康 子辰 (コウ シシン)

工学研究院 機械・宇宙航空工学部門 機械材料システム博士研究員

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2026年04月 - 現在
    北海道大学, 大学院工学院, 博士研究員
  • 2022年07月 - 2026年03月
    秋田県立大学, システム科学技術学部, 博士研究員, 日本国
  • 2016年04月 - 2017年09月
    セイコーエプソン株式会社, 日本国
学歴
  • 2017年10月 - 2022年03月, 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 情報数理学専攻, 日本国
  • 2014年04月 - 2016年03月, 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 情報数理学専攻, 日本国
  • 2007年09月 - 2011年06月, 合肥工業大学, 理学部, 応用数学, 中華人民共和国

研究活動情報

■ 論文
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 細胞力学モデルおよび細胞輪郭データを基盤とした先端成長細胞の変形機構の解明
    科学研究費助成事業
    2025年04月 - 2029年03月
    康 子辰
    細胞成長は,水や表面張力のような力学要素や,それらの時空間変動など,複雑な要因によって制御されるが,あらゆる要素を実測するのは至難である。植物細胞の変化に富んだ形は,細胞骨格などの分子階層の挙動が力学要素を介して細胞成長を精緻に制御することによって生み出される。しかし,遺伝子解析や分子機能解析が進む一方で,さまざまな技術制限から力学要素(圧力・張力,細胞壁伸展性)の実測に至っておらず,分子機能‐細胞力学の関係性の解明には至っていない。そこで,本研究では,細胞力学モデルを開発して,細胞形状などの実測可能な特徴量(実験データ)を入力して,実測困難な力学要素を定量的に逆演算する基盤技術を提案する。
    日本学術振興会, 若手研究, 秋田県立大学, 研究代表者, 競争的資金, 25K18499
  • 植物受精卵の個体差ばらつきを統一的に分析するための新規シグナル標準化手法の確立
    戦略的創造研究推進事業, 若手研究者チャレンジ
    2026年04月 - 2027年03月
    康 子辰
    植物細胞において、細胞内の分子動態と細胞表面の力学特性は密接に関係しているため、マクロな形態変化に伴う力学特性の変動は細胞内のミクロな分子動態へ影響を及ぼす。こうした分子・力学・形態におけるフィードバック機構を解明するためには、多階層時系列データの統合的な解析手法が求められる。これまでの研究で、力学モデルを介して膨圧(P)や成長領域(l_g)などの力学特性を推定し、それら力学パラメータとCa2+振動性や表層微小管配向との関係を調べることで、受精卵の異方成長メカニズムにおける力学の役割を明らかにしてきた。本研究では、多階層時系列データに潜在する物理量同士の関係性を、個体差ばらつきを基準化することで、多データ間を相互比較できるような方法論を開発することを目指す。
    科学技術振興機構, [多細胞] 多細胞間での時空間的相互作用の理解を目指した定量的解析基盤の創出, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金
  • 植物受精卵の成長制御機構の解明に向けた多階層時系列データのクラスタリング解析とその応用
    戦略的創造研究推進事業, 若手研究者チャレンジ
    2025年04月 - 2026年03月
    康 子辰
    細胞成長は、水や表面張力のような力学要素や、それらの局所変動など、複雑な要因によって制御されるが、全要素をあまさず実測するのは至難である。植物受精卵は、力学要素を介して細胞成長を精緻に制御し、体軸形成を実現する。遺伝子発現の特定が進む一方で、力学要素の実測には至っていない。そこで本研究では、時系列処理に適する機械学習法(リザバー計算)を導入し、実測可能な時空間情報から、「見えない」力学要素を網羅的かつ定量的に推定する新方法論を創出する。これにより、イオンチャネル開閉から吸水性増減、細胞の局所成長に至る過程など、遺伝子・力学・生理・発生の定量的理解を目指す。
    科学技術振興機構, [多細胞] 多細胞間での時空間的相互作用の理解を目指した定量的解析基盤の創出, 秋田県立大学, 研究代表者, 競争的資金
  • リザバー計算による植物受精卵の実測困難な力学パラメータの推定
    戦略的創造研究推進事業, 若手研究者チャレンジ
    2024年04月 - 2025年03月
    康 子辰
    植物受精卵の成長理解には、形態変化の実測を基盤に、核・微小管・Ca波などのライブイメージングや、膨圧・表面張力といった細胞質力学要素の推定が重要である。しかし、力学要素は実測困難なため、力学モデルを介したパラメータ抽出や細胞内オルガネラの時系列分類などによって細胞内事象を間接的に知る方法論の開発が期待されている。これまでの研究でさまざまな力学要素を推定し、それらが微小管配向やCa波などと精緻に相関していることが見えてきた。そこで本研究では、目視では気付かない「見えない」関係性を網羅的に暴き出すべく、着目した二者間だけなく、多データ間を包括的に相互比較できる方法論を開発することを目指す。
    科学技術振興機構, [多細胞] 多細胞間での時空間的相互作用の理解を目指した定量的解析基盤の創出, 秋田県立大学, 研究代表者, 競争的資金
■ 学術・社会貢献活動/その他
社会貢献活動
  • ライブセルイメージングデータに対する画像解析技術の開発
    2022年09月 - 2023年03月
    インタビュアー
    科学技術振興機構
メディア報道
  • 秋田県立大と東北大、植物受精卵の微小管バンド構造とその移動現象の仕組みを数値シミュレーションによって定量的に解明
    2025年07月30日
    日本経済新聞
    植物の茎と根を結ぶ上下軸(体軸)は,受精卵期の異方的な先端成長(1)とその後の上下不等分裂によって決まると考えられています(図1A).シロイヌナズナにおいて,受精卵の異方成長の際に,細胞の表層微小管が先端付近に円環状のバンド構造を形成し,成長に伴って細胞先端側へバンドが移動することが,実験から観察できていました(図1B).しかし,どのような仕組みで多数の微小管が協調あるいは競合して配向秩序化(2)しバンド構造を形成し,かつ移動を達成するのかは未解明でした.

    本研究では,秋田県立大学の野々山朋信博士研究員および津川暁助教らと東北大学の植田美那子教授らが協働し,顕微鏡画像から微小管バンド幅とバンド移動速度を定量化しました.この定量データに基づいて,微小管エージェントモデル(3)を構築し,微小管の配向を変化させる方向誘因領域に対して微小管の応答能(4)や微小管バンド移動の必要条件を定量的に示しました.類似の先端成長を示す根毛細胞などでは成長が速すぎるためにバンドが形成されない可能性が示唆されました.

    これらの知見により,表層微小管に代表される細胞骨格と細胞形態の関係が明らかになるばかりでなく,方向誘引により繊維バンド構造が集積するような繊維強化材料などの設計や製造への応用も期待されます., 50615609, [新聞・雑誌]
  • 東北大と秋田県立大、植物受精卵の半球形状を生む細胞壁変形原理を解明
    2024年12月13日
    日本経済新聞
    春の七草の一種であるナズナ(ペンペン草の仲間)は茎や根などの体軸(上下軸)をもっており,私たち人間の背骨のように地上の体を支えたり姿勢を整えたりする力学的に重要な役割をもっています.しかしながら,このような植物の体軸が受精後の一細胞である受精卵からどのように形成されるのかは,これまで詳しくわかっていませんでした.先行研究では,受精卵が一方向に異方的に伸長しドーム型の頂端細胞と細長い基部細胞に分裂することが体軸形成にとって極めて重要であることが明らかにされていましたが,この受精卵の異方成長がどのような仕組みで達成されているかは未解明でした.

    本研究では,東北大学の植田美那子教授らと秋田県立大学の康子辰博士研究員および津川暁助教らが強力なタッグを組むことで,顕微鏡画像で得られた受精卵細胞形状と伸長速度データを定量的に分析し,受精卵先端が半球状態を維持しながら伸長することを発見しました.さらに,粘弾塑性(1)を考慮した細胞力学モデルを構築することで,この先端半球の維持には細胞壁が特有の変形分布をとることや,表面の法線方向に伸長することが必要であることがわかりました.

    これらの知見により,植物科学で得られる細胞画像データから細胞の変形メカニズムや表面力学などの力学情報を再分析することが可能になるため,植物生理学や遺伝学を力学的に捉え直すことを可能にするばかりでなく,育種学や品種改良などで受精後細胞の変形を理解し設計するような実学応用も期待されます., [新聞・雑誌]