山中 康裕 (ヤマナカ ヤスヒロ)

地球環境科学研究院 統合環境科学部門 実践・地球環境科学分野教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 東京大学
  • 理学修士, 東京大学
■ URL
researchmap URL■ ID 各種
ORCID IDJ-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 社会変革
  • エージェンシー
  • バックキャスティング
  • 気候変動教育
  • 開発教育
  • 総合的な探究の時間
  • 生物地球化学循環
  • 高齢者福祉
  • 観光
  • 生物多様性
  • 大気光学現象
  • 海洋生態系
  • 数値シミュレーション
  • CSR
  • ESD
  • 環境教育
  • 持続可能な開発
  • SDGs
  • IR
  • 大気科学
  • 高等教育
  • 実践環境科学
  • 海洋科学
  • 地球温暖化
研究分野
  • 環境・農学, 環境動態解析
  • 人文・社会, 高等教育学
  • 自然科学一般, 大気水圏科学
  • 人文・社会, 科学教育
  • 環境・農学, 環境政策、環境配慮型社会
  • 人文・社会, 教育工学
  • エネルギー, 地球資源工学、エネルギー学
  • 人文・社会, 地域研究
  • ライフサイエンス, 生態学、環境学
  • 人文・社会, ジェンダー
  • 人文・社会, 観光学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2010年10月 - 現在
    北海道大学大学院地球環境科学研究院, Faculty of Environmental Earth Science, 教授
  • 2018年03月 - 2019年03月
    高等教育研究開発推進センター, 第7期MOSTフェロー
  • 2012年04月 - 2015年03月
    北海道大学サステナビリティ教育研究センター, センター長
  • 1998年04月 - 2010年09月
    北海道大学大学院地球環境科学研究科/研究院, 助教授/准教授
  • 2009年05月 - 2010年03月
    北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP), 第5期本科生
  • 2007年11月 - 2008年02月
    英国イーストアングリア大学環境科学部 Visiting fellow
  • 1998年05月 - 2002年03月
    地球フロンティアシステム, 地球温暖化領域, グループリーダー, 兼任
  • 1997年04月 - 1998年03月
    米国プリンストン大学大気海洋プログラム Visiting Researcher
  • 1991年10月 - 1998年03月
    東京大学気候システム研究センター, 海洋モデリング部門, 助手
学歴
  • 1995年05月, 東京大学, 理学系研究科, 地球物理学専攻 論文博士, 日本国
  • 1989年04月 - 1991年03月, 東京大学, 大学院理学系研究科, 地球物理学専攻修士課程, 日本国
  • 1985年04月 - 1989年03月, 東京大学, 理学部, 地球物理学科, 日本国
委員歴
  • 2025年12月 - 現在
    第2次札幌市立高校教育改革方針策定に向けた検討会議, 委員長, 自治体
  • 2025年01月 - 現在
    札幌市 環境審議会 気候変動対策行動計画検討部会, 部会長
  • 2024年06月 - 現在
    日本地域政策学会, 北海道支部長, 学協会
  • 2024年02月 - 現在
    安平町ゼロカーボンシティ推進協議会, アドバイザー, 自治体
  • 2023年06月 - 現在
    北海道ゼロカーボン北海道推進協議会道民行動部会, 部会長
  • 2022年11月 - 現在
    平取町平取高校の魅力化を図り存続させる会, アドバイザー, 自治体
  • 2022年06月 - 現在
    北海道教育委員会普通科改革支援事業運営指導委員会, 委員, 自治体
  • 2021年 - 現在
    北海道ゼロカーボン北海道推進協議会, 座長, 自治体
  • 2020年 - 現在
    北海道 2050年北海道温室効果ガス排出量実質ゼロに向けた懇話会, 座長, 自治体
  • 2019年 - 現在
    札幌市環境審議会, 会長, 自治体
  • 2010年 - 現在
    北海道 環境教育等推進行動協議会/談話会, 座長, 自治体
  • 2022年05月 - 2024年03月
    札幌市男女共同参画センター, 運営協議会委員, 自治体
学内役職歴
  • サステイナビリティ学教育研究センター長, 2013年4月1日 - 2016年3月31日
  • 研究戦略室室員, 2013年5月27日 - 2015年3月31日
  • 研究戦略室室員, 2015年4月1日 - 2017年3月31日

研究活動情報

■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
  • 北海道から見る地球温暖化
    岩波書店, 2008年
■ 講演・口頭発表等
■ 主な担当授業
  • 環境起学基礎演習, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 環境起学特別講義Ⅰ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 大学院共通授業科目(一般科目):複合領域, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 大学院共通授業科目(一般科目):複合領域, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 実践環境科学実習Ⅱ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 実践環境科学演習Ⅰ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 実践環境科学特論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 実践環境科学総論Ⅰ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 実践環境科学総論Ⅱ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 実践環境科学インターンシップⅠ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 実践環境科学インターンシップⅡ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 実践環境科学実習Ⅰ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 環境科学総論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 実践環境科学演習Ⅱ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 環境と人間, 2024年, 学士課程, 全学教育
■ 所属学協会
  • 2022年08月 - 現在
    移民政策学会
  • 2019年09月 - 現在
    日本地域政策学会
  • 2019年08月 - 現在
    日本地域福祉学会
  • 2018年01月 - 現在
    日本教科教育学会
  • 2017年06月 - 現在
    開発教育協会
  • 2015年11月 - 現在
    環境科学会
  • 2012年08月 - 現在
    地球環境史学会
  • 2010年06月 - 現在
    日本環境教育学会
  • 1998年04月 - 現在
    日本地球惑星科学連合
  • 1989年04月 - 現在
    日本気象学会
  • 1989年04月 - 現在
    日本海洋学会
  • 1991年01月 - 2018年03月
    日本地球化学会
  • IDE大学協会
  • American Geophysical Union
  • European Geosciences Union
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 豪雪地帯小樽市の小地域別の要援護者の買い物・通院の移動支援に関する研究
    科学研究費助成事業
    2025年04月01日 - 2028年03月31日
    岡田 直人; 山中 康裕; 中村 一樹; 吉村 暢彦
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北星学園大学, 25K05568
  • 気候民主主義の日本における可能性と課題に関する研究
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2027年03月31日
    三上 直之; 江守 正多; 竹内 彩乃; 田村 哲樹; 茅野 恒秀; 八木 絵香; 松浦 正浩; 工藤 充; 山中 康裕; 松橋 啓介; 前田 洋枝; 吉田 徹; 尾内 隆之; 長野 基; 坂井 亮太; 西山 渓; 青木 聡子; 寺林 暁良
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 23H00526
  • 気候変動を理解する数値シミュレーションの教材および教育プログラムの開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2021年04月01日 - 2025年03月31日
    福原 朗子; 山中 康裕
    本研究の目的は、高校で習う知識に基づいて、気候変動の将来予測等の数値シミュレーションの基礎を学ぶ教材および教育プログラムを開発することである。時間発展方程式を解く数値シミュレーションは、1960年代、1970年代の最先端の研究ツールだったが、今では高校生で扱える素材となりうる。本研究では、気候変動の本質を理解する、高校生自らが表計算ソフトを用いて時間発展方程式を解く、教材および教育プログラムを開発する。授業評価を通じて、高校生が「物理基礎」、「数学I」、「情報」等の科目で学ぶ知識に基づいて、どの程度の数値シミュレーションが行えるか?『世の中の様々な現象が、「数学II」で学ぶ初等関数や微分積分で説明できる』ことを、数値シミュレーションを用いてどの程度理解できるか?を明らかにする。
    2021年度の研究実績の概要は、時間発展方程式で用いるデータの収集、表計算ソフトを使用した試行、グラフによる視覚化をおこなった。特に物理基礎に関する題材の実験を行った。また、プログラム内で使用する光音響効果実験装置の取り扱いに関する動画撮影を行い、編集を行った。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道科学大学, 21K02886
  • 社会の負託に対する研究者の認識と説明責任:地球科学における事例研究
    科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    2021年07月09日 - 2024年03月31日
    山中 康裕
    2021年12月に開催された米国地球物理学連合(AGU) Fall Meetingにおいて、研究協力者である島村と末廣、および、AGU副会長Hansonをコンビナーとしてユニオンセッション「知の創造の価値とは何か?研究評価の理想と現実」がオンライン実施され、研究代表者山中が日本地球惑星科学連合(JpGU)と米国地球物理学連合(AGU)に所属する研究者の研究に対する認識を比較した招待講演を行った。この点においては、おおむね順調に研究計画の進展があった。このことなどを通じて、資金配分機関等の研究者を取り巻く状況、例えば「研究者の研究費獲得」と「研究者の社会に対する説明責任」に関する理解が進んだ。
    しかし、本研究の中核となる、世界中の研究者から「研究者の社会に対する説明責任」について、AGU Fall Meetingがオンライン実施されたため、本来実施したかった対面による聞き取り調査が出来なかった。研究協力者のもとで、研究課題「地球科学における研究評価の国際チューニング:地の文化と指標の創造」と本課題をあわせると4回のユニオンセッションをJpGUかAGUで実施し、その機会にアンケートや聞き取り調査を行ってきたが、それらを実施することが難しくなった。また、2020年5月に行われた欧州地球科学連合(EGU)、AGU、JpGU等の共同宣言に対する認識を明らかにしたこれまでのアンケート分析にもとづいて、研究者の認識を問うことにしていたが、共同宣言やアンケートからの1年以上経ち、コロナ禍のもとで、その過程を踏まえた聞き取り調査の速やかな実施が難しくなった。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 21K18473
  • 海洋植物プランクトンに関する形質空間の概念確立と気候変動に伴う将来予測
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2018年04月01日 - 2023年03月31日
    山中 康裕; 平田 貴文
    植物プランクトンの共存についての成果を論文化し、Ocean Modelling誌に受理された。この論文ではハッチンソンパラドックスに対して、ニッチの殆ど重なった類似種をモデル内で競争させ、共存出来るケースがあることを明らかにした。従来の数理生態学によるアプローチでは海洋環境の多様性、海流による植物プランクトンの分散が殆ど考慮されていなかったが、これらが共存を可能にしていることが分かった。更に、最新の植物プランクトン生理理論をモデルに取り入れ、世界で初めて亜表層クロロフィル極大の全球分布パターンの再現に成功した。植物プランクトンは環境に馴化して細胞内クロロフィル含有量を10倍以上変化させており、この馴化によって亜表層クロロフィル極大深度の海域による違いを説明できることを国際学術誌に投稿し、現在査読コメントを受けて改稿したところである。
    モデル実験については、156種の植物プランクトンが競争する次世代多様性モデルを開発し、現在気候下での再現実験を行った。モデルで再現された分布を衛星で推定された植物プランクトン分類群(マイクロ、ナノ、ピコプランクトン)の分布を比較し、両者間で非負重回帰分析を行なった結果、マイクロプランクトンやピコプランクトンに比べ、ナノプランクトンは多様な生理パラメータを持つ特徴があることが示された。特に、中位の温度帯における多様性が高いことが示唆された。さらに、モデルと衛星の比較結果から各群集の形質のひとつである細胞サイズを全球規模で推定したところ、マイクロプランクトンは16.3、ナノプランクトンは7.3、ピコプランクトンは4.2μmと推定され、既存の知見をよく表現していることを確認した。特にマイクロプランクトンは、解析した1998年から2004年の期間に、細胞サイズが減少傾向にあることがわかった。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 18H04130
  • 地球科学における研究評価の国際チューニング:知の文化と指標の創造
    科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    2019年06月28日 - 2022年03月31日
    山中 康裕
    本計画では、(A)研究活動の把握(Institutional Research, IR)として、日本地球惑星科学連合(Japan Geoscience Union, JpGU、会員約1万人)を対象として、研究者個人や研究者コミュニティーが抱く「知の創造」に対する認識と研究活動の実態を明らかにすること、(B)米国地球物理学連合(American Geophysical Union, AGU)や欧州地球科学連合(European Geophysical Union, EGU)を通じて、海外研究者コミュニティーやステイクホルダーの「知の創造」に対する認識と研究活動の実態を明らかにすること、(C)それらに基づいたセッションをJpGUで開催し、社会との対話と研究者コミュニティーでの議論を始めることを通じて、研究者コミュニティーが、自ら研究活動を評価し、それに基づく社会への説明責任を果たす文化の創造を目指した。
    2020年度、本研究の趣旨に基づくユニオンセッション「知の創造の価値とは何か」を、JpGU会長やAGU会長等も講演する形で、7月にJpGU-AGUの合同大会に、12月にAGU大会で実施した。併せて、JpGU会員やAGU会員に、「知の創造の価値とは何か」に関するアンケートを実施した。併せて約1,200件の回答を得た。JpGUとAGUとの相違や、世代間の相違を含めて、コミュニティーとしての認識の全体像が明らかになった。特に、地球科学に関するJpGU、AGU、EGUを含む国際学会が共同宣言した「社会への還元」については、JpGUよりもAGUが、特に若手研究者で意識が高いといった差が見られた。この結果の概略を日本地球惑星科学連合ニュースレター誌(JGL)の2021年2月に公表した。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 19K21735
  • 植物プランクトン群集の多様性に注目したナウキャスト技術開発
    2011年 - 2016年
    山中 康裕
    本研究は、西部北太平洋域における海洋生態系の根幹である植物プランクトン群集を研究対象として、その多様性の現況を把握するために(1)数値モデリング、(2)人工衛星を用いた地球観測、(3)海洋での現場観測を用いて、植物プランクトン群集の多様性の形成・維持・消滅機構を解明します。そして、人工衛星から得られる物理環境や植物プランクトン群集を海洋生態系モデルに同化させることでナウキャスト(現況予測)の基盤技術を開発し、生物多様性保全や水産資源変動予測等に貢献することを目指します。
    科学技術振興機構, 戦略的な研究開発の推進/戦略的創造研究推進事業/CREST, 11103777
  • 海色衛星観測と生態系モデルによる一次生産者群集構造と海洋二酸化炭素分圧との関係
    科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
    2010年 - 2011年
    平田 貴文; 山中 康裕; 藤井 賢彦
    人工衛星から観測される情報を利用して、1998年から2009年までの全球規模における海洋二酸化炭素分圧(pCO_2)および植物プランクトンの群集構造間の関係を調べた。各植物プランクトングループに対するChlorophyll-a量(Chla)とpCO_2の各時間偏差の間には、亜寒帯と亜熱帯を分ける前線域で負の相関が全グループにおいて見られた。一方、pCO_2と、各グループが全Chlaへ占める割合の間での相関は、上記と同様に前線域で強いものの、グループによって相関の仕方が異なった。
    日本学術振興会, 研究活動スタート支援, 北海道大学, 22810001
  • 海洋生態系将来予測のための海洋環境シミュレーション研究
    2006年 - 2011年
    山中 康裕
    地球温暖化や海洋酸性化による海洋生態系や水産資源への影響などの将来予測のために、海洋環境シミュレーション研究を行います。人間活動に伴い放出されたCO2は、大気中CO2濃度を上昇させ地球温暖化を引き起こすとともに、海洋によって吸収され海洋酸性化を引き起こし、海洋生態系などに影響を与えると予想されています。その基盤技術となる海洋科学の各分野でのモデルを統合した海洋環境シミュレーション技術を開発します。
    科学技術振興機構, 戦略的な研究開発の推進/戦略的創造研究推進事業/CREST, 07051022
  • 気象擾乱による大気-海洋系物質循環および海洋生態系の応答
    科学研究費助成事業 特定領域研究
    2006年 - 2010年
    山中 康裕; 鬼塚 剛; 相田 真希; 鵜野 伊津志; 相田 真希; 河宮 未知生
    西部北太平洋の熱帯海域において、数値計算モデルを用いて、台風の通過に対する植物プランクトンの応答を調べた。観測されたパッチ上の植物プランクトンブルームは、台風の移動速度が遅いときに再現されることが分かった。この強いブルームは、台風の中心部での有光層下に存在する(植物プランクトンの成長に必要な)栄養塩豊富の水が、湧昇によって引き起こされる。地球化学生物過程を導入した実験と導入しなかった実験を比較することにより、地球化学生物過程は、亜熱帯海域の台風通過後の応答に本質的な役割をしていることが分かった。また、大気ダスト輸送と大陸棚上の再無機化による鉄供給を含む鉄循環過程などを導入することで、海洋生態系モデルを改良した。その結果、全球規模の栄養塩やクロロフィルaの海氷表層分布(特に鉄によって生物生産が制限されている北太平洋亜寒帯海域などの高栄養塩低クロロフィルa領域にて)が改善された。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 18067004
  • 海洋表層・大気下層間の物質循環リンケージ
    科学研究費助成事業 特定領域研究
    2006年 - 2010年
    植松 光夫; 横内 陽子; 渡辺 豊; 武田 重信; 山中 康裕; 津田 敦
    大気海洋物質循環の全体の取り纏めを行うために4つの研究項目の研究方針を調整し、陸上集中観測や研究航海の企画調整や申請、研究交流のための全体会議、計画研究代表者会議、総括班会議を適宜、開催した。4つのワーキンググループの集会(辺戸岬集中観測WG、台風影響評価WG、生態系長期変動WG、渦相関法検討WG)を企画、開催し、いずれも活発な議論が展開され、新たな研究の連携と発展を見た。成果発表の場として国内外会議でのセッション・Workshop主催件数は、20件を越えた。諸外国の国際会議に特定領域研究の成果を積極的に発表する若手研究者への旅費援助を行った。本研究領域において12名が博士号を取得した。NewsletterやWeb siteを用い、情報を国内外へ公開した。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 東京大学, 18067009
  • 階層的気候モデリングによる氷期交代メカニズムの研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2004年 - 2006年
    阿部 彩子; 羽角 博康; 斎藤 冬樹; 横山 祐典; 山中 康裕; 谷本 陽一; 小倉 知夫
    約300万年前以来氷床の発生(氷期)と消滅(間氷期)が交代する気候変動は、数多くの研究から地球の軌道要素が究極的要因になっているもののその応答には気候システム内部の非線形性が強く働いたと示唆されている。氷期間氷期の異なる気候状態やその時間変化が生じるには、氷床、大気、海洋、炭素循環など、さまざまな地球環境プロセスが相互に働いたことが考えられるので、さまざまなプロセスを取り込んだモデルを構築して、数値実験することが要因の解明に役立つと考えられるが計算資源の制約等で系統的な再現実験、感度実験の例は少なかった。
    ここでは異なる階層の3つの気候システムモデルを構築し、軌道要素に対して気候システムモデルがどのように応答するか、どのような条件が整うと現実の氷期間氷期サイクルのような気候の大きな変化がおこるのか、氷期発生や消滅にどのような偶然性や必然性があるのかなどを、数値実験によってある程度整理した。最終年度は階層(1):過65万年間の気候/氷床変動に実験を延長し、氷床と気候の長時間変化を扱うモデルを用い氷期サイクルが10万年周期で交代することや最終氷期などには最大海面水準にして約140メートル低下するなどの振幅を再現、その周期性や振幅の現れるメカニズムを詳しく調べた。
    階層(2):大気大循環と氷床の相互作用に重点をおいたモデルでは、この2つの作用を非同期周期および同期で結合する方法を開発できた。
    階層(3):海洋-大気大循環と炭素循環プロセスに重点をおいたモデルでは、大気海洋結合大循環モデル、炭素循環モデルによる約二万年前の最終氷期、間氷期、現在を実験、データや他モデルと比較した。世界だけでなく日本周辺の古海洋データをよく再現するシミュレーション結果が得られ、どのようなプロセスが働いたかを感度実験で明らかにした。
    以上に関連して15編の論文を出版した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 16340136
  • 海洋生態系を陽に表現した全球海洋物質循環のモデリング
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2003年 - 2005年
    山中 康裕; 岸 道郎
    植物プランクトンと動物プランクトンにそれぞれ亜寒帯グループと亜熱帯グループを陽に表現した海洋生態系モデル(動植物プランクトン9グループ)を用いて、生態系の振る舞いを再現した。海水温の季節変化は、特定の地点における両グループの共生をもたらしており、別の見方をすれば一つのグループが季節変化を利用してより広い海域に適応できる。また、日本近海の代表的な観測2点(亜寒帯海域A7,および亜熱帯海域B1)において、観測と比較検討の結果、植物プランクトンや動物プランクトンのグループ別の観測された生物量の季節変化を再現することがわかった。
    1948年から2002年までの経年変動を与えた全球3次元生態系モデルの結果は、観測から知られている1970年代の気候シフトを再現した。経年変動に伴って小型植物プランクトンと大型植物プランクトンのグループ交替が見られ、二酸化炭素交換フラックス変動も再現された。
    地域3次元生態系モデル(動植物プランクトン5グループ)の結果より、亜熱帯海域では光合成の栄養塩依存性が植物プランクトンの優占グループを決定しているのに対し、亜寒帯では、動物プランクトン特にカイアシ類の捕食嗜好性が植物プランクトンの優占グループを決定していることが分かった。さらに、東大気候センターと国立環境研が行った温暖化実験の数値計算結果を利用することにより、このモデルを今世紀末の地球温暖化の状況の元で、どのような影響が現れるかを見てみた。その結果、温暖化の影響は全海洋で一様に起こるのではなく、亜熱帯海域と亜寒帯海域の中間海域である混乱水域において、顕著に表れることが示された。特に、春季ブルームの後半、小型浮魚類が成長する頃に、温暖化に伴って、生物生産の減少や、植物プランクトンの優占グループの小型化が起こることが示された。この結果より、地球温暖化に伴い、水産資源が激減することが想像される。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 15510001
  • 海洋・大気間の物質相互作用研究計画(IGBP/SOLAS)の準備調査
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2004年 - 2004年
    植松 光夫; 梶井 克純; 津田 敦; 渡辺 豊; 武田 重信; 山中 康裕
    本研究では、海洋・大気間の物質相互作用研究計画(IGBP/SOLAS)の特定領域研究申請に向けて、各プロジェクトの具体的な共同研究体制や戦略、国際的な協力体制を確立するため、国内研究立案集会を2004年7月1-2日に東大海洋研にて開催した。
    その後、10月6日にDMS関係のデータ、情報交換を含めたSOLAS-Japan DMSワークショップを開催した。ワークショップ終了後、"Dr.Sauveur BELVISO(CEN de Saclay, France)とDr.Dileep KUMAR(National Institute of Oceanography, India)を招待して、それぞれ"Recent progresses of DMS biogeochemistry in the Southern Ocean"と"Dimethylsulphide in the monsoon driven Indian Ocean"というタイトルでセミナーを開催した。
    11月15-16日には東大海洋研において「大気・海洋間の生物地球化学的循環過程」について国内SOLASシンポジウムを開催し、30件を越える成果と研究提案の発表があった。
    2005年1月20-21日に名古屋大においてSOLAS-Japanワークショップを開催し、来年度の研究計画や長期の航海計画申請について意見を集約した。
    国際的な活動として、ノルウェーのベルゲンで開催された国際SOLAS SSC meetingに植松(SSC委員)と武田(SSC委員)が出席し、日本を中心としたアジア域での取り組みについて取りまとめた。2005年には東京で国際SOLAS SSC meetingを開催することに決まった。また、この東京会議に引き続いてAsia SOLAS Workshopの開催を計画した。
    2004年10月にカナダ、ハリファックスで開催される国際SOLASシンポジウムに我が国から15名の研究者が発表した。津田がキーノートスピーカーとして招待された。本研究費から4名の発表者に旅費の援助を行った。
    この間、特定領域研究申請に向けて作業を行い、2004年11月に「海洋表層・大気下層間の物質循環リンケージ」(大気海洋物質循環)を申請した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 東京大学, 16631003
  • 海洋による二酸化炭素吸収について地域分布および季節変化の再現と解明
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2000年
    山中 康裕
    現在の3次元の海洋物質循環モデルは、海洋による人為起源二酸化炭素の吸収の見積もりをIPCCレポートに提供しているように、広く用いられている。しかし、このモデルで季節変動を再現を試みようとすると、春季ブルームなどが再現できないといった亜寒帯域において問題を生じる。従って、海洋生態系を陽に表現したモデルの開発が不可欠であり、本研究では3次元の海洋物質循環モデルに組み込むための生態系モデルを開発した。本研究以前の生態系モデルは、海洋有光層中の硝酸塩やアンモニア濃度が生物生産を決めているため窒素循環のみを扱ってきたが、本研究では、炭素循環を表現するために、炭素循環とともに炭酸カルシウムの殻なども扱うようにした。すなわち、15コンパートメント、栄養塩として、アンモニアや硝酸塩、珪酸塩、プランクトンとして、大型や小型植物プランクトン、大型や小型、高次補食動物プランクトン、溶存有機物、沈降粒子として、粒子状有機物や炭酸カルシウム、オパール、さらに全炭酸や全アルカリを表現し二酸化炭素分圧を計算できるようにした。
    このモデルを1987年から現在まで北海道地区水産研究所が年5,6回航海を行っているA-Line上のA-7(41.5N,45.5E)に適用した。二酸化炭素分圧は、冬季混合に伴って最高となり、春季ブルームの期間急速に減少し、夏から秋にかけて、水温上昇による分圧上昇と生物生産による分圧減少が相殺して、ほぼ一定となる。このように、ほぼ現実的な二酸化炭素分圧の季節変動を再現することができた。これらの結果を3編の論文として現在投稿中である。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 北海道大学, 12018201
  • 同位体大循環モデルを用いた大陸規模水循環の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    1999年 - 2000年
    沼口 敦; 阿部 彩子; 辻村 真貴; 杉本 敦子; 山中 康裕; 山崎 孝治
    本研究では全球規模の水同位体循環モデルを作成し、それと観測データとを組み合わせることによって、大陸内部での水循環とその変動についの議論を試みた。
    まず、大気大循環モデル(CCSR/NIES AGCM)を拡張した上で、同位体分別のパラメタリゼーションを組み込み、全球水同位体循環モデルを作成した。さらに、氷雲過程、降水蒸発過程、海面からの蒸発過程における動的分別効果の改良、物質輸送スキームの改良を行った結果、既存観測データと比較して良好な同位体比の再現性を持つことが示された。特に、物質輸送スキームに関しては、従来のスペクトル法に代わりフラックス形式semi-Lagrangean法を適用した格子移流スキームを開発した。その結果、極域などでの同位体の再現が大幅に向上することが示された。
    チベット、シベリアなどでの同位体観測結果とモデルの結果を比較することにより、チベット域では積雲降水活動にともなう降水の蒸発過程が高いd-excess値の形成に重要であること、シベリアでは水のリサイクルの年々の変動が同位体比を大きくさせていることが示され、水の循環過程とその変動の研究における同位体の有用性を示すことができた。また、南極域における既存データの解析から、エルニーニョにともなう水輸送経路の年々変動が同位体比にも現れることを明らかにした。
    さらに、土壌や植物の中の水同位体の観測結果を比較解析することにより、土壌水の取扱い、陸面からの蒸発時における分別過程の導入など、さらなるモデルの改良の方向が明らかとなった。
    上記のことから、水の安定同位体の観測結果を定量的に解釈し、大陸規模の水循環の情報を引き出すために必要かつ有力な道具を作成することができたと考えられる。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 11640426
  • 海洋による二酸化炭素の全球規模の吸収および放出の地域分布の再現と解明
    科学研究費助成事業 特定領域研究(A)
    1999年 - 1999年
    山中 康裕
    東大気候システム研究センターで開発された海洋生物化学大循環モデルを国際炭素循環モデル相互比較プロジェクト用に変更したものを用いて研究を行った。現在、そのプロトコルに従って、生物過程(生物ポンプ)が入っていないモデルの計算は終了し、生物過程も含むモデルで計算中である。今のところ、季節変化を含む深層まで平衡状態になった物理場(温度・塩分分布および流速場)を求めることは、非常に計算資源を必要とするため、本年度は季節変化が入っていない年平均状態を計算しているが、現在、季節変化が入った平衡状態も、同時変更して計算を行っているため、次年度以降利用可能となる予定である。
    具体的には、まず、平衡状態を求めるため、大気中二酸化炭素濃度を278ppmに固定して、海洋物質循環モデルを約12,000年計算を行い深層を含めて、平衡状態を得る。この次に、西暦1760年から1990年まで観測された大気中二酸化炭素濃度を与えることで、人為起源二酸化炭素がどのように分布するかを計算する(Historical実験)。その後IPCCレポートの2つのシナリオIS92aおよびS550に基づいて計算する(IS92a実験およびS550実験)。これらの結果は、OCMIPとして次のIPCCレポートに取り入れられる予定である。また、ベルン大学のF.Joosの提案で、瞬間的に大気中二酸化炭素濃度を2倍にして、大気海洋間の二酸化炭素の全量を保存するよう計算する実験(pulse実験)も行った。
    なお、一連の実験結果は、ホームページ上に公開することを目指しているが、どのように公開するかは、ただいま試行中である。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 北海道大学, 11131201
  • モデリングによる地球システム理解
    科学研究費助成事業 重点領域研究
    1995年 - 1997年
    瀬野 徹三; 山中 康裕; 本多 了; 子河 正基; 伊東 敬祐; 阿部 彩子; 安成 哲三; 小川 克郎
    地球は,地球内部の各層と海洋,陸面,大気圏などが互いに相互作用するシステムである.この相互作用を,内部からと外部からのフォーシングに応答する系としてとらえようというのが基本的考えである.大陸の成長,海水準の永年変化,大陸配置の変化,スラブが660km不連続面にたまっては落ちるflushing event,それに引き続くプルームの上昇,ウイルソンサイクル,などが数十億年から数億年のタイムスケールで起き,表層圏とマントルとの間の元素の運動・循環・分配の変化,ひいては気候変動をもたらす.一方そのような外的環境が変わった場合,たとえば大陸配置や海水準などが変わった場合,気候がどのように変化するかを外部フォーシングに対する応答としてとらえようとする.
    40億年前の太古代のはじめからマントル対流がどのような形態をとって来たのかを明らかにした.40億年前から20億年前ころまでは,マントル内で部分溶融が盛んに起こり,化学的に成層した溶け残りマントルがマントル上部を覆い,それがときおりなだれのように崩れるというマントル対流であり,20億年以降は現在に見られるような薄い境界層の発達するマントル対流となる.したがって,A/P境界事変のうち20億年前の事変は,現在に見られるようなマントル対流,すなわちプレートテクトニクスへの移行を意味しているらしい.
    マントル対流の形態の変化が起きたとき,海水準がどう変化するかを,パラメーター化対流の手法を用いて計算した.それによると次第に海水準は低下するが,20億年前に突然800mくらい上昇する.13億年前にピークに達した後は次第に低下し,現在に至る.この海水準変化から大陸の露出面積を計算すると,28-19億年前,10-0億年前の二つの期間に現在の地表面積の40%以上露出していたことになる.このような1次的海水準変化にもとづいて,さらに短いタイムスケールの海水準変化を,19億年前はじめて超大陸が形成されてからのウイルソンサイクルを復元することによって計算した.またこれからGEOCARBモデルによってCO_2濃度,地表面温度を計算した.これを気候モデルや海洋物質循環モデルと結びつけるために,いくつかの過去にあったかもしれない大陸配置,海洋分布を仮定して,気候変動と植生分布,海洋循環とそれに伴う堆積物,溶存酸素などの分布などを計算した.
    以上とは独立に,非線形複雑系の挙動と進化の研究をすすめた.地球のような複雑系は臨界状態に自己組織化する.複雑系がそうなる仕組みは,系の要素が他者を通じて自己を観察してその振る舞いを決めるからである.
    日本学術振興会, 重点領域研究, 東京大学, 07238101
  • 海洋生物化学大循環モデルによる人為起源物質の海洋による吸収機構の解明
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1996年 - 1996年
    山中 康裕
    GAIM/IGBPのもとで行なわれているOCMIP(Ocean Carbon-Cycle Model Intercomparison Project)で定めた実験を行なう準備として本年度は、観測された二酸化炭素・フロン・放射性炭素の大気中濃度の時系列データを境界条件として与え、海洋生物化学大循環モデルを走らせ、人為起源物質の海洋による吸収を評価を行なった。
    行なった研究の成果は、以下の通りである。
    ・1980年代の人為起源二酸化炭素の海洋による吸収量は、2.0Gt/yrで、IPCCレポートで報告されたものと同じになった。しかしながら、本研究では、IPCCレポートで南半球海洋の過大評価とされていた領域では吸収量が減少し、北半球海洋の過小評価されていた領域では、IPCCレポートのものに比べると増加し、全体として、北半球の海洋の役割の重要性を示唆した。
    ・フロンの濃度分布は、溶解の温度依存性によって大まかに決まり、人為起源のΔ^<14>Cと人為起源の二酸化炭素濃度とは、かなり似た分布をとる。但し、比較的似ている人為起源のΔ^<14>Cからさえも、観測で直接求まらない人為起源の二酸化炭素濃度の分布を推定することは、過去の大気中濃度の履歴の相違より、難しいことが分かった。
    ・北太平洋では、人為起源の二酸化炭素はおおよそ1000m以浅にのみ貯蓄されるが、北太平洋の面積が広いために、北太平洋の吸収量は、北大西洋のものと同程度となる。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東京大学, 08780499
  • 海洋生物化学大循環モデルによる海洋炭素循環の解明
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1995年 - 1995年
    山中 康裕
    海洋大循環モデルに簡単な生物化学過程を組み込んだ海洋生物化学大循環モデルを用いて、主要なパラメタに関する依存生を明らかにした。おもな成果は以下の通りである。
    1.モデルの結果より方解石の飽和度を計算し、そこから見積もられるlysoclineは観測から得られる分布を良く再現する。ケイ酸塩循環を新たに計算し、それより得られる珪藻の生産分布は、観測から得られる分布を再現する。従って、遠洋深海底における大まかな堆積環境の再現が出来る可能性を示した。
    2.氷期における理想化された海洋循環の例として、北大西洋の海面塩分を現在のものより低下させた実験においては、北大西洋深層水が形成されないことが分かった。
    このとき、塩分や方解石の飽和度分布は、観測事実を調和的であるが、炭素同位体分布は、観測事実と異なる結果となった。これは、北大西洋深層水が現在より弱いながらも形成されていたことの傍証となる。
    3.現在の海洋循環から2.で示した海洋循環に仮想的に突然切替えた場合(またはその逆の場合)、大西洋は数百年の時間スケールで応答するが、太平洋は、数千年の時間スケールで応答することが分かった。これは、海底コアなどで気候変動がどのように記録されるかという点を考察する場合に有益な情報を提供するものと考えられる。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東京大学, 07740385
  • 海洋生物化学大循環モデルによる海洋炭素循環の解明
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1994年 - 1994年
    山中 康裕
    海洋大循環モデルに簡単な生物化学過程を組み込んだ海洋生物化学大循環モデルを用いて、主要なパラメタに関する依存性を明らかにした。おもな成果は以下の通りである。
    1.沈降粒子フラックスの鉛直分布は、溶存酸素・リン酸などのトレーサー分布に影響し、溶ける深度が深いほど、水平濃度勾配が強くなることが分かった。特に、セジメントトラップによる観測分布を用いた時のみ、観測されたトレーサー分布を再現することが示された。
    2.溶存酸素などにトレーサ分布は、鉛直拡散係数に強く依存することが分かった。すなわち、沈降粒子フラックスから決まる鉛直スケールと鉛直拡散・移流から決まる鉛直スケールがほぼ同じ程度であるため、鉛直拡散係数が大きい場合には、栄養塩トラップメカニズムによって、生物生産が高い赤道表層直下に酸素極小値が存在し、観測された分布と大きく異なる。それに対して、鉛直拡散係数が小さい場合には、北太平洋北部に酸素極小値が存在し、観測分布を再現する。これと、従来のモデルを用いた研究において、観測分布をうまく再現できなかった理由と考えられる。
    モデルの結果の解析より、赤道太平洋・北太平洋でほぼ閉じたリン酸塩循環をしていることが分かった。これは、水塊で考えられている大西洋から太平洋へつながるコンベア・ベルトの概念とは異なり、現実の海洋でも閉じた栄養塩循環をしていることが示唆される。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東京大学, 06740368
  • 地球温暖化における海洋による人為起源二酸化炭素吸収と海洋生態系変動の解明と予測
    競争的資金