岩佐 豪 (イワサ タケシ)

理学研究院 化学部門 物理化学分野助教
総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点助教

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 総合研究大学院大学, 2009年03月
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
研究者番号
  • 80596685
ORCID IDJ-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 近接場光化学
  • 光学応答理論
  • 励起状態
  • 近接場光学
  • 分子物理学
  • クラスター化学
  • 錯体化学
  • 触媒化学
研究分野
  • ナノテク・材料, 基礎物理化学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2019年04月 - 現在
    北海道大学WPI-ICReDD, 兼務教員(兼務)
  • 2014年10月 - 現在
    北海道大学大学院, 理学研究院, 助教
  • 2020年11月 - 2025年03月
    科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 さきがけ研究員(兼任)
  • 2015年04月 - 2022年03月
    京都大学, 触媒・電池元素戦略研究拠点ユニット, 拠点助教(兼任)
  • 2014年04月 - 2014年09月
    慶應義塾大学, 理工学部, 特任講師(兼任)
  • 2010年04月 - 2014年09月
    JST-ERATO中嶋ナノクラスター集積制御プロジェクト, 博士研究員
  • 2010年05月 - 2014年03月
    慶應義塾大学, 理工学部, 特任助教(兼任)
  • 2008年04月 - 2010年03月
    学振特別研究員(分子科学研究所)
学歴
  • 2006年04月 - 2009年03月, 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 構造分子科学専攻
  • 2005年04月 - 2006年03月, 分子科学研究所, 理論分子科学専攻, (依託学生)
  • 2004年04月 - 2006年03月, 北海道大学大学院, 理学研究科, 化学専攻
  • 2000年04月 - 2004年03月, 北海道大学, 理学部, 化学科
委員歴
  • 2026年09月 - 現在
    Chemistry Letters, Early Career Advisory Board
  • 2014年12月 - 現在
    北海道大学物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム, 産官学連携委員, その他
  • 2014年12月 - 現在
    北海道大学物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム, 教務専門委員, その他
  • 2019年07月 - 2023年12月
    理論化学会, 会誌フロンティア編集委員, 学協会
  • 2018年03月 - 2023年09月
    TACC2023 Secretariat Office
  • 2021年09月
    第15回分子科学討論会実行委員, 学協会
  • 2019年05月 - 2019年05月
    第22回理論化学討論会, 実行委員, 学協会
  • 2015年05月 - 2015年05月
    第31回化学反応討論会, 実行委員, 学協会

研究活動情報

■ 受賞
  • 2026年03月, プラズモニック化学研究会, 第6回プラズモニック化学研究会若手奨励賞
    双極子近似を超えた光-分子相互作用の第一原理計算手法の開発とプラズモニック化学への応用
  • 2023年06月, APNFO14, Best Poster Award in The 14th Asia-Pacific Conference on Near-Field Optics
    Near-field Raman spectroscopy with multipolar Hamiltonian and real-time-TDDFT
    Takeshi Iwasa
  • 2021年10月, 第7回北海道大学部局横断シンポジウム, ベストポスター賞
    「双極子近似を超えた光学応答理論開発と光STM-TERSへの応用」
    岩佐豪, 国内学会・会議・シンポジウム等の賞, 日本国, 34006646;30404721;30404720;30404717
  • 2015年05月, 第18回理論化学討論会, 優秀講演賞
    「非一様電場と分子振動の相互作用と近接場赤外吸収分光への応用」
    岩佐豪, 国内学会・会議・シンポジウム等の賞, 日本国
■ 論文
■ その他活動・業績
  • 特集: 分光・イメージングの最前線
    理論化学会会誌「フロンティア」, 5, 3, 2023年07月
  • [Ag23Pd2(PPh3) 10Cl7]0 の合成と幾何構造:形成可能な 超原子分子の種類とその形成要因の解明に向けて
    宮嶋 小百合; Sakiat Hossain; 岩佐 豪; 川脇 徳久; 武次 徹也; 根岸 雄一, ナノ学会刊行和文誌, 20, 2, 59, 64, 2022年03月, [査読有り]
    記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
  • 特集:光と分子の相互作用
    理論化学会誌「フロンティア」, 3, 4, 205, 257, 2021年10月31日
    理論化学会
  • 第一原理計算による近接場光と分子の相互作用
    岩佐豪, 光学, 50, 3, 120, 126, 2021年03月
■ 書籍等出版物
  • 低コストNi1-xCuxCo2O4触媒のN2O分解反応特性と分光・理論解析
    日隈 聡士; 岩佐 豪
    アグリバイオ 2026年8月臨時増刊号・北陵館, 2026年08月05日, 46315025;46315024;30404718, [共著]
  • 密度汎関数法による量子化学計算
    常田貴夫; 武次徹也; 小林正人; 岩佐豪; Andrey Lyalin; 斉田謙一郎; 小野ゆり子; 堤拓朗; 和田諒; 赤間知子, 2.2 振動スペクトル
    講談社サイエンティフィク, 2025年05月28日, 9784065396780, 256, 51-63, [分担執筆]
  • 局在した光と分子
    岩佐豪
    カーボン・エネルギーコントロール社会協議会 (CanApple), 2024年01月05日, その他
  • 計算化学研究におけるスパースモデリングの応用
    岩佐豪; 小林正人; 武次徹也
    技術情報協会, 2023年04月28日
  • ナノの光を使った化学反応 STM 探針先端のプラズモン場に光を閉じ込める
    岩佐豪
    2020年10月
■ 講演・口頭発表等
  • 温和な条件下でのアンモニア合成を目指したCo/MgO触媒へのBaO添加効果
    佐藤勝俊; 佐藤勝俊; 宮原伸一郎; 毛利広野; 岩佐豪; 岩佐豪; 武次徹也; 武次徹也; 永岡勝俊; 永岡勝俊
    触媒討論会討論会A予稿集(CD-ROM), 2021年
    2021年 - 2021年
  • クラスターモデルでの酸化物担持金属クラスター触媒の電子物性
    岩佐豪; 武次徹也; 岩佐豪; 武次徹也
    ナノ学会大会講演予稿集, 2017年05月10日, 日本語
    2017年05月10日 - 2017年05月10日
  • チオール分子で保護された金クラスターの励起状態と発光機構の解明
    蝦名昌徳; 原渕祐; 原渕祐; 岩佐豪; 岩佐豪; 武次徹也; 武次徹也
    ナノ学会大会講演予稿集, 2017年05月10日, 日本語
    2017年05月10日 - 2017年05月10日
  • 量子化学計算と機械学習を用いた金属クラスター触媒の活性因子の検討
    小林 正人; 岩佐 豪; 高 敏; 高木 牧人; 前田 理; 武次 徹也
    ケモインフォマティクス討論会予稿集, 2016年, 公益社団法人 日本化学会・情報化学部会, 日本語
    2016年 - 2016年, 金属ナノクラスター触媒の反応性は、構成元素だけでなく、サイズや環境、構造など様々なファクターに依存するため、触媒活性の決定的因子の解明は困難であった。本研究では、銅クラスター触媒によるNO解離反応を例に、反応経路自動探索法を用いた系統的量子化学計算とスパースモデリングの手法を併用した触媒活性因子の抽出を試みた。具体的には、LASSO推定、SCAD推定、MC+推定の3つの手法を使い、軌道エネルギーや局所的な指標などの説明変数を用いて、Cu13クラスター上でのNO解離の遷移状態エネルギーを回帰した。その結果、遷移状態のエネルギーはLUMOの軌道エネルギーと負の相関があること、SCAD推定やMC+推定ではLASSO推定よりもコンパクトで相関係数の高いモデルが得られることがわかった。
  • 22pBG-13 近接場光による分子振動励起の理論計算手法の開発
    岩佐 豪; 武次 徹也
    日本物理学会講演概要集, 2015年, 一般社団法人日本物理学会, 日本語
    2015年 - 2015年
■ 主な担当授業
  • 分子化学A(分子理論化学), 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 一般教育演習(フレッシュマンセミナー), 2024年, 学士課程, 全学教育
  • 理学共通演習Ⅱ, 2024年, 学士課程, 理学部
■ 所属学協会
  • 複合系の光機能研究会
  • 理論化学会
  • 応用物理学会
  • 日本物理学会
  • 分子科学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 超原子マテリアルの理論化学解析
    科学研究費助成事業
    2026年04月01日 - 2031年03月31日
    武次 徹也; 岩佐 豪
    日本学術振興会, 学術変革領域研究(A), 北海道大学, 26H00397
  • 極限的オペランド顕微計測と理論科学の融合による協奏的界面光機能分子科学の革新
    科学研究費助成事業
    2026年04月01日 - 2031年03月31日
    杉本 敏樹; 岩佐 豪
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 分子科学研究所, 26K21748
  • 一酸化二窒素の低温分解を可能にするHigh-entropy Spinel触媒の開発と反応機構解明
    科学研究費助成事業
    2026年04月01日 - 2029年03月31日
    日隈 聡士; 岩佐 豪
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 26K15228
  • CO2の多段階光還元過程を解析する多重励起過渡分光法の開拓
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
    宮田 潔志; 倉持 悠輔; 岩佐 豪
    日本学術振興会, 学術変革領域研究(B), 九州大学, 23H03833
  • 一酸化二窒素分解触媒の基礎開発と特性解明
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
    日隈 聡士; 岩佐 豪
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 23K04833
  • 近接場光と分子の磁気的相互作用の理論研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
    岩佐 豪
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 23K04671
  • ナノ光学における選択則の解明と新エネルギー変換経路の開拓
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2021年04月05日 - 2025年03月31日
    今田 裕; 安藤 康伸; 久間 晋; 今井 みやび; 岩佐 豪
    実験面では、計測システムの改良を継続して行ってきており、徐々に分光計測の高精度化と分光データ取得が進んでいる。近接場光学の実験においては、スピン選択則や項間交差の詳細解明を目指して、りん光材料であるプラチナフタロシアニン分子の単一分子分光計測を実施した。STMのトンネル電流および近接場光という異なる二つの励起源を組み合わせて用いることで、単一分子で項間交差のナノ計測に成功した。また、近接場分光のさらなる高精度化を目指して、STMだけではなく原子間力顕微鏡(AFM)と光を組み合わせた光STM/AFM装置の立ち上げを行った。光STMとしては単一分子のエレクトロルミネッセンス分光ができるまで装置の整備が進み、AFM機能もqPlusセンサーを用いた力計測とAFM像取得ができることを確認した。超流動He液滴実験では、液滴に内包されたフタロシアニン分子の分光計測を進めている。精密な励起スペクトルに加えて、発光分散スペクトル測定の計測系立ち上げを行い、調整・改良を継続して行っている。データ解析においては、任意の数のピークを含むスペクトルデータに対し客観的なピーク本数の推定方法や使い易いインターフェースの検討を進めている。近接場光学の理論に関しては、実験で使用するフタロシアニン系やその他特徴的な対称性を有するモデル分子において、近接場中での分子の遷移モーメントの計算を実施した。近接場分光の実験結果と比較することで近接場内での特徴的相互作用の理解を進めている。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 国立研究開発法人理化学研究所, 21H04644
  • 近接場光による励起状態制御の理論
    戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
    2020年11月 - 2025年03月
    岩佐 豪
    量子力学では、基底状態の波動関数に外場を作用させて励起状態を重ね合わせることができます。本研究では、「物質近傍に局在する近接場光を用いて励起状態をどのように制御できるか」に理論的に挑戦します。具体的には、近接場光と分子の相互作用を記述するための双極子近似を超えた第一原理計算手法を開発し、電磁場の空間構造を設計して、狙いの電子励起状態へと励起し、分子の反応性を能動的に制御する仕組みを打ち立てます。
    科学技術振興機構, 北海道大学, 研究代表者
  • 近接場光が誘起する双極子近似を超えた光化学反応機構の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    岩佐 豪
    近接場光は物質近傍に局在した伝搬しない電磁場成分であり、双極子禁制励起などの伝搬光とは異なる励起状態を実現できる。近年、近接場光による単分子技術も進展している。近接場光と分子の相互作用は、双極子近似と固有励起状態に基づいた記述を超えた理論を必要とする。さらに近接場光の分布は光源の形状などに依存するため、電磁場計算も必要になる。本研究では、多重極相互作用に基づいた双極子近似を超えた励起状態計算と計算電磁気学を組み合わせた理論手法を開発し、近接場光励起に由来する光化学と、従来の光化学との本質的な違いを明らかにし、近接場光化学の学理構築を目指す。
    本年度は、実際の近接場光が誘起する光化学反応実験における機構解明に取り組んだ。実験は光STMを用いて、金属基板上のジメチルジスルフィドのS-S結合解離反応を、伝搬光と近接場光励起によって調べたものであり、両者には反応収率スペクトルの波長に違いが見られた。そこで、まずはクラスターモデルを用いた担持分子の電子基底・励起状態の解析と伝搬光の吸収スペクトルを計算し、伝搬光では禁制な励起状態が低エネルギー側に多数存在することを明らかにした。近接場光は、伝搬光において禁制な励起も可能になるため、これらの低エネルギー領域の励起状態が近接場光で効率よく誘起される可能性がある。
    ついで、ジメチルジスルフィド単分子の近接場励起と伝搬光励起計算を行い、両者を比較した。伝搬光では、S1とS2の励起ベクトルが直交しているため、両者を同時に励起することは難しいが、近接場光ではこれらを同時に励起できることを示した。またこれらの励起に伴う誘起双極子モーメントは、近接場光源から分子の距離に応じて割合が変わることもわかった。今後は、金属担持されたジメチルジスルフィド分子の近接場励起の計算を進めて、その解析を行っていく。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 20K05412
  • 新たな窒素固定反応の開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    日隈 聡士; 武市 泰男; 岩佐 豪
    化学製品製造において触媒は不可欠であり、固体触媒を用いる不均一系反応は化成品の連続フロー生産と触媒の回収・再利用が可能であるため『低環境負荷』なプロセスである。しかし、担持触媒等の固体触媒は分子触媒を用いる均一系反応に比べ、安定(不活性)で表面エネルギーが低く、構造が複雑なため反応機構が不明瞭である。加えて、これまで分子触媒については、N2活性化の報告例は多いが、いずれも『NH3合成』を目的としている。一方、固体触媒については、近年日本で『Fe触媒を用いるHaber-Bosch(HB)法』よりも温和条件でN2からNH3を合成するRu触媒の報告例がある。
    そこで本研究では、新たなN2変換ならびに固定化反応の開発を検討する。固体触媒の活性サイトを制御して特殊反応場を形成し、N2の強固な三重結合(N≡N)の切断に挑戦する。加えて、フロー反応の流路方向をOperando観察するX線(XAFS)-赤外(FTIR)分光の同時測定システムを開発し、触媒反応中の『触媒の局所構造』と『触媒上の吸着形態』を同時に可視化して特殊反応場の反応機構を詳細に解明する。本研究で得られる成果は、人類の『健康と福祉』を推進する持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する技術になる。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 20K05592
  • 分子結晶の励起状態と発光機構
    科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    2020年04月01日 - 2022年03月31日
    岩佐 豪
    ソフトクリスタルを構成する分子の多くは、多彩な分子間相互作用を有する。分子間相互作用は、励起状態からの緩和経路の変調や、複数の分子間に広がる新たな電子励起状態の形成をもたらすため、ソフトクリスタルの発光機構の解明には、複数種の分子間相互作用を適切に考慮した理論手法が必要になる。本研究では、金属間相互作用と配位子間相互作用の競合する分子結晶の発光過程の学理を構築することを目指して、計算手法の開発と応用を行ってきた。
    本年度は、QM/MM法の独自実装を進めた。QM計算には高速なRI-DFT計算が可能なTURBOMOLEを利用し、MM領域は点電荷とLennard-Jones(LJ)ポテンシャルとして扱った。SCF計算を行う際に、MM原子の位置にDFTから求めた自然電荷を考慮した。その後、エネルギー勾配を計算した出力ファイルに、各QM原子がMM原子から受けるLJポテンシャルからの力を追加するルーチンを作成し、これらの力を用いて構造最適化を行うようにした。金イソシアニド錯体10分子を結晶構造から切り出し、そのうちの2分子をQM領域、残りの8分子をMM領域とした構造最適化を基底状態、および第一励起一重項状態に対して行い、MM領域の有無で最適化構造に違いがでることを確認した。今後は、実験結果の解析に向けた計算を進めて行く。
    また、前年に引き続きクラスター錯体の研究も進めた。今年度は、同じAu25SR18(SRはチオール)で表される2つの構造異性体の光物性の解明に取り組み、コアになるクラスターが対称性のよいコンパクトな形状を取ると原子が密に集まり電子密度が上がる。その結果、HOMOが不安定化してHOMO-LUMO gapエネルギーの低下と吸収ピークの低エネルギー化をもたらすことを明らかにした。関連して、異種原子ドープによる金・銀クラスター錯体の発光機能の向上などについての共同研究も行なった。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 20H04652
  • 分子結晶における励起状態と発光過程の理論的解明
    科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    2018年04月01日 - 2020年03月31日
    岩佐 豪
    配位化合物は、金属間相互作用と配位子間の相互作用の兼ね合いによって複数の結晶構造を取り得る。このような系の励起状態を調べようとすると、複数の種類の分子間相互作用を考慮したモデルを踏まえて適切な近似が必要になる。分子間相互作用によって発光量子収率の向上、あるいは場合によって単分子では蛍光を示す分子が凝集することによって燐光を示すようになることも知られている。分子間の相互作用が強く、単なる構造緩和の経路を変えるだけでなく、2分子あるいは数分子間に広がった新たな電子励起状態を形成することもある。このように分子結晶の発光を調べる場合には、分子間相互作用を適切に考慮した励起状態からの緩和経路を調べる必要がある。
    本年度は、励起状態プロトン移動を示す亜鉛錯体の励起状態における分子間相互作用の効果、励起状態でのプロトン移動に伴う構造変化を調べた結果を論文にまとめた。また領域内外のメンバーと共同研究を行った。Eu錯体の励起状態をTDDFT計算とPopulation解析の結果を組み合わせて金属-金属、金属-配位子1、金属-配位子2、配位子中心の遷移に分類してエネルギー緩和過程を実験と比較した。ホスフィン保護金クラスターに対しては励起状態からの緩和過程を明らかにした。
    一方で、DFT法は汎関数依存性もあり、長距離相関や分子間力などの弱い相互作用の記述に難しさがあるため、必ずしも適切ではない。そこで、高精度量子化学計算手法のMP2法やCC2法を用いて分子間相互作用や励起状態の計算を進めており、現在までに金-アントシアニン錯体の単分子の励起状態は電荷移動状態があり、その波長はDFT法では実験と合わないがCC2計算では実験との良い一致を示す事が分かった。今後は、二量体の励起状態における緩和過程において分子間相互作用が果たす役割について解明を進めて行く予定である。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 18H04496
  • 多重極相互作用を取り込んだ近接場光励起のための第一原理分子動力学法の構築
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2017年04月01日 - 2020年03月31日
    岩佐 豪
    近接場光と分子の相互作用には双極子近似を超えた方法論の開発が必要になる。本研究では無限次までの多重極相互作用を取り込んだ手法の開発を行っている。昨年度までには、多重極ハミルトニアンと最小結合ハミルトニアンの比較検討を行い、どちらも良い一致を示す事、およびスカラーポテンシャルのみを考えれば良いことがわかった。また分子動力学計算に必要なgradientの実装とテスト計算を行った。
    本年度は、対象となる分子系の構造や電子物性および四重極励起などの双極子禁制励起状態における反応経路の検討、そして近接場光による分子励起の実験が行われている分子に対して実際に近接場光励起計算を試みた。前者に関して、SERS実験が行われた金属吸着分子をモデル化した金属クラスターに吸着した分子の構造や電子状態を解析した結果は論文としてまとめた。後者の、実際の近接場光を用いた励起状態計算に関しては、数十原子を含むフタロシアニン系の分子では膨大な計算時間がかかることがわかった。本計算で用いている実時間実空間DFTの計算精度は実空間グリッドのメッシュ幅と実時間発展に必要な時間幅の二つが重要になるが、有機分子などの系で計算するために十分な計算精度を確保できるパラメータを確定した。また、実際の近接場光を用いた分子励起の実験において、どのような電場が生成しているかについても検討を進めた結果、これまで用いてきた点双極子一つが作る電場よりも、二つの点双極子の間に生成されるギャップ電場がより適切であることが分かってきた。今後は、このようなモデル電場において、ベンゼンなどの少し小さな分子における近接場光励起の分子動力学を調べて行く予定である。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 17K14428
  • 非一様電場と分子振動の相互作用に基づいた光学応答理論
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2013年04月01日 - 2015年03月31日
    岩佐 豪
    ナノ物質近傍に局在する近接場光と分子振動の相互作用を記述・数値計算するための手法開発を行った。近接場光は急峻な強度勾配や光源となる物質の形状に準ずる複雑な電気力線分布を有する非一様な空間構造を持つため、従来の双極子近似では記述できない。そこで多重極ハミルトニアンに基づいて任意の空間構造を持つ電場を考慮した分子振動励起の定式化を行い、電子状態計算の結果を利用して赤外吸収スペクトルを計算するプログラムを作成し、単体分子あるいは表面吸着分子への適用を行い、近接場光電場の強度勾配や電気力線分布の効果を明らかにした。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 25810008
  • 空間構造を取り入れた光学応答の時間領域での展開:近接場光の探索と局所励起問題
    科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    2008年 - 2009年
    岩佐 豪
    局在性を持つ近接場光と物質の相互作用から多種多様な物理現象が期待されている。20年度に開発を終えた電場の空間構造の効果を取り込んだ定式化と時間依存の密度汎関数理論を組み合わせた手法を、実在分子やナノ構造系へと適用し、近接場光の局在性を利用した局所分光と、近接場光の急峻な強度勾配を利用した力学操作の可能性を研究した。まず異方性を持つ1nmサイズの板状の金属ナノ構造体をジェリウムモデルで、近接場光は双極子放射で近似した系での近接場光励起問題を調べた。高調波スペクトルが、ナノ構造体と近接場光の光源の相対位置や相対角度に強く依存することから、局所分光へと展開できることを明らかにした。局所分光の一例として、少数Naクラスターの近接場光励起に対する吸収スペクトル(線形光学応答)と高調波スペクトル(非線形光学応答)を、近接場光光源位置の関数として求めた。Na_2の分子軸方向に偏光した近接場光による局所吸収スペクトルにおいて、分子中心、あるいは各原子上にピークを持つ2つの吸収成分を示すことを明らかにし、特に各原子上での吸収成分は近接場光の強度勾配の作用によるものと帰属した。また直線状とリング状のNa_6での近接場光誘起の高調波強度が、分子の形状を反映した実空間分布を示すことを明らかにし、高調波の次数によって分解能が大きく変わることを明らかにした。
    最後に、近接場光から受ける力をジェリウムモデルによる直径1nmの金属粒子とC_<60>分子に置いて時間領域、エネルギー領域の両面から調べた。力のエネルギー依存性の図において振動構造を持つ事がわかり、これは近接場光励起により発生する不均一な分極を、誘起電荷とそれを遮蔽する成分に分けて考えることで説明した。また、双極子あるいは四極子励起には見られないより高次の多重極子の効果を含んだ近接場光励起特有の励起状態が力を大きく弱めることを明らかにした。
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 08J03281
■ 産業財産権
  • ヘテロ接合積層体及び受光素子
    特許権, 中嶋敦; 角山寛規; 岩佐豪; 赤塚紘己
    特願2012-88325, 2012年04月09日