中村 知裕 (ナカムラ トモヒロ)

低温科学研究所 附属環オホーツク観測研究センター講師

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 京都大学, 2001年03月
■ URL
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J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 数値シミュレーション
  • 潮汐
  • オホーツク海
  • 内部重力波
  • アリューシャン列島
  • 散乱
  • 鉛直混合
  • 混合
  • 海洋物理
  • 通気
  • 北太平洋中層水
  • 熱塩循環
  • 東樺太海流
  • 中層循環
  • 潮汐混合
  • 北太平洋
  • 鉄仮説
  • 接地境界層
  • 風成循環
  • 高密度水
  • 宗谷暖流
  • 千島列島
  • 物質循環
  • 大気海洋相互作用
  • 風成循環と熱塩循環の結合
研究分野
  • 自然科学一般, 大気水圏科学
  • 環境・農学, 環境動態解析
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2005年 - 現在
    北海道大学 低温科学研究所 環オホーツク観測研究センター, Institute of Low Temperature Science, 講師
  • 2004年 - 2005年
    JAMSTEC地球環境フロンティア研究センター, ポスドク研究員
  • 2001年 - 2003年
    日本学術振興会特別研究員(PD), 日本学術振興会特別研究員
学歴
  • 1998年 - 2001年, 京都大学, 大学院理学研究科, 地球惑星科学専攻 博士後期課程
  • 1996年 - 1998年, 京都大学, 大学院理学研究科, 地球惑星科学専攻 修士課程
  • 1992年 - 1996年, 京都大学, 理学部

研究活動情報

■ 受賞
  • 2007年, 日本海洋学会, 岡田賞
    中村知裕
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
  • 低温環境の科学事典
    中村知裕, オホーツク海の下層雲・霧と大気海洋相互作用, 第10章, 第2節
    朝倉書店, 2016年, [分担執筆]
  • 低温科学便覧
    中村知裕, 環オホーツク海域における海洋循環, 第8章, 第2節
    丸善出版株式会社, 2015年, [分担執筆]
  • オホーツクの生態系とその保全
    三寺史夫; 内本圭亮; 中村知裕; 西岡純; 三角和弘; 津旨大輔, オホーツク海および親潮域における物質循環のモデリング
    北海道大学出版会, 2013年, [分担執筆]
  • 環オホーツク海地域の環境と経済
    田畑 伸一郎; 江淵 直人; 大島 慶一郎; 西岡 純; 三寺 史夫; 中村 知裕; 庄子 仁; 南 尚嗣; 八久保 晶弘; 白岩 孝行; 本村 眞澄; 西内 修一; 封 安全; 田畑 朋子
    北海道大学出版会, 2012年, 9784832967700, 日本語
■ 主な担当授業
  • 気候モデリング特論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
■ 所属学協会
  • 米国気象学会
  • 米国地球物理学連合
  • 日本気象学会
  • 日本海洋学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • マルチスケールモデリングによる陸域-沿岸域-外洋域間の淡水・物質輸送過程の解明
    科学研究費助成事業
    2022年06月16日 - 2027年03月31日
    松村 義正; 干場 康博; 田中 潔; 中村 知裕; 古市 尚基
    日本学術振興会, 学術変革領域研究(A), 東京大学, 22H05204
  • 海洋コンベアベルト終焉部における鉄とケイ素を含めた栄養物質プロパティの形成過程
    科学研究費助成事業
    2021年07月05日 - 2026年03月31日
    西岡 純; 中村 知裕; 三寺 史夫; 山下 洋平; 鈴木 光次; 小畑 元; 近藤 能子; 安田 一郎
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 北海道大学, 21H05056
  • 自走する渦対の力学と輸送混合:古典的渦対から乱流的渦対への発展と河川水への応用
    科学研究費助成事業
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    中村 知裕
    本研究は、沿岸から外洋へ河川水・物質を効果的に輸送する「渦対」について、その力学と輸送・混合効果の解明を目的とする。沿岸は陸や人と外洋のインターフェースであり、多くの陸・人為起源物質が沿岸を介して外洋へ広がる。渦対とは、ペアとなった互いに逆回転の渦で、渦に伴う誘導速度で互いに相手を同じ方向に動かし「自走」する。渦対は、この「自走」により水を遠方まで輸送できる。海洋では、狭い海峡を速い潮流が流れると、海峡下流にジェットができ、その両側に渦対がしばしば形成されることが知られている。
    本年度は、(1)鳴門海峡を想定した数値実験と鳴門海峡の衛星画像解析、および(2)厚岸湾での観測を行った。
    (1)鳴門海峡は、潮流が速く、渦潮・渦対が形成される。衛星画像より、播磨灘側(海峡の北側)では、海峡部のジェットの向きがおよそ北北西なのに対し、渦対は形成ののち西へ大きく左折する。一方、紀伊水道側(南側)の渦対は、概ね直進するが、播磨灘側に比べ小さい。このような振舞の違いの理由を調べるため、播磨灘側に注目して数値実験を行った。その結果、沿岸地形、海底地形(水深変化)、密度成層が、渦対の進行方向、直径、進行速度に影響することが明らかになった。こうした効果は流量保存と渦管の伸縮に起因していた。
    (2)厚岸湾では、引き潮時に河川水・湖水が厚岸湾に流れ出し、物質を輸送するとともに、厚岸湖の水を入れ替える。現場観測と衛星画像から、引き潮に伴う流出時に、ジェットと渦対そして鳴門の「渦潮」と似た小さい渦の列が形成されることが明らかになった。渦潮は潮流が最大5m/sと極めて速い鳴門海峡が有名だが、流速0.7m/s程度の厚岸湾でも見つかった。実は、渦潮は珍しい現象ではないことが判明した。また、厚岸湾の渦対は河川水を多く含む海水で形成されており、河川水流出も渦対を形成しうることを示唆する。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 21K03655
  • 表層と中層をつなぐ北太平洋オーバーターン:大陸からの淡水供給を介した陸海結合系
    科学研究費助成事業
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    三寺 史夫; 白岩 孝行; 植田 宏昭; 中村 知裕
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21H01154
  • 知床周辺海域における海洋高次捕食者のホットスポット形成機構の解明
    科学研究費助成事業
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    三谷 曜子; 山村 織生; 綿貫 豊; 山口 篤; 中村 知裕
    2020年6月に予定していた調査がCOVIDで中止になったため,2021年5月に観光船をチャーターし,調査を実施した.また,2019年度に実施したおしょろ丸調査のデータ解析を進めた.目視調査で最も多く記録された海鳥はハシボソミズナギドリであった(6月29日知床岬沖で65,000羽).鯨類では,イシイルカ,シャチ,マッコウクジラ,ミンククジラが知床半島の東西で見られたが,ナガスクジラは西側のみで見られた.音響調査により,プランクトンの反応を示す120 kHzの周波数では,能取岬沖と知床半島周辺の東西で大きな反応が見られた一方,魚類の反応を示す38 kHzの周波数では知床半島東側に大きな反応が見られた.CTD-LADCPとXBT観測からオホーツク海沿岸は宗谷暖流水が分布し,根室海峡北部にも海面から水深150dbar付近まで,既に入り込んでいることが明らかになった.また,植物プランクトンの優占分類群では,宗谷暖流が卓越する沿岸域および中冷水では珪藻類,沖合域ではナノ鞭毛藻類と,海域により異なっていた.このような海域差は,水塊間の栄養塩および鉄濃度の違いに起因すると考えられた.動物プランクトンバイオマスには,中型動物プランクトンのカイアシ類Metridia okhotensisが優占し,この種の排泄する糞粒が鉛直的な物質輸送に大きく貢献することが示された.11地点で実施したMOHTネットによる採集では,斜里沖陸棚斜面上部の2地点(B2およびB3)でソコイワシ科に属する魚類マイクロネクトンのまとまった採集がみられた.しかし,両地点は必ずしも鯨類や海鳥類との高密度域とは一致しておらず,これら高次捕食者の分布との関連が薄い可能性が示された.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 20H03054
  • カムチャツカ半島の淡水供給が制御する環オホーツク陸海結合システム
    科学研究費助成事業
    2017年04月01日 - 2020年03月31日
    三寺 史夫; 白岩 孝行; 立花 義裕; 的場 澄人; 杉山 慎; 美山 透; 中村 知裕; 西岡 純
    親潮域は、世界でも稀な豊かな海である。その要因は「アムール川流域の湿原から流出し、オホーツク海大陸棚から海洋中層循環を通して供給される鉄分」を介した「陸海結合システム」にある。本課題では、大気変動を海洋に伝えるカムチャツカ半島の降水・雪氷・河川に着目し、海洋子午面循環を駆動する塩分変動の要因、またそれに基づく「陸海結合システム」に対する制御メカニズムの解明を目指した。その結果、(1)カムチャツカ半島からの河川流出量は、アムール川の約80%という大きなものであること、(2)中層循環を駆動する塩分に対して、アムール川よりはむしろカムチャツカ河川流出水からの影響が大きいこと、が明らかとなった。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 17H01156
  • 3次元流速濁度観測システムによりサブメソスケール~乱流間の観測空白域を測る
    科学研究費助成事業
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    中村 知裕; 大木 淳史; 下田 力
    海洋学における最も基本となる混合を引き起こす、海洋内部の3次元微細構造(水平スケール<O(1km))は、これまで観測方法がなく実態が不明であった。本研究では、代表者が考案・構築した「3次元微細流動構造 観測システム」を用いて、全球の海洋循環と物質循環ひいては生態系に多大な影響を与えている「内部波の大規模砕波」から乱流に至る遷移過程の3次元構造を津軽海峡、アリューシャン列島域、親潮域等で観測することに成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 16K05549
  • 内部波と渦の相互作用による海洋上層の鉛直混合過程
    科学研究費助成事業
    2016年04月01日 - 2018年03月31日
    中村 知裕
    海洋の生態系とそれにかかわる物質循環には、表層に近い海面混合層直下の鉛直混合が重要となる。本研究では、この鉛直混合の素過程の一つである「渦と内部波の相互作用」に着目する。渦による流れは通常上層ほど強く、この相互作用は表層近くの鉛直混合を促進する。しかし、海洋には渦も内部波も遍在しているにもかかわらず、それらの相互作用はごく一部のパラメタ領域を除き全く分かっていない。そこで本研究は、「渦と内部波の相互作用」を広いパラメタ領域で調べ、相互作用により混合が促進される場所の分布を見積もることを目的とする。
    平成29年度は、(3) 我々が見出した「相互作用と混合の指標」の分布と季節変動を見積もった。その結果、相互作用により混合を引き起こしうる渦が、年中、広く分布しており、渦と内部波の相互作用が鉛直混合へ有意に寄与することが示唆された。加えて(4) 入射する内部波の振幅が大きい場合について数値実験を行い、入射波が渦中で砕波し、波の運動量が解放されて平均流が形成され、渦が変形され、混合が促進されるという新しい内部波と渦の相互作用を見つけた。
    昨年度の成果と合わせ本研究により「渦と内部波の相互作用」の基礎が解明された。本研究の成果は、以下の発展に繋がる基盤、ないしはそれに必要な素過程の一つに関する基礎的知見となる:1. 海洋生態系に重要な上層の鉛直混合の解明、2. これまでの「静止した海洋」を仮定した内部波研究から、流れのある海洋中の内部波の解明への発展、3. 生成域から遠方へ伝播する内部波の行方とそれによる混合の解明、4.渦の季節・経年・長周期変動による相互作用の変動、ひいては、海洋循環の変動による混合の変動という興味深い可能性への発展。
    以上の成果は学会で発表し査読付国際誌への投稿準備中である。
    (研究協力者:伊藤薫(北海道大学大学院環境科学院博士課程):研究全般)
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 16H01587
  • 表層と中層を繋ぐ北太平洋の子午面循環:その三次元構造と変動メカニズムの新たな描像
    科学研究費助成事業
    2014年04月01日 - 2017年03月31日
    三寺 史夫; 中村 知裕; 西岡 純; 西垣 肇; 美山 透; 伊藤 進一; 和川 拓; 藤井 陽介; 中野渡 拓也; 西川 はつみ
    オホーツク海で沈み込み北太平洋の中層を通気する北太平洋の子午面循環の解明を目指した。子午面循環の強度を決めるのは高緯度域の塩分であるが、北太平洋では低緯度からの高塩水供給経路は未解明であった。本研究では、北太平洋亜熱帯循環と亜寒帯循環の境界域である移行領域を流れる準定常ジェットに注目し、低緯度から亜寒帯への塩輸送過程を明らかにした。理論、数値実験、漂流ブイ観測から、準定常ジェットの流路は、たかだか500m程度の海底地形によって制御されていることが分かった。黒潮起源の高塩水は、この準定常ジェットを通って亜寒帯循環に侵入する。西風が強くなると亜寒帯への塩輸送が大きくなり、子午面循環は強化される。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 26247076
  • 3次元微細流動構造観測システムの開発:サブメソスケール~乱流間の観測空白域を測る
    科学研究費助成事業
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    中村 知裕; 下田 力; 黒田 寛; 藤田 和之
    海洋中の熱や溶存物質は全て、海水混合から海洋循環を介して海全体に輸送される。この海洋学における基本要素である混合を引き起こす、海洋内部の3次元微細構造(水平スケール<O(1km))は、観測方法がなく実態が不明であった。その解決に向けた世界初のチャレンジとして、本研究は「3次元微細流動構造 観測システム」を考案し構築した。構築したシステムを用いて、内部波の大規模砕波およびサブメソスケール渦とそれらから乱流に至る遷移過程の構造を千島列島域や親潮域などで観測することに成功した。
    日本学術振興会, 若手研究(A), 北海道大学, 25707036
  • オホーツク海と北太平洋亜寒帯域をつなぐ熱塩/物質循環システムの実態解明
    科学研究費助成事業
    2010年04月01日 - 2015年03月31日
    若土 正曉; 三寺 史夫; 西岡 純; 中村 知裕; 江淵 直人; 渡邉 豊; 鈴木 光次; 黒田 寛; 大島 慶一郎; 津旨 大輔; 的場 澄人; 江淵 直人; 小埜 恒夫
    オホーツク海から親潮域の豊かな水産資源を支える“奇跡ともいえる仕組み”を明らかにするため、オホーツク海と北太平洋をつなぐ熱塩/物質循環システムの実態解明を進めた。熱塩循環の強さを決めるオホーツク海北部の高密度水(DSW)の塩濃度は、亜寒帯循環を跨ぐ塩濃度偏差の長距離伝播、海氷生産量変動、降水量変動との「せめぎ合い」により決まる。アムール川河口・オホーツク北部陸棚上に堆積する光合成に必須の栄養物質・鉄は、このDSWに取り込まれ、北太平洋の広範囲に供給される。DSWと潮汐混合を介し強く結合した熱塩循環と物質循環が生物生産を北太平洋規模で規定するという、絶妙なシステムが本研究により明らかとなった。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 北海道大学, 22221001
  • オホーツク海・北極域における大気海洋海氷相互作用
    科学研究費助成事業
    2010年04月01日 - 2015年03月31日
    三寺 史夫; 中村 知裕; 浮田 甚郎; 木村 詞明; 小木 雅世; 金子 正美; 田口 文明; 小守 信正; 大島 慶一郎; 川島 正行; 高谷 康太郎
    冬季の季節海氷域の形成、および夏季のオホーツク海高気圧とそれに伴う下層雲の発生という、オホーツク海・北極圏における特徴的な季節性に関わる大気海洋(海氷)相互作用について探求した。夏季のオホーツク海では下層雲-海面水温フィードバックにより、海面水温が低く維持されることが明らかとなった。また、冬季のオホーツク海に特徴的なのは、その海氷変動が北極海・東シベリア海における先行する夏の海氷変動と連動している、ということである。気圧偏差の年平均で定義した北極振動(Annual AO)という新しい視点から、北極域・オホーツク海域における、海域・季節を越えてリンクするフィードバックシステムの解明を進めた。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 22106010
  • 縁辺海が大気の擾乱・雲形成・大規模循環に果たす役割
    科学研究費助成事業
    2010年04月01日 - 2015年03月31日
    立花 義裕; 万田 敦昌; 山本 勝; 児玉 安正; 茂木 耕作; 吉岡 真由美; 吉田 聡; 坪木 和久; 中村 知裕; 小田巻 実
    四方を海に囲まれた日本.その鮮明な四季は極めて特徴的である.日本の気候に対しては,日本を囲む縁辺海の海洋の影響が強くあることを大気と海洋の変動を評価し明らかにした.例えば,梅雨末期に豪雨が集中する理由は東シナ海の水温の季節的上昇が,九州で梅雨期に起こる集中豪雨の発生時期の重要な決定要因であること,日本海の海面水温の高低によって,寒気の気団変質過程に影響を及ぼし,寒波を強化・緩和されることを示した.
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 三重大学, 22106003
  • 縁辺海の海洋構造に励起される大気海洋相互作用と海洋生態系への影響
    科学研究費助成事業
    2010年04月01日 - 2015年03月31日
    磯辺 篤彦; 郭 新宇; 中村 啓彦; 広瀬 直毅; 石坂 丞二; 木田 新一郎; 加古 真一郎; 中村 知裕; 万田 敦昌
    日本南岸における黒潮流路変動が、南岸低気圧の経路に揺らぎを与えることを発見した。冬季東シナ海における浅海部の海面冷却は、これに連動した海面気圧と風系の変化を通して、負のフィードバック機構を持つことを示した。瀬戸内海での海面水温分布によって海陸風が変調すること、大潮・小潮周期の海面水温変化に応じて、海上風も変動することを発見した。以上、縁辺海や沿岸規模の海洋過程は大気過程に影響を与え、場合によって相互作用が成立することを示した。また、植物プランクトンの春季ブルームが海面水温を変化させ、これが低気圧の発達に影響を及ぼすといった、大気ー海洋ー生態系の結合過程を提案した。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 22106002
  • 潮汐混合の直接観測と潮汐18.6年振動に関わる海洋・気候変動の解明
    科学研究費助成事業
    2008年 - 2012年
    安田 一郎; 羽角 博康; 小松 幸生; 西岡 純; 渡辺 豊; 中塚 武; 伊藤 幸彦; 建部 洋晶; 勝又 勝郎; 中村 知裕; 広江 豊; 長船 哲史; 田中 祐希; 池谷 透; 西川 悠; 友定 彰
    千島列島やアリューシャン列島海峡域において、中深層に及ぶ通常の数千倍の乱流鉛直混合の存在を、観測によって実証した。この大きな潮汐鉛直混合は、鉄や栄養塩等の物質循環を通じて、親潮など北太平洋亜寒帯海域の海洋生態系に大きな影響を与える。さらにその潮汐混合が18.6年周期で変動することによって生じる海洋変動が、日本東方海面水温とアリューシャン低気圧等の大気海洋相互作用を通じて増幅し、太平洋規模の気候・海洋の約20年変動に影響することが、観測・モデルの両面から明らかとなった。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 東京大学, 20221002
  • 振動数変化を考慮した内部波散乱の理論構築と散乱による鉛直混合の評価
    科学研究費助成事業
    2009年 - 2011年
    中村 知裕
    振動数が変化する場合を含めた海洋内部波(浮力とコリオリ力を復元力とする海洋内部の波)の散乱・生成、それにより生じる海水の鉛直混合、および鉛直混合が海洋の構造や循環に与える影響について、理論・数値モデル・観測・データ解析から示した。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 21740338
  • オホーツク海・北太平洋中層の温暖化とそのメカニズムの解明
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2009年
    三寺 史夫; 大島 慶一郎; 中村 知裕; 小野 数也; 小埜 恒夫
    オホーツク海から北太平洋にかけての中層温暖化の実態を明らかにするとともに、熱塩(中層)循環の力学過程とその変動メカニズムの解明、および、その基礎となる高密度陸棚水(DSW)生成過程の解明を目的とした。北西陸棚域で生成されるDSWはここ50年間で約0.1PSU減少し軽くなっており、これが26.8-27.0σ_θでは温暖化シグナルとして現れている。数値実験の結果、DSWの塩分は、気温の上昇(海氷生成量の減少)、降水量の増加、風応力の変動の影響を受けて変動することが示された。一方、低緯度の亜熱帯循環中層では逆に低温化が顕著である。これは、70年代半ば以降、亜寒帯循環が強化され、親潮を通した亜寒帯から亜熱帯への低温水流入量が増加したためである。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 19340131
  • 海洋フロント域における大気海洋相互作用のマルチ時間スケール
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2009年
    見延 庄士郎; 小守 信正; 吉田 聡; 中村 知裕
    メキシコ湾流が,大気下層の境界層を超えて自由大気に与える一連の影響を発見し,この成果はNature2008年3月13日号の表紙を飾った.さらに,大気応答で夏に顕著な「深い加熱モード」と冬季に顕著な「浅い加熱モード」を発見し,圧力調整応答の観測的な証拠を得,夏季と冬季の大気の安定度の相違が大気応答の季節依存性に大きく影響していることを見出し,長期の大気海洋結合大循環モデル積分で衛星風観測と整合的な結果を得た.また,表面水温低下を引き起こす,潮汐による砕波の観測的な証拠を初めて得た.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 19340130
  • 環オホーツク海域における中層循環と物質輸送のモデリング
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2008年
    江淵 直人; 中塚 武; 西岡 純; 三寺 史夫; 大島 慶一郎; 中村 知裕
    オホーツク海および北西北太平洋親潮域の高い海洋生物生産性を支えている物質循環のメカニズムを,海洋中層(400~800m)の循環と鉄の輸送過程に注目して,現場観測と数値モデルによる研究を行った.その結果,オホーツク海北西大陸棚起源の鉄分が,海氷の生成とともに作られるオホーツク海中層水によって移送され,千島海峡で広い深度層に分配された後,西部北太平洋に送り出されている様子が定量的に明らかとなった.
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 18201002
  • オホーツク海北部から流出入する熱・塩・海水輸送の直接観測
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2007年
    中村 知裕
    2006年8月のオホーツク海中央部の観測に於いて、冬季混合層の名残である中冷水より下、26.7〜26.75sqの中心密度を持つ低温低塩分水が見つかった。この低温低塩分水の起源は、北部陸棚域からシェリコフ湾に分布する東部陸棚高密度水(eDSW)または冬季混合層の可能性が高い。起源がeDSWである場合、eDSWの一部はオホーツク海中央部へ直接流入していることが示唆される。すなわち、従来の、eDSWは陸棚上を西に流れ、西側の陸棚高密度水と合流もしくはその起源となるという知見とは異なる流出経路の存在を示唆している。一方、起源が冬季混合層ならば、積算海氷面積が過去最小を記録するなど比較的暖冬であった前の冬季でさえ、冬季混合層密度が26.75sqに達していたことになり、平年の冬季混合層密度はそれを越える可能性を示唆する。いずれの場合も、ここで報告する低温低塩分水の観測は、北太平洋中層水の主な起源の一つであるオホーツク海モード水またはオホーツク海中層水の上部を通気する新たな経路の存在を示唆している。以上の成果はJournal of Oceanographyに投稿中である。
    また、ロシア側の許可の問題で千島列島における鉛直混合観測が行えなかったので、その代替として千島列島と力学的に状況が似ているアリューシャン列島およびベーリング海陸棚斜面において内部波と鉛直混合の観測を実施した。その結果、振幅200mに達する大振幅内部波を捉えることに成功した。また、鉛直拡散の評価から強い鉛直混合が生じていることが示唆された。これらの内部波過程を数値モデルで定性的に再現し解析した結果、観測された大振幅内部波はシル(海底山脈)上を流れる日周潮流により生成された非定常風下波であることが示唆された。以上の成果は現在国際誌に投稿準備中である。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 18740288
  • オホーツク海南部における時計回り循環のメカニズムとその北太平洋へのインパクト
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2006年
    三寺 史夫; 大島 慶一郎; 中村 知裕; 小野 数也; 西垣 肇; 内本 圭亮
    オホーツク海南部の千島海盆は北太平洋中層水の源であり、物質循環においてもキーエリアである。この海域では時計回り循環や渦が卓越しており、それに対応するように中層水にあたる密度では分厚い混合層(低渦位層)が分布している。また、宗谷暖流、親潮、東樺太海流が流れこみ、非常に複雑な海域である。そのような千島海盆の時計回り循環が生ずるメカニズムを、単純化されたモデルと、現実的なシミュレーションを用いて研究した。
    単純化されたモデルでは、千島列島を海嶺と考え、その直上での潮汐混合が引き起こす千島海盆内の循環を調べた。まず、局所的混合が小さければ線形解が成立することを確かめた。混合を大きくすると、渦位のインプットは中規模渦による混合領域から消散とバランスし、密度境界面の深さが決まること、海底地形がある場合には、地形に沿った下層の流れ場が上層の波動の特性曲線を変えるため、境界面深度に対して大きな影響を与えること、が明らかとなった。特に、特性曲線が閉じる場合にはロスビー波が海嶺上で捕捉され、注入された渦位をなかなか解消されず、境界画が大きく深まる。地形に沿った下層の流れ場が上層の波動の特性曲線を変えるため、境界面深度に対して大きな影響を与えること、が明らかとなった。特に、特性曲線が閉じる場合にはロスビー波が海嶺上で捕捉され、注入された渦位をなかなか解消されず、境界画が大きく深まる。地形に沿った時計回り循環は潮汐残差流で生じるので、本研究で述べた境界面深化のメカニズムは現実にも起こっている可能性が高い。
    現実的な高解像度モデルでは、風成循環の影響を調べた。東樺太海流の一部がサハリン島南東端で東方へ離岸し続流を形成しており、続流の南方に千島海盆全体にわたるような時計回り循環が生じていた。また、宗谷暖流が知床半島から流出するときには暖水渦が形成していた。宗谷暖流は大きく季節変動するため、それに伴って暖水渦も秋に生じた。これらは観測結果と良い対応を示す。
    このように、千島海盆はオホーツク海内の限られた海域ではあるが、内部潮汐による熱塩循環と風成循環が相俟って時計回り循環が作られている複雑な海域であることが明らかとなった。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 17540406