露崎 史朗 (ツユザキ シロウ)

地球環境科学研究院 統合環境科学部門 自然環境保全分野特任教授
北極域研究センター特任教授

自然および人為撹乱により変動している生態系において、群集多様性の維持様式およびその機構について研究している。火山・スキー場斜面・湿原等を主な調査地とし、永久調査区法を中心とした調査および解析を行い、生物-環境系相互作用による群集維持機構の解明を目指している。

研究者基本情報

■ 学位
  • 理学博士, 北海道大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 永久調査区
  • 微地形
  • 遷移
  • 攪乱
  • 生物学的侵入
  • 実生
  • 火山遷移
  • 多様性
  • 菌根菌
  • セーフサイト
  • オ-ディネーション
  • 標高勾配
  • 谷地坊主
  • 播種実験
  • 環境要因
  • 撹乱
  • 植生回復
  • 永久調査
  • 共存様式
  • 植物群集動態
  • 定着
  • 一次遷移
  • 生態系復元
  • 実生生存
  • 定着促進効果
  • ファシリテーション
  • 植生遷移
  • 侵入
  • 植生動態
  • 撹乱地
  • 植物群集生態学
  • Environmental Conservation
  • Plant community ecology
研究分野
  • ライフサイエンス, 生態学、環境学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2010年12月 - 2025年03月
    北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授
  • 1996年01月 - 2010年11月
    北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 助教授
  • 2003年09月 - 2004年08月
    西オーストラリア大学, 植物科学科, 客員研究員
  • 1999年05月 - 2000年01月
    ブリティッシュコロンビア大学, 植物学科, 客員研究員
  • 1990年04月 - 1990年07月
    日本学術振興会, 特別研究員
学歴
  • 1987年04月 - 1990年03月, 北海道大学, 理学研究科, 植物学専攻博士後期課程
  • 1984年04月 - 1986年03月, 北海道大学, 大学院環境科学研究科, 環境保全学専攻修士課程
委員歴
  • 2022年10月 - 現在
    北海道, 土地利用審査会, 自治体
  • 2018年04月 - 現在
    日本生態学会, 保全生態学研究誌編集委員, 学協会
  • 2012年04月 - 現在
    日本生態学会, 自然保護専門委員, 学協会
  • 2008年04月 - 現在
    洞爺湖有珠山ジオパーク科学検討会, 学識顧問, 自治体
  • 2023年04月 - 2025年03月
    北広島市 特別天然記念物野幌原始林保存活用計画検討委員会, 委員長, 自治体
  • 2015年04月 - 2024年03月
    北海道, 環境影響評価審議会, 自治体
  • 2020年04月 - 2023年03月
    北広島市, 特別天然記念物野幌原始林調査委員会, 自治体
  • 2015年01月 - 2018年12月
    日本生態学会, Associate Editor-in-Chief, Ecological Research, 学協会
  • 2017年04月 - 2018年03月
    環境庁, 支笏洞爺国立公園有珠山周辺保全活用検討委員会, 政府
  • 2016年08月 - 2017年07月
    Estonian Reseach Counciil, Commitee for the evaluation of funding, 学協会
  • 2006年04月 - 2014年03月
    日本植物学会, 欧文誌編集員, 学協会
  • 2006年04月 - 2014年03月
    Botanical Society of Japan, Editorial Board of Journal of Plant Research, 学協会
  • 2010年08月 - 2010年12月
    Czech Science Foundation, Reviewer for the evaluation of standard project proposal, 学協会
  • 2001年04月 - 2004年03月
    Ecological Society of Japan, Editorial Board of Japanese Journal of Ecology, 学協会
  • 2001年04月 - 2004年03月
    日本生態学会, 和文誌編集委員, 学協会
  • 1997年04月 - 2000年03月
    日本生態学会, 欧文誌編集委員, 学協会

研究活動情報

■ 受賞
  • 1994年09月, 日本植物学会, 奨励賞
    火山遷移初期植生回復機構の解明
    露崎 史朗
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
  • 湿原が世界を救う : 水と炭素の巨大貯蔵庫
    露崎, 史朗
    築地書館, 2025年03月, 9784806716785, 201p, 日本語
  • 森林学の百科事典
    露崎史朗, 遷移
    丸善出版, 2021年01月, [分担執筆]
  • 地球を行く~まだ知らない生きものを調べに, 深海から宇宙まで
    露崎 史朗, ツンドラファイヤー 永久凍土帯の野火が生態系に与える影響
    文一総合出版, 2018年03月, [分担執筆]
  • 工学生のための基礎生態学
    町村, 尚; 惣田, 訓; 露崎, 史朗; 西田, 修三; 大場, 真; 岸本, 亨; 齊藤, 修; 吉田, 謙太郎; 林, 希一郎; Gibbons, Philip; 松井, 孝典, 第5章. 生態系のダイナミクス (他)
    理工図書, 2017年07月, 9784844608646, viii, 163p, 日本語, [分担執筆]
  • 低温環境の科学事典
    河村公隆; 河村 公隆; 大島 慶一郎; 小達 恒夫; 川村 賢二; 佐﨑 元; 杉山 慎; 関 宰; 高橋 晃周; 西岡 純; 原 登志彦; 福井 学; 藤吉 康志; 三寺 史夫; 宮﨑 雄三; 本山 秀明; 渡部 直樹, 北方林における森林火災, 地球環境変動と北方林植生
    朝倉書店, 2016年07月, 425416128X, 432, [分担執筆]
  • 植物学の百科事典
    日本植物学会, 植生遷移
    丸善出版, 2016年06月, 4621300385, 802, [分担執筆]
  • 生物学辞典
    露崎 史朗, [ 亜極相, 環境傾度分析, 気候的極相, 極相, 極相種, 極相群集, 極相パターン説, 極相林, 後極相, 湿性遷移, 前極相, 土壌的極相
    東京化学同人, 2010年, [分担執筆]
  • 攪乱と遷移の自然史 : 「空き地」の植物生態学
    重定, 南奈子; 露崎, 史朗; 鈴木, 英治; 上條, 隆志; 奈良, 一秀; 志水, 顕; 原口, 昭; Hotes, Stefan; 神田, 房行; 佐藤, 千尋; 下野, 綾子; 下野, 嘉子; 成田, 憲二; 中坪, 孝之
    北海道大学出版会, 2008年06月, 9784832981850, vi, 258p, 日本語
  • 撹乱と遷移の自然史―「空き地」の植物生態学
    重定 南奈子; 露崎 史朗; 神田 房行; 上條 隆志; 佐藤 千尋; 志水 顕; 下野 綾子; 下野 嘉子; 鈴木 英治; 中坪 孝之; 奈良 一秀; 成田 憲二; 原口 昭; HOTES; Stefan; 重定 南奈子; 露崎 史朗
    北海道大学図書刊行会, 2008年06月, 4832981854, 258, [共編者(共編著者)]
  • 遷移初期における生物学的侵入とスケール依存性環境の相互作用
    露崎, 史朗
    [北海道大学大学院地球環境科学研究院], 2007年04月, 1冊
  • 地球温暖化の科学
    露崎史朗; 北海道大学大学院環境科学院, 地球温暖化にともなう陸上生態系の変化
    北海道大学出版会, 2007年03月30日, 4832981811, 246, [分担執筆]
  • オゾン層破壊の科学
    北海道大学大学院環境科学院; 藤原, 正智; 東, 正剛; 長谷部, 文雄; 廣川, 淳; 鈴木, 光次; 豊田, 和弘; 露崎, 史朗, 紫外線と生物
    北海道大学出版会, 2007年03月, 9784832981799, vi, 408p, 日本語, [分担執筆]
  • 北大エコキャンパス読本
    高橋, 英樹; 露崎, 史朗; 笹, 賀一郎
    北海道大学総合博物館, 2005年03月, 52p, 日本語
  • 植物生態学
    露崎 史朗, 第9章 群集・景観パターンと動態
    朝倉書店, 2004年, [分担執筆]
  • 北大エコキャンパス読本
    高橋, 英樹; 露崎, 史朗; 笹, 賀一郎
    北海道大学総合博物館, 2003年03月, 48p, 日本語
  • 生態学事典(日本生態学会編)
    露崎 史朗, ホイッタカー
    共立出版, 2003年, [分担執筆]
  • 北大キャンパス実習用資料集
    高橋, 英樹; 露崎, 史朗; 笹, 賀一郎; 東, 隆行
    [北海道大学総合博物館], 2002年, 36p, 日本語
■ 講演・口頭発表等
■ 主な担当授業
  • 大学院共通授業科目(教育プログラム):JICA開発大学院連携プログラム環境科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 環境保全学特論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 自然環境学総論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 統合自然環境調査法実習, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 環境科学総論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • General Education Seminar, 2024年, 学士課程, 総合教育部
  • General Education Seminar, 2024年, 学士課程, 現代日本学プログラム課程
  • 国際交流Ⅱ, 2024年, 学士課程, 国際本部
  • 一般教育演習(フレッシュマンセミナー), 2024年, 学士課程, 全学教育
■ 所属学協会
  • 米国生態学会
  • 国際植生学会
  • 米国植物学会
  • 英国生態学会
  • 日本植物学会
  • Botanical Society of Japan
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • UAV空中写真と衛星リモートセンシングを結合させた湿原環境モニタリング
    科学研究費助成事業
    2021年04月01日 - 2025年03月31日
    吉野 邦彦; 吉野 雅彦; 串田 圭司; 露崎 史朗
    1.今年度はマルチスペクトルカメラ搭載のUAV1機による釧路湿原内横断堤防両側の10か所の空撮を8月中下旬の数日間行った。各空撮区域にあたっては、地上解像度約3cmで撮影する高度50mから縦横約300m×500mの範囲を撮影した。撮影にあたっては、撮影画像の精密位置が記録されるように、DGPS(ディフェレンシャルGPS)測位を行い、撮影画像中心の位置が誤差数cmで納まる精密測位を行った。
    撮影画像は帰京後、各地区の画像約1000枚のマルチバンド画像を互いに張り合わせるモザイク処理を行い、一枚の画像ファイルとして作成した。使用したマルチスペクトルカメラは、波長帯がやや広い可視バンドの赤、緑、青の3バンドに加えて、波長帯が狭い青、緑、赤、レッドエッジ、近赤外域の5バンド波長帯で撮影する。このモザイク処理で作成された画像を用いて、OBS(オブジェクト・ベースト・セグメンテーション)処理を行い、全波長帯の画像を用いて、色調的に均質と見做される小領域ポリゴン抽出処理を行った。このポリゴンで囲まれた小領域は、本研究で定義する特定の植物群落カテゴリーの植物の生育領域である。この領域に生育する植物群落カテゴリーは、来年度、専門家と共に画像判読、現地調査による確認を通して決定しなければならない。
    2.現地UAV空撮時期に合わせた地上解像度1m程度の高解像度衛星リモートセンシングデータ(2シーン)を購入した。1つは7月上旬の画像、もう一つは7月下旬と8月中旬の画像を合わせた画像である。7月上旬の画像は雲量が多いため、解析を断念したが、もう1つの画像は、湿原全体に渡り、ほぼ雲量0%の画像であった。この画像をUAV画像と同様にOBS処理を施し、均質領域ポリゴン抽出を行った。
    来年度、この画像とUAVモザイク画像を用いた湿原全体の詳細植生図を得るための準備を完了した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 23K21773
  • 火山における地下部種間相互作用による遷移機構の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2022年04月 - 2025年03月
    露崎 史朗
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 22K06397
  • UAV空中写真と衛星リモートセンシングを結合させた湿原環境モニタリング
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2021年04月 - 2025年03月
    吉野 邦彦; 露崎 史朗; 串田 圭司
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 研究分担者, 21H03648
  • 超多重分光画像を用いた釧路湿原の生物多様性ホットスポット植物群落分類
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2016年04月01日 - 2020年03月31日
    吉野 邦彦; 露崎 史朗; 串田 圭司
    本研究は、生物多様性ホットスポットである釧路湿原の高層湿原を対象にして, ①高層湿原のUAVカラー空中写真による複数年分の詳細植生図作成し経年変化を分析した。②次に複数年次に観測した衛星画像間の画像変化検出を行い、衛星画像上の変化はUAV植生図の変化範囲と対応していることを確認した。③最後にUAV植生図から得られる衛星画像データのピクセルの地上瞬時視野内の植物群落面積率から、植物群落分類のための分光反射特性(分類教師データ)の推定を試み、UAV詳細植生図は分類用参照データとして利用可能であり、ハイパースペクトル衛星リモートセンシングによる湿原全体の詳細植生図作成が可能であると結論付けた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 16H02991
  • 湿原生態系保全のためのリモートセンシング観測諸元の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2012年04月 - 2016年03月
    吉野 邦彦; 神田 房行; 串田 圭司; 足立 泰久; 露崎 史朗
    本研究では,釧路湿原保全策の提案を最終目標としてリモートセンシングの最適観測諸元を明らかにした.研究対象地域の高層湿原地域の観測に必要な空間解像度は,独自の精細高層湿原植物群落図を用いた空間解析の結果,高層湿原植物群落の詳細な目視判読のためには1cm程度の地上空間解像度が必要である.植物群落図の作成のためには 10cm~30cm程度の地上解像度が必要であることを明らかにした.最適観測時期は,スゲ類の開花時期の6月下旬から7月中旬であることが明らかになった.しかし,最適観測スペクトル波長帯については明らかに出来なかった.高層湿原の最適観測スペクトル波長帯については,今後,解明する必要がある.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 筑波大学, 研究分担者, 24310169
  • ファシリテーションー生物学的侵入関係の決定機構解明
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2009年 - 2011年
    露崎 史朗
    多種共存機構であるファシリテーションは、リターと微地形の発達により顕著となるが、定着促進効果が生物学的侵入を促進すれば、生態系回復には負の作用となる。そこで、在来種と外来侵入種が侵入している地域を選び、定着種決定機構に関する比較実験を行った。その結果、リターの発達様式と侵入種の特性との対応関係が最も高く、リター発達は気候に規定されていた。したがって、光・土壌資源や微地形よりもリター発達様式が、より侵入種を規定することが明らかとなった。
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 21570011
  • 遷移初期における生物学的侵入とスケール依存性環境の相互作用
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2005年 - 2006年
    露崎 史朗
    生物学的侵入(biological invasion)は、非自生生物が人為により移入されその生態系に定着することを指す。特に、撹乱の強い遷移初期において生物学的侵入は顕著であり、その侵入機構には、微地形から景観レベルまで様々なスケールに依存する生物的・非生物的要因が階層的に関与している。本研究は、生物学的侵入が顕著である渡島駒ヶ岳と、それに近接するが生物学的侵入が検出できない有珠山において、比較研究を行ない、スケール依存性環境要因とその相互作用、生物学的侵入種および在来種の生育特性を解明することを目的に行なった。本研究における論文に公表した主な成果は(1)-(4)の通り。1)駒ヶ岳1996年噴火被害地では、有珠山と同様に、有性繁殖よりも栄養繁殖の方が植物群集回復に寄与している。また、様々な生息地において微地形が群集発達に重要である。2)菌根菌の定着は、標高勾配に沿い変化する種が存在する。これまで、内生菌根の発達未報告数種から内生菌根菌定着を確認した。カラマツ成長に対する菌根菌の寄与は低かった。3)埋土種子の生存・発芽特性の時間的変化には、それまで体験していた環境が大きく関与する。4)生物学的侵入種は実生段階において、強風・土壌乾燥・貧栄養などの様々な撹乱やストレスに対応して、在来種よりも高い可塑性を示すことにより生存率が高い。これらの成果をもとに、スケール間の相互作用(トップグウンーボトムアップ効果)の解析を行った。本科研費により購入したウェザーステーションを駒ヶ岳3標高に設置し気象観測を行った。これらの結果を組み合わせ、土壌湿度・微地形等の環境と種子分散・発芽・定着・成長過程でのスケール別の相互作用定量化を完了させた。
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 17570011
  • 火山における種子植物侵入に対する菌根の役割
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2001年 - 2003年
    露崎 史朗
    火山では、裸地化した地域から微量の火山灰堆積が認められる地域まで幅広い環境勾配中で調査が行える。この特色を利用し、微地形および長期動態を考慮に入れ菌根菌-植物間相互作用を定量化することを目的として研究を行った。結果と考察は以下の通り。1.裸地、草地、森林それぞれに調査地を設置した。各群集に設けた調査区内を樹冠下・草地・裸地・コケ優占地(駒ケ岳のみ)、リル発達地といった微地形に区分し(複数カテゴリを含む個所もある)、それらのマクロ-微地形関係における群集動態(特に優占種の動態)を測定した。その結果、木本植物の定着初期には、微地形がもっとも関与することを見出した。また、菌根分布も微地形と関係していることを示した。2.各植物群集における優占種については全種を、各山頂域における種子植物についてはできる限り多くの種(駒ケ岳で約40種)の地下部を採取し、菌根付着量を定量化した。定量化にはメッシュカウント法がよく用いられるが、予備実験から本手法が全種には適応できないことが判明したため、トライパンブルー染色した菌根断片を元にした菌根頻度を測定した。その結果、これまで報告のなかった草本植物数種に外生菌が共生していることを発見した。3.菌根が貧栄養下で植物群集発達に寄与する要因としては、土壌の中でもリンの取り込みを菌根が担うためと言われている。土壌中の、総有機物量、窒素濃度、リン濃度等と菌根菌の分布関係を測定した。その結果、外生菌頻度は標高増加およびそれに伴う噴火降灰物中の窒素減少に伴い増加すること、内生菌頻度は標高軽度とは関係がないことを見出した。4.以上の結果を加え、火山遷移初期動態に関するレビューを行った。特に、駒ケ岳におけるカラマツのように生物的侵入が広範に起こっていることと、その要因としての菌根菌の重要性を指摘した。
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 13640620
  • 亜高山帯針葉樹林の群生境界の形成機構
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    1998年 - 1999年
    甲山 隆司; 露崎 史朗
    本研究は、北海道山地林に観察される森林タイプ間の明瞭な群集境界に注目して、そのパタンを整理し、景観レベルでのモザイク構造の形成と動態を機能的に説明することを目的として行なった。
    知床半島・遠音別岳西斜面のアカエゾマツ林とトドマツ・アカエゾマツ・ダケカンバ混交林の間にみられる明瞭な森林境界について,そのパターンを記述し,動態パラメータと関連づけた。地形・環境条件が連続的であるのに,林木群集が不連続な境界を形成していることを明かにすることができた。森林境界において,アカエゾマツからトドマツに交替するメカニズムを,風雪圧耐性と関連づけるモデルを提案した。渡島駒ケ岳に侵入しつつあるカラマツ林のパターンを航空写真から解析した。
    いままで,樹木個体のサイズ分布動態の移流モデルを地理的空間軸に沿って展開したモデルで,群集境界の形成とその動態(環境変化に対して示すタイムラグ)が解析されてきた(Kohyama&Shigesada1995)。森林がギャップ動態とそれに対応したパッチモザイク構造を持つ場合について,このモデルを改訂し,ギャップ動態がある場合でも境界は明瞭であるが,環境変化に対するタイムラグが格段に短くなることを理論的に明かにした。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 10640605
  • 北方林の3次元構造と多様性維持機構の解明
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1999年
    日浦 勉; 石城 謙吉; 甲山 隆司; 東 正剛; 戸田 正憲; 植村 滋; 露崎 史郎; 前川 光司; 青井 俊樹; 大串 隆之; 中野 繁
    北海道大学苫小牧演習林において、森林生態系における生物多様性の維持機構を4年間にわたって調べた。この期間に演習林を舞台に我々が出版した学術論文は36編にのぼる(別冊報告書参照)。専門分野の異なる分担者が協力してプロジェクトを行ったため、研究材料は、樹木、昆虫、魚類、哺乳類、土壌動物、鳥類など非常に多岐にわたる。これらの材料を用いてこれまでの日本の生態学では考えられなかったほどの大規模な野外実験や、精細な長期観察によって、動植物の相互作用、攪乱の効果、森林の垂直構造が昆虫の群集配列に及ぼす影響、生態系境界面での物質の移動に伴う生物の資源利用などが明らかされた。
    これらの研究成果は日本の生態学に寄与するもっとも重要なもののひとつとなるであろう。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 08406011
  • 北方林の林床多年生草木群集の多様性を支える生活史シンドローム
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    1996年 - 1997年
    甲山 隆司; 工藤 岳; 植村 滋; 大原 雅; 佐藤 利幸; 露崎 史朗
    北海道の低標高域に残存する北方混交林は、その緯度帯の森林植生としては植物種多様性が高い系である。本研究では、北海道の北方混交林を対象に、多年生草本の種多様性が維持されるメカニズムを解き明かすことを目的とした。
    前年度に引き続き、札幌市東郊の野幌森林公園内と、北海道大学苫小牧演習林内およびその近郊を中心に調査を継続した。苫小牧では2年間の林床草本群集のフェノロジーについてデータを蓄積し、融雪と林冠の展葉開始の年変動にともなって、積算受光量を一定に調節するような季節性の変化が存在することを見いだした。さらに季節に沿った各部分重の間の相対生長関係を6種について追跡調査し、種差が少なく葉に多くを分配するパターンを記録した。繁殖に注目した調査としては、一回繁殖型植物のオオウバユリ個体群の空間パターンを継時的に解析した。また、あらたに円盤接触法を考案して、葉群の垂直構造の定量的解析を行なった。選択的な採食圧にともなう群集の変化の解析を、夏季の馬の林間放牧系で調査した。さらに、対象地域の広域分布特性を空間スケール依存性として把握するために、シダ植物群について分析を行なった。
    以上の基礎調査で明かにした群集パターンに基づいて、共存する種間の形態、繁殖持性、季節戦略、そして微環境のあいだのシンドロームについて、考察を行なった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 08454247
  • 火山遷移初期過程における実生侵入定着様式
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1996年 - 1996年
    露崎 史朗
    火山における微環境の変化と実生の定着様式との対応関係を明らかにするために、主として北海道有珠山において永久調査区法・バイオマス測定・個体追跡・環境要因測定等の調査実験を行い、結果を以下のように得た。微環境は、植生発達を伴い大きく変化し、それに対応して実生の定着率が規定されている。火山において実生死亡率は非常に高く、個体にとって発芽に要する期間常に安定したセイフサイトを獲得することが生存および繁殖にとって重要なものである。一方、定着に成功すれば、実生生長には栄養分が必要不可欠である。しかしながら、有珠山では土壌栄養は、灼熱損料でわずかに数パーセントと非常に低かった。したがって、種子の定着には、地表の凹凸などの微環境とこれに関与する要因である斜面斜度、土壌粒径分布、土壌移動強度などの物理的要因が重要なものであることが示唆された。一方、定着に成功した実生は、生長に必要な光及び栄養分獲得、そして土壌移動に耐えるためにも地下器官を大きく発達させることが予測された。実生の生長には土壌要因、光要因ともに重要であるが、土壌栄養は貧栄養状態でほぼ均一に分布しているため、光環境によって実生の成長量更には死亡率が規定されていた。実生追跡調査によって得られたデータ(各プロットのアロ-ケーションデータ、実生個体数、死亡率)、さらに、有珠山における12年間以上の追跡調査データをもとに、各植物の動態および環境変動を定量化し、オ-ディネーション分析を行い個々の環境要因の植生発達への寄与率を定量化した。その結果、植生回復初期には土壌移動が主たる植生発達規定要因となるが、時間の経過につれ、その外の要因が個々のサイトによって重要なものとなっていくことが示唆された。
    文部科学省, 奨励研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 08740596
  • 地球規模の気候変動が北東シベリア永久凍土地域の凍土圏・生物圏に与える影響の研究
    科学研究費助成事業 国際学術研究
    1995年 - 1996年
    福田 正己; FEDOROV A.N.; SIDORENKO V.; VINOKUROVA A; ZIMOV A.S.; GRIGORIEV M.; KUNISTKY V.V; RUSAKOV V.G.; IVANOV B.B.; 石崎 武志; 露崎 史朗; 安永 智秀; 高橋 邦秀; 佐藤 利幸; 渡部 英昭; 戸田 正憲; RUSAKOV V.C.
    1 東シベリア永久凍土の気候温暖化への応答-目的と方法-
    シベリア永久凍土は、最近の気候変動、特に温暖化の傾向に対して、大規模融解が拡大している。永久凍土は単に受動的に応答するのみならず、永久凍土中に貯留されたメタンガスを融解により大気に放出する。その結果、大気中のメタンガス濃度を増加させ、更なる温暖化を引き起こす。こうした温暖化への能動的な応答が、将来の温暖化にどのように影響するか、その予測と評価を行うために現地調査を行った。現地調査では、凍土そのものの応答・特に過去に生産・貯留されたメタンガスの成因と放出機構、凍土中の地下氷「エドマ層」の分布など、凍土圏そのものの調査・研究と、凍土を覆う植生や動物生態からみた応答と総合的な研究を実施した。
    2 シベリア永久凍土中の地下氷「エドマ層」の成因と形成時期
    東シベリアは過去7万年前の最終氷期以降、厚い氷床に覆われることはなかった。そのため、東シベリアには1000mを超える厚さの永久凍土が形成されていた。その形成過程で、レナ河・ヤナ河・インジギルガ河・コリマ河といった、永久凍土地域を南北に貫く大河の下流と、北極海沿岸地域では、エドマと呼ばれる地下氷の集積があった。この地下氷には、部分的に高濃度のメタンガスが含まれ、それが大気へ放出されることで、将来の温暖化に寄与する。そこで、エドマ層の成因とその分布を掌握することは、シベリア永久凍土の能動的応答を理解する上で欠かせない。本研究計画では、エドマ層の分布や形成時期が、東シベリアの他の地域と異なるコリマ河の下流地域と河口付近を主な調査地域として選んだ。コリマ河支流のスタドヒンスカヤ河沿いに比高20mの段丘が発達している。Pluhinoでは13mの厚さのエドマ層が露出している。さらに支流のアニュイ河でも類似の段丘が発達している。エドマ層に含まれる有機物を用いて、^<14>C年代測定を行った。その結果、エドマ層の下部は約4万年前から堆積が始まり、中位で2.5万年前であった。最上位の年代は決定されなかったが、エドマ層を覆う泥炭から、少なくとも後氷期(1.3万年前)には、エドマ層の堆積は終了したと判断される。コリマ河の本流沿いの高位段丘が発達するが、そこの年代は最上位で33,000年前であり、明らかに他の地域より古い。氷に含まれるメタンガス濃度と酸素同位体は、下層では変動が大きく、2.5万年前からは、より寒冷側にシフトし、かつ安定化している。これは、エドマ層が最終氷期の亜間氷期(カルギンスキー期4万-2.3万年前)が、気候不安定期であり、グリーンランド氷床コアー解析から明らかになった、ダンスガード-オスガ-不安定期に対応することがわかった。形成機構では、いわゆる同時発生的な氷楔に起因している。
    3 コリマ河の氾濫原(湿原)から発生するメタンガスとそれを制御する環境要素
    現在の環境化では、夏季に水分飽和となる湿原は、メタンガス発生源としての役割が大きい。そこで、コリマ河下流の湿原で、6月から9月までの長期観測を行い、メタンガスフラックスの変動とそれに影響する環境要素を調査した。その結果、永久凍土中の夏季融解層とそこの平均地温との積を指数とする実験式を得た。それを適用して、シベリアのツンドラ全域から発生するメタンガス量を10^<12>g(テラグラム)であると推定した。
    4 気候変動が植生の分布と多様性に与える影響
    気候の温暖化、特に夏季温度の上昇は、植生の分布と種構成に大きく影響する。コリマ河河口でのツンドラ-タイガ移行帯では、草本の種構成は北海道の釧路湿原に匹敵することがわかった。これは、2万年前の最終氷期以降の温度上昇が大きく、植生がかなりの速度で北上したことを裏付ける。さらに、永久凍土中の堆積物から採取した花粉により、植生回復の速度の速さが示された。
    5 シベリアタイガの森林火災が気候変動に与える影響
    森林機能を調査したグループは、森林に貯留されている炭素が一気に大気へ放出される森林火災についての評価を試みた。森林火災はCO2の直接的放出のみならず、本来森林が備えていた炭素呼吸(CO2を吸収し、O2を放出する)機能を損なう。そのため、2重の意味で大気へのCO2の放出源となる。火災のタイプ分けを行うには、樹木の根の部分の呼吸量が重要であることが、現地での観測から判明した。
    6 土壌動物及び小動物の生態的特徴
    タイガ及びツンドラに生息するショウジョウバエの生態的分布は、森林の更新過程や土壌生成に関わる指標となる。動物生態班は、森林の垂直分布によるショウジョウバエの棲み分けを調査した。その結果、新たに3種の新種を発見し、森林成立に依存する小動物の種の多様性が成り立つという知見を得た。
    日本学術振興会, 国際学術研究, 北海道大学, 研究分担者, 07041078
  • 火山における植物群集の発達機構
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1994年 - 1994年
    露崎 史朗
    火山における植物群集発達機構を明らかにするために主として有珠山において調査研究を行った。合わせて米国セントヘレンズ山噴火後の植生発達様式との比較研究を行った。本年度の主な成果は以下の通り。1.火山灰堆積地において微環境と実生の定着様式には強い対応関係が認められた。特に、地表面が軽石で覆われた所及びガリ-やリルの内部に実生は多かった。従って、実生出現には物理的なsafe siteの供給が必要不可欠なものと考えられた。2.実生の多かった所の土壌栄養分(灼熱損量・NPK等)は実生の少なかった所と比べて必ずしも高い値は示さず、土壌栄養的なものよりもむしろ物理的要因が実生の定着には重要なものと考えられた。3.旧表土中に生存する埋土種子集団を効率良く土壌中から抽出する方法を考案した。また、本手法は旧表土ばかりでなく、草地土壌等においても適用可能であることを示した。4.Canonical correspondence analysisによる植生解析にあたり、植物個体数及び被度を用い比較した所、異なる環境要因が両者を規定していることが明らかとなった。このことは各植物種の栄養繁殖と種子繁殖の違いに起因しているものと考えられた。更に、種子侵入には周辺植物供給起源の質及び量が、植物発達には地表面の安定性が重要なものと考えられた。5.有珠山とセントヘレンズ山では噴火に伴う撹乱強度の類似した生息地では群集構造的に類似した植生が発達しており、撹乱は初期植生構造を大きく規定しているものと考えられた。
    文部科学省, 奨励研究(A), 新潟大学, 研究代表者, 競争的資金, 06740577
  • 火山遷移における埋土種子集団の生存特性及び植生回復への寄与様式
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1992年 - 1992年
    露崎 史朗
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 新潟大学, 04854068
  • 火山における植物の侵入定着様式と多種共存機構
    科学研究費補助金(重点領域研究)
    1992年 - 1992年
    露崎 史朗
    これまでの調査研究によって、4つの植物供給起源を明示し、これらの植物の生活型・供給起源と回復様式との対応様式を確定し、さらに、有珠山火口原域における種子の定着域を微地形レベルで明らかにした。本科研においては永久調査区内において種子の定着位置及び発芽位置を調査し実生にとってのセイフサイトが種子にとってのセイフサイトになりうることを示し、また、散布された種子と微地形との対応関係を明らかにした。特に、種子発芽にとって不利である粒径の大きな土壌上において種子がトラップされやすいため、結果的に微地形変化の大きな所で植生回復が早く進むことを示した。さらに、散布種子を土壌中から回収し同定選別を行い、これらの種子を実験室において光条件を変えて発芽試験にかけて最適発芽温度及び光条件を決定した(温度可変インキュベータを本科研にて購入)。次に、発達した大型多年生草本の光合成能力を野外において階層別に測定し、さらに最下層植物の光合成能を裸地に定着しているものと比較し、これらの植物が下層形可能な要因を探る(調査実験継続中)。これらの結果と今までの結果を合わせることによって、植物群集の垂直方向への発達様式とその要因を考察した。有珠山においては、現在でもなお個体数は激しく変動しており安定した変動傾向を得るためにも今後とも継続調査を行うことが重要であるが少なくともこれまでに上記のような結果を本科研によって得ることができた。
    文部科学省, 重点領域研究, 新潟大学, 研究代表者, 競争的資金, 04264208
  • 火山における植物の侵入定着様式と回復機構
    科学研究費助成事業 奨励研究(特別研究員)
    1990年 - 1990年
    露崎 史朗
    日本学術振興会, 奨励研究(特別研究員), 北海道大学, 02954012
  • 撹乱地(火山・スキー場・湿原等)における植物群集構造・動態の解明
    1984年
    競争的資金
  • Structure and dynamics of plant communities after disturbances
    1984年
    競争的資金

研究シーズ集

■ 研究シーズ