小布施 秀明 (オブセ ヒデアキ)

工学研究院 応用物理学部門 固体量子物理工学分野教授
半導体フロンティア教育研究機構教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(工学), 北海道大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
研究者番号
  • 50415121
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究分野
  • 自然科学一般, 数理物理、物性基礎
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2026年04月 - 現在
    北海道大学 半導体フロンティア教育研究機構, 半導体教育統括室, 室長
  • 2026年04月 - 現在
    北海道大学 大学院 工学研究院, 応用物理学部門, 教授
  • 2025年04月 - 現在
    北海道大学 半導体フロンティア教育研究機構, 兼務教員
  • 2024年04月 - 現在
    東京大学 生産技術研究所, リサーチフェロー(兼務)
  • 2024年01月 - 現在
    北海道大学 大学院 工学院, 研究院長補佐 (兼務)
  • 2025年04月 - 2026年03月
    東京大学 物性研究所, 客員准教授 (兼務)
  • 2023年01月 - 2026年03月
    北海道大学 大学院 工学院, 応用物理学部門, 准教授
  • 2019年04月 - 2024年03月
    東京大学 生産技術研究所, 協力研究員(兼務)
  • 2012年11月 - 2022年12月
    北海道大学, 大学院工学研究院, 助教
  • 2011年04月 - 2012年10月
    カールスルーエ工科大学, 日本学術振興会 海外特別研究員
  • 2008年04月 - 2011年03月
    京都大学 理学研究科, 日本学術振興会特別研究員
  • 2005年04月 - 2008年03月
    独立行政法人理化学研究所, 基礎科学特別研究員
委員歴
  • 2024年12月 - 現在
    Organizers of ISSP-IIS Joint Symposium on Physics of Open Systems: Resonance, Symmetry and Topology (POS-RST)
  • 2020年10月 - 現在
    Organizers of Localisation seminar series
  • 2022年04月 - 2025年03月
    文部科学省 科学技術・学術政策研究所, 科学技術専門家ネットワーク・専門調査員
  • 2023年10月 - 2024年08月
    Co-Chairs of International Conference on New Frontiers in Advanced Magnetism (NFAM)
  • 2022年09月 - 2023年08月
    Co-Charis of International Conference on Physics of Open Systems and Beyond (POS&BYD)
  • 2022年06月 - 2022年08月
    LT29招へい実行委員
  • 2021年10月 - 2022年08月
    Co-Chairs of International Conference on Localisation 2022
  • 2021年04月 - 2022年03月
    日本物理学会領域4運営委員
  • 2019年10月 - 2020年08月
    Locall organizers of International Conference on Localisation 2020

研究活動情報

■ 受賞
  • 2013年, 日本物理学会, 第7回日本物理学会若手奨励賞(領域4)
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
■ 主な担当授業
  • 固体物理学特論, 2024年, 修士課程, 工学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 固体物理学特論, 2024年, 博士後期課程, 工学院
  • 応用数学Ⅱ, 2024年, 学士課程, 工学部
  • 応用数学演習Ⅱ, 2024年, 学士課程, 工学部
  • 連続体力学, 2024年, 学士課程, 工学部
  • 一般教育演習(フレッシュマンセミナー), 2024年, 学士課程, 全学教育
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 開放系トポロジカル相による普遍的量子状態制御
    さきがけ「物質と情報の量子協奏」
    2024年10月 - 2028年03月
    科学技術振興機構(JST)
  • 非エルミート量子力学系の量子伝導を微視的に導く
    科学研究費助成事業
    2024年04月01日 - 2027年03月31日
    羽田野 直道; 小布施 秀明; 井村 健一郎
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 24K00545
  • 量子・古典における開放不規則系の新奇普遍現象とトポロジカル相
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2026年03月31日
    小布施 秀明; 岡本 亮; 羽田野 直道
    周期境界を課した非エルミート系特有のポイント・ギャップが非自明なトポロジカル相を持つ場合、その系に固定端を課すと全状態が固定端近傍に局在するというバルク・エッジ対応原理が知られています。しかし、接合系に関するバルク・エッジ対応が議論されていなかったため、ポイント・ギャップのトポロジカル数が異なる2つのサブシステムからなる拡張されたHatano-Nelsonモデルを用い、固定端を課した系に対して適用されるNon-Bloch定理を拡張することにより、このスペクトルや固有状態を求めました。その結果、2つのサブシステムのポイント・ギャップ・トポロジカル数の差が非ゼロとなるスペクトル領域に接合系のスペクトルが現れることが分かり、これが接合系のバルク・エッジ対応であることを示しました。以上の結果をPhys. Rev. B誌Letterとして発表しました。
    電子相関のある不規則系において生じる絶縁体-超伝導体転移に関する理論と実験の共同研究を行い、新奇スケーリング則を明らかにし、これを研究結果をScientific Report誌で成果発表しました。
    2022度に行ったGKLS方程式の緩和スペクトルに対するトポロジカル相についての発展研究としてPT対象なKitaevチェーンに対する研究成果をJPS Conference Proceedingsで報告しました。
    時間対称性のある非ユニタリー量子ウォークについての理論研究および実験セットアップ提案や、非ユニタリー量子ウォークにおける局在・非局在状態の実現に向けた実験を行いました。
    2023年8月に、開放系に関する国際会議「Physics of Open Systems & Beyond(POS&BYD)」を北海道大学で主催しました。参加者は140名以上(現地約90名、オンライン約50名)、招待講演14件、一般講演28件、ポスター発表26件でした。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 23K22411
  • 量子・古典における開放不規則系の新奇普遍現象とトポロジカル相
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2022年04月01日 - 2026年03月31日
    小布施 秀明
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 22H01140
  • トポロジカル・エッジ状態によるマグノン高次高調波発生
    令和7年度国際共同利用・共同研究
    2025年04月 - 2026年03月
    京都大学化学研究所, 京都大学化学研究所, 研究代表者, 2025-24
  • ギャップレス・トポロジカル絶縁体におけるバルク・エッジ対応に関する共同研究
    さくらサイエンスプログラム(Bコース)
    2025年08月 - 2025年08月
    JST, JST, S2025F0400304
  • 複雑ネットワークにおけるフラクタル性発現のメカニズム
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2022年04月 - 2025年03月
    矢久保 考介
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 22K03463
  • 非エルミート系の非平衡輸送現象:物理量演算子を定義する枠組みの構築
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    羽田野 直道; 小布施 秀明; 井村 健一郎
    本研究の目的は、非エルミート系の非平衡輸送現象・伝導現象の理論的枠組みを開発し、それを契機として非エルミート系における物理量の一般論を構築することです。非エルミート系では物理量の定義に注意が必要で、例えば実験に対応する電流演算子が何であるかは不明です。しかし、このような問題意識は広く共有されているとは言えません。本研究では、カレント演算子の定義についての問題意識を持つことから出発し、非エルミート系に対する輸送現象の実験に正しく対応する理論を開発します。最初に、非エルミート系の両端にエルミートな電極・熱浴をつけた状況をつくり、ランダウアー公式を使って輸送現象を考えます。次に、ランダウアー公式と線形応答理論・ケルディッシュ形式との対応を用いて、非エルミート系に相応しいカレント演算子を導きます。その成果を踏まえて、より一般に物理量の演算子をどのように定義するか明らかにします。
    令和3年度は、PT対称な非エルミート系の電流演算子について、その系の右固有ベクトルと左固有ベクトルで期待値をとると電流がゼロになること、一方で右固有ベクトルとそのエルミート共役で期待値をとると有限値になることを発見しました。前者においては、問題となっている系を閉じた非エルミート系と見なしているために電流が流れるはずがないと理解できます。一方で後者では、問題となっている系が開放量子系であり、大きなエルミート系の一部なので、電流が流れると理解できます。なお、後者では、右固有ベクトルは互いに直交しませんが、それは部分系で計算を行っているからであり、全体のエルミート系で計算すれば直交するはずだという理解も得ました。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 21H01005
  • 境界条件制御によって切り拓く量子ウォークの新たな応用
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2020年04月01日 - 2024年03月31日
    岡本 亮; 小布施 秀明
    本研究では、量子ウォークの境界条件として、2次元系において並進対称性を持つヘリカル境界条件に着目、光子を用いた新しい時間発展プロトコルで実現する。これにより、新たな量子シミュレーションや、量子探索アルゴリズムの実装といった魅力的な応用が期待できる。令和3年度は、(1)花弁状の空間モードをもったビームの評価と最適化に関する研究、および(2)ヘリカル境界条件を課した場合の量子探索アルゴリズムに関する理論の2つの項目に関して研究を進めた。
    項目1に関しては、令和2年度に空間光変調器を用いて、花弁部分にのみ回折格子を作り、花弁状ビームを生成できることを確認していた。令和3年度はまず、回折効率の評価を行った。空間光変調器は離散的な変調を行うため、階段状の回折格子を用いた。その際、階段回折格子の1周期あたりの段数と回折効率の関係を実験的に調べた。実験の結果、段数が増加するほど回折効率が高くなることがわかった。しかし、階段回折格子の1周期あたりの段数が増加しすぎると、回折光を分離できなくなる。この観点から段数の限界を求めた結果,32段であること分かった。上記の研究結果から、階段回折格子の1周期あたりの段数として、32段が最適であることを明らかにした。
    項目2に関しては、初年度の理論研究を発展させ、実験系で起こりうるノイズやエラーを導入し、最適探索時間や成功確率への寄与を数値的に調べることにより、実証実験への準備を行った。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 京都大学, 20H01828
  • ランダム量子系のスケーリング理論
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2019年04月01日 - 2024年03月31日
    大槻 東巳; 小布施 秀明; 羽田野 直道; 後藤 貴行; SLEVIN KEITH; 今田 正俊
    2019年度は本課題が始まった年である。代表者の大槻は年度後半に北京大学,上海大学,Regensburg大学を訪れ,5年間にわたる本研究テーマの大まかな計画をブラッシュアップできた。実際に行った研究を以下に述べる。
    1)ランダムなトポロジカル系の相図の提案:トポロジカル系は近年幅広い見地から研究されている。この課題ではランダムな量子系としてトポロジカル系の研究を行い,その相図を描いた。相図を決める際には,代表者が2016年から提案している深層学習を用いる方法を適用した。この方法は転送行列やエネルギー準位統計が適用しにくいランダム格子系(量子パーコレーション系)にも適用できるのが強みである(業績リスト[2,3])。特にトポロジカルな量子パーコレーション系に対して興味深い相図が得られた。
    2)Wigner-Dysonクラス以外の普遍クラスの研究:従来のランダム量子系の普遍クラス,いわゆるWigner-Dysonクラスは,副格子対称性,粒子正孔対称性を考慮することでさらに拡張できる。これらの新しい普遍クラスはバンド中心だけに転移が現れるので,従来は取り扱いが困難であった。そこでエネルギーをバンド中心に固定したまま,ランダムネスを変えることでこの転移を起こすモデルを考案した。この新奇なモデルは乱れたノーダルラインWeyl半金属を調べていた時の副産物である。これより新奇な二つの普遍クラスの臨界指数を決定した(業績リスト[1])。
    3)近藤温度の分布:アンダーソン転移では波動関数がマルチフラクタルになることが知られている。これは波動関数の振幅が非自明に分布するを示し,そのため,系に磁性不純物が存在した場合,その近藤温度が非自明な分布をする。この分布関数を数値的に決定した(業績リスト[4])。
    こうした研究の傍ら,ランダムネスを含んだ非エルミート系やダイナミカルな系の研究の準備も行なった。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 上智大学, 19H00658
  • 複雑ネットワークにおけるフラクタル性と長距離次数相関
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2019年04月01日 - 2022年03月31日
    矢久保 考介; 小布施 秀明
    令和元年度ではまず初めに、長距離次数相関を記述する同時確率を用いることで外因性と内因性の長距離次数相関を区別する一般的方法を提案した。外因性長距離次数相関とは隣接次数相関によって誘起される遠隔ノード間の次数相関であり、ネットワークが本質的な意味での長距離次数相関(内因性長距離次数相関)を有するか否かを判別するには、これらを区別する必要がある。本研究では、外因性長距離次数相関のみを示すネットワークに対する同時確率関数の一般的関数形を明らかにすることで、この判別を行う手法を開発した。現実のネットワークが外因性または内因性のどちらか一方の長距離次数相関を有することはなく、両者の性質を併せ持つ。本研究では、長距離次数相関がどの程度内因的な要因で生じているかを定量的に示す指標を提案し、多くの現実ネットワークに対してこの指標を計算した。その結果、フラクタル性を持つと考えられているネットワークは、非常に強い内因性長距離次数相関を有することが明らかとなった。その研究成果は欧文学術誌に公表された。次に、この確率関数を使ってハブ・ノード間の反発相関の強さを定量化する指標Uを提案した。この指標はハブ間反発が強ければ小さな値を持つ。本研究では多くの現実の複雑ネットワークに対して指標Uの計算を行い、Compact-Box-Burning法に基づくフラクタル解析の結果と比較した。これにより、フラクタル性を有する複雑ネットワークには、長距離に渡るハブ間の反発相関があることが明らかとなった。このことは、ハブ間の長距離反発がフラクタル性発現の必要条件であることを示している。さらに、従来は単に高次数ノード同士の反発相関のことを「ハブ間反発」と呼んでいたが、どの程度の次数を持つノードがどの程度の強さで反発しあうかによって、ノード間の反発相関がネットワーク構造に与える影響は質的に異なることも明らかにした。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 19K03646
  • 開放系トポロジー
    特定領域調査
    2021年10月 - 2022年03月
    研究代表者:佐藤昌利
    科学技術振興機構
  • PT対称な量子光学系の実現による革新的量子状態制御の探索
    科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    2018年06月29日 - 2021年03月31日
    岡本 亮; 小布施 秀明
    本研究では,量子光学的な実験技術を駆使することにより光子の流出入効果の制御を実装,純粋な量子系において,厳密なPT対称性を有する開放量子系を初めて実現することを目的とする.これにより,従来の手法とは全く異なる,PT対称性を用いた革新的な量子状態制御手法,及び革新的デバイスの開発,さらには開放量子系に関する基礎物理学の発展への道を拓くことを目指す.令和1年度は,PT対称性を有する量子光学系の構築を進めた.特に,(1)PT対称性を有する量子ウォーク系の構築と検証,(2)反射境界の実験的な実装,(3)時間発展の理論的な検討,の3つの項目に関して研究を進めた.
    項目1に関しては,平成30年度に構築・実証していた「光子の流出過程」を時間発展に組み込んだ量子ウォーク系の構築を進めた.波長805nmの微弱レーザー光を構築した系に導入し,その時間発展をビームプロファイラで測定・評価した.実験の結果,時間発展に用いた各要素が適切に動作していることが確認できた.
    項目2に関しては,当初,市販の光学素子での実装を予定していたが,研究を進めるうちに,市販の光学素子では,光路間の位相関係が乱れるために必要な機能の実現が困難であることが明らかになった.そこで,位相関係を維持することが可能な特殊な光学素子を設計し,特注した.特注光学素子を用いて検証実験を行い,反射境界が実現できていることを確認した.
    項目3に関しては,本研究を大きく発展させることが可能な新たな提案を得ており,上記の実験系での実現を計画している.また,上記の実験系の時間発展について,どのような条件で興味深い現象が現れるかを検討した.
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 京都大学, 18K18733
  • PT対称な開放系の物理:理論と実験の融合による分野横断型研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2018年04月01日 - 2021年03月31日
    小布施 秀明; 岡本 亮; 廣理 英基; 川上 則雄
    近年,パリティ(Parity)と時間反転対称性(Time-reversal symmetry)を組み合わせた対称性であるPT対称性は,非エルミートなハミルトニアンで記述される開放系の複雑なダイナミクスに統一的な理解を与えることから,現在世界中の研究者から注目を浴びている.PT対称性は,開放系の基礎的理解を深化させるだけではなく,開放系を制御する新たな指導原理にもなるため,応用上も極めて重要である.
    本年度は,前年度に理論研究を行ったPT対称性を有する3ステップ非ユニタリ-量子ウォークに対し,PT対称性・カイラル対称性・時間反転対称性を同時に破る摂動を加えた系への拡張を行った。摂動がない場合はトポロジカル相は整数Zで特徴づけられるが、摂動を加えると対称性が変化し,トポロジカル数はZ_2で特徴づけられる.しかし,エッジ状態の数は,摂動を加えトポロジカル数がZ_2となったとしても,非エルミート系特有の例外点により,整数Zのままに保たれることが分かった.この結果より,従来知られていなかった新しい機構による非エルミート系におけるバルク-エッジ対応の破れが明らかになった.
    また,高次元系への拡張として,PT対称性を有する2次元非ユニタリー量子ウォークに関する理論研究を行った.その結果,この系には非エルミート・ワイル半金属相に伴うエッジ状態が現れることが明らかとなった.また,非線形効果を有する量子ウォークのエッジ状態のダイナミクスを非エルミート性の観点から調べた.
    さらに,非エルミート系の特異な現象の一つとして知られる異常表皮効果を示す1次元量子ウォークの実証実験を目的に,量子光学系において実験系の構築を行った.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 18H01140
  • トポロジカル相を活用した光の時空間ダイナミクスの制御手法の開拓
    科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    2018年04月01日 - 2020年03月31日
    小布施 秀明
    本研究の目的は,光学系に備わるトポロジカル相を活用することにより,新奇光学デバイスの開発,及び量子情報の分野で必要とされる光子の量子状態制御への応用を踏まえ,光ダイナミクスを時空間で制御するための手法の開拓を目指した研究を行うことである.
    以前の研究では,静止した1次元系のエッジ状態(ゼロ・エネルギー状態)に対し,トポロジカル相の相境界を等速で移動させることによりエッジ状態の状態輸送を行う場合,ローレンツ不変性を用いた解析より,ローレンツ収縮によるエッジ状態の局在長が収縮し,さらにゼロ・エネルギー状態以外への状態遷移が生じることを,1次元量子ウォークに対して示した.さらに、制御時に,加速時間域,等速移動時間域,減速時間域の3つの時間域に分け,加速時間域と減速時間域では断熱過程を用いた制御を行い,等速移動時間域では解析計算における厳密解を踏まえた制御を行うことにより,高速な状態輸送が可能となることを示した。
    本年度は、Su-Schrieffer-Heeger (SSH)SSHモデルにおけるエッジ状態の輸送に関する研究を行った。先行研究で用いた量子ウォークとSSHモデルは連続体近似を適用すると、両モデルはユニタリー同値なハミルトニアンで記述される。そこで、以前の研究結果を踏まえ、SSHモデルのホッピング項に時間依存性を導入した。その結果、連続体近似がよい近似となるパラメーター領域では、SSHモデルを用いた場合の輸送効率(忠実度)は、量子ウォークを用いた場合と、ほぼ一致することが明らかとなった。一方で、連続体近似がよい近似とならない場合、SSHモデルの輸送効率は急激に低下するが、この状況下におけるローレンツ変換を考慮することにより、より効率のよい輸送手法を明らかにした。
    また、本年度は、開放系量子ウォークや非線形性を有する量子ウォークにおけるトポロジカル相についての研究も行った。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 18H04210
  • 複雑ネットワークにおけるフラクタル性発現機構の解明と自己組織化臨界性
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    矢久保 考介; 小布施 秀明
    複雑ネットワークにおけるフラクタル性の起源の解明に向けた研究を行うことで、以下の成果が得られた。(1)ネットワークの成長と過負荷による崩壊現象との間の拮抗関係に基づくSOCダイナミクスのモデルを提唱した、(2)SOCモデルにおける時間発展の過程でフラクタル構造やスモールワールド構造、および両者のクロスオーバーが現れることを示した、(3)フラクタル複雑ネットワークにおけるハブ間長距離反発相関を定量化するため、長距離次数相関を一般的に記述する方法を提案した、(4)隣接ノード間の負次数相関だけではフラクタル性は生まれないこと、ハブ間の反発相関がフラクタル性の起源と密接に関係することを解明した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 16K05466
  • フロッケ・トポロジカル相における対称性と相転移に関する理論研究
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    小布施 秀明
    粒子の流出入効果を取り入れた量子ウォークの対称性を調べ、固有エネルギーが実数となることを保証するパリティ・時間反転対称性(PT対称性)を有する非ユニタリ-時間発展演算子の定義を与えた。さらにそのフロッケ・トポロジカル相を調べ、エッジ状態のみがPT対称性を破り、エッジ状態の振幅成分のみが時間と共に指数関数的に増幅するとの理論結果を得た。さらに、もつれ合った光子を用いた量子光学系においてPT対称な量子ウォークを構築し、理論予測の検証実験を行ったところ、理論結果とよく一致する結果を得た。この結果は、開放量子系においてもPT対称性を有する非エルミートなハミルトニアンによる記述が正しいことを保証する。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 16K17760
  • トポロジカル相を活用した光ダイナミクスの時空間制御
    科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    2016年04月01日 - 2018年03月31日
    小布施 秀明
    本研究の目的は、光学系におけるトポロジカル相を活用することにより、光ダイナミクスの制御を行うための理論手法を確立することである。
    減衰効果の強い光学系において,減衰効果を制御することは重要である.この観点から,開放系に対し空間-時間反転対称性(PT対称性)を要請し,さらにトポロジカル相に由来するエッジ状態を活用することにより,光の振幅制御を目指した.前年度の研究で得られた理論結果を検証するために,実験グループと国際共同研究を行った.実験では,減衰の効果を高精度に制御することが可能な光学系を構築し,さらにもつれ合った光子対を用いた.実験の結果、エッジ状態の成分のみを選択的に系に残すことなど上記理論予測と非常に良く一致する結果を得た。この研究をまとめた論文は,本年度Nature Physics誌に掲載された.
    また,トポロジカル相を活用した光の位置の動的制御という観点から,トポロジカル数の相境界を等速度で変化させることにより,エッジ状態に局在した光の動的安定性についての研究を行った.その結果,トポロジカル相に由来するエッジ状態の運動方程式はDirac方程式であるため、トポロジカル数の相境界が有効光速に近い速度で等速直線運動する系においては,特殊相対論的効果が現れることが分かった.このことを反映し,エッジ状態の移動速度が系の有効的な光速に近づくにつれ,エッジ状態の局在幅はローレンツ収縮により短くなり,移動速度が有効的な光速になると,エッジ状態が消失することが分かった.これは,エッジ状態を移動させる速度の上限はその系における有効光速となることを意味し,応用利用に向け重要な結論が得られた.
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 16H00975
  • 機能性フラクタル構造体のデザインに向けた基礎的研究:構造制御とダイナミクス
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    矢久保 考介; 小布施 秀明
    様々なフラクタル系の構造形成機構とその上でのダイナミクスの統一的理解に向けた研究を行うことで、以下の成果が得られた。(1)秩序変数の分布関数が一般化ガンベル分布になることを基礎に、臨界現象に現れるフラクタル次元の分布関数が三重指数関数となることを明らかにした、(2)自己組織化臨界性(SOC)に基づく海岸線形成モデルにおいてフラクタル次元の分布が三重指数関数に従うことを明らかにした、(3)負荷の時間的揺らぎを考慮した過負荷故障カスケードに対して、スケールフリー性を有する複雑ネットワークは頑強であることを明らかにした、(4)自発的にフラクタル性が発現する複雑ネットワークのSOCモデルを構築した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 25390113
  • トポロジカル量子相のアンダーソン転移における表面状態
    科学研究費補助金(若手研究(B))
    2013年 - 2015年
    小布施 秀明
    層状構造を持つ3次元弱いトポロジカル絶縁体における2次元表面状態は、層間の結合が均一な場合は不純物が存在しても局在しないが、不均質な結合がある場合、乱れが増加すると局在-非局在転移を生じ、そのユニバーサリティ・クラスは2次元symplecticクラスであることを明らかにした。また、2次元の量子ホール絶縁体転移におけるdescendant演算子のスケーリング次元を高精度に数値的に計算する手法を確立した。さらに、フロッケトポロジカル相を誘起する時間発展演算子に対する対称性やトポロジカル数を定義し、1次元量子ウォークにおける表面状態の不純物に対する安定性をトポロジカル相の観点から明らかにした。
    文部科学省, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 25800213
  • 2次元不規則電子系の新奇現象""共形不変性""と""量子スピンホール効果""に関する研究
    科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    2008年 - 2010年
    小布施 秀明
    本年度は、トポロジカル相における乱れの寄与を調べるために量子ウォークについての研究を行なった。量子ウォークは、量子アルゴリズムを適用できるため量子コンピューターへの応用として注目されている。実験で実現される多くの1次元量子ウォークはカイラル対称性を有するため、トポロジカル相を持ちうる。そこで、カイラル対称性を有する1次元量子ウォークに対する、空間的または時間的な乱れの寄与について調べた。乱れがないクリーンな量子ウォークでは、エネルギーω=0,π近傍にエネルギーギャップがありエッジ状態が現れるが、弱い空間的な乱れを導入した時でも、エネルギーギャップは閉じないためエッジ状態は安定に残る。一方でω=±π/2に状態密度と局在長の発散が新たに現れる。この発散は、カイラル対称性に加え量子ウォークの時間発展演算子に副格子対称性があるため、ω=±π/2での1次元chiral系のアンダーソン転移に起因することを明らかにした。また、時間的な乱れがある場合は、エッジ状態が消失し、量子ウォークは古典ランダムウォークとして振舞うことも明らかにした。
    また、吸収境界による散逸のため電流が保存しない量子ホール系におけるプラトー転移点のコンダクタンス分布と共形不変性に関する研究も行なった。その結果、電流が保存しない散逸系のコンダクタンス分布は、電流が保存する系のものとは異なる臨界性を示すことが分かった。以前の研究では波動関数の絶対値の自乗がprimary operatorに関係すると考えていたが、非エルミートな系への拡張を考えるとより一般的にはポイント・コンタクト・コンダクタンスがprimary operatorに関係するということが分かった。
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 京都大学, 08J01885
  • 2次元ランダム系における臨界現象と共形不変性
    科学研究費補助金(若手研究(B))
    2008年 - 2008年
    小布施 秀明
    文部科学省, 若手研究(B), 独立行政法人理化学研究所, 研究代表者, 競争的資金, 20740229