谷本 陽一 (タニモト ヨウイチ)

地球環境科学研究院 地球圏科学部門 気候力学分野教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 東北大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
研究者番号
  • 00291568
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 大気海洋相互作用
  • 気候変動
  • 海面水温
研究分野
  • 自然科学一般, 大気水圏科学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2000年 - 2012年
    北海道大学 大学院地球環境科学研究科(研究院), 准教授
  • 1998年10月 - 2000年03月
    地球フロンティア研究システム, サブリーダー
  • 1996年10月 - 1998年09月
    東京都立大学理学部, 助手
  • 1995年04月 - 1996年09月
    ワシントン大学, 日本学術振興会海外特別研究員
  • 1994年04月 - 1995年03月
    日本学術振興会, 日本学術振興会特別研究員(PD)
学歴
  • 1989年04月 - 1994年03月, 東北大学, 理学研究科, 地球物理学専攻
委員歴
  • 2013年06月 - 現在
    気象庁, 異常気象分析検討会委員, 政府
  • 2007年 - 2013年
    気象庁異常気象分析作業部会部会, 部会員, 政府
学内役職歴
  • 教育研究評議会評議員, 2021年10月1日 - 2023年9月30日
  • 大学院環境科学院長, 2021年10月1日 - 2023年9月30日
  • 大学院環境科学院長, 2023年10月1日 - 2025年9月30日
  • 大学院地球環境科学研究院長, 2021年10月1日 - 2023年9月30日
  • 大学院地球環境科学研究院長, 2023年10月1日 - 2025年9月30日

研究活動情報

■ 受賞
  • 2011年05月, 日本気象学会, 2010年度JMSJ award受賞
    谷本陽一
  • 2002年10月, 日本気象学会, 2002年度正野・山本論文賞受賞
    谷本陽一
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
■ 講演・口頭発表等
  • 海面水温フロント上における気温と運動量の鉛直構造
    谷本陽一
    Sixth China-Korea-Japan Joint Conference on Meteorology, 2013年10月24日, 英語, 口頭発表(一般)
    南京, セッションコンビナー 座長, [国際会議]
  • 黒潮続流上における大気下層の調節過程
    谷本陽一
    日本気象学会2012年春季大会専門分科会 「東アシアモンスーンと黒潮(II) ―中緯度大気海洋相互作用に着目した新たな研究のハラタイム」, 2012年05月26日, 日本語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演], [国内会議]
■ 主な担当授業
  • 気候変動特論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 環境と人間, 2024年, 学士課程, 全学教育
■ 所属学協会
  • アメリカ地球物理学連合
  • 日本地理学会
  • アメリカ気象学会
  • 日本気象学会
  • 日本海洋学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 熱帯・極域と双方向作用する中緯度域の気候変動と将来変化
    科学研究費助成事業
    2024年04月01日 - 2029年03月31日
    時長 宏樹; 小川 史明; 山本 絢子; 森 正人; 望月 崇; 谷本 陽一
    日本学術振興会, 学術変革領域研究(A), 九州大学, 24H02229
  • 気候の過渡的応答を規定する海洋中規模渦による海洋熱吸収の全球定量化
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
    谷本 陽一; 富田 裕之; 木戸 晶一郎
    高解像度海洋再解析データを利用し、北太平洋の海洋中規模渦上で行われた大気と海洋の熱交換に焦点を当てた研究を実施した。本研究では、渦を個別にトラッキングする従来のラグランジュ的手法ではなく、各格子点の流速データから求められる曲率渦度に基づき、高気圧性・低気圧性の中規模渦をオイラー的に抽出する手法を高解像度海洋再解析データに適用することを試みた。抽出された高気圧(低気圧)性回転を示すグリッドでの海面水温は、85%以上の割合で長期間の時間平均場に対する正(負)偏差を示した。また、高気圧性・低気圧性回転それぞれでコンポジットした水温偏差は、暖水渦・冷水渦に特徴的な渦の中心から概ね同心円状に分布する水温偏差の水平・鉛直構造を適切に再現し、本研究の手法が暖水渦・冷水渦を高解像度海洋再解析データから適切に取り出せることを示した。
    さらに、中規模渦が検出されたグリッドとそうでないグリッドの海面熱フラックスを比較した結果、高気圧性(低気圧性)渦上では下向き(上向き)の海面熱フラックス偏差が示された。高気圧性(低気圧性)渦の存在頻度は中緯度の水温フロントの高緯度(低緯度)側で大きいため、中規模渦に伴う大気海洋熱交換は高緯度(低緯度)側での海洋からの熱放出を促進(抑制)し、結果として海水温の緯度分布を維持する働きを持つことが示された。このような海洋中規模渦に伴う大気海洋熱交換偏差は、1993年から2021年の間に北西部太平洋で吸収された熱量の約20%に相当すると見積もられた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 23K25935
  • 気候の過渡的応答を規定する海洋中規模渦による海洋熱吸収の全球定量化
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
    谷本 陽一; 富田 裕之; 木戸 晶一郎
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 23H01239
  • 大気循環変動とその予測可能性に関わる中緯度大気海洋相互作用
    科学研究費助成事業
    2019年06月28日 - 2024年03月31日
    中村 尚; 谷本 陽一; 河谷 芳雄; 高薮 縁; 山崎 哲; 西井 和晃; Martineau Patrick
    1)降水観測データと大気再解析データから,西日本に広域豪雨に特徴的な水蒸気輸送や大規模大気循環場を同定した.2) 大気再解析データに基づく流跡線解析から,北東大西洋上空に形成されるブロッキング高気圧について,メキシコ湾流や黒潮続流からの熱・水蒸気供給とその後の降水に伴う上昇運動が,低渦位の高気圧性空気塊を上空のブロッキング高気圧内に供給するのに不可欠なことを見出した.3)南半球中緯度域の移動性高・低気圧活動が半球規模で変動する「傾圧環状モード」が卓越する要因として,中緯度海洋前線の影響による移動性高・低気圧の発達強化が重要なことを大気大循環モデル実験から明らかにした.4) 南インド洋の亜熱帯高気圧(マスカリン高気圧)の特徴的な季節変化を大気再解析データと衛星観測データの解析,及び数値モデル実験から解明した.即ち,日射の強い夏季には,高気圧東縁の下降気流や寒気移流の下で形成される下層雲が日射を反射して海面水温を低下させ,対流性雲を抑制することが本質的に重要である一方,この効果が弱まる冬季には,南西インド洋域のアガラス海洋前線に伴って繰り返し発達する移動性高低気圧からの熱・運動量フラックスを通じたフィードバック強制やアジアモンスーンからの遠隔影響により海盆西側で強化される.5) 移動性擾乱に伴う風・温度・気圧の変動や熱・運動量フラックス,及びそれらを通じた背景場とのエネルギー変換について,流れ場の曲率に着目した高気圧・低気圧別の評価を可能とする診断法を開発した.これは,渦中心の経路追跡に基づくラグランジュ的統計の長所を定量的な力学診断に有効なオイラー的擾乱解析に取り込んだ世界初の画期的な手法である.
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 東京大学, 19H05702
  • 大気海洋系内の熱フローの理解に立脚した地球温暖化の加速・減速の要因解明
    科学研究費助成事業
    2018年04月01日 - 2022年03月31日
    谷本 陽一; 富田 裕之; 細田 滋毅; 時長 宏樹; 野中 正見; 植原 量行
    海洋熱吸収の10年規模変動成分と、海洋中規模渦が海洋熱吸収に果たす役割に焦点を当てた研究を実施した。過去の海洋プロファイリングフロート(以下、フロート)観測に基づく水温・塩分データセットの解析から、海洋の表層および亜表層の貯熱量が2008年から2015年の期間では北太平洋全体で減少し、2016年から2018年の期間では増加することが分かった。また、渦解像大循環海洋モデルの経年変動シミュレーション出力を解析した結果、北太平洋中央部において、海洋表層下へ取り込まれた熱が海洋中規模渦の影響で南北方向に広く拡張することが示された。以上から、海洋亜表層に至る熱吸収の存在が示唆され、この海洋熱吸収に海洋中規模渦が影響を与える可能性が見出された。
    さらに、海面熱フラックスを用いて海面における大気と海洋の熱交換に関して調べた。その結果、北太平洋の広範囲において10年規模の海面熱フラックスの変動が海面水温変化によって説明できることがわかった。くわえて、精度の高い海面熱フラックスデータの作成にむけて、人工衛星観測に基づく全球海面熱フラックス変動の不確定性に関する研究も実施した。
    今年度末には、昨年度から準備を進めていたフロートによる現場観測を開始した。研究目的に適合する仕様を有するフロートを3基購入し、海洋中規模渦に捕捉されやすいようにフロートの制御パラメータを変更した。その後に、黒潮続流域南方海域において、気象庁の協力を得て、海洋中規模渦の一種である冷水渦の領域に3基のフロートを凌風丸から投入した。投入した3基のフロートはそれぞれ11回の浮上を本年度中に行い、合計33個の水温プロファイルおよび同数の塩分プロファイルを取得した。投入時に凌風丸によって実施された船舶観測CTDデータと比較することによって、3基のフロートが正常に水温・塩分データを取得している点を確認した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 18H03726
  • 夏季北太平洋における多層雲・放射・降水過程と海洋混合層の相互作用の解明
    科学研究費助成事業
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    早坂 忠裕; 谷本 陽一; 万田 敦昌; 河本 和明; 川合 義美; 須賀 利雄
    様々な衛星観測データ、再解析データ、船舶観測データ、アルゴフロート観測データを用いて総合的に解析した。また、領域気象モデルWRFを用いて海面水温と雲の関係性のシミュレーションを実施した。その結果、今まで海面水温と大気の安定度といった比較的単純な視点で解析されてきた夏季北太平洋の下層雲は西部と中央部で微細構造が異なることが示された。また、北太平洋西部では西岸境界流である黒潮および黒潮続流が支配的であり、雲の変動が海に及ぼす影響は少ない。一方、北太平洋中央部では、海洋混合層が浅く、海面水温も雲に影響を及ぼすが、雲の変動も海洋混合層に影響を及ぼすことが示唆された。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東北大学, 16H04046
  • 循環境界上での海上風の変調が海洋循環系へ及ぼす影響
    科学研究費助成事業
    2015年04月01日 - 2018年03月31日
    谷本 陽一
    水温場の変調を受けた海上風が,海洋に再びフィードバックして,海盆スケールの海洋表層場,海洋循環場に与える影響を調べた.中緯度の海洋混合層内に対しては,変調された海上風が鉛直混合やエントレインメントを通して,水温の冷却効果を抑制する効果を示した.赤道から亜熱帯の循環境界では,熱帯収束帯近傍における海上風の水平シアーや赤道をまたぐコリオリパラメーターの変化のため,海上風による渦度注入に複雑な南北変化が示される.これに対して海洋表層はロスビー波の励起とその伝播として応答し,エルニーニョ南方振動現象の経年変動サイクルやインドネシア通過流の10年規模変動に関連していることを示した.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 15K05279
  • 東アジアの人為起源エアロゾルの間接効果
    科学研究費助成事業
    2014年04月01日 - 2018年03月31日
    小池 真; 谷本 陽一; 中村 尚; 中村 卓司; 松井 仁志; 大島 長; 中島 孝
    雲粒はエアロゾル(大気中を浮遊する微粒子)を核として生成するため、人為起源エアロゾルの増加は雲にさまざまな影響を与える可能性がある。本研究では人工衛星データの解析から、東シナ海の黒潮という温暖な海水が、冬季の大陸からの寒気の吹き出し時に境界層を不安定化させ、上昇流を強化させることにより、人為起源エアロゾルの雲への影響を増幅させていることを明らかにした。また航空機観測データの解析からもエアロゾルと雲・降水の関係を示し、数値モデルを改良することにより、観測から明らかになったエアロゾルや温暖な海水の雲への影響を再現することに成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 26241003
  • 黒潮・親潮続流域における相互作用の現場観測
    科学研究費助成事業
    2010年04月01日 - 2015年03月31日
    川合 義美; 谷本 陽一; 伊藤 進一; 富田 裕之; 岡 英太郎; 須賀 利雄; 小橋 史明; 植原 量行; 永野 憲; 小林 大洋; 榎本 剛; 黒田 寛; 立花 義裕; 根田 昌典; 井上 龍一郎; FAURE Vincent; 茂木 耕作; 谷口 京子
    黒潮・親潮続流域において水温前線が大気に与える影響、及び海洋前線や水塊の形成・維持過程を現場観測を基に明らかにすることを目的として、船舶による大気・海洋集中観測や係留ブイ観測を実施した。
    初夏(梅雨期)の黒潮続流前線や晩冬期の亜寒帯前線が大気境界層や下層雲の高度差、下層の気圧勾配を生じさせることを示した。準定常ジェットによる亜寒帯への水塊輸送や表層栄養塩の変動を明らかにした。また、黒潮続流南側における冬季混合層の短い時間スケールでの時間発展や、サブメソスケールでの亜寒帯系水塊の南方への輸送過程を観測で捉えた。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 独立行政法人海洋研究開発機構, 22106007
  • 東アジアモンスーン変動と黒潮・黒潮続流との双方向作用のメカニズム
    科学研究費助成事業
    2010年04月01日 - 2015年03月31日
    川村 隆一; 飯塚 聡; 佐藤 尚毅; 冨田 智彦; 渡部 雅浩; 谷本 陽一; 松本 淳; 川野 哲也
    全球大気再解析等のデータ解析とその検証のために高解像度数値モデル(全球大気海洋結合モデル等)を駆使することで、(1)冬季東アジアモンスーン域の温帯低気圧活動に対する黒潮・黒潮続流の受動的および能動的役割の定量的評価、(2)黒潮・黒潮続流域の冬季の海水温上昇傾向が南岸低気圧の活動ならびに太平洋沿岸の降水量増加傾向をもたらすメカニズムの解明、(3)梅雨期の黒潮続流域の海水温フロントの強化と下層西風との相互作用の解明、(4)台風が遠隔海域から多量の水蒸気を集積させるプロセスの解明、(5)日本海の海水温上昇が北日本の冬季降水量の増加や夏季の豪雨災害に与える影響評価、など重要な学問的知見が得られた。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 22106005
  • 気候系のhot spot:熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動
    科研費
    2010年04月 - 2015年03月
    中村尚
    JSPS, 競争的資金
  • 中緯度大気海洋系10年スケール変動の再現性とその将来変化に関する研究
    地球環境研究総合推進費
    2007年04月 - 2012年03月
    谷本陽一
    環境省, 研究代表者, 競争的資金
  • 低気圧の発達・維持過程における水温前線の影響及びその海洋表層へのフィードバック
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2010年 - 2012年
    谷本 陽一; 中村 尚
    黒潮本流は,非大蛇行流路を取る場合,伊豆諸島付近で概ね三宅島・八丈島付近の間を横切り,この付近に明瞭な水温前線を形成する.この水温前線を跨ぐ大気の鉛直構造を伊豆諸島付近におけるマルチサウンディングと定期ヘリコプター便を活用したモニタリング観測を実施した.本研究では伊豆諸島を結ぶ定期ヘリコプター便の機体に気温,湿度,気圧計を搭載し,ヘリコプターの離陸・着陸時の上昇・下降を利用した大気下層の鉛直モニタリングシステムの開発を進めた.平成22年度は,航空機観測に適するような,時定数の小さいセンサーから構成される小型・省電力の観測システムを開発し,観測テストを行った.定期ヘリコプター便に搭載可能となるように観測システムの安定性と安全性の実績を積み,平成22年1月からヘリコプターによるモニタリングを開始した.平成22年3月には,八丈島と黒潮続流上で船舶の2点におけるデュアルサウンディングを実施する予定であったが,東日本大震災の影響により白鳳丸航海が中止なり,八丈島における観測を限定的に行った.これらの現場観測を互いに比較し,観測記録の精度を検証し,本研究で開発したモニタリングシステムが大気境界層における気温・湿度の鉛直構造を充分に捉えていることが示す.今後は,本モニタリングシステムの維持・改良につとめ,大気下層における気温・湿度構造が水温前線に跨いでどのように変質するかを連続的に捉え,温...
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 22340132
  • 黒潮と親潮上における大気海洋相互作用
    住友財団研究助成
    2004年04月 - 2007年03月
    谷本陽一
    住友財団, 研究代表者, 競争的資金
  • 黒潮水温前線及び北太平洋亜熱帯水温前線における大気と海洋の相互作用
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2005年 - 2007年
    谷本 陽一; 中村 尚; 小橋 史明
    日本東方における海面水温分布の特徴のひとつに黒潮続流に沿う水温前線を挙げることができる.この前線付近では季節を通じて水温傾度が5℃/200km程度であり,水温が空間的に大きく変化する.このような黒潮続流水温前線を横切るGPSラジオゾンデ観測を2005年7月にスクリップス海洋研究所のR/V Roger RevelleのKESS2005航海と2006年の1月の東京大学海洋研究所研究船白鳳丸KH-06-01次航海にて行った.初夏に黒潮続流海域を覆う大気特性は総観規模で大きく変化するものの,黒潮続流フロント近傍における海洋の中規模渦を伴った水温場はそれほど敏感に応答せず,数週間ほぼ同じ水温分布を維持していた.黒潮続流フロントを横断する鉛直断面におけるラジオゾンデ観測とシーロメータ観測から,海面近傍の温度差の変化が海洋性大気境界層の鉛直構造を変化させ,高温湿潤の大気が覆う場合には積雲から霧を含む層雲へのレジームシフト,低温湿潤の大気が覆う場合は明瞭な雲底を持つ層雲から隙間の多い薄い層雲へのレジームシフトが生じることを明らかにした.一方,冬季における海面付近の静的安定度は常に不安定である.このため,仮温位の鉛直勾配の小さい混合層が大気下層に形成され,その上端に逆転層が見られた,観測期間中の混合層高度と海面熱フラックスの変動は5-12時間のラグでよく一致していて,混合層の上端と雲底高度は概...
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 17340137
  • 東アジアモンスーン地域における季節遷移期の気候変動に対する海面・陸面過程の役割
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2003年 - 2004年
    谷本 陽一; 渡部 雅浩; 山崎 孝治
    西部北太平洋等に見られる黒潮続流水温前線や亜寒帯水温前線では大気の変形半径スケールより小さい数百km程度の空間スケールで水温が大きく変化する.このような中緯度における水温変化に対し大気がどのような変調を受けるかについて,熱帯域における現象と対比させながら,大気下層の安定度,大気下層における温度・水蒸気・運動量について総合的な解析を行った.黒潮続流,マルビーナス海流,南極前線等の相対的に暖かい水温を持つ海域では海洋からの熱放出により海面付近では大気の鉛直方向の安定度が低下し,1000-1500mまで惑星境界層が発達する.この発達に伴い境界層内では熱・運動量の混合が活発になるため,海上風が増加していることが示された.中緯度の大気海洋間交換過程において,高風速が潜熱放出を促し水温を低下させるという大気から海洋の作用がこれまでの研究において主に捉えられてきていたが,本研究の解析はこれとは逆の海洋から大気への影響があることを指摘した.このような境界層の変質は鉛直積分として海面気圧の分布にはあまり寄与せず,地衡風調節は少なくとも中緯度では示されていない.むしろ,水温分布は,大気下層の南北気温傾度の変化すなわち傾圧性の変化には影響し,総観規模の高低気圧の変調にまで海洋の効果が及ぶことが示唆された.総観規模における変調はアリューシャン低気圧の変動にも関わるため,黒潮続流海域における長期的な水...
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 15540416
  • サンゴ骨格の分析による新しいトレーサーの開発
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1998年
    塚本 すみ子; 谷本 陽一
    小笠原諸島父島はエルニーニョ現象の鍵を握る西太平洋暖水塊の北端にあたり,この海域のサンゴ年輪試料を用いて過去の海面水温や塩分の復元をおこなうことは,気候変動の研究において重要な意味をもつ.しかしサンゴの生育環境は島に近接した浅海底であり,サンゴ骨格に記録された水温・塩分などの指標が必ずしも外洋の環境と一致していない恐れがある.このことを検証するため,昨年度は父島宮乃浜の塊状ハマサンゴの近傍に水温・塩分測定装置(アレック電子製・MDS-CT)を設置した.今年度は,データの回収および宮乃浜のハマサンゴ骨格のコア採取のための現地調査を行った.
    サンゴコア採取は,小笠原諸島が国立公園に指定されており,通常の油圧式のコアラーを用いたコア採取が望ましくないことから,コンプレッサーからの圧縮空気を用いてコアラーを回転させるエアドリルを使用した.2つのハマサンゴ群体について,それぞれ70cm,140cmの2本のコアが採取できた.
    しかし水温・塩分データに関しては,昨年記録的な台風に見回れたためか,回収した測器が浸水しており,全くデータを回収することができなかった.このため,実測した水温・塩分とサンゴの記録の比較を行うという当初の計画は変更せざるを得なくなった.
    そこで98年12月に測器を修理後,浸水対策を十分に行って再び宮乃浜にMID-CTを設置した.また既存の海面水温データを,東京都立小笠原水産センターから入手した.これは父島二見湾で1974年1月から現在まで毎日測定されたものである.このデータと採取されたサンゴの水温日変化の記録がどの程度対応しているのかについて現在分析を進めている.
    今回の研究では,設置した測器のデータ回収に失敗したため,予定の2年間で研究を終了することができなかったが,当初計画していた水温・塩分の実測値とサンゴの記録の比較についてもデータが回収出来次第,行う予定である.
    日本学術振興会, 萌芽的研究, 東京都立大学, 09874109
  • 大気海洋間熱フラックスが大気大循環における長期変動の形成・維持に及ぼす効果の解明
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1997年 - 1998年
    谷本 陽一
    気候変動に対する海洋の役割を解明するためには,大気海洋相互作用の実態を明らかにする必要がある.数値モデルによる大気海洋間の熱・運動量の交換には未だ問題があり,人為的に調整をして数値実験を行っているに過ぎない.これらの問題を解決するには,全球海洋における海面熱フラックスの研究を観測面から充実させる必要があった.本研究では,全球海洋における海上気象要素の観測値を整備し,旬平均緯度経度2度格子の海上気象要素ー海面熱フラックス・運動量フラックスのデータセットを1950年から1995年にわたって整備した.実測値に基づいたデータセットを用い,環大西洋域における10年スケール変動について詳しく調べた.熱帯における海面水温場は10年スケール(8-16年)と年々変動(5年以下)のスケールに分離された.10年スケール変動では,海面水温の強い南北傾度が北緯15度と南緯15度付近の間に現れた.一方,年々変動では熱帯全域で同符号の変動を示し南北傾度はほとんど示されなかった.熱帯の強い南北傾度に対する海面気圧場・海面水温場の回帰係数は中高緯度へのテレコネクションを示した.特に北半球の気圧場ではNorth Atlantic Oscillation(NAO)と関連していた.熱帯海面水温の強い南北傾度に伴うラグ回帰は,中高緯度の海面気圧アノマリが南北半球間でほぼ逆位相の関係を持ち10年スケール規模で変動してい...
    文部科学省, 奨励研究(A), 東京都立大学, 研究代表者, 競争的資金, 09740367