 長嶋 剣; 村田 憲一郎
    多結晶氷は単結晶氷とは異なり,粒界や高指数面から成る粒表面を持つ.これらが氷結晶の表面融解に及ぼす影響について調べ,2019年(令和元年)度には主に下記の2つの成果を得た.
    1.粒界での液相の生成:粒界中での擬似液体層の生成をモニターするために,粒径650 nmのポリスチレン粒子をケンダクした超純水を液体窒素温度に冷却したガラス板上に滴下し,多結晶氷薄膜(厚み70 ミクロンm)を作製した.そして,様々な温度-水蒸気圧下で,レーザー共焦点微分干渉顕微鏡およびリニーク型干渉計(新規開発)を用いてその場観察した.その結果,粒界上では温度-3~-2°Cで,昇温とともに液相が生成し,降温とともに液相が消滅することを見出した.また,同じ温度領域で,水蒸気圧を変化させて観察したところ,水蒸気が過飽和・平衡・未飽和であるに関わらず,粒界上で液相が生成・消滅することがわかった.この結果は,氷単結晶で得られた結果とは大きく異なる.氷単結晶の場合には,気固平衡条件近傍では,準安定相である擬似液体層は生成しなかった.多結晶氷での結果は,粒界が著しく不安定であり,温度-3~-2°C以上になると粒界が融解するものと考えられる.すなわち,粒界で生成する液相は,熱力学的に安定であると考えられる.
    2.結晶粒表面での液相の生成:さらに約-0.8°Cよりも高温になると,昇温に伴い結晶粒の表面に液滴が核形成・成長するが,数分~10分程度で生成した水滴は自発的に消滅することがわかった.この結果も,単結晶上での結果とは大きく異なる.氷単結晶上では,特定の過飽和/未飽和な温度-水蒸気圧領域では,擬似液体層は動力学的に安定に存在できた.多結晶の結晶粒表面で液相が生成・消滅する温度条件では,結晶粒表面で液滴が生成しても,より安定な粒界中の液相に,水蒸気を介して相転移するものと考えられる.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 19H02611
  • 結晶-融液界面における階層的動力学
    科学研究費助成事業 若手研究(A)
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    村田 憲一郎
    氷の一分子段差(0.37 nm)を可視化する共焦点微分干渉顕微鏡を用いて氷-水界面をその場観察することにより、融液界面の微視的状態、および氷成長界面における階層的動力学を実験的に明らかにした。具体的には、水-氷という結晶-融液界面であっても単位ステップが存在すること、また実験条件によって単位ステップがバンチングを起こし、特異なステップダイナミクスを呈することを見出した。加えて、氷表面(氷-気相界面)における擬似液体層の生成を直接観察することで、長年の謎であった擬似液体層の熱力学的起源を解明した。また、氷の気相成長において初めて単位ステップが駆動する渦巻成長過程を可視化することに成功した。
    日本学術振興会, 若手研究(A), 北海道大学, 16H05979
  • 結晶表面上の化学反応を可視化する:氷表面上での酸性ガスの吸着・融解反応の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2015年04月01日 - 2018年03月31日
    佐崎 元; 長嶋 剣; 村田 憲一郎; 古川 義純; 古川 義純; 猪股 将弘; Chen Jialu
    下記の6点を見出した.1) HClガスが存在すると,擬似液体層が存在し得ない温度領域においても,氷上に液体相が生成する.2) HClガス存在下で氷を成長させるとHCl液滴が液体のまま氷中に取り込まれる.3) 氷上のHCl液体相の濡れ角は純水よりも顕著に大きい.4) 二酸化炭素と酸素は擬似液体層の生成に寄与しない.5) 氷表面に存在する液滴状と薄層状の擬似液体層は,バルク水に比べてそれぞれ20倍および200倍流れにくい.また,2種類の擬似液体層は,氷表面での液相の濡れ性が水蒸気圧によって異なることで生成する.6) 氷ベーサル面の単位渦巻ステップの成長カイネティクスは複雑な温度依存性を示す.
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 15H02016
  • 不凍タンパク質の機能は吸着氷界面の方位で異なる-氷結晶成長の促進と抑制機構の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2014年04月01日 - 2018年03月31日
    古川 義純; 佐崎 元; 長嶋 剣; 村田 憲一郎
    凍結抑制タンパク質を含む過冷却水中で氷結晶の成長実験を行い、結晶の形態形成や成長速度の濃度、過冷却度、面方位依存性を、新開発の光学顕微鏡を駆使して測定した。
    氷のプリズム面に関しては成長速度の抑制効果が再確認されたが、ベーサル面については成長速度が促進されることが明らかになり、このタンパク質の効果は面方位に依存(異方的)することが確かめられた。ベーサル面の成長促進は、成長ステップのエッジに吸着したタンパク質分子が、新たな成長ステップの発生源として作用するためと考えられ、結晶成長に対する新たな不純物効果モデルを提案した。さらに、この異方的効果が生体の凍結抑制機構の本質であることを示した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 26287095
  • 粉粒体における相転移ダイナミクスと非線形レオロジーの競合
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2013年04月01日 - 2015年03月31日
    村田 憲一郎
    相転移・不安定化現象に伴う強い非平衡状態と粉粒体の非線形レオロジーとの間の動的競合についての実験的研究を行った。本課題では、ウェットフォーム薄膜のDewetting(界面不安定化の一種)を例にとり、一粒子レベルの運動が関与する不安定化の起点から、中・後期過程のマクロな粗大化に至るプロセスの実時間・実空間観察を行った。特にウェットフォームの非線形レオロジーにより、粘性流体における従来型のスケーリング則がどのように破れるのかという点に着目し、粉粒体の相転移・不安定化ダイナミクスにおける新たなスケーリング則を見出した。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 25800234
  • 高分解光学観察による氷結晶表面での疑似液体層の動的挙動の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2011年04月01日 - 2015年03月31日
    佐崎 元; 古川 義純; 長嶋 剣; 村田 憲一郎; 麻川 明俊; 清田 達央; 猪股 将弘
    1)氷結晶ベーサル面上では,ある臨界水蒸気圧以上の高過飽和下でのみ,液滴状および薄層状の2種類の擬似液体層が生成しうることを見出した.また,2)氷中の格子欠陥周囲に形成される歪みが,擬似液体層の生成を顕著に誘起することを見出した.さらに,3)氷結晶のプリズム面および高指数面上においても,ベーサル面と同様の温度領域で,液滴状および薄層状の2種類の擬似液体層が生成することを見出した.以上に加えて,4)氷ベーサル面上での単位ステップの成長は,水蒸気の体積拡散および表面拡散に律速されることを明らかにするとともに,5)ベーサル面上の渦巻ステップは,2重渦巻構造を持つことを見出した.
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 23246001
  • 単成分液体における液体・液体相転移の外場制御
    科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    2007年 - 2008年
    村田 憲一郎
    液体・液体転移とは、単一成分液体が別の液相に一次転移する現象であり、液体の本質に関わる現象として極めて重要である。しかし、それらの転移点が高温・高圧、もしくは結晶化に対する絶対不安定領域に存在するという困難な実験条件のため、実験事実を基にした本格的なアプローチは殆どなされていなかった。我々の研究グループは常温・常圧下に液体・液体転移が存在する亜リン酸トリフェニル(以下TPP)、n-butanolを発見し、昨年度はその微視的機構を中心に研究を進めてきた。この現象の基礎学術的な重要性もさることながら、二つの液相間で物理的・化学的性質(屈折率、誘電率、粘性、濡れ性、異種物質に対する相溶性など)が異なることから、液体の新たな物性制御法としても極めて重要であるといえる。そこで本年度は、表面効果やレーザー光を用いて、液体・液体転移を時間的・空間的に制御することを目的として研究を行った。そこで、初めにこの転移における濡れの影響について検証した。我々は液体IIの濡れ性を表面物質を選択することで制御し、今まで観察されなかった転移キネティクスを見出すことに成功した。更に、この液体IIの濡れ性に付随して、基板表面におけるメゾスコピックスケールでのモルフォロジーの変化が、この転移のキネティクスを時間的・空間的に大きく変更されることも見出した。また、レーザー光により発生する電歪効果を用いて液体・液体転移を誘起し、レーザー光の高い空間分解能を生かして、液体IIのマイクロメートルスケールでのパターン制御にも成功している。本研究テーマは、液体・液体転移を表面効果やレーザー光を用いて直接制御することにより、同じ物質でありながらその物性を時間的・空間的に大きく変えるという画期的な試みであり、基礎・応用の両面で極めて大きなインパクトがあると考えている。
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 東京大学, 07J03498