村越 敬 (ムラコシ ケイ)

理学研究院 化学部門 物理化学分野教授
工学研究院教授
附属グリーンナノテクノロジー研究センター教授
附属社会創造数学研究センター教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 北海道大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 物理化学
  • 電気化学
  • 水電解
  • ポラリトン科学
研究分野
  • ナノテク・材料, 基礎物理化学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2024年04月 - 現在
    北海道大学電子科学研究所附属グリーンナノテクノロジー研究センター, 教授(兼務)
  • 2024年04月 - 現在
    北海道大学電子科学研究所附属社会創造数学研究センター, 教授(兼務)
  • 2010年 - 現在
    北海道大学, 大学院総合化学院(分子化学コース反応解析学講座), 教授
  • 2006年 - 現在
    北海道大学大学院, 大学院理学研究院(化学部門物理化学), 教授
  • 2006年 - 現在
    北海道大学, 理学部(化学科、固体電子論), 教授
  • 2026年04月 - 2027年03月
    大学院理学研究院元素戦略教育研究センター運営委員会委員
  • 2025年04月 - 2027年03月
    北海道大学 教育研究評議会評議員
  • 2025年04月 - 2027年03月
    北海道大学 大学院理学研究院, 副研究院長
  • 2024年01月
    北海道大学電子科学研究所付属社会創造数学研究センター教授(兼務)
  • 2006年 - 2010年
    北海道大学, 大学院理学院, 教授
  • 2003年 - 2006年
    北海道大学, 大学院理学研究科, 教授
  • 2001年 - 2005年
    科学技術振興事業団個人研究推進事業(さきがけ21)「変換と制御」領域研究員 研究員
  • 1998年 - 2003年
    大阪大学大学院基礎工学研究科, Graduate School of Engineering Science, 助教授
  • 2003年
    北海道大学, 理学研究科(化学専攻分子構造化学講座), 併任助教授 助教授
  • 2000年 - 2001年
    北海道大学触媒研究センター客員助教授 助教授
  • 1998年 - 2001年
    科学技術振興事業団個人研究推進事業(さきがけ21)「状態と変革」領域研究員 研究員
  • 1992年 - 1998年
    大阪大学工学部助手 助手, School of Engineering
  • 1992年 - 1993年
    フランス科学研究庁(CNRS)博士研究員 研究員
  • 1992年
    北海道大学理学部教務職員(技官) 職員(技術系), School of Science
学歴
  • 1989年04月 - 1992年06月, 北海道大学, 理学研究科, 化学専攻博士後期課程, 日本国
  • 1987年04月 - 1989年03月, 北海道大学, 理学研究科, 化学専攻博士前期課程, 日本国
  • 1986年04月 - 1987年03月, 北海道大学, 理学部, 化学第二学科研究生
  • 1982年04月 - 1986年03月, 北海道大学, 理学部, 化学第二学科, 日本国
委員歴
  • 2022年 - 現在
    電気化学会 代議員
  • 2020年 - 現在
    自然化学研究機構分子科学研究所, 運営会議委員
  • 2018年 - 現在
    フラーレン・ナノチューブ・グレフェン学会, 監事
  • 2017年 - 現在
    日本学術会議, 連携会員
  • 2011年 - 現在
    Czech Science Foundation, 研究プロジェクト審査員
  • 2010年 - 現在
    光化学協会, 理事
  • 2009年 - 現在
    コロイドおよび界面化学部会, 幹事
  • 2022年
    理化学研究所 研究業績報告会 委員
  • 2020年 - 2021年
    電気化学会, 2021年秋季大会 実行委員長
  • 2020年 - 2021年
    国立研究開発法人科学技術振興機構, 外部専門家
  • 2008年 - 2021年
    ナノ学会, 理事
  • 2017年 - 2020年
    電気化学会, 理事
  • 2016年 - 2020年
    Asian and Oceanian Photochemistry Association, 理事
  • 2016年 - 2018年
    日本分光学会, 代議員
  • 2015年 - 2017年
    電気化学会北海道支部, 支部長
  • 2013年 - 2015年
    日本表面科学会東北・北海道支部, 幹事
  • 2013年 - 2015年
    日本分光学会北海道支部, 支部長
  • 2013年 - 2015年
    The Journal of Physical Chemistry, 誌編集アドバイザー
  • 2012年 - 2013年
    独立行政法人日本学術振興会, 特別研究員等審査会専門委員及び国際事業委員会 書面審査員
  • 2010年 - 2012年
    電気化学会, 評議員
  • 2010年
    日本化学会北海道支部, 学会賞推薦委員、学術賞等推薦委員
  • 2008年
    International Society of Electrochemistry, Physical Electrochemistry Division, Vice-Chair
  • 2007年
    日本化学会, 速報誌編集委員, 学協会
  • 2006年
    電気化学会, 中長期計画検討委員, 学協会
学内役職歴
  • 教育研究評議会評議員, 2023年4月1日 - 2025年3月31日
  • 大学院総合化学院副学院長, 2016年4月1日 - 2018年3月31日
  • 大学院総合化学院副学院長, 2018年4月1日 - 2020年3月31日
  • 大学院理学研究院副研究院長, 2021年4月1日 - 2023年3月31日
  • 大学院理学研究院副研究院長, 2023年4月1日 - 2025年3月31日

研究活動情報

■ 受賞
  • 2020年03月, 電気化学会, フェロー
  • 2019年05月, 日本分光学会, 2019年度日本分光学会学会賞
    電気化学in-situ表面増強ラマン分光による界面電子励起過程の研究
  • 2014年03月, 公益財団法人 電気化学会, 平成26年度 電気化学会学術賞
    電気化学界面のナノ構造制御と新規光・電子物性開拓
  • 2010年, 日本化学会第27回 学術賞
    固液界面における少数原子・分子系の構造制御と機能化
    日本国
  • 2008年, 第22回光化学協会賞
    固体界面の微小構造制御と光機能化
    日本国
  • 2002年, 第4回花王研究奨励賞
    電子の流れを制御する電気化学界面ナノ構造形成
    日本国
  • 1996年, 電気化学会進歩賞・佐野賞
    電気化学界面の微視的構造/電子状態の決定と制御に関する研究
    日本国
  • 1994年, 第10回井上研究奨励賞
    金属/電解質界面における電荷移動反応誘起発光に関する研究
    日本国
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
■ 講演・口頭発表等
■ 主な担当授業
  • 化学特別講義Ⅱ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 基礎物理化学特論, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 化学特別講義, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 化学特別講義, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 化学特別講義, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 化学特別講義, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • マイクロ・ナノ化学, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 分子化学(先端物理化学), 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 化学特別講義, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 先端総合化学特論Ⅱ, 2024年, 博士後期課程, 総合化学院
  • 先端総合化学特論Ⅱ, 2024年, 博士後期課程, 総合化学院
  • 先端総合化学特論Ⅱ, 2024年, 博士後期課程, 総合化学院
  • 先端総合化学特論Ⅱ, 2024年, 博士後期課程, 総合化学院
  • 物理化学Ⅱ, 2024年, 学士課程, 理学部
■ 所属学協会
  • プラズモニック化学研究会
  • フラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会
  • 日本表面科学会
  • 分子科学会
  • ナノ学会
  • 日本分光学会
  • 日本物理学会
  • 日本化学会
  • 光化学協会
  • 応用物理学会
  • The Electrochemical Society
  • American Chemical Society
  • 電気化学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 界面プロトン移動度制御による多電子移動電極反応の高効率化
    科学研究費助成事業
    2022年06月30日 - 2025年03月31日
    村越 敬; 福島 知宏; 南本 大穂
    本研究においては水分子と共振場が強く相互作用したポラリトン状態に着目し、界面プロトン移動度制御に基づく多電子移動電極反応の効率化を目指す。共振器中において電解質水溶液のプロトン移動度が一桁上昇したことに端をなしており、共振器構造体を電極―電解質界面へと導入することによって、界面プロトン移動度制御を行い、触媒活性である過電圧低減や反応選択性を導入する試みである。
    4電子移動反応である酸素発生反応を対象として、構造電極の与える効果に関して検討を行った。構造電極の作成はレーザーリソグラフィなどのトップダウンの手法を利用して行い、電気化学応答が十分に計測可能な面積での良好な矩形構造の作成に成功した。これらの構造体は赤外領域においてフォトニックバンドを有していることが明らかとなり、分子振動と共鳴可能な共振器構造体を電極―電解質界面において作成することに成功した。さらには触媒活性の構造依存性を検証するために電気化学電位制御下での顕微観察を導入し、活性の高い電極のスクリーニングが可能であることを実証した。構造電極の光学特性が水のOH伸縮振動と共鳴する場合には触媒活性が加速されることを明らかとした。さらには非緩衝溶液において観測されるOH-の拡散に由来する触媒電流の増大が確認され、従来の共振器において観測されていた界面のイオン移動度の制御が可能となることを実証した。またNi―Fe系触媒の開発も同時に行い、電極構造を保持したままでのFeドーピングによる活性向上も実証した。酸素発生反応の機構解析を網羅的に行うために熱力学―速度論パラメータの機械学習をもととした反応速度解析手法を開発した。これらの手法を利用することにより、実験データと同時に熱力学―速度論パラメータの網羅的探索および反応パスの検証を行うことを可能とした。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(開拓), 北海道大学, 22K18315
  • ポラリトニック電極の電気化学特性評価
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    村越 敬; 福島 知宏; 板谷 昌輝
    金属ナノ構造を二次元配列した表面格子構造を利用することで、Surface Lattice Resonance (SLR) モードを誘起する事が可能となる。色素分子をSLR特性を有する金属ナノ構造配列電極に対して結合させ、ポラリトン状態を観測した。真空場の空間広がりによりコヒーレントな分子数の増大が実現され、結合強度が最大で0.5 程度の値を示す超強結合状態となる系の創出にも成功した。本系においては特徴的な多準位系のポラリトン状態とピークの半値幅としても0.1 eVを下回る先鋭なピークが観測され、SLRに由来した長寿命なポラリトン状態が形成していると考えられる。さらに有機太陽電池にも利用可能な色素においても同様に超強結合状態が観測され、汎用的な色素系に対する電子状態制御が構築可能なプラットフォームの構築に成功した。
    強結合状態における電子移動反応に関して、報告されている理論に基づき、電極ー電解質界面での電子移動反応系への適用を検討した。従来のMarcus理論と同様に電極電位、電子状態密度および再配列エネルギーによってその電子移動速度は変調を受けるが、強結合状態においては仮想励起状態を介した電子移動反応が可能となることが示唆された。さらには、モード体積およびコヒーレントな分子数を設定することにより、強結合状態での特異な電子移動反応速度の加速が示唆された。独自に構築した理論を用いて強結合電極での実験結果の解析を行い、理論の妥当性を検証した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 23K23291
  • ポラリトニック電極の電気化学特性評価
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    村越 敬; 福島 知宏
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 22H02023
  • 階層構造規制型触媒電極による革新的水電解プロセスの創出
    2021年 - 2023年
    村越 敬
    水分子と選択的に相互作用する階層構造触媒電極を用い、従来の酸素・水素発生反応効率と選択性を変革することによって次世代グリーン水素製造プロセスを実現。現状の商用水電解は、反応効率向上のために強酸性・強アルカリ性pH条件で運用されており、電解槽などの部材消耗が問題。中性液性付近で稼働する水電解システムを階層構造触媒電極を用いて実現。軽度処理海水や自然淡水を使った再生可能エネルギー水電解施設に活用できるシステムを創出。
    科学技術振興機構, 戦略的な研究開発の推進/未来社会創造事業/探索加速型, 21473134
  • 光圧を極める:分子操作の極限化と光制御によるマクロ化
    科学研究費助成事業
    2016年06月30日 - 2021年03月31日
    笹木 敬司; 村越 敬; 森田 隆二; 深港 豪; 山根 啓作
    本研究では、分子・分子集合体に作用する光圧をナノ空間で自在にデザインし、室温・媒質中においてナノ物質を個別選択的に捕捉・操作し、配置・配向・配列を制御する技術を世界に先駆けて開発するとともに、多様な光圧制御技術により光物質操作のマクロ化を実現する事を目的としている。
    今年度は、昨年度に引き続き、高精度の金ナノ構造の作製および光圧を発生させるためのナノ局在場のデザインを行うため、開発した数値解析手法を用いて金ナノトライマー構造の局在場の解析を進めた。この知見と昨年度の技術的なノウハウを基に、実際に電子線描画装置を用いて水中で波長1064nmに共鳴を持つ金ナノボウタイ構造を作製した。10nm程度のサイズのナノギャップ部への選択的な発光体の導入を試みるため、この試作構造に水中で波長1064nmの直線偏光レーザーを照射し、ナノ粒子の捕捉を試みた。実験では、直径40nmの色素分子凝集体を用いて光捕捉を行った結果、ナノ粒子が数μmの距離から急激にギャップ部に引き寄せられ、捕捉される様子を確認した。照射レーザーを切った後もギャップ部においてナノ粒子からの蛍光が確認され、乾燥した試料のSEM像からもギャップ部に選択的にナノ粒子が堆積している様子が確認できた。また、昨年度構築したテーパーファイバーを用いたナノ粒子捕捉・輸送システムを用い、異なる波長の対向ビームの入射による捕捉粒子(NVセンター含有・非含有ナノダイヤモンド)の吸収特性を利用したナノ粒子操作・選別を試みた。粒子に作用する散乱力は、対向ビームによりキャンセルされ、吸収量の違いによる吸収力の差の分だけ、NVセンター含有・非含有粒子間の運動に差が生じる。入射レーザー光強度の最適化を行なった結果、NVセンターの有無により輸送される方向が反転し、NVセンター含有・非含有ダイヤモンドナノ粒子の選別が可能となることを示した。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 16H06506
  • プラズモン誘起電子遷移過程の制御
    科学研究費助成事業
    2014年04月01日 - 2017年03月31日
    村越 敬; 保田 諭; 南本 大穂; 池田 勝佳
    局在プラズモンモードが異なる金属ナノ構造を作製し、in-situ電気化学ラマン計測を有機小分子、ナノカーボン、半導体ナノドットを対象とし、局所電子励起プロセスと観測されるラマンモードの相関から検証した。局在電場特有の電子遷移過程の詳細が明らかとなった。電極電位依存性から界面ナノ物質の配向、電子状態の情報が得られることが分かった。触媒活性が発現する分子やナノカーボン系の反応活性と界面電子状態の相関についても明らかとした。さらには局在光電場を起因とする光散乱特性の制御、光電変換デバイスの光起電力増大などの機能が発現することも見出すことに成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 26248001
  • 高効率な光捕集・局在化を可能にする光アンテナの開発とその太陽電池への応用
    科学研究費助成事業
    2011年04月01日 - 2016年03月31日
    三澤 弘明; 村越 敬; 上野 貢生; 村澤 尚樹; 押切 友也; 上原 日和; ルカルメ オリビエ
    局在プラズモンを示す金ナノ構造を光アンテナとした光電変換系において、水が酸化的に分解して酸素が発生することを明らかにした。また、光電気化学重合反応を用いて本水分解が金ナノ構造/半導体基板/水の接触するナノ空間で生起することを明らかにした。これらの成果を人工光合成へ展開し、可視光による水の完全分解、並びにアンモニア合成にも成功した。一方、独自に開発した超高速時間分解光電子顕微鏡を活用し、四重極子プラズモンや局在プラズモンと分子系との強結合状態を利用した光アンテナが高い光閉じ込め機能を有することも明らかにした。さらに、ホール移動層に酸化ニッケルを用いた全固体プラズモン太陽電池の創出にも成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 北海道大学, 23225006
  • 局在光電場を駆動力とする光起電力発生デバイスの探索
    科学研究費助成事業
    2014年04月01日 - 2015年03月31日
    村越 敬; 保田 諭; 保田 諭
    局在光電場を駆動力とするプラズモニック光電変換電極の反応メカニズムの評価を行った。プラズモン励起誘起による正孔によって電気化学的酸化重合したポリピロールを走査型電子顕微鏡で評価し、活性サイトの空間的特定を行った。その結果、Auナノ構造体のプラズモン共鳴によって誘起される増強電場による反応の活性サイトの空間局在性、化学反応性の特徴を明らかにした。
    次いで半導体量子ドットであるPbSを用いたプラズモン誘起光電変換デバイスの可能性を検証した。その結果、プラズモン由来による光電変換能の増強が可能であることを明らかとした。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 26620188
  • 規制異相界面メタマテリアル
    科学研究費助成事業
    2013年04月01日 - 2015年03月31日
    村越 敬
    メタマテリアルの物性制御には金属ナノ構造と媒体界面に原子レベルでの幾何構造と電子状態制御が重要である。本研究では、まず電気化学in-situ表面プラズモン共鳴全反射分光顕微鏡(SPR)システムを構築し、電気化学電位が制御された環境下で表面の原子配列が規制された金属表面のプラズモンイメージングを取得する基礎を築く。また、構造が制御された金属ナノ構造によるプラズモンと分子の励起子の結合状態を評価し電子状態制御に関する知見を得る。初めに、金属薄膜電極表面を用いたSPRイメージング技術の基礎開発を行った。全反射顕微鏡を改造した光学系でSPR曲線を取得したところ、表面プラズモンの励起に由来する反射光強度の減少を確認し、SPRイメージングのための最適条件を明らかとした。また、金属超薄膜基板を用いた系では長距離伝播プラズモンモードを利用したイメージングが可能となることも明らかとした。これらの系を用いて、基板のSPRイメージングを試みた結果、従来よりも明瞭なSPRイメージング像の取得に成功し、さらにサブナノメートルオーダーでの金属表面の溶解プロセスがイメージング像のコントラスト変化として評価可能となることを示した。次に、在表面プラズモン共鳴(LSPR)と有機分子励起子間の強結合状態の形成について評価を行った。LSPR共鳴エネルギーを有するAg基板を作成し、色素分子を担持すると担持量の増加に伴いスペクトルが分裂し、新しい吸収帯が生じるのを観測した。さらに種々のLSPR共鳴エネルギーを有する金属ナノ構造基板を作成し、担持色素量を制御することでLSPRと色素励起子が強く相互作用し強結合状態が形成する系の創出に成功した。当該の系において特徴的な光散乱が強く増強されることが明らかとなった。以上の検討により金属/分子の異相界面の幾何構造を原子・分子レベルで制御し、系の光学特性を変調する手法を確立した。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 25109701
  • 低エネルギー光子による化学反応駆動とその利用
    科学研究費助成事業
    2013年04月01日 - 2014年03月31日
    村越 敬; 保田 諭
    分子の励起状態とプラズモン電場が強く相互作用する強結合系を創出し、可視―近赤外領域の低い光エネルギーにて光化学反応を誘起する系を構築する。強結合系を用いて、通常の光照射の場合と比して低いエネルギーの光によって所望の電気化学ポテンシャルを有する電子・正孔を系の局在分子軌道に形成し、多電子移動反応を高効率に誘起する反応系を開拓する。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 25620003
  • 原子レベルでの酸素還元活性制御カーボンの創製
    2013年 - 2013年
    村越 敬
    担持材料となるグラフィティックカーボン材料の電気化学合成に成功し、目標達成のための基礎技術となる知見が得られた。不活性雰囲気下で、脱水したイオン液体中で四塩化炭素を電気化学還元することで、ナノグラフェンが高い再現性で合成可能であること、また、析出時間を長くすることで、より大きな構造をもつグラフェンが得られることを明らかにした。今後は、得られた試料の電気化学的な窒素ドーピングおよびそのドーピング構造の評価、酸素還元活性評価に向けた研究を行う。
    科学技術振興機構, 産学が連携した研究開発成果の展開/研究成果展開事業/研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)/探索タイプ, 13412051
  • ナノ領域の温度・歪み検出素子の創出
    科学研究費助成事業
    2012年 - 2012年
    村越 敬; 保田 諭
    プラズモン増強電場と単層カーボンナノチューブ(SWNT)を組み合わせ、従来の微細加工技術では実現不可能なナノメートルサイズの温度・歪みセンターとしての基礎的動作の検証を行った。その結果、プラズモン増強電場によるSWNTの表面増強ラマンスペクトルを評価することで、SWNTの温度上昇および歪みを高感度で検出可能であることを明らかにした。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 24655162
  • カーボンナノチューブの自在ナノ加工と機能創出
    科学研究費助成事業
    2011年 - 2012年
    村越 敬; 保田 諭
    金属の表面プラズモン増強電場を光化学反応場として利用し、単層カーボンナノチューブ(SWNT)への光ナノ加工とその制御を試みた。プラズモン増強電場によりSWNTへ欠陥導入が可能であること、SWNTのカイラリティによる光化学反応活性の違いや電気化学電位を利用し欠陥導入量の制御が可能であることを示した。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 23655167
  • 二次元分子膜の局所変調による少数分子制御
    科学研究費助成事業
    2009年 - 2011年
    村越 敬; 並河 英紀; 保田 諭; 池田 勝佳
    脂質二分子膜を幅100nm程度の微小間隙へ流入させると、膜内特定分子に対する分子選択的フィルタ現象が発現することを明らかにした。幅100nmの間隙をもつ金属構造体を電子線リソグラフィーによりカバーガラス基板上に作製し、微小空間形状変化に対する分子拡散性変化を単一分子追跡法により評価することで、膜構造特異性と分子拡散性変調との相関性を定量的に議論した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21350001
  • 光―分子強結合反応場の創成
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2011年
    三澤 弘明; 益田 秀樹; 山田 淳; 村越 敬
    本領域研究は、平成19年度に計画研究15課題で研究を開始し、平成20年度は公募研究40課題が加わり55課題、再度公募を行った平成21-22年度は計画研究15課題と公募研究40課題で領域研究を行ってきた。平成23年度はこの4年間の領域研究で生まれた成果のとりまとめ作業を行った。具体的には、それぞれの研究課題による研究成果をとりまとめ、成果報告書として発行した(3月)。
    加えて、この成果を世界に向けて発信するため国際的な学術誌であるJournal of Photochemistry and Photobiology A : Chemistry誌に本研究領域で世界的に著名な外国人研究者による論文4報およびメンバーによる論文21報で構成された特集号を発行した(Vol. 221, Issue2-3, 25 June 2011)。
    成果取りまとめに際しては、各班の執筆者の選定や内容の精査を、それぞれ次のものが担当した。
    A01班「光-分子強結合反応場による新奇反応の開拓」…三澤弘明(代表者)
    A02班「高次機能性構造による光-分子強結合反応場の創成」…益田秀樹(連携研究者)
    A03班「光-分子強結合反応場の素過程ダイナミクス」…山田淳(連携研究者)
    出版物の構成等の全体統括は三澤弘明(代表者)と村越敬(連携研究者)が行った。
    本領域研究の活動を継続して行い、その活動を広く一般に発信し、民間企業とも情報交換することを目的として、ブラズモニック化学研究会を発足させた。第1回シンポジウムを6月に東京大学にて開催し、第2回研究会を11月に同じく東京大学にて開催した。また、3月には日本化学会第92春季年会にてシンポジウム「プラズモニック化学の新展開」を開催し、活発な議論と意見交換が行われた。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 19049005
  • 金属ナノギャップにおける少数分子の光応答その場追跡
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2010年
    村越 敬; 並河 英紀; 保田 諭; 木口 学
    光-分子強結合反応場となる、可視から近赤外の波長領域の光励起に応答性を有する二次元金属微小配列構造の構築に成功した。金属微小構造体近傍に少数分子を担持することにより、局在化した光増強電場に起因した高効率な異方的分極励起による光励起選択則の変調や局所化学反応が発現する実験的知見が得られた。これらの結果から、光-分子強結合反応場の局所特性や光化学反応性に関する特徴を明らかにした。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 19049003
  • 溶液中における単一分子・原子鎖の安定架橋構造形成と電子伝導
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2009年
    木口 学; 村越 敬; 並河 英紀
    室温溶液内にて金属の電気化学電位を制御することで金属の単原子ワイヤーが安定形成し、ワイヤーの安定性や構造が電気化学電位により制御可能であることを明らかにした。また分子ワイヤーに関連し、溶液内にて新たな金属-分子接合系の探索を行った。その結果、Au-CN, Pt-CN,Pt-S などの新規接続部位をもつ単分子接合の伝導計測に成功した。また、分子の架橋状態を規定するために、単分子の振動分光計測装置の開発を行い、水素、ベンゼン単分子接合に適用した。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 東京工業大学, 17069001
  • エネルギー変換能を有する金属微小構造の創製
    科学研究費助成事業
    2004年 - 2007年
    村越 敬; 木口 学; 並河 英紀
    本研究では、数nmから数百nmのサイズ領域にある金属や半導体微小構造を制御して、非対称な金属微小接合や周期的超構造を表面に形成し、外部からの電位や磁場、光などの摂動とそれらの揺動を組み合わせて化学エネルギーや光、熱さらに運動エネルギーなどを相互に自在に変換可能な新しい微小システムの構築を行った。具体的には(1)コンダクタンスの量子化が発現する金属非対称ナノ接合における電子の電気化学ポテンシャルの熱・光変換過程の制御、(2) 2次元平面に構築された非対称周期ナノ構造における分子・イオン選別機能の付与と制御についての検討を行った。これらの研究により、非対称ポテンシャル場において、方向性のないランダムなゆらぎにアシストされて発現する粒子の効率的な整流・分別現象の支配要因が明らかとなった。また、この知見に基づき電子準位の制御されたメソスコピック機能単位をエネルギー勾配を持って配置し、熱勾配を利用して電子をアップヒルに輸送するシステムや2次元表面での分子の効率的移送・認識・分別を可能とするシステムが構築された。さらに、溶液内において、磁場と光の作用に予知特定の構造を有する単層カーボンナノチューブ(SWNT)を選択分別する技術の確立にも成功した。具体的には、単色光照射により溶液内において特定のSWNTに選択的に光触媒反応を誘起させ金属を析出させ、照射光波長と析出させる金属の種類を選択し、励起するSWNTの直径ならびにSWVNTのvan Hove特異点の絶対電位それぞれを任意に選択することが可能となり、この金属析出を選択的に誘起させたSWNTを磁場分離する事によって、望む直径と化学的反応性、光学特性を有するSWNTを分離精製することを可能とした。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 16205026
  • 金属ナノギャップによる多種類分子の超高感度同時認識
    2006年 - 2006年
    村越 敬
    可視から近赤外の波長領域にある光照射に応答する2次元金属微小配列構造を調製し、光化学的・電気化学的な手法に基づき微小部分の構造制御を行う。その金属構造表面において分子認識選択性を単一分子レベルにて制御することを試みる。単一分子レベルの強いラマン信号が観測可能となり、置換基部位レベルのサイズにて分子の種類、配向、配列、温度などの情報が得られる。さらに金属構造に高範囲での2次元周期性を持たせることにより、単一分子レベルの分子の検出が大面積、同時に行うことが可能となる。
    科学技術振興機構, 産学が連携した研究開発成果の展開/研究成果展開事業/地域事業/地域イノベーション創出総合支援事業/シーズ発掘試験, 7700009086
  • 局所光電場による単一分子制御
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2006年
    村越 敬; 木口 学; 並河 英紀
    金属微小構造体より構築される極微小空間に形成される局所光電場を利用した表面増強ラマン散乱(SERS)による単一分子の直接的観測ならびに金属表面における動的な拡散挙動を検討した。自己組織的に配列させたポリスチレンビーズをテンプレートとしてガラス基板上へ金属を傾斜蒸着することで、二つの金属微小構造体を近接して配置させたダイマー構造を構築した。その際のギャップ間隔はナノメートルオーダーにて制御可能であった。このギャップ近傍へ2,2 '-bipyridine(22bpy)及び4,4 '-bipyridine(44bpy)分子を吸着させた後、顕微ラマン分光装置にてラマン散乱スペクトルの経時観察を行なったところ、100μMの混合水溶液中ではどちらか1成分のスペクトルのみが観測されることがあった。この濃度領域では44bpy分子がほぼ飽和吸着していることが報告されており、その様な状況下22bpy1成分のみが観測されたことから、hot siteのサイズは電磁気学的に予想されているギャップ間隙よりもはるかに小さく、分子に匹敵するサイズであることが明らかとなった。さらに非飽和吸着の濃度領域である1μMの混合水溶液中では、両者のスペクトルが瞬間的に入れ替わる挙動が観察された。表面被覆率を制御した実験によって、本現象は2個以上複数の分子が同時に入れ替わったとは考えられず、単一分子からのシグナルを検知していたものと結論付けられた。これまで、固体基板上に設計された金属微小構造体から単一分子由来のシグナルを観察した直接的証拠を示した研究例はなく、以上の結果は電磁気学的理論で予測されている局所電場によるラマン増強効果に加えて原子サイズの化学的増強サイトが存在することを示したものである。本現象を利用することで、単一分子レベルでの感度を有する高感度分子検出システムの構築が可能となった。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 18655049
  • 2次元金属ナノ超配列構造による分子集合体の光認識・動的制御
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2006年
    村越 敬; 木口 学; 並河 英紀
    金属微小構造体より構築される極微小空間での高感度分子検出および分子分別システムの構築を行なった。自己組織的に配列させたポリスチレンビーズをテンプレートとしてガラス基板上へ金属を傾斜蒸着することで、ガラス基板上へ金属微小構造体を規則的に配列させることが可能となる。蒸着時の角度・速度・蒸着量の厳密な制御に基づいて、二つの金属微小構造体を近接して配置させたダイマー構造を構築した。その際のギャップ間隔はナノメートルオーダーにて制御可能であった。このギャップ近傍へ2,2'-及び4,4'-bipyridine分子を吸着させた後、顕微ラマン分光装置にてラマン散乱スペクトルの経時観察を行なったところ、両者のスペクトルが瞬間的に入れ替わる挙動が観察された。統計学的解析の結果、本現象は2個以上複数の分子が同時に入れ替わったとは考えられず、単一分子からのシグナルを検知していたものと結論付けられた。これまで、固体基板上に設計された金属微小構造体から単一分子由来のシグナルを観察した直接的な証拠を示した研究例はなく、本研究はその先駆的な成果といえる。
    一方、構造体ギャップのスケールを幅数十〜数百ナノメートル程度にまで拡張した場合、この構造体基板上にて脂質二分子膜の自発展開現象を発現させることで、自発展開膜内に添加した種々の分子をその分子特性に依存して分離分別することが可能となった。全反射蛍光顕微鏡を用いた単一分子追跡による検討の結果、特定の分子はギヤップでの分子拡散性が顕著に低下していることが明らかとなった。これはギャップにおける化学ポテンシャル障壁の形成が分子拡散性に影響を及ぼした結果であると考えられる。
    これらの知見により、金属微小構造体により形成される数〜数百ナノメートル程度の微小空間においては、高感度分子検出あるいは分子分別システムなどの機能性が発現することが示された。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 17034002
  • カーボンナノチューブの高精度分離技術の開発
    2004年 - 2005年
    村越 敬
    科学技術振興機構, 産学が連携した研究開発成果の展開/研究成果展開事業/平成20年度までに募集を終了した事業/独創的シーズ展開事業/権利化試験, 7700400086
  • 電子・分子・イオンの流れを制御する金属ナノ構造
    2001年 - 2004年
    村越 敬
    ミクロな粒子の流れを効率的に制御する系の創出を試みます。ナノメートルオーダーで構造の制御された非対称な金属微小接合や2次元の周期的超構造を電気化学的な手法によって調製し、機能発現の場とします。外部から電位や磁場、力などの摂動とそれらの揺動を組み合わせて電子、分子、ならびにイオンの効率的な整流・分別を達成し、効率的なエネルギー変換系や複数の要因が相関をもって機能を発現する系の理解を深めます。
    科学技術振興機構, 戦略的な研究開発の推進/戦略的創造研究推進事業/さきがけ, 7700000583
  • 金属ナノ接合の選択的光形成・光修飾
    科学研究費助成事業
    2002年 - 2003年
    村越 敬; 並河 英紀
    微小形状の金属への光照射により自由電子の集団振動(プラズモン)が励起され、金属と周りを取り巻く媒体との界面に局所的な電場が生ずることが知られている。この局所電場励起と金属内電子の電気化学ポテンシャル制御を組み合わせて局所的な金属の溶解・析出反応性を制御して金属ナノ構造構築に成功した。溶液内で電気化学電位の制御された金属探針を電極表面に近接させて光照射を行うことにより、位置選択的に金属ナノドット構造が形成されることを示した。この手法は、ドットの高さなどの三次元構造制御が電位と光強度などによって自在に制御可能であることが特徴であることが特徴である。この他、絶縁基板表面上の金属ナノドットについても光照射と外部からの電場印加によって局所的な溶解・再析出反応を制御することに成功し、隣接する金属ナノドットの距離を外部からの摂動制御によりナノメートルのオーダーで自在に制御することに成功した。その結果、光照射下でのドット間隙での局所電場強度制御が可能となり、一般的には制御が困難な表面増強ラマン散乱強度を制御することが可能となり、単分子検出レベルの信号を自在に発現させることに成功した。また、金属ナノ構造制御により、電子伝達単位としての機能の制御、ならびにその金属構造近傍の媒体の場を変調することにより分子やイオン移動を制御することを試みた電解質溶液内の金属のナノ接合形成に種々の金属を用いた単原子レベルの接合を形成することに成功した。その結果、種々の金属の電子的・機械的な特性を利用した電子のエネルギー・スピンの選択透過能を有するナノ接合形成が可能となった。また微小伝導体である単層カーボンナノチューブについて、その直径とカイラリティに依存した電子準位の絶対電位を世界で初めて明確にした。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 14340219
  • 非線形化学ダイナミクスによる分子系の自発的ナノ構造体形成法の開拓
    科学研究費助成事業
    2002年 - 2003年
    中戸 義禮; 中西 周次; 今西 哲士; 村越 敬
    非平衡・非線形ダイナミクスによる自発的ナノ構造形成について、新しいナノ構造形成法の開拓と確立を目的に研究を行い、以下の結果を得た。(1)微傾斜・水素終端化Si(111)表面をテフロンピンセットでスクラッチすると、炭素とフッ素を含むテフロン由来の不溶性の配列ナノワイアがSi表面に形成され、さらにこの表面をフッ化アンモニウム中でエッチすると秩序配列したステップ-テラス構造が形成されることを見出した。(2)この方法で作製したステップ制御のSi(111)表面上に銅を無電解析出させると、銅がステップ上に集積して析出し、これによってきれいに配列した銅ナノワイアがSi(111)上に形成できることを見出した。(3)微傾斜・水素終端化Si(111)面のハロゲン化(Si-H終端結合のSi-ハロゲン結合への転換)の機構が、ハロゲン化水素酸の種類、溶存酸素の有無、反応時間などの条件の差により異なることを明らかにした。(4)Si(111)面を5℃の7.1Mヨウ化水素酸に浸すと、三方向に配向したナノワイアが生成するが、このナノワイアがSiのヨウ素化物からなることを高分解能XPS法から推定し、さらに三方向の配向がSiヨウ素化物の表面拡散過程が律速となることにより生じることを明らかにした。(5)光と電場の助けにより金属ナノ粒子の化学的形状制御に成功した。(6)TiO_2の光エッチングにより規則配列ナノ構造が形成されることを見出し、これが非線形効果によるものであることを突き止めた。(7)電気化学振動現象とこれに伴う電極表面上のパターン形成の機構についても詳しい研究を行った。(8)さらに振動と電析のカップリングを利用した樹枝状析出物の構造制御についても研究を進め、これによって、きれいに配列したSnの2次元四角格子構造の形成、またCuとCu・Sn合金が交互に積層するナノサイズの超格子の形成に成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 大阪大学, 14350454
  • 界面単電子トンネル現象の電気化学制御
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2001年
    村越 敬; 今西 哲士; 中戸 義禮
    溶液内で電場により分極された金属微粒子に光照射を行い、局所的な電気化学反応を誘起することを試みた。光照射ならびに電場印加により、Ag微粒子の担持密度は減少し、その粒子形状が変化することがわかった。この形状変化の様子は光強度に依存し、光強度が比較的強い場合には粒子径の増大が観測された。この変形には光照射と電場印加の両方が必要であることが明らかとなった。本系においては、分極下での光照射により個々のAg微粒子それぞれにおいて局所的な電気化学反応が誘起され、微粒子の溶解・析出が外部電極とは非接触の状態にて進行した。この光・電場変形は、電解質溶液組成、金属アイランドの密度、基板の導電性を制御することにより他の金属や異種金属積層薄膜においても適用可能であった。この手法を用いて局所溶解・析出反応の速度を制御することにより絶縁基板上にてナノオーダーでの金属構造制御が可能となることが示された。
    4極の電気化学系を用い溶液内でAu細線を溶解させて微小ギャップ形成し、そのギャップに種々の金属を電析させナノ接合を形成することを試みた。その結果、Cu, Ag, Ni, Pdなど金属で量子化の単位値(G_0=2e^2/h)を有するナノ接合が非常に安定に形成されることが示された。またこれら金属とPbを用いた接合の量子化挙動の比較により、量子化伝導に関与する電子軌道の特徴が明らかとなった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 大阪大学, 12440198
  • 金属ナノ細線の集積自己形成
    1998年 - 2001年
    村越 敬
    本研究では、ナノメートルから数十ナノメートルのサイズ領域において導電性ナノ細線を構築し、室温下にて動作可能な単電子デバイスの集積構築を目指します。
    科学技術振興機構, 戦略的な研究開発の推進/戦略的創造研究推進事業/さきがけ, 7700000438
  • フッ素系有機分子による高次構造の創出と新規な光機能の創製
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1999年
    柳田 祥三; 北村 隆之; 村越 敬; 和田 雄二
    我々は、有機分子を光増感剤に用いた光触媒反応系の開発を進めるなかで、フッ素系芳香族分子の励起状態を酸化的に消光して生じるカチオンラジカル種の強い酸化力に着目し、貴金属コロイドを担持させたベルフルオロポリパラフェニレンを紫外光励起すると、水が水素とヒトロキシルラジカルに分解することを見出している。さらに、発光中心となる分子種や金属イオン種がフッ素系分子集合系の環境下にあるとき、その発光が顕著に増加することに着目した。この発光現象は、炭素-フッ素結合の伸縮振動エネルギーが低いために、発光中心の励起状態から振動モードのエネルギー移動失活が抑制される結果である。我々はこの考察を基に、これまで困難視されていたネオジムイオン(Nd(III))の溶液内発光を試み、アセチルアセトンのC-H結合を低伸縮振動のC-F結合と炭素-重水素(C-D)結合に置き換えたヘキサフルオロアセチルアセトンのNd(III)錯体が顕著に発光することを見出している。
    本基礎研究課題では、フッ素系有機分子の電子構造と自己組織化能を明らかにしつつ、フッ素系分子を組み込むことによる新規な量子的構造の創出を目的とし、以下の課題の研究を行った。1)フッ素系芳香族分子の光励起時おける高い酸化電位に着目し、「光合成機能の人工化」を念頭に置いた人工的光合成系IIの構築、即ちフッ素化芳香族化合物を電子移動光増感剤(光触媒)に用いる水分子の酸化を行った。2)含フッ素配位子を用いた希土類錯体の強発光体の開発、解析および応用を行った。3)含フッ素化合物により金属硫化物ナノ粒子の表面修飾を行い、その安定化と種々の溶媒との相溶性制御、さらに表面状態制御が可能であることを示した。ここで得られた成果は、含フッ素有機分子によって組織化した新規発光材料の開発は新しい機能材料開発のコンセブト作りに寄与する。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 大阪大学, 09490023
  • 半導体ナノ微結晶の表面エネルギー制御による結晶系遷移
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1998年
    村越 敬; 北村 隆之; 和田 雄一; 柳田 祥三
    1. 超微結晶調製法の探索と表面修飾化学種の検討を行った。CdS,ZnS半導体の種々の有機溶媒中での調製法を確立し、温度、濃度によって決定される微結晶の成長速度の特徴を明らかとした。ついで、系内に微結晶表面と強く相互作用する無機カウンターアニオン、表面修飾化学種による表面改質法を確立した。
    2. 溶液内での微結晶の表面原子配列構造ならびに溶液内化学種の配位構造の詳細をX線吸収分光(XAFS)によって検討した。微結晶の成長過程における表面の原子配列と化学種との相互作用の相関を明確化し、先の調製条件との対応を検討した。また、真空中にて単離後、形状と粒径については透過型電子顕微鏡(TEM)、原子間力顕微鏡(AFM)によって、結晶系については電子線、X線回折によって検討し、表面状態の変化と結晶系の相関を明らかとした。
    3. 超微結晶の光学特性と結晶系、表面エネルギーの相関を検討した。上記の実験結果に基づき結晶系を決定する表面エネルギー実体を密度汎関数法による理論計算により明確化した。さらに調製された微結晶を用い、可視光領域での吸収特性、発光量子収率ならびに励起子の寿命などの基礎的な光学特性を検討し、これらの特徴と微結晶の構造との相関を明らかとした。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 大阪大学, 10136230
  • 不均一異相界面でのナノ構造規制による電子伝達挙動の制御とその素子化への試み
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1998年
    村越 敬; 北村 隆之; 和田 雄一; 柳田 祥三
    1. 粒径数nmの金属・半導体ナノクラスターの調整:液相中において粒径、結晶系の制御された金属あるいは化合物半導体クラスターの調製法を確立した。特に金クラスターについては新しい光化学反応による無電解メッキ法を開発しナノサイズでの構造制御を可能とした。
    2. ZnO超微結晶の表面Zn原子と強く相互作用する不斉リン酸化合物を用いて化学修飾を行い、その表面修飾法を確立し表面状態を検討した。さらに溶液中におけるZnO超微結晶の表面不斉場に対する不斉アミノ酸の相互作用の違いをZnO超微結晶の蛍光消光の割合で評価し、不斉分子修飾ZnO超微結晶のアミノ酸不斉分子認識能を賦与することを試みた。その結果、S-BNP修飾ZnO超微結晶はL-Tryptophanとの相互作用が大きく、逆にR-BNP修飾ZnO超微結晶はD-Tryptophanとの相互作用が大きいことが分かった。修飾剤BNPはZnO超微結晶に表面修飾されることにより超微結晶表面にて2次元的なの規則幾何構造を形成することが期待される。この表面不斉分子配列の立体的な障害にによりL-,D-Tryptophanに対するエナンチオ選択性すなわち不斉認識能が発現したことを証明した。この他、ZnS超微結晶表面の溶媒和構造、表面分子修飾についても検討を行った。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 大阪大学, 10131244
  • 電極絶対電位制御によるMINIM接合の電子伝達特性スイッチング
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1998年
    村越 敬; 北村 隆之; 和田 雄一; 柳田 祥三
    1. 機能性単分子膜の調製:原子レベルで平滑な金属蒸着膜を用い、長鎖アルカン、長鎖芳香族チオール分子の自己組織膜の形成法を検討した。良好なトンネル障壁特性を有する単分子層の形成法を確立するとともに分子鎖長とトンネル透過特性との相関を検討した。
    2. 粒径数nmの金属・半導体ナノクラスターの調整:液相中において粒径、結晶系の制御された金属あるいは化合物半導体クラスターの調製法を確立した。特に金クラスターについては新しい光化学反応による無電解メッキ法を開発しナノサイズでの構造制御を可能とした。
    3. MINIM接合形成と電子伝達特性の評価:上記手法を組み合わせ各構成単位によってMINIM接合を形成し、その電位ー電流曲線の測定を行った。微弱電流の測定技術を確立すると同時に接合の等価回路解析を行った。
    4. 電気化学STMによる接合の溶液内観察:上記の手法に従い調製された自己組織化膜/金属ナノクラスター接合を溶液内で形成し、電気化学STMによる構造評価を試みた。特に新しいトンネル分光法として走査型トンネル顕微鏡の探針の位置を変化させる手法を開発し、接合の特性評価を行った。
    上記の検討によりナノデバイス形成に必須の溶液内での金属超微結晶の構造制御とその表面での有機分子配列制御のための基本的な知見が得られた。ナノ微結晶/配列有機分子複合系を用い、金属/有機単分子膜/導電性ナノクラスター/有機単分子膜/金属電極構造から成るMINIM接合を形成し単電子電子伝達制御のための基本的技術を確立した。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 大阪大学, 10127219
  • 単分子色素増感層へのサイト選択的分子的結線による高効率光電荷分離素子の構築
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1998年
    柳田 祥三; 北村 隆之; 村越 敬; 和田 雄二
    1.緒言 色素増感型太陽電池はホール輸送層が液相であることから,液漏れ,揮発等による耐久性の低さが問題とされてきた。我々は、一般的なヨウ素-有機溶媒のホール輸送層を、小分子ゲル化剤を用いて電荷移動を阻害することなく固体化することにより、液体ホール輸送層を用いた太陽電池と同等の光電流を発生する固体太陽電池の製作に成功した。また,固体電解質のカウンターカチオンの効果と細孔内での導電機構の詳細について検討を行った。ゲル化剤を用いて,ホール移動層を固体化したセルを作製した。ゲル化剤を用いたセルは、溶液型とほぼ同等の変換効率を示す。これは、加熱時において低粘度となる小分子ゲル化剤を用いることで、多孔質酸化チタン電極の細孔内に均一なホール移動層が構築されうるためである。こうして作成したセルの安定性は向上し、一週間の耐久試験を行ったところ,顕著な違いが明らかになった。
    2. 色素増感太陽電池の変換効率は、色素を担持する多孔質酸化チタン電極の特性に大きく依存する。典型的な色素増感太陽電池の多孔質電極は、粒径20nm程度の酸化チタン粒子を厚さ10mm程度に積層焼結した構造を有するが、効率向上には単分子層吸着した増感色素からの光励起電子注入効率をほぼ100%とし、さらに注入電荷のそのポテンシャルエネルギーを失うことなく外部回路に伝達する必要がある。しかし機能発現に必要な粒子の結晶性、粒子間接合などに関する要件は明らかではない。本研究では、非常に高い結晶性を有する粒径15nm程度のアナターゼ型HyCOM酸化チタン微結晶を用いて種々の条件下にて電極を作製し、その構造特性ならびに光電変換諸特性を検討した。その結果、整った細孔空間を有する色素増感型太陽電池の多孔質電極を調製することに成功した。また膜厚に比例した電気化学特性が得られ、その優れた電子伝達挙動はその結晶性のみならず、粒子間接合性に大きく依存すると考えられる。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 大阪大学, 10126238
  • 鎖状芳香族化合物の光駆動多電子移動化学
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1998年
    和田 雄二; 北村 隆之; 村越 敬; 柳田 祥三
    導電性高分子であるポリパラフェニレン(PPP)あるいはポリピリジンの電子構造は無機化合物半導体に類似した挙動をし、価電子帯と伝導帯とから構成されるバンド構造で記述することができる。これらは、トリエチルアミンを電子供与体とし、二酸化炭素、水分子、有機不飽和化合物の還元反応に対する可視光下における光触媒作用を発現する。極めてネガティブな還元電位を有するCO_2を1電子還元するためには、高いLUMOを有する光触媒が必要であり、光触媒として鎖長が4以下のオリゴパラフェニレンでなければ、CO_2還元反応は進行しない。しかし、これらは紫外光しか吸収せず、可視光利用系構築のためにはLUMOの電位は低いが、共役系の長いポリマーを用いなければならない。
    我々は可視光を吸収するポリパラフェニレン(PPP)を用いたCO_2固定系として、ペンゾフェノンに対するCO_2固定反応系を見いだし、PPPの光触媒機構における連続2電子移動を明らかにした。ペンゾフェノンおよびTEAのDMF溶媒にPPPを分散し、CO_2を飽和した後、400nm以上光を照射するとグリコール酸が生成した。^<13>CO^2を反応基質として用いることにより、ベンジル酸中のカルボキシル基が確かに気相のCO_2に由来するものであることを確認した。ベンジル酸以外に、ペンズヒドロール、ベンズピナコールが生成することがわかった。反応系をさらに詳細に分析したところ、上記の3生成物の他に1,1-ジフェニル-1,2-プロパンジオールの生成が確認された。PPPをナトリウム還元し、EPR観察したところラジカルアニオンおよびさらに1電子還元されたジアニオンの生成が確認された。このジアニオンがべンゾフェノンを連続2電子還元することにより生成するジアニオンがCO_2固定の反応中間体であることを提案した。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 大阪大学, 10146230
  • 光応答機能分子による単電子伝達挙動の制御
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1998年
    村越 敬
    1. 機能性単分子膜の調製:原子レベルで平滑な金属蒸着膜を用い、長鎖アルカン、長鎖芳香族チオール分子の自己組織膜の形成法を検討した。良好なトンネル障壁特性を有する単分子層の形成法を確立するとともに分子鎖長とトンネル透過特性との相関を検討した。
    2. 粒径数nmの金属・半導体ナノクラスターの調整:液相中において粒径、結晶系の制御された金属あるいは化合物半導体クラスターの調製法を確立した。特に金クラスターについては新しい光化学反応による無電解メッキ法を開発しナノサイズでの構造制御を可能とした。
    3. MINIM接合形成と電子伝達特性の評価:上記手法を組み合わせ各構成単位によってMINIM接合を形成し、その電位-電流曲線の測定を行った。微弱電流の測定技術を確立すると同時に接合の等価回路解析を行った。
    4. 電気化学STMによる接合の溶液内観察:上記の手法に従い調製された自己組織化膜/金属ナノクラスター接合を溶液内で形成し、電気化学STMによる構造評価を試みた。特に新しいトンネル分光法として走査型トンネル顕微鏡の探針の位置を変化させる手法を開発し、接合の特性評価を行った。
    上記の検討によりナノデバイス形成に必須の溶液内での金属超微結晶の構造制御とその表面での有機分子配列制御のための基本的な知見が得られた。ナノ微結晶/配列有機分子複合系を用い、金属/有機単分子膜/導電性ナノクラスター/有機単分子膜/金属電極構造から成るMINIM接合を形成し単電子電子伝達制御のための基本的技術を確立した。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 大阪大学, 09740523
  • ゼオライト膜を用いた光誘起電子ベクトル輸送系
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    和田 雄二; 北村 隆之; 村越 敬; 柳田 祥三
    1.ゼオライト表面化学修飾
    有機溶媒中に分散したゼオライト粒子の積層法をゼオライト膜調製法のひとつとして検討する。そのためには、現存のゼオライトは本来、その外表面にヒドロキシル基が露出しているため親水性であり、有機溶媒には分散しない。ゼオライト膜調製のための予備的段階として、ゼオライト粒子外表面の化学修飾を行い、疎水性発現法の検討を行った。化学修飾剤として、アルキルシリルクロライドを選択し、真空系中で処理したゼオライトに種々の条件でアルキルシリルクロライドを接触させ、拡散反射型FTIR表面分析を行った。その結果、NaYゼオライトでは室温でアルキルシリルクロライドが表面に固定化されることがわかった。表面吸着水は反応を阻害する。HYゼオライドはNaYに比べ、反応性が低いことも判明した。
    2.酸化チタン薄膜調製
    アルコキシド法で調製したゾル液を用いた酸化チタン薄膜の調製法の検討を行った。チタンイソプロポキシドを出発原料とし、その加水分解で得たゾル液をオートクレーブ中で処理することにより結晶粒子径の成長を行うことによって得られたゾル液を導電性ガラス表面に塗布することによって得た膜を焼成し、2から10μmの透明でかつ均質な酸化チタン薄膜を調製することができた。
    3.金属硫化物超微粒子調製法
    ゼオライト膜中にゲストとして取り込ませる目的で、硫化カドミウムおよび硫化亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛のナノサイズ超微粒子の粒径とその分布制御法の検討を行った。
    日本学術振興会, 萌芽的研究, 大阪大学, 09875210
  • 不均一異相界面でのナノ構造規制による電子伝達挙動の制御とその素子化への試み
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    村越 敬; 北村 隆之; 和田 雄二; 柳田 祥三
    1.機能性単分子膜の調製:原子レベルで平滑な金属蒸着膜を用い、長鎖アルカン、長鎖芳香族チオール分子の自己組織の形成法を検討した。良好なトンネル障壁特性を有する単分子層の形成法を確立するとともに分子薄膜の構造を反射IR等により検討した。
    2.粒径数nmの金属・半導体ナノクラスターの調製:液相中において粒径、結晶系の制御された金属あるいは化合物半導体クラスターの調整法を確立した。
    3.金属酸化物ナノ超薄膜の調製:表面水酸基を有する平滑な電極を用い(メルカプトエタノールで処理した金電極など)種々の金属アルコキド(M(O-nC_4Hg)n,M=Al,Ti,Nb,Zr)を表面吸着させ、それを有機溶媒で洗浄後、超純水に浸漬する事によりアルコキシドの加水分解反応に基づく厚さ1nm以下の金属酸化物層を形成される。この操作の繰り返し回数を変化させることによって金属酸化物絶緑層の厚さ制御が可能となることを実証した。
    4.MINIM接合形成と電子伝達特性の評価:上記手法を組み合わせ各構成単位によってMINIM接合を形成し、その電位-電流曲線の測定を行った。微弱電流の測定技術を確立すると同時に接合の等価回路解析を行った。
    5.超高速電子移動速度の評価:TiO_2,ZnOなどの酸化物半導体微粒子と表面修飾有機分子間の電子移動特性について検討し、半導体微結晶の伝導帯と有機分子の励起準位の相互作用を制御することにより高効率の電子移動を誘発させることに成功した。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 大阪大学, 09237243
  • 電極絶対電位制御によるMINIM接合の電子伝達特性スイッチング
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    村越 敬; 北村 隆之; 和田 雄二; 柳田 祥三
    1.機能性単分子膜の調製:原子レベルで平滑な金属蒸着膜を用い、長鎖アツカン、長鎖芳香族チオール分子の自己組織膜の形成法を検討した。良好なトンネル障壁特性を有する単分子層の形成法を確立するとともに分子薄膜の構造を反射IR等により検討した。
    2.粒径数nmの金属・半導体ナノクラスターの調整:液相中において粒径、結晶系の制御された金属あるいは化合物半導体クラスターの調製法を確立した。
    3.金属酸化物ナノ超薄膜の調製:表面水酸基を有する平滑な電極を用い(メルカプトエタノールで処理した金属極など)種々の金属アルコキシド(M(O-nC4H9)n,M=AL,Ti,Nb,Zr)を表面吸着させ、それを有機溶媒で洗浄後、超純水に浸漬する事によりアルコキシドの加水分解反応に基づく厚さ1nm以下の金属酸化物層を形成される。この操作の繰り返し回数を変化させることによって金属酸化物絶縁層の厚さ制御が可能となることを実証した。
    4.MINIM接合形成と電子伝達特性の評価:上記手法を組み合わせ各構成単位によってMINIM接合を形成し、その電位一電流曲線の測定を行った。微弱電流の測定技術を確立すると同時に接合に等価回路解析を行った。
    3.電気化学STMによる接合の溶液内観察:上記の手法に従い調製された自己組織化膜/金属ナノクラスター接合を溶液内で形成し、電気化学STMによる構造評価を試みた。電気化学的な検討は水溶液中のみではなく、より広い電位領域での摂動を可能とするために極脱水したアセトニトリルなどの有機溶媒中でも検討可能な系を構築した。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 大阪大学, 09233219
  • 単分子色素増感層へのサイト選択的分子結線による高効率光電荷分離素子の構築
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    柳田 祥三; 北村 隆之; 村越 敬; 和田 雄二
    (1)ホール移動層に用いる導電性ポリマーには、モノマーとして電解重合可能なピロール、アニリン、チオフェン、パラフェニレンビニレンなどの誘導体を用い、色素担持した酸化物半導体表面に電気化学的にホール移動層を構築することを試みた。各モノマーについて最適な重合電位、光強度、電解質、電解質溶液などを制御し、ド-ピング密度や重合度、重合量などについて検討し、最適なホール電位を与えるものを選定した。(2)これらの電極については反射IR測定により、色素分子、ポリマーの結合様式、構造、分子間の相互作用など明らかにした。この手法により調製したホール移動層表面に対極を形成し、固体分子太陽電池を作製した。(3)作製した固体太陽電池に電位制御下可視光を照射し、光電流測定を行った。また色素の発光強度の電位依存性から、電子注入特性、ポリマーと色素の分子間相互作用について検討した。(4)上記で得られた知見を活かし、新規色素分子の設計を行った。具体的には配位子上に導電性ポリマーと共役し、しかも重合開始点となる置換基を導入し、より効率の高いホール移動層/増感色素間の電子移動系を構築した。このような色素錯体を用いた固体素子を作製し、上記の系との比較により、より光高率な固体単分子層色素増感型太陽電池の設計指針を明確化した。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 大阪大学, 09232239
  • 半導体超微結晶光触媒の反応活性の設計制御
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    和田 雄二; 北村 隆之; 村越 敬; 柳田 祥三
    1.光触媒作用に対する過剰Cd^<2+>イオン添加効果
    氷冷したN,N-ジメチルホルムアミド中でCd(ClO_4)_2およびH_2Sとの反応から調製した硫化カドミウムナノ超微結晶(CdS-DMF)調製時に過剰のCd^<2+>イオンを加えることにより、光触媒活性が2倍以上に促進されることがわかった。反応系中にスピントラッピング剤としてDMPOを加えることによりCO_2の付加ラジカルを観測することに成功した。
    2.発光スペクトルに対する過剰Cd^<2+>イオン添加効果
    過剰Cd^<2+>イオンの添加はこの表面準位の発光を促進し、その挙動が光触媒活性の変化と対応することから、過剰Cd^<2+>イオン添加は表面準位を形成し、この表面準位がCO_2還元触媒活性点として関与していることが示唆された。
    3.EXAFS測定による表面状態の観察
    CdS-DMFの表面状態の変化をEXAFSにより調べた結果、過剰のCd^<2+>イオンの添加に伴うO配位の増加とS配位の減少が明らかになった。O配位は触媒であるDMF分子の酸素が配位したものであり、添加した過剰Cd^<2+>イオンが表面に吸着し、イオウ欠陥サイトの生成を起こしていることがわかった。
    4.CO_2還元光触媒活性点の構造
    以上の結果を総合すると、CdS-DMF表面上にはCdイオンに隣接するイオウ欠陥サイトが存在し、これがCO_2を強く吸着し、CO_2をそのアニオンラジカルへ還元する活性点として機能していることが証明できた。この欠陥サイトはホトルミネッセンスを示し、CO_2との相互作用はCO_2添加時に発光が増強されることから確認できた。表面モデルを用いた分子軌道計算から、イオン欠陥がCO_2を強く吸着することが示され、この活性点モデルを指示するものであった。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 大阪大学, 09218236
  • 電着による超格子構造の創製と高効率光電変換素子への応用
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1996年
    村越 敬
    (1)電極表面へCdTe超薄膜を形成する手法を確立した。膜の生成過程については電気化学的な観測だけでなく、吸収スペクトル測定をin-situで行い、成長速度、膜の均一性、厚さなどについての情報を膜成長時において同時に収集した。CdとTeを含む水溶液を用い、電位制御下においてCdTe超薄膜を形成し、溶液のpH、電解質濃度、温度、電流密度の効果について詳細な検討を行った。基盤として導電性ガラス、酸化チタン平面電極、酸化チタン多孔質膜を用いてそれら基盤表面上に成長させることに成功した。
    (2)超格子構造の創製法のひとつとして半導体超微結晶の適用を検討した。半導体超微結晶調製にはCdSを用いた。有機溶媒(DMF)中にて溶液温度、硫黄源を変化させることにより、粒径を1から5nmの領域で自在に制御することに成功し、バンドギャップ3.4eVから2.6eVの光吸収構造単位の構築法を確立した。
    (3)上記のCdS超微結晶表面をペンタフルオロチオフェノールなどの有機分子で表面修飾することにより効果的に酸化チタン多孔質膜に担持させる手法を確立した。種々のチオール分子について系統的な検討を行い、修飾分子の担持量、分子分極構造、局所的水素結合の強度依存性に基づき多孔質表面に固定するための最適な修飾剤の条件を明確化した。
    (4)微結晶系における光励起状態安定性を支配する因子について詳細な検討をおこなった。光機能発現下の条件にてX線吸収微細構造分析法(EXAFS)を適用することにより、励起子のトラップサイトとして微結晶表面の格子欠陥サイトが重要な役割を果たすことを初めて実証した。また、上記の表面修飾微結晶系についても修飾剤の結合状態についてその微視的な構造を明らかとして系の励起状態安定性のための指針を明確化した。さらに、調製時の粒径制御機構の詳細についても検討し、半導体微結晶をもちいた光選択吸収構造単位の合成のための必要条件についても明らかとした。
    (5)上記のCdTeおよびCdS超格子担持酸化チタン多孔質薄膜を光増感層とする湿式型光電変換素子を構築し、素子性能の検討を行った。これらにより超格子構造を光増感部とする素子の高効率化のための指針が明らかとなった。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 大阪大学, 08740543
  • 半導体超微結晶の特殊反応サイトの設計制御
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1996年
    和田 雄二; 村越 敬; 柳田 祥三
    1.表面修飾CdS超微結晶の調製とキャラクタリゼーション ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6-テトラフルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基およびフェニル基で表面修飾したCdS超微結晶で表面修飾したCdS超微結晶を調製した。調製した表面修飾CdS超微結晶の表面に種々のチオール分子が修飾していることは、FT-IR(KBr法)および1H、19FNMR測定により確認した。表面修飾CdS超微結晶は、TEM観察により、いずれも立法晶系CdS超微結晶であることが確認された。TEM写真より求めた微径分布より、修飾分子内のフッ素原子数の増大に従い、粒径が2.5nmから3.5nmへ系統的に増大しており、表面修飾分子の選択によりCdS超微結晶の粒径を制御できることが明らかとなった。表面修飾チオラートアニオンのCdイオンに対する求核性の低下が、表面Cd原子への結合による粒子成長停止反応を抑制し、粒径増大をもたらしたものと考えられる。
    2.表面修飾CdS超微結晶の溶解性 表面修飾CdS超微結晶は、種々の有機溶媒に再溶解し、見かけ状均一なコロイド溶液を与える。いずれの面修飾CdS超微結晶もDMFやDMSOといった極性の高い溶媒に対し高い溶解性を示すこと、またその他の極性溶媒に対する溶解度は、修飾分子内のフッ素原子数に依存することを見いだした。特筆すべき結果として、表面修飾フェニル基にフッ素原子を導入することにより、全く溶解性を示さなかったアルコール溶媒に対し非常に高い溶解性を示す。
    このアルコール溶媒に対する表面修飾CdS超微結晶の高い溶解性は、表面修飾基のフッ素原子とアルコール分子間の水素結合と共に、含フッ素ベンゼン環の中心とアルコール分子の酸素原子間との特異的相互作用も重要な役割を果たしていることが、分子軌道計算により示唆された。
    3.表面修飾CdS超微結晶の光触媒特性 本研究で調製、単離した面修飾CdS超微結晶粉末のメタノールに再溶解させた系の光触媒活性を検討したところ、粉末として単離したのにも関わらず、高活性、高選択的量子箱光触媒として機能することが明らかとなった。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 大阪大学, 08232253
  • 高分子半導体不均一光触媒界面における光誘起多電子還元反応
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1996年
    和田 雄二; 村越 敬; 柳田 祥三
    1.オリゴマーを用いたPPyの可視光駆動触媒機構の検討 PPyのオリゴマー(OPy-n,2,2′:5′,2″-テルピリジン(OPy-3)および2,2′:5′,2″:5″,2″″-クオーターピリジン(OPy-4))を合成し、その光化学挙動を明らかにした結果を用いて、PPyの高い量子収率およびヒドリド機構の可能性について検討した。その結果、OPy-nに対して以下の光触媒作用機構を結論した。光励起により生成したOPy-nの励起1重項状態はすみやかに項間交差し3重項となり、TEAにより還元的に消光され、アニオンラジカルとなる。このアニオンラジカルは電子メディエーターに電子を注入するかあるいはプロトン化ラジカルに転換する。OPy-nの高い光触媒活性は長寿命な励起3重項がアニオンラジカルの前駆体として働いているためと結論される。また、プロトン化ラジカルの生成はポリマー鎖中の活性水素種生成と対応していると考えられるが、オリゴマーではバイポーラロン(ジアニオン)が生成できないため、活性水素種とはならず、バーチ還元により触媒活性を失う結果となる。
    2.ペルフルオロポリパラフェニレンによる水分子酸化光触媒作用機構の検討 ペルフルオロポリパラフェニレンの光酸化触媒系における機構を明らかにするため、有機溶媒に可溶なオリゴマー体(F-OPP-n;n=3,4)を用い,時間分解分光法により検討を行った。レーザーフラッシュホトリシスにより、F-OPP-3ラジカルカチオン(F-OPP-3^+°)の生成が確認され、さらに、水の共存下ではこのラジカルカチオンの吸収の減衰が促進されたことから、F-OPP-3^+°が水分子と反応していることが確認された。さらに、DMPOがスピントラッピング剤としてEPRによる実験から、この反応系内ではヒドロキシラジカルが生成していることが確認された。以上の結果から、次の機構を明らかにした。F-OPP-3から生成した光励起種は酸素により酸化的消光を受け、ラジカルカチオンとなる。このラジカルカチオンが水分子を酸化することにより発生するヒドロキシルラジカルがベンゼンに付加し、フェノールが生成する。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 大阪大学, 08218240
  • 分子複合系を用いた光エネルギー蓄積型還元システムの設計と構築
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1996年
    柳田 祥三; FUJITA Etsuk; BRUNSCHWIG B; CREUTZ Carol; SUTIN Norman; 藤原 宏昭; 細川 浩司; 末延 知義; 村越 敬; 伊東 忍; 和田 雄二; 福住 俊一; 緒方 朋行
    p-terphenylを光増感剤とし、4種類の大環状ポリアミンコバルト錯体を助触媒とした水および二酸化炭素の光還元システムについて、反応生成物分析を行い、特に助触媒の幾何学的構造に伴う光還元活性ならびに生成物選択性の変化について検討を行った。
    4種の錯体から特にCoIHMD(HMD=5、7、7、12、14、14-hexamethyl-1、4、8、11-tetrazazcyclotetr adeca-、4、11-diene)を助触媒とする系について、レーザーフラッシュホトリシスを用いて、詳細な反応機構の検討を行った。
    コバルト錯体分子へのメチル基導入に伴い、還元電位の正側へのシフトが観測され、同時に二酸化炭素光還元活性は低下した。これは還元力の低下および二酸化炭素の取り込みに対する立体規制の両者が関わっているためと考えられる。
    p-terphenylのラジカルアニオンから錯体への電子移動が確認され、その速度定数を求めることができた。コバルトが1価に還元された状態では二酸化炭素の配位は解離と平衡にあり、その解離定数を決定した。これらの結果から、金属錯体の構造が変化した場合、電子移動速度はあまり大きな影響を受けないが、二酸化炭素の配位の強さが規制を受けており、これが光還元活性を制御する因子であることがわかった。
    ここで得られた結果は助触媒としての大環状アミンコバルト錯体には二酸化炭素の配位を妨害するような置換基の導入が好ましくないことを示している。従って、以後、助触媒の設計による活性の増加を検討する場合には、配位子のアキシャル位への置換基導入ではなく、中心金属など別の観点からのアプローチが必要と思われる。
    二酸化炭素の有機化合物への電気化学的付加反応に対する触媒として知られているニッケル錯体をp-terphenylを光増感剤とする系での助触媒として用いる系の検討を行った。ニッケルサイクラムを用いた場合では、コバルトの場合に進行したCO_2の還元が起こらず、水素発生のみが観察された。レーザーフラッシュホトリシスによる実験であるhp-terphenylの存在しない条件でも、CO_2存在か313nm光照射でNiL(CO_2)^+を含むNi(I)が生成した。トリエチルアミン(TEA)を含むアセトニトリル溶液中でNi^L_2^+はCO_2と相互作用し、Ni^L(TEA)(CO_2)_2^+を生成した。NiL(CO_2)^+は配位圏のTEAからの光誘起電子移動により生成すると考えられる。現在、CoとNiサイクラムの光化学の相違について検討中である。
    半導体超微結晶(TiO_2、ZnO)/光増感色素(Coumarins 343、D-1421、and D-126)系の溶液内(H_2O、Methanol)での高速電子移動速度を蛍光upconversion法により決定した。水系のTiO2表面においては、色素分子は非常に強く吸着し、効果的にその蛍光は消光される(結合定数<59000M^1、消光比<10^<-2>)。この系における電子移動速度は2.5×10^<-13>sec^<-1>(40 fsec)以下であると決定された。この値はこれまで観測された不均一界面での電子移動速度の中で最適であり、注入電子が半導体伝導帯中でdephasingされた場合の電子注入時間の理論値10-50fsecを実験的に検証したはじめての例である。この不均一系における高速電子注入のstates overlappingと半導体/色素の電子準位間のelectrnoic couplingの効果を明らかとするために、溶媒依存性、色素と半導体の種類依存性を詳細に検討した。その結果、ΔG<0.3eVとなりstates overlappingが減少すると注入速度は二桁以上遅くなることが分かった。また、分子全体の共鳴構造が半導体表面との結合官能基であるカルボシキル基まで達していて且つ、t_<2g>軌道対称性を持つ表面の電子軌道と相互作用することが効果的な電子注入のために重要であり、これらがelectrnoic couplingの状態を支配することを見出した。以上の検討から、高速電子注入を可能とする不均一系の特徴が明らかとなった。
    日本学術振興会, 国際学術研究, 大阪大学, 07044148
  • 複合分子・分子集合系の光誘起電子移動システムの工学的展開
    科学研究費助成事業
    1994年 - 1996年
    柳田 祥三; 村越 敬; 和田 雄二
    1)ナノスケール超微結晶の有機分子による修飾とその物性への影響
    種々のフッ素置換チオフェノール誘導体を用いて表面修飾CdS超微結晶を調製し、アルコールへの分散安定性がフッ素置換の程度が大きいほど高いことがわかり、その安定性がアルコールと修飾化合物の相互作用によることを分子軌道計算を用いて解析した。
    2)ナノスケール超微結晶表面状態と光触媒作用
    CdS超微結晶の表面に存在するS欠陥およびカドミウム塩のカウンターアニオンの影響をEXAFSにより明らかにし、可視光駆動光触媒作用への関わりを論じた。
    3)ヒドリド移動による可視光還元系の解析
    ポリピリジンのオリゴマー類縁体を合成し、その光物理化学過程をレーザーフラッシュホトリシスにより明らかにした。励起3重項の寄与の重要性が明らかになった。ポリピリジンのジアニオン状態を経由するヒドリド生成とその還元反応に対する活性種としての働きを明らかにした。
    4)水の完全分解系の構築および光酸化触媒系の設計・制御
    水の1電子光酸化(HO・の生成)が可能なペルフルオロポリパラフェニレン(F-PPP)を水素発生サイトとしての金属コロイドあるいは錯体と複合化することにより、水分子を同時に1電子酸化および還元水素発生に導く系の構築に成功した。この系の作用機構の詳細な検討を行った。水分子との相互作用の観点から、位置選択的にフッ素化した鎖状芳香族化合物を設計合成し、光酸化触媒の制御法を検討した。
    5)高次複合分子・分子集合系光触媒作用の創出
    芳香族化合物とフッ素置換芳香族化合物の混晶生成について、その構造と安定化駆動力の検討を行い、π-πスタッキング分子間相互作用の存在を示唆する結果を得た。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 大阪大学, 06403023
  • 溶液中における半導体超微結晶の原子配列構造と電子状態のin-situ測定
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1995年
    村越 敬
    (1)半導体超微結晶のCd,Zn原子のk-edge端吸収、及びS原子のk-edge端吸収を測定する手法を確立した。特に溶液内でのCd,Zn原子のk-edge端吸収のin-situXAFS測定に成功した。長光路セル或いは高感度蛍光法を適用することによりこれまでに固体状態のみでしか測定が出来なかった当該の系について溶液内条件下にて良好なSN比をもってXAFS測定を可能とした。
    (2)DMF溶液中でのCd,Znの4核錯体のXAFS測定により錯体の末端修飾分子が溶液内にて溶媒分子と置換していることの直接観察をはじめて行った。
    (3)平均粒径3.6nmのDMF溶媒中のCdS微結晶についてEXAFS測定を行い、微結晶表面の溶媒和状態を検討した。その結果、Cd,Zn原子に対する酸素原子の配位の寄与が見いだされ、さらにその配位数と配位距離の検討から表面のCd,Znサイトが非常に強く溶媒和されており単サイト当たり複数のDMF分子により溶媒和されていることが明らかとなった。
    (4)これまでに光触媒活性、光学特性の変化が確認されている有機分子、無機イオンなどによる表面修飾が施された系についてXAFS測定を行い微結晶表面の溶媒和状態と光機能との相関を明らかにした。特に表面修飾に伴う溶媒和分子と表面との距離の増大が明瞭に観測され、溶媒和状態の変化が確認された。また、硫黄原子の配位数も増大し、以上の表面修飾が微結晶表面の欠陥を減少させることが明らかとなった。
    (5)ZnS超微結晶においては溶液内の共存アニオンにより表面構造が大きく変化し、表面欠陥密度がアニオンと半導体表面との相互作用が強い程、少なくなることが明らかとなった。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 大阪大学, 07740462
  • 半導体超微結晶の特殊反応サイトの設計制御
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1995年
    和田 雄二; 村越 敬; 柳田 祥三
    1.表面修飾された超微結晶作製法の確立 有機溶媒中でCdS、2nS,TiO_2などの粒径、結晶系が制御された半導体超微結晶を調製し、ついで微結晶表面に活性金属(Ru,Pt,Rh,In,Au,Ag)サイトの導入を試みた。担持法としては金属塩溶液を用いた含浸法、光照射による光還元法、さらに直接担持法等を検討し、金属の価数を制御可能な担持法を開発した。
    2.光学特性の分光学的検討 上記で調製した種々の超微結晶の光学特性を各種分光法(UV,ESR,発電光スペクトル、時間分解蛍光分光/いずれも現有設備)により詳細に検討し、そのバルクの性質、表面の幾何学的構造、電子的構造について解析を行い、担持金属サイトが及ぼす半導体微結晶への物性への影響を検討した。担持金属の定量定性には光分子光法を用い、担持状態での電子状態の特徴を明らかとした。
    3.光触媒反応と超微結晶の物性との相関の検討 上記の微粒子を用いてCO_2ならにびプロトン光還元反応における反応生成物の時間に依存した定量、定性ならびに量子効率の波長依存性などを詳細に検討した。上記の担持法を用いることにより光触媒活性を向上させることに成功した。担持金属の種類、担持法を変化させることにより、触媒反応選択性の制御にも成功した。分光計測の結果より得た構造および基礎物性に関する情報と上記反応の実験結果を総合して検討することにより光還元触媒機能向上のための超微結晶の幾何学構造・電子構造、表面修飾分子の必要十分条件を明らかとした。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 大阪大学, 07242248
  • 高分子半導体不均一光触媒界面における光誘起多電子還元反応
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1995年
    和田 雄二; 村越 敬; 柳田 祥三
    1.ポリパラフェニレン(PPP)界面に生成するカルバニオン中間体の反応性
    可視光駆動光触媒としてPPPを用い、ベンゾフェノンのα位炭素にCO_2の挿入反応を詳細に検討した。このCO_2固定系では、ベンゾフェノンの連続的2電子還元によって生成したカルバニオン中間体にCO_2が挿入していることを強く示唆する生成物として、1,1-ジフェニル-1,2-プロパンジオールが確認された。この化合物は電子供与体であるトリエチルアミンの酸化生成物であるアセトアルデヒドとカルバニオン中間体のカップリングから生成する。
    2.多電子還元の活性種としてのバイポーラロンの検出
    ナトリウム金属還元によるPPP骨格中におけるバイポーラロン生成をEPRにより確認した。上記反応の触媒活性種はPPP骨格中に光化学的に生成するバイポーラロンであり、この化学種がベンゾフェノンからカルバニオンへの多電子還元を可能にしていることが示唆された。
    3.オリゴピリジンによるPPy可視光駆動光触媒機構の検討
    可視光駆動光還元触媒能を発現するポリピリジン-2,5-ジイルの機構解明を目的とし、ピリジンの3および4量体を合成し、その光化学的挙動を詳細に検討した。その結果、オリゴポリジンは対応するオリゴフェニレンに比較して高い水還元水素発生活性を発現し、これは3重項励起状態からの高効率なアニオンラジカル生成が原因であることがわかった。また、アニオンラジカルからのプロトン付加体生成が確認され、PPy光触媒作用におけるヒドリド中間体の還元活性種としての働きが示唆された。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 大阪大学, 07228246
  • 分子設計に基づく新規な太陽電池の開発
    科学研究費助成事業
    1993年 - 1995年
    柳田 祥三; 村澤 貞夫; 村越 敬; 和田 雄二; 村沢 貞夫
    (1)酸化チタン超微粒子薄膜電極について高機能化のための改善を行った。高効率なバルク内電子移動を行わせるために高伝導性酸化チタン超微粒子薄膜電極の作製法を確立した。
    (2)酸化チタン超微粒子薄膜電極表面上の光増感色素の効果的な固定方法について検討し、固定量を向上させただけではなく光電流密度、セル開放電位などの光電変換諸特性を改善する手法を見いだした。
    (3)分子太陽電池の機能性色素として最適とされているカルボシキル基を有するルテニウム金属錯体について酸化チタン電極表面との分子レベルでの結合配列状態を赤外振動分光法などにより決定し、光電変換諸特性との相関を明らかとすると共に表面との電子的相互作用の詳細について検討を行った。さらにフォトルミネッセンス測定により色素の光励起状態における溶液中でのエネルギー準位と効率の相関、超微粒子薄膜電極表面との結合性について統一的な見解を得た。
    (4)選定された分子システム太陽電池に最適と思われると他の機能色素を用い、透明ガラス電極、ホールリレーシステムからなる太陽電池の試作を行った。分子太陽電池としての光電変換諸特性ならびに耐光性についての特徴を明かにした。
    (5)分子太陽電池のソリッドステート化の方策について検討した。これまでの湿式太陽電池では電子供与体を含む電解質溶液を用いた方式が検討されてきたが多孔質材料中の固体電解質によるホールリーレー機能化を試み、安定性と電流密度に及ぼす効果を明らかとした。
    日本学術振興会, 試験研究(B), 大阪大学, 05558064
  • 高選択的光反応機能サイトを有する半導体微結晶表面状態のin-situ観測
    科学研究費助成事業
    1994年 - 1994年
    村越 敬
    (1)有機溶媒中で安定に分散可能なCdS超微結晶を用いたCdのk-edgeにおけるin-situXAFS測定の為の手法を確立した。これによりこれまでに固体状態のみでしか測定が出来なかった当該の系について長光路セルを適用することにより溶媒内条件下にて良好なSN比をもってXAFS測定を可能とした。
    (2)平均粒系3.6nmのDMF溶媒中のCdS微結晶についてEXAFS測定を行い、微結晶表面の溶媒和状態を検討した。その結果、Cd原子に対する酵素原子の配位の寄与が見いだされその配位数と配位距離の検討から表面のCdサイトが非常に強く溶媒和されており単サイト当たり複数のDMF分子の酵素原子により溶媒和されていることが明らかとなった。
    (3)これまでに光触媒活性、光学特性の変化が確認されている有機分子、無機イオンなどによる表面修飾が施された系についてXAFS測定を行い微結晶表面の溶媒和状態と光機能との相関を明らかにした。特に表面修飾に伴う溶媒和分子と表面との距離の増大が明瞭に観測され、溶媒和状態の変化が確認された。また、硫黄原子の配位数も増大し、以上の表面修飾が微結晶表面の欠陥を減少させることが明らかとなった。
    (4)XANES測定から溶液内微結晶のCd原子の電子密度が上記の示したように強く溶媒分子で分極されているにも関わらず、バルクの状態に非常に近いことが示された。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 大阪大学, 06740531
  • 高分子半導体不均一光触媒界面における光誘起多電子還元反応
    科学研究費助成事業
    1994年 - 1994年
    和田 雄二; 村越 敬; 柳田 祥三
    1.ポリパラフェニレン(PPP)可視光触媒系
    PPPは可視光照射下において、ベンゾフェノンのα位の炭素にCO_2の挿入反応を行う光触媒として機能する。この申請者らが見出した新規なCO_2固定系では、ベンゾフェノンの連続的2電子還元によって生成したカルバニオンにCO_2が挿入していると考えられる。さらにテトラエチルアンモニウム塩の添加により、挿入反応の促進が観測され、PPP表面におけるカルバニオンの安定性が反応活性に大きな影響を及ぼすと考えられる。この系について、反応条件の変化と生成物の変化を検討し、上記のカルバニオンへのCO_2挿入、アルデヒドの付加、プロトン付加が競争的に進行していることが明らかとなった。また、第4アンモニウム塩、ホスホニウム塩、など分子中に正電荷の大きな非局在性を有する化合物がCO_2固定変換効率の促進に有効であり、これはカルバニオンの安定化によると推察した。
    2.ポリ(4-トリフルオロメチルピリジン-2,6-ジイル)(CF_3-2,6-PPy)可視光光触媒系
    CF_3-2,6-PPyは可視光照射下においてカルボニル化合物の還元反応対する光触媒作用を発現し、この還元反応が連続2電子還元であることが、生成物分布の精査およびトレーサーを用いた実験から明らかとなった。この化合物は強力な発光を示し、トリエチルアミンでの消光が観測されることから、PPPと同様にラジカルアニオン経由の還元機構が推定された。このポリマーは有機溶媒に不溶のため通常の分光法による検討が不可能である。そこで3量体および4量体を合成した。オリゴマーにおいてもCF_3基導入による吸収の長波長シフトが見られ、ポリマーの基礎物性が反映されていることが示唆された。今後、オリゴマーの光化学過程を詳細に検討し、ポリマーの連続2電子還元反応に対する光触媒作用の機構を明らかにする。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 大阪大学, 06239246
  • フッ素系分子・分子集合体の光酸化触媒プロセスの開発
    科学研究費助成事業
    1993年 - 1994年
    和田 雄二; 村越 敬; 柳田 祥三
    1.ペルフルオロポリパラフェニレンにRhコロイドを担持し、これを光触媒として水分子の水素分子およびヒドリキシルラジカルへの同時酸化還元に成功した。ヒドロキシルラジカルは系中に存在するベンゼンにより捕捉され、フェノールとなる。発生水素量は化学量論的にフェノール量から見積もられる量の1/2である。これは、ペルフルオロポリパラフェニレンが反応中にラジカルアニオンを経由して分解するためおよびベンゼンの水素化に電子が消費されるためと考えられる。分子軌道計算からペルフルオロポリパラフェニレンと水分子の間に相互作用があることが予想され、この相互作用が水分子の活性化に重要な働きをしていることが示唆された。
    2.ペルフルオロテルフェニルの光酸化触媒作用機構を明らかにする目的で、レザーフラッシュホトリシスによる光化学過程の検討を行った。ペルフルオロテルフェニルは励起後、速やかに三重項状態に項間公差することがわかった。この三重項状態が酸化的に消光されることによって生成するラジカルカチオンが光酸化触媒作用の酸化種であると推定される。
    3.部分フッ素化デルフェニルの酸化還元電位の測定を行い、フッ素化の程度が高くなるとともに還元電位、酸化電位とともに正側にシフトすることが確認された。
    4.オクタフルオロフェナジンの合成を行い、この化合物が可視光照射下で水分子1電子酸化反応に対する光触媒活性を示すことを確認した。
    日本学術振興会, 一般研究(C), 大阪大学, 05650782
  • 微小物質の幾何学的・電子的構造制御による新機能発現
    競争的資金